2023/10/25 - 2023/10/26
140位(同エリア580件中)
kiyoさん
この旅行記のスケジュール
2023/10/25
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車での移動
自宅を出発
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茅野市の親せき宅に宿泊
2023/10/26
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車での移動
親せき宅を出発
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空飛ぶ泥船
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低過庵
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ときわや食堂
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親せき宅に宿泊
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この旅行記スケジュールを元に
コロナ禍もあけ、日常が戻り始めた2022年10月。
私はまだ新型コロナが怖くて、自宅に引きこもっていました。そんな中、姉に誘われ、長野県茅野市へ行ったことがきっかけで、外に出ても怖くないと気づかされ、再び外出するようになりました。
それから1年後。
「また茅野へ行かないか」と誘われ、再び訪れた地で、以前から気になっていた「空飛ぶ泥船」を間近に見ることができました。それ以外にも、たくさんの発見がある旅となり、誘ってくれた姉と義兄に感謝です(^^)
ちなみに、今回、訪ねた「茅野市神長官守矢史料館」。
「茅野市神長宮守矢史料館」という名でフォートラに登録されていますが、字が違っているようです。
「茅野市神長官守矢史料館」。現地で入手したパンフレットには、そう記載されていました。
宮と官。
紛らわしいですね~。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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【2023年10月25日】
車で長野県茅野市へ向かいます。
今年は酷暑の影響で、紅葉が遅れ気味。
車窓から見える木々も、色づいているのは少しだけ。
この日も、10月末とは思えない暖かさ。
最高気温は22度。
一方、朝晩は気温6度と差が激しく、昼間は長袖シャツ1枚でも、夜は防寒着が必要でした。 -
【2023年10月26日】
昨夜は親せき宅に泊まり、朝10時、「茅野市神長官守矢史料館(ちのし じんちょうかん もりや しりょうかん)」にやって来ました。
「空飛ぶ泥船」を見るため、ここには車を停めるだけのつもりだったのですが…。 -
「神長官 守矢」という表札に、まず驚きました。
史料館の入口なのに、まるで個人宅のよう。
守矢家は、古代から明治時代の初めまで諏訪上社の「神長官」を務め、最高位の神官「大祝(おおほうり)」を補佐していたそうです。
大祝諏訪氏は、現人神(生き神)。
実際に神事を取り仕切るのは、神長官をはじめとする「五官祝(ごかんのほうり)」。
その筆頭が守矢家で、祈祷と政務事務を担ってきたそうです。五官祝には他に、祢宜大夫守屋氏(ねぎだいゆう もりやし)、権祝矢島氏(ごんのほうり やじまし)、擬祝伊藤氏(ぎぼうり いとうし)、副祝長坂氏(そえのほうり ながさかし)がいたそうです。
敷地内には、市指定文化財「神長官守矢家祈祷澱」や、「神長官裏古墳」「神長官邸のみさく神境内社叢」「御頭御社宮司総社」や、江戸時代以前の築造とされる庭園まである。これは、ただの個人宅ではなさそうです。 -
中へ入る前に、入口の左手に伸びる石垣に沿って歩いていくと、
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市指定文化財となっている「祈祷澱」が見えてきました。
神長官守矢家の祈祷は、一子相伝。
これまで行われてきた祈祷調伏の記録には、1542年9月24日、武田晴信(信玄)のために祈祷澱にこもって戦勝祈願を行い、高遠頼継が率いる高遠勢の調伏が行われたとの記述もあるとか。
そんな歴史的な場所が、今、私の目の前にある(@@!
なんだか、すごい場所に来てしまった。 -
そんな事を考えながら、先ほど表札のあった入口まで戻ってきました。
敷地内へ入ると、まず見えてくるのが「神長屋敷」。
昭和4年(1929)に改築した際、
寛政4年(1792)に建てられた当時の部材を使い、
使者の間、大広間、勅使の間などが再現され、
江戸時代の神長官の住まいを今に伝えているそうです。
見学不可なのが残念ですが、
ふと気になるものを見つけました。 -
あれは十字架?
エジプト好きとしては(^^;「コプト十字」を思い浮かべてしまうけれど。 -
その上にも、同じような十字がありました。
これは、丸の中に十字が描かれた「家紋」だそうです。
そりゃ、そうですね~。
諏訪上社の神長官が、十字架を掲げるはずがありません。 -
さらに奥へと進むと「神長官守矢史料館」が見えてきました。
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一風、変わった形をしていますが、
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違和感なく周囲に溶け込む見事なデザイン。
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ここまで見てきた建物の位置関係は、上記のようになっています。
史料館を見る前に、さらに奥へ進んでいくと、 -
わ~ o(*゚▽゚*)o、栗が山盛り!
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ここは「御頭御社宮司総社」。
諏訪大社と密接な関係がある神(精霊)ミシャグジさまが祀られています。 -
イチオシ
社を守るように茂っているのは、カジノキ、カヤ、そして栗の木です。
市天然記念物「神長官邸のみさく神境内社叢」に指定されているそうですが、2本あるカジノキのうち、1本は樹齢100年以上。諏訪大社の神紋に由来する樹種で、この地方では珍しく貴重な木なんだとか。
なんだろう、ゾクゾクする (0_0)
木々から強力なオーラが放たれているような。
そんな気がして、思わず拝んでしまいました。 -
ファインダーに収まらないほどの巨木です。
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うねるような幹には
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ぽっかり穴があいています。
これは、異界への入口か!?
コニャニャ、落ちないないでね~。
…と空想にふけっていたら、 -
姉が、近くで古墳を発見。
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これは「神長官裏古墳」。
おそらく7世紀中葉のものと思われます。側壁は大小の瓦石を穹窿状に積みあげ、天井石は板状節理の磐石を用いているそうです。 -
玄室は奥に行くにしたがって狭くなり、入口幅が1.75m、高さは2.3m、奥行は3.75mもあります。
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ふと、奈良の「石舞台」が思い出されました(上の画像は2014年3月に奈良で撮影)。
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規模は全然、違うけれど(上の画像も2014年3月に奈良で撮影)。
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茅野にも古墳があるなんて (@o@)
私は今、すごい場所に立っているのかも。 -
古墳を背にして見えてくるのは、
左が、神長官守矢史料館。
右が、神長屋敷です。 -
神長官守矢史料館へ戻る途中、木札が目にとまりました。
相当、古いものなのか。「泥船」しか判読できません。
それでも、大事なことを思い出しました。
そうだ (゜д゜) ここに来たのは「空飛ぶ泥船」を見るためだった。
テレビ東京「美の巨人」という番組で、
その存在を知り、いつか見たいと思っていました。
それなのに、忘れちゃうなんて (*_*;)☆\(-_-メ) -
道案内にそって歩いていくと、ありました!
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徒歩3、4分ほどで到着です。
ピンクの矢印は、晴天時のコース。
青は荒天時のコースで、違いは舗装道路を通るか否かです。 -
この日の気温は、摂氏20度。
上着のいらない暖かさ。
過ごしやすいのはいいけれど、この時間帯は、逆光で撮りづらいのが玉にキズ。 -
「空飛ぶ泥船」。
兜をかぶり眼鏡をかけた足軽の少年の顔みたい (^。^) -
いやいや、竹馬で歩き去ろうとする後姿かな。
ジブリ映画「ハウルの動く城」に出てきてそう (^。^) -
近くには、梯子が置いてありました。
これで泥船に登るのかな?
あんなに高い所まで!?
想像するだけで足がすくみます…。 -
この泥船の重量。
かなりのものだと思うのですが、 -
たったこれだけで支えているなんて。
世界の七不思議に加えたいくらい!? -
こんなの作っちゃうなんて、すごいな。
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時刻は、午前11時。
空飛ぶ泥船から戻ってきて、ようやく神長官守矢史料館の見学開始。入館料は、たったの100円。
入口には、新型コロナ対策の検温器。
展示は一階のみ。
二階には上がれません。 -
一階では「御頭祭」が再現展示されていました。
江戸時代まで、諏訪上社で行われていたお祭りで、諏訪上社前宮 十間廊に、鹿の首が供えられていたそうです。
その数、なんと75頭!(゚ロ゚)
とんでもない数ではないですか。
現在も、毎年4月15日に?製の鹿の首を供えて行われる重要な神事なのだそうです。 -
他にも右から、兎の串刺し。
焼皮(猪、鹿)。
脳和(のうあえ。鹿の肉と脳味噌の和え物)。
生鹿 生兎(肉を煮て味付けしたもの)など。
残酷すぎて、とても正視できません(><) -
この鹿の頭部は「耳裂・鹿」。「神の叧にかかった」という説明がありますが、何のことだか、意味不明…。
実は、この鹿がここを訪れることになった、きっかけです。空飛ぶ泥船についてネット検索していたら、表示されたのが、この鹿の頭部画像。 -
語りかけてくるような表情から目が離せなくなりました。
これは、実物を見てみたい。
そう思って訪れたわけですが、他にも興味深い展示がこれほど目白押しだとは思いもしませんでした。 -
壁に掲げられた剥製たちは、笑みを浮かべていたり、
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目を伏せ、すべてを受け入れるような顔をしていたり。
あまりにも生々しく、今にも動き出しそうです。 -
その奥には、もうひとつ展示室があり、
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14世紀から16世紀の灰釉陶器、緑釉陶器、土師器の破片や、石板、火打石、鉄砲玉など、神長官邸遺跡の下層礎石建物址から出土した品が展示されていました。
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上の画像の展示品は、
右が「日本一社 鹿食免 諏方宮 神長官」。
左には「日本一社 鹿食箸 諏方神社」と書かれています。
肉食が忌避されていた江戸時代。
これを持っていると、肉を食べてもOKだったそうです。諏訪大社でのみ発行され、神社の神職たちが檀家へ贈っていたそうですが…。
え~、なに、それ(^^;)!?
これって職権乱用!? それとも、賄賂!? -
…と、つっこみを入れたくなりますが。
総じて興味深い品が多く、充実した時間を過ごせました。 -
見学を終えて帰ろうとすると、入口でもらったパンフレットに「館内の見所」という記載がある。そのことに姉が気がつき、一度、外に出たものの、再び館内へ戻りました。
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ひとつめの見所は「鉄鐸型の入口の電灯」。
夜は、穴から漏れでる灯りが幻想的なのだそうです。
この”鉄鐸”というのは、 -
祭礼の時、杖の先につけて振って鳴らしたと考えられています(上の画像は、館内に展示されていた鉄鐸です)。
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見所ふたつ目は、窓。
ステンドグラス用の透明な手吹きガラスだそうです。
気泡が入っているのですが、 -
目玉が二つ、こっちを見てる。
シーツをかぶった三角形のドワーフみたい(^^) -
この窓を外から撮影すると、
ガラスに何やら動物の姿が浮かんで見えるような…。
いやいや、私の目の錯覚か。 -
窓を囲む「外壁」も、見どころのひとつです。
ここで使われている「サワラの割り板」は、鉄の楔と木の楔(くさび)を、木づちで丸太に打ち込んで割ったもの。茅野市最後の板割り職人、矢沢忠一さん(故人)が作られたそうです。 -
館内の見所よっつ目は、スイッチ。
場所がわからず、係りの方に案内してもらいました。
場所は、トイレ手前の壁。 -
金敷の上で叩いて作る鍛造金物。
手すり、ノブ、蝶番などに使われるのが通常で、電気スイッチの金具まで鍛造金物にするのは珍しいのか。解説には「必見」と書いてありましたが、素人には、その価値がまったくわかりません…。 -
空間を広く見せるため、壁と床の接点が丸くなっている点も、見所のひとつだそうです。
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屋根に葺かれているのは、上諏訪産の鉄平石。
高層屋根は、宮城県雄勝産の天然スレート。
軒は、フランス産の天然スレート…。
などなど細かい工夫やこだわりが随所に見られますが、果たして気づく人はどれだけいるのでしょう。
要するに、小さな史料館ではありますが、
見るべき箇所がたくさんあるということです(^-^)
さて、これで全部、見学したかな。
次へ行こう…と思ったら、「高過庵」を見逃していたことに気がつきました。先ほど見た「空飛ぶ泥船」のそばにあったらしいのです。
あぶない、あぶない。
あやうく見逃して帰ってしまうところでした(T□T)
以上、ご覧いただきありがとうございました。
この後は「2.その発想にびっくり仰天!」https://4travel.jp/travelogue/11898869 へ続きます。茅野市神長宮守矢史料館 美術館・博物館
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この旅行記へのコメント (1)
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- salsaladyさん 2024/05/28 09:12:44
- 茅野市の文化度が素晴らしい~
- ☆空飛ぶ泥船。。。以前どこかで見た事が有り、一度訪れたいけれどほかに何が有るんだろう?と疑問でした。
☆こんな(失礼)ローカルの山の上にぶっ飛んだ発想のシュールな建造物を許可する自治体が生かしてる。こんな素敵な市政を司る市民感覚が羨ましいな!
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