知恩院（ちおんいん）は、京都市東山区林下町にある浄土宗の総本山の寺院。山号は華頂山（かちょうざん）。<br />本尊は法然上人像（御影堂）および阿弥陀如来像。開山は法然。<br /><br />知恩院は、浄土宗の宗祖・法然房源空（法然）が、現在の知恩院勢至堂付近に営んだ草庵をその起源とする。法然の布教活動は、浄土宗を開宗する43歳から生涯を閉じた80歳までの長きにわたり、浄土宗の中心地となった。<br /><br />「専修念仏」とは、いかなる者も、一心に阿弥陀仏（阿弥陀如来）の名を唱えれば極楽往生できるとする思想である。<br /><br />現存の三門、御影堂（本堂）をはじめとする壮大な伽藍が建設されるのは江戸時代に入ってからのことである。現存の三門は元和7年（1621年）に建設された。寛永10年（1633年）の火災で、三門、経蔵、勢至堂を残しほぼ全焼するが、3代将軍徳川家光のもとでただちに再建が進められ、寛永18年（1641年）までにほぼ完成している。<br />2011年（平成23年）に大修理を発願し、構造補強などを行い、2019年（令和元年）にひとまず竣工し、内装などの復元を行って2020年（令和2年）4月13日に落慶法要が行われた。<br />本堂平面図<br /><br />知恩院の境内は、三門や塔頭寺院のある下段、御影堂（本堂）など中心伽藍のある中段、勢至堂、法然廟などのある上段の3つに分かれている。<br /><br />御影堂（国宝） - 本堂、法然ゆかりの吉水草庵があった場所であるとされている。宗祖法然の像を本尊として安置することから御影堂（みえいどう）と呼ぶ。<br />入母屋造本瓦葺き、間口44.8メートル、奥行34.5メートルの壮大な建築で、江戸幕府造営の仏堂としての偉容を示している。建築様式は外観は保守的な和様を基調としつつ、内部には禅宗様（唐様）の要素を取り入れている。柱間は桁行（正面）11間、梁間（奥行）9間で、手前の梁間3間分を畳敷きの外陣とし、その奥の桁行5間・梁間5間分を内陣とする。<br /><br />江戸幕府の造営になる、近世の本格的かつ大規模な仏教建築の代表例であり、日本文化に多大な影響を与えてきた浄土宗の本山寺院の建築としての文化史的意義も高いことから、2002年（平成14年）に三門とともに国宝に指定されている。<br />阿弥陀堂 - 御影堂の向かって左に東面して建ち、阿弥陀如来坐像を安置する。1910年（明治43年）再建。<br /><br />大鐘楼（重要文化財） - 宝仏殿裏の石段を上った小高い場所に建つ。延宝6年（1678年）再建。ここにある梵鐘（重要文化財）は日本有数の大鐘で、寛永13年（1636年）の鋳造である<br /><br />方丈庭園（国の名勝） - 江戸時代初期の寛永10年（1633年）に作庭が始まった。<br />南庭 - 池泉回遊式庭園の南池「心字池」は小堀遠州と縁のある僧玉淵によって造られたとされる。<br />北庭 - 池泉回遊式庭園の北池がある。徳川家光御手植の松 - （三代目）<br /><br />山亭庭園 - 大方丈前から石段を上った山腹に位置し、京都市街を一望できる眺望のよい場所にある。庭園は江戸時代末期造営の枯山水庭園である。<br />

京都-5　知恩院ｂ御影堂（国宝）阿弥陀堂　大鐘楼　☆方丈庭園　山亭庭園　一巡り

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2024/04/05 - 2024/04/05

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知恩院（ちおんいん）は、京都市東山区林下町にある浄土宗の総本山の寺院。山号は華頂山（かちょうざん）。
本尊は法然上人像（御影堂）および阿弥陀如来像。開山は法然。

知恩院は、浄土宗の宗祖・法然房源空（法然）が、現在の知恩院勢至堂付近に営んだ草庵をその起源とする。法然の布教活動は、浄土宗を開宗する43歳から生涯を閉じた80歳までの長きにわたり、浄土宗の中心地となった。

「専修念仏」とは、いかなる者も、一心に阿弥陀仏（阿弥陀如来）の名を唱えれば極楽往生できるとする思想である。

現存の三門、御影堂（本堂）をはじめとする壮大な伽藍が建設されるのは江戸時代に入ってからのことである。現存の三門は元和7年（1621年）に建設された。寛永10年（1633年）の火災で、三門、経蔵、勢至堂を残しほぼ全焼するが、3代将軍徳川家光のもとでただちに再建が進められ、寛永18年（1641年）までにほぼ完成している。
2011年（平成23年）に大修理を発願し、構造補強などを行い、2019年（令和元年）にひとまず竣工し、内装などの復元を行って2020年（令和2年）4月13日に落慶法要が行われた。
本堂平面図

知恩院の境内は、三門や塔頭寺院のある下段、御影堂（本堂）など中心伽藍のある中段、勢至堂、法然廟などのある上段の3つに分かれている。

御影堂（国宝） - 本堂、法然ゆかりの吉水草庵があった場所であるとされている。宗祖法然の像を本尊として安置することから御影堂（みえいどう）と呼ぶ。
入母屋造本瓦葺き、間口44.8メートル、奥行34.5メートルの壮大な建築で、江戸幕府造営の仏堂としての偉容を示している。建築様式は外観は保守的な和様を基調としつつ、内部には禅宗様（唐様）の要素を取り入れている。柱間は桁行（正面）11間、梁間（奥行）9間で、手前の梁間3間分を畳敷きの外陣とし、その奥の桁行5間・梁間5間分を内陣とする。

江戸幕府の造営になる、近世の本格的かつ大規模な仏教建築の代表例であり、日本文化に多大な影響を与えてきた浄土宗の本山寺院の建築としての文化史的意義も高いことから、2002年（平成14年）に三門とともに国宝に指定されている。
阿弥陀堂 - 御影堂の向かって左に東面して建ち、阿弥陀如来坐像を安置する。1910年（明治43年）再建。

大鐘楼（重要文化財） - 宝仏殿裏の石段を上った小高い場所に建つ。延宝6年（1678年）再建。ここにある梵鐘（重要文化財）は日本有数の大鐘で、寛永13年（1636年）の鋳造である

方丈庭園（国の名勝） - 江戸時代初期の寛永10年（1633年）に作庭が始まった。
南庭 - 池泉回遊式庭園の南池「心字池」は小堀遠州と縁のある僧玉淵によって造られたとされる。
北庭 - 池泉回遊式庭園の北池がある。徳川家光御手植の松 - （三代目）

山亭庭園 - 大方丈前から石段を上った山腹に位置し、京都市街を一望できる眺望のよい場所にある。庭園は江戸時代末期造営の枯山水庭園である。