紅葉の奈良公園と志賀直哉旧居

2022/11/25 - 2022/11/25

　この秋は紅葉の当たり年、全国から紅葉便りが聞こえてくる。奈良公園は例年賑やかな中国からの観光客も少なく、「燃える秋」を満喫した。数えきれないくらい歩いた奈良公園だが、今年の紅葉は最高クラス。２年前の同じ時期に訪れた高畑町の志賀直哉旧居の写真も併せて載せた。

　10月、11月だけで20冊の旅行記。この秋はよく遊んだ。来週はもう師走。

エリア 奈良市(奈良)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

　今年の奈良公園の紅葉は特に美しいと聞いて、カミさんとやって来ました。東大寺に近い県庁近くの駐車場は混雑しますが、少し離れた高畑駐車場は比較的すいています。

　スタートは浮御堂のある鷺池

鷺池 自然・景勝地

　朝早いので人が少ない。

鷺池 自然・景勝地

　青空をバックに鮮やかな紅葉。

　水面が鏡のように青空と紅葉を写しています。

　浮御堂

浮見堂のサルスベリ 花見

　鷺池から坂を上り浅茅ヶ原へ

　鹿の脚は華奢ですが急な坂も楽々に上り下りします。

　浅茅ヶ原から見た鷺池

　再び鷺池に沿って南に歩きます。

　振り返ると浮御堂。背後は春日山原始林。

　日差しを浴びた鹿の群れ

　荒池越しに奈良ホテルの甍が見えます。

奈良ホテル 宿・ホテル

　明治４０年創業の料理旅館「江戸三」。

江戸三 宿・ホテル

　趣ある数寄屋造りの建物が点在。

江戸三 宿・ホテル

　興福寺の中金堂。最近３百余年ぶりに再建されました。

興福寺 中金堂 寺・神社・教会

　五重塔

興福寺五重塔 寺・神社・教会

　南円堂

興福寺 南円堂 寺・神社・教会

　車道を渡り奈良公園の中を流れる吉城川の畔へ。

　春日奥山から流れ出す吉城川は小さな小さなせせらぎ。

　せせらぎに沿ってモミジ並木があり、奈良公園の中でも最も好きな場所です。

　青空をバックに錦が鮮やか。

　ここには鹿も水を飲みにやって来ます。

　小春日和の日差しを浴びて気持ちよさそう

　この時期は鹿の発情期。

　これは雌ですが、発情期の雄は気が立っているので要注意。

　鹿せんべいをねだる鹿たち

　せせらぎに沿って東へ歩くと、

　奈良春日国際フォーラム 甍～I・RA・KA～。以前は奈良県新公会堂と呼ばれていました。

奈良県新公会堂 名所・史跡

　正面入口横の築山も見事な紅葉

　池に写る紅葉

　ここから紅葉越しに東大寺大仏殿の甍が見えます。

　奈良春日国際フォーラムには美しい日本庭園があり、無料で入場できます。

　奈良春日国際フォーラムの日本庭園

奈良県新公会堂 名所・史跡

　奈良春日国際フォーラムの日本庭園

　建物のガラス窓に映る日本庭園

　奈良春日国際フォーラムの日本庭園

　奈良春日国際フォーラムの日本庭園

　奈良春日国際フォーラムの日本庭園

　奈良春日国際フォーラムの日本庭園

奈良県新公会堂 名所・史跡

　奈良春日国際フォーラムの日本庭園

　奈良春日国際フォーラムを出てしばらく行くと見事な銀杏の大木

　黄色の絨毯

　緩やかな坂を上がると東大寺法華堂（三月堂）

　その奥に東大寺二月堂。旧暦２月に行われる修二会（お水取り）が有名。

東大寺二月堂 名所・史跡

　二月堂の舞台。暗闇の中で大松明が燃やされるのはこの舞台。

　向こうに見えるのは大阪と奈良の県境をなす生駒の山並み。

　奈良春日国際フォーラムの裏を歩いて、

　古民家風の茅葺屋根が印象的な水谷茶屋へ。

水谷茶屋 グルメ・レストラン

　何時も多くの観光客が休んでいます。

　ここから春日大社に行く途中には多くの鹿がいました。

　母と子

　鹿の目は優し気でいい。

　春日大社の回廊に並ぶ沢山の釣燈籠。毎年２月と８月に万燈籠が開催されます。

春日大社回廊 寺・神社・教会

　境内に阿倍仲麻呂の望郷の歌碑

　春日大社に参拝して南門を出ました。

春日大社 寺・神社・教会

　春日大社から下の禰宜道(ささやきの小径)を歩くと、

　志賀直哉旧居のある高畑町に出ます。

　志賀直哉旧居の表門。直哉は大正１４年 に京都山科から奈良幸町の借家居を移し、4年間を過ごした後この上高畑町に居を構えました。家屋の設計にあたっては直哉は自ら筆を執り、京都の数寄屋大工の棟梁・下島松之助に建築を依頼しました。
　～志賀直哉旧居HPより

志賀直哉旧居 名所・史跡

　
　直哉が住んだのは昭和１３年までの９年間。以後は人手に渡るなどの経過を経て、現在は奈良学園のセミナーハウスとして一般公開されています。

　２０２１年１１月に義弟夫婦と訪れた時の写真が残っていました。

　１階の広い食堂。訪れる来客はここで家族と一緒に食事をしました。また、子供たちの娯楽室でもありました。
　～志賀直哉旧居HPより

　食堂から続く１５畳のサンルーム。床は黒の瓦敷き。この部屋に多くの文人や画家が集い、芸術を語り人生を論じたり、麻雀、囲碁、トランプ等の娯楽に興じました。
　～志賀直哉旧居HPより

志賀直哉旧居 名所・史跡

　そのような集いが人間的な交際の場や文化活動の核となり「高畑サロン」と呼ばれるようになりました。

　写真の中列中央に、武者小路実篤と志賀直哉が並んで写っています。

　台所には、大きな流し台があり、当時は珍しかった冷蔵庫も設置されていたそうです。
　～志賀直哉旧居HPより

　志賀直哉は２男６女の子宝に恵まれました（内２人は夭逝）。子供部屋はサンルームと離れた場所に配置し、子供たちが来客の双方が気兼ねなく振る舞えるようの配慮されています。
　～志賀直哉旧居HPより

　廊下を北側に行くと、

　６畳の茶室。直哉は来客と気軽に話をしたり、将棋をさしたりする部屋にするつもりだったようですが、結局、夫人と子供たちのお茶のお稽古に使われたようです。
　～志賀直哉旧居HPより

志賀直哉旧居 名所・史跡

　建築を請け負った下島松之助が 裏千家関係の数奇屋大工だったため、精魂込めて造られています。

　茶室から見た中庭

　緑の苔に紅葉が鮮やか。

　茶室の隣は６畳の洋室。北側に位置し、日差しの変化が少ない落ち着いた部屋で、書斎に使われました。

志賀直哉旧居 名所・史跡

　２階に上がるともう一部屋の書斎。「暗夜行路」はここで書かれたそうです。

志賀直哉旧居 名所・史跡

　随所に和と洋がほどよくミックス

　書斎の隣は客間。

志賀直哉旧居 名所・史跡

　窓から見える若草山の景色がすばらしい。

　最後に庭に下りてみました。背後はサンルームと台所。

　庭をぐるりと回ると２階の客間。

　高畑の静かな通りを歩いて駐車場へ。１．６万歩の紅葉散策でした

この旅行記へのコメント （2）

• ポテのお散歩さん 2023/12/27 14:33:18

  吉城川の紅葉

  万歩計さん　こんにちは。
  
  同じ年の12月1日に奈良の紅葉を見ましたが
  少し遅かったです。
  万歩計さんが歩かれた頃が一番綺麗ですね！
  吉城川の紅葉は、奈良ならではの景色で
  谷底の鹿を見下ろしながらの 背景の紅葉が美しいです。
  少ない川の水に紅葉が写るのも風情がありますね。
  
  奈良春日野国際フォーラムに このような日本庭園があるのは
  知りませんでした。
  たくさん歩いたつもりですが、まだ東大寺や ならまち近辺だけです。
  志賀直哉旧居の辺りも歩いていません。
  
  奈良だけでも行きたい所を挙げればきりがありません。
  一ヶ所づつコツコツ歩くしかないですね(^-^;
  
  今年も1年、旅行記を見て下さり ありがとうございました。
  来年も宜しくお願いします。
  良いお年をお迎えくださいね(*^-^*)
  
  　　ポテ

  万歩計さん からの返信 2023/12/27 22:44:42

  Re: 吉城川の紅葉

  　ポテさん、こんばんわ。いつも有難うございます。
  
  　京都はチョット遠いけど、奈良公園は思い立ったら車で簡単に行けるのでいいです。この時は確かNHKで数日前に奈良公園の紅葉風景が紹介されたので思い立ちました。今回は鹿の写真を比較的うまく撮れました。そっぽを向かれるなど、これまでなかなかうまく撮れなかったけど。
  
  　これからも奈良に来られるなら、お勧め場所は高畑界隈と春日山遊歩道です。前者は志賀直哉を始めとした文人や芸術家に愛された場所で、閑静な住宅街の中に歴史的建物がカフェなどになっています。後者は少し距離がありますが春日奥山原始林の中の整備された遊歩道を歩けます。途中から若草山の山頂に出ると奈良公園と奈良市街が一望できます。
  　　https://4travel.jp/travelogue/11482965
  
  　私の海外旅行記を順番に丁寧に見て頂きありがとうございます。ポテさんの「京のお散歩」シリーズは素晴らしい。居ながら京都の四季を楽しめます。
  　どうぞよいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いします。
  
  　　万歩計