2017/10/02 - 2017/10/03
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鯨の味噌汁さん
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いまから34年前、春まだ浅き2月のこと。
配偶者は、ひとり、フランスを旅した。
いやいや正確にはまだワシの「配偶者」ではなかったけど。
パリに降り、シャンティ競馬場まで行き、凱旋門賞馬・オールアロングと逢った。
その後、列車を乗り継ぎ、ディジョン郊外、ヴェズレーの村をめざした。
なんでそんなイナカまでいったのかとゆうと。
学校の「西洋美術」の講義で、ヴェズレーのサント=マドレーヌ大聖堂の彫刻について、先生が絶賛したんだという。
「どうしても実物が見たくて」
酔狂にもほどがある。
昭和が終わるまで10年を切っていた。まだバブルは始まっていなかった。
卒業旅行でヨーロッパに行く学生は、それなりにいたけれど、その大半はツアーだった。
ましてや女子の一人旅は珍しかったと思われる。
その旅で、彼女が一人でバスに乗ってると、どやどやと、日本人の団体が乗り込んできたそうな。
日本人に何日も会っていなかったから、つい嬉しくなり、
「日本の方ですか」
と声をかけると、相手はビックリして、
「ベトナム人かと思った」
なんてゆわれた。
・・・てな話は置いといて。
今回、彼女が
「もう一度、あの丘に立ちたい」
なんてゆうので、この旅の目的地のひとつに設定した。
(写真は34年前、シャンティで)
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー
-
月曜日、曇り時々雨。雨といっても、顔にパラパラと降りかかる程度で傘はいらない。
地下鉄を乗り換え、パリ・リヨン駅まで移動する。 -
TGVでディジョンまで行き、そこからレンタカーでヴェズレーを目指す。
ヴェズレーはフランスの「美しい村」の一つで、丘のてっぺん大聖堂が鎮座する小さな村だ。 -
村までの交通手段を確かめると、バスしかなさそうなので、ディジョンからレンタカーを予約していた。
11時50分、ディジョン着。まずは町歩きだ。
駅前のレンタカー事務所に顔を出すと、荷物を預かってくれた。
身軽になって、たらたら歩いて旧市街へ向かう。 -
彼女曰く、
「ディジョンは美食の町なんだよ。マスタードが有名なの。それとエスカルゴが食べたい!!」
どうどう。コーフンしないように。たかがデンデンムシではないか。
通りには老舗らしいマスタード専門店があった。
中をのぞくと、黒塗りのツボが、ど高めの価格で売られていた。
峠の釜めしで、容器が5000円するようなもんだな、こりゃ。
もっとも中身は安いんだけどね。 -
通りに並ぶレストランを物色し、手近なところに潜入する。
おおお、ちゃんとテーブルにはマスタードが置いてある。さすが名物。
でもって迷うことなく、エスカルゴを注文。
しかしまぁ、エスカルゴってのはなんで6個セットなんだろう。
でもって、必ずあの「タコ焼き器」みたいなのに入ってるよねぇ。 -
さらに、「まつ毛ビューラー」みたいなのがついてくる。これもお約束らしい。
思わず配偶者の耳だの鼻だのつまみたくなるが、無論そんなことやってはいけないのである。 -
さて、町をぶらぶらして昼飯を食い、駅前のレンタカー事務所に戻ると。
担当のお兄ちゃんは、書類をざざっと英語で説明し(⇒全然わからん)、ワシにカギをホイと渡して、向かいのビルを指さし
「駅ビルの立体駐車場に停めてあるから勝手に乗っていけ。ナンバーはここに書いてある」
自分でそこまで行くんかい!
クルマの説明ないんかい!!
ワシフランスで運転するの6年ぶりなんですけど!!!
なんか適切なアドバイス欲しいんですけど!!!!
…ブツブツ言いつつ、それでも駐車場でクルマを発見。
どかどかと荷物を積み込む。
さらにiPadでグーグルマップを開き、現在位置を認識させ、目的地を入力し、そのまま彼女に渡し、
「日本語でガイドしてくれるんだよ。助手席でナビしてちょ」
彼女は機械オンチ・方向オンチ・運動オンチ、堂々のオンチ三冠王であるが、iPhoneと親しむこと5年、アップル製品とは仲がヨイから、さすがの三冠王も使いこなせるに違いない。
駄菓子菓子、じゃなくてだがしかし。走り始めるとすぐに画面を見つめつつ彼女がゆう。
「画面が勝手に変わったよ」
いやいやいやいや。勝手に変わらないから。触るから変わるんだから。
それよりこの交差点、どっちに行くんだよ、ナビしてよナビ。
「わかんない」
右折しろとか左折しろとか、日本語で出るでしょーが。
「動かないよ」
右にスワイプするのだよ。
「スワイプってなに」
ししししし、しまった。iPhoneいじれるからってiPadいじれるとは限らないんだった。
かつ、google map がいくら便利でも、ブッツケで使いこなせるわけがない。日本で予行演習すべきであった。
…とサル並みに反省するが、すでにとき遅く。
クルマはディジョン市内を虚しくグルグル回り、いつまでたっても抜けられない。
チビクロサンボのトラかよワシらは。
バターになっちゃうぞ。いやいやディジョンだからマスタードかしら。 -
やむなく路肩にクルマを停めて、シトロエンのカーナビを起動。トーゼンフランス語しか対応してない。それでもなんとか目的地を入力し、ようやく走り出す。
彼女の方はホッとしてiPadを裏返しにしようとするので、
「それも併用しようよ、慣れたら日本語で便利だし」
が、google map はいったん経路を逸れると沈黙してしまう。
都合の悪いことは「知らんぷり」かよ、ええい役に立たん!!
路上のフクロウの目印の方が使えるぞ!! -
ヴェズレーまでは、高速を経由して120キロほど。
途中、サービスエリアにクルマを突っ込み、のんびりオシッコなんぞしてクルマに戻り、バック(⇒マニュアル)で出そうとすると。
バックギアが入らん。
どうやっても入らん。
押しても引いても入らん。
シフトレバーを観察すると。
バックは初速の左上で、そこだけちょっと離れて表示されてる。これは通常「深く押し込む」か「引っ張り上げる」のどちらかの操作のはずなのだが、両方やってもダメなのだった。
駐車場から出せないですたい星くん。
どーにもならんですたい星くん。
「バックギアが入らんですたい!!」
サモンホーサクになり、彼女に告白。
すると意味なくドヤ顔になり
「そんなことも確認しないでよくクルマ借りるよねー」
ううう、運転できないヤツがそゆーことゆうたらいかんと思う!
それでもgoogle先生に「シトロエン バックギア 入れ方」 でお伺いを立てると、個人のブログに
「シフトレバーの直下にあるリングを指で引き上げながらバックに入れる」
なんてことが書いてあった。誤作動防止のためだそうな。
つまりは先っぽだけでなく、サオも優しくつつみこまないとイケナイのであった。
フーゾク店の修行かよ。 -
アバロン経由で、午後6時過ぎ、ベズレーにたどり着く。
重い曇天、すでにして村はうす暗く、風が冷たい。
麓の駐車場にクルマを停めて、村の坂道をたらたら上がり、聖堂脇のホテルを目指す。 -
34年前、一人でこの村にやってきた時、彼女はアバロンから8キロ、とぼとぼと歩いたそうな。
22歳の女子大生は、この聖堂を見るためだけに田舎道を歩き、最後は陽が暮れて真っ暗になり、通りかかったパトカーに拾ってもらったという。 -
・・・よくそんなムチャしたね。
「若かったしねー、貧乏だったから、タクシーの発想もなかったよね」
そうだよなー。あのころタクシーなんて考えもしなかった。
サント=マドレーヌ大聖堂は、夕暮れの中、丘の上に立っていた。
左右不対象で、塔の上の方はコケが張り付き緑色になっている。 -
かつては聖遺物があり、ここが巡礼の出発点だったそうだ。
だからお約束の「ホタテ貝」のマークが、ちゃんと路面に埋め込まれている。 -
やがて、日が暮れた。
ライトアップが始まった聖堂の扉は、まだ開いていた。 -
中に入ってみる。
ろうそくの明かりがわずかにあり、あたりは深い闇だ。
その闇の中に、何人かの人影。
びっくりする。
近づくと、巡礼者らしい木彫がひっそりと立っていた。 -
彼女によると、この彫刻が有名らしい。(⇒ワシはさっぱり分からんけど)
「これを見に来たんだよ」
懐かしそうにゆうのだった。 -
あのころ、ふたりは付き合ってはいたけど、まだ結婚はしていなかった。
まだ学生だったしね。
結婚して、3人の子供がやってきて、その子供たちもそれぞれ独立して家を出て行った。
子育てが終わってまた訪ねてくるなんて、当時は思ってもいなかったろうな。 -
大聖堂の横に建つ小さなホテルは、当然のようにわれわれの貸切だった。
付属のレストランは月曜でお休みだ。 -
日の落ちた村をぶらぶらと歩く。
坂の途中に営業しているバーがあった。 -
のぞいてみると、地元の方々がのんびり地ワインを飲みつつ、おしゃべりしているのだった。
テーブル席に陣取り、ワインとビール、それにシャンパンをおかわり。
それから、暗い村を一周してホテルへ戻って行った。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- mistralさん 2018/03/10 22:23:57
- ドライブの旅
- 鯨の味噌汁さん
こんばんは。
そういえば、このところ鯨さんちを訪問してないわ、
と思い出し、飛んできました。
なんと、すでに奥様との秘密結社の旅、決行されていました。
それもパリからディジョン、レンタカーでヴェズレーまで!
私もこの九月、無事に旅立てれば
同じコースで、パリ、ディジョン、レンタカーでヴェズレーと
密かに考えているのでした。
いきなりのシトロエンでの運転、さすがに度胸がおありですね。
でもバックのギアが?
ググったら出てきた、ということにも拍手です。
慌てるとなかなかそういった発想が浮かばないですもの。
今回のドライブ旅の行きつく先は?
無事チェックインしたことでしょう。
この先も楽しみに拝見します。
そして今さらですが、フォローさせていただいてないことに
気がつきました。遅ればせながら、これからもよろしく
お願い致します。
mistral
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2018/03/17 07:52:47
- RE: ドライブの旅
- おはようございます!
お返事遅れてごめんなさい。ちょっと前から中国とベトナムの国境近くを歩き回ってて…4Tご無沙汰しておりました。今回もひとり旅で、元陽とゆうところからお返事さしあげてます。
ヴェズレー、公共交通機関だと厳しいですよね。レンタカーで正解じゃないかと。
それに書きませんでしたが(怠け者)、周りにいくつか美しい村があります。
ディジョンもゆっくり見て回ればよかったなーと。
昼メシのエスカルゴだけではもったいなかったな。
でも大きな町でのクルマって、難渋しますよね。もう町中は運転したくないっす。右折左折しょっちゅう間違えてダンジョン状態なんだもん。
フォローもありがとうございます!
-
- keiさん 2017/10/19 18:28:56
- リフレイン
- 優しいね、鯨さん。
読んでいてこみ上げてくるものがありました。
お互いが今だに尊重し合っていて、必要としている。
それだけ奥様も素晴らしい人なんでしょうね。
鯨さんを受け止めてくれるんですよ!
よっぽどでっかい器の持ち主なんでしょう(笑)
思い出巡りの旅、お互いブクツサ言いながら(鯨さんだけ?)
楽しかったみたいね♪
スマートな旅は鯨さんには似合わない(失礼)から
いろいろなトラブルがあったほうが読んでいるほうは
面白いです(^▽^)/
車の癖ってやっぱそれぞれあるのですね~。。。
でもググるって機転も流石です!(それに運よくネットに出てきたね!)
神様仏様グーグル様様ですね。
エスカルゴって食べたことないんです。
想像するに食感はイカっぽいイメージなんですが、
どうでしょう?
それにその店ではやっぱマスタードをつけて食べるのが
定番なんでしょうかね。
ところで、鯨さん晴耕雨読な生活はいかがですか?
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2017/10/20 07:12:37
- Re: リフレイン
- keiさん、
どーもどーも、お久しぶりです。お元気でしょうか?
ももさんと飲んでますか??
>鯨さんを受け止めてくれるんですよ!
>よっぽどでっかい器の持ち主なんでしょう(笑)
それはまーお互いさまではないかと。
もう34年、それでやってますし。
>スマートな旅は鯨さんには似合わない(失礼)から
いやー。
今回もトラブルだらけ(笑)
道間違えて、ようわからん山道で日が暮れかかったり。
迷ってばかりのドライブでしたー。
ただ前回のような脱糞的・破滅的・根本的な失敗はなかったの。
やっぱ、二人で動くとセーフティーネットが作動します。
「相互依存夫婦」(笑)
>車の癖ってやっぱそれぞれあるのですね~。。。
>でもググるって機転も流石です!(それに運よくネットに出てきたね!)
>神様仏様グーグル様様ですね。
どーしても分からなかったら、横に止まったクルマの主に、身振り手振りで聞くつもりでした。
でも早めに気づいてヨカッタっす。
火急の際に「バックが入らん」って事故った可能性あったよね。まこと、シャレにならんです。
>エスカルゴって食べたことないんです。
>想像するに食感はイカっぽいイメージなんですが、
いえいえ。貝です、ただの貝。
ワシ、あんまりピンと来なかったんですが(彼女は好物)、タニシ食ってるみたいなもんじゃないかしら。
クセはないよね。
>ところで、鯨さん晴耕雨読な生活はいかがですか?
いいですよー(笑)
畑はないから、毎日主夫やってます。
今夜のメニューを夕方のスーパーで決める日々です(笑)
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