大阪太子町の古墳めぐり

2023/10/28 - 2023/10/28

昨年末、大阪府富田林市を中心に路線網を持つ金剛バスが廃業しました。
地方ならともかく、大阪都市圏でのバス会社の廃業は驚かれました。

その富田林市に隣接し、金剛バスのテリトリーだった太子町には聖徳太子をはじめとする古墳が多くあります。
今回は富田林駅でレンタサイクルで古墳巡りをしてみました。

エリア 河南・太子(大阪)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• 交通: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 自転車

朝、宿泊した旅館の近くにある瀧谷不動尊へ散歩に行きました。
なんでも弘法大師・空海が開基したという由緒あるお寺だそうです。

眼病平癒の参拝客が多いとか。
眼病平癒かどうかはわかりませんが、参拝者が多く来ていました。

瀧谷不動明王寺 寺・神社・教会

今日は縁日でもあるそうで、駐車場にはたくさんの出店が出ていました。

宿のご主人に聞くと、昔はこの瀧谷不動尊から近鉄の駅まで１キロ以上出店が続ていたそうです。

宿から滝谷不動駅へ行き、近鉄線に乗って富田林駅へ向かいます。

滝谷不動駅 駅

昨日も訪れた富田林駅でレンタサイクルを借りてスタート。
本当は電動レンタサイクルを借りたかったけど、今は無いとか。

富田林駅 駅

まずは富田林駅から片道５キロ、隣の河南町にある近つ飛鳥博物館へ行きます。
公共交通機関だと昨年廃業した金剛バスの路線しかありませんでしたが、今は代替バスが運行されているようです。

大きな仁徳天皇陵の模型をはじめ、古墳についての展示が充実している博物館でした。
ここで付近の古墳についてのMAPを入手しました。

大阪府立近つ飛鳥博物館 美術館・博物館

河南町から太子町に出て、まず推古天皇陵。
推古天皇は第３３代天皇で、日本初の女性天皇です。
聖徳太子を摂政に任命したことで学校の教科書にも出てくる天皇です。

ただ、飛鳥時代の天皇のイメージでしたが、大阪府のこの太子町に古墳があるのは少し意外でした。

推古天皇 磯長山田稜 名所・史跡

推古天皇陵から１キロほど離れたところに小野妹子の墓があります。

小野妹子は聖徳太子が使わした遣隋使だった人で、この人も小学校の教科書に出てきます。
「妹子」という名前から女性と思ってしまった小学生も多数いる人です。

小野妹子に始まる小野氏は遣隋使の功績で子孫は貴族の家として栄えました。
「美女」とされる小野小町もそのひとりです。

小野妹子の墓 名所・史跡

太子町の道の駅で一休み。

この道の駅のある場所からは「旧竹内街道」という古代からの道があります。

道の駅 近つ飛鳥の里太子 道の駅

旧竹内街道は、海に面した現在の堺市から奈良県の現在の葛城市までの２６キロの街道です。
推古天皇の時代につくられた「日本最古の国道」です。

近くにある竹内街道歴史資料館ではこの竹内街道の歴史、役割、ジオラマなどで詳しい展示がされていました。

竹内街道歴史資料館 美術館・博物館

現在では舗装もされ、家々も新しく、古代の「国道」の面影は感じられませんが、雰囲気のあるいい道ではありました。

竹内街道交流館 名所・史跡

竹内街道沿いには孝徳天皇陵がありました。

孝徳天皇大阪磯長稜 名所・史跡

孝徳天皇は第３６代天皇。
「大化の改新」のあと、天皇となり、大阪の難波京を都としました。

しかし、大化の改新の中心であった中大兄皇子（のちの天智天皇）と対立して、中大兄皇子らが孝徳天皇の皇后だった間人皇女も含めて一斉に飛鳥に帰ってしまい、いわば置き去りにされてほどなくさびしく死んでしまいました。
大阪難波に都があったのに、ここに古墳というのもこれまた意外でした。

大道旧山本家住宅 名所・史跡

やはり竹内街道沿い、太子町の中心部にある用明天皇陵。
用明天皇は第３１代天皇。
推古天皇の兄、聖徳太子の父になります。
用明天皇の時代に、仏教受け入れ派の蘇我馬子と仏教反対派の物部守屋の争いが激しくなり、用明天皇崩御すると、ただちにこの両者で戦となり、蘇我馬子が勝利し、日本は仏教を受け入れることとなりました。

用明天皇陵 寺・神社・教会

用明天皇陵の近くに聖徳太子の陵墓があります。
現在は叡福寺というお寺があります。

叡福寺 寺・神社・教会

さすがは聖徳太子。
叡福寺はとても大きなお寺です。

その叡福寺の奥に聖徳太子の陵墓がありました。
聖徳太子信仰のおかげで立派な御廟となっていました。

聖徳太子御廟 名所・史跡

聖徳太子の陵墓からさらに進むと敏達天皇陵がありました。
敏達天皇は第３０代天皇。
推古天皇の兄であり、夫にあたる天皇です。

結局のこの近辺には３０代敏達、３１代用明、３３代推古、３６代孝徳、そして聖徳太子と多くの皇族の陵墓が集まっていました。
何か理由があったのでしょうか。

太子町から富田林駅へ戻る途中に河内源氏３代のお墓があります。

清和天皇の始まる清和源氏の子孫である源頼信はこの地を本拠としたために「河内源氏」と呼ばれました。
源頼信は今年の大河ドラマの主人公・紫式部の時代の武士です。
藤原道長に仕え、１０３１年の上総国（現在の千葉県）で起きた平忠常の乱を鎮圧して、武名をとどろかせました。

源氏三代の墓 名所・史跡

近くの源氏の屋敷跡にある源頼義の墓です。
頼義は頼信の息子です。
１０５１年に陸奥で起きた前九年の役で安倍氏を滅ぼして武名を上げました。
この時安倍氏の味方だった藤原経清をとらえて斬首しています。
その斬首した藤原経清の息子が藤原清衡です。

大河ドラマ「炎立つ」では故・佐藤慶さんが演じていました。
主人公の藤原経清は渡辺謙さん、頼義の息子・源義家は佐藤浩市さんでした。

源義家の墓です。
義家は父・頼義に従い前九年の役に参加。
３０年後、今度は後三年の役で、清原氏を滅ぼして武名を上げ、武家の棟梁としての地位を確立しました。
さすがに祖父、父に比べて立派なお墓です。

義家が公家からも「天下一の武勇の士」と呼ばれたことで、そのブランドは子孫に引き継がれ、４代後の玄孫・源頼朝が天下を取ることになります。

この旅行記へのコメント （1）

• たびたびさん 2024/01/08 09:20:27

  参考になりました

  このエリアはレンタカーじゃないと無理かなあと思っていましたが、レンタサイクルでも回れるんですね。とても参考になりました。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たびたび