2023秋　中欧５都市の旅　②ドレスデン

2023/09/19 - 2023/09/21

カート・ヴォネガットが、わたしをドレスデンに運んだ。
第二次世界大戦末期のイギリス軍による大爆撃で、ドレスデンは徹底的に破壊され、数万人の市民が犠牲となった。
捕虜として屠殺場に囚われていたヴォネガットは、その時22歳だった。二十数年後ようやく、彼は想像を絶するその体験を（奇妙なユーモアを用いて）SF作品「スローターハウス５」に断片的に描いた。
というわけで、
廃墟から元通りに再建された美しい町への訪問は、ずいぶん前からバケット・リストのひとつだった。

エリア ドレスデン(ドイツ)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道
• 旅行の手配内容: 個別手配

ベルリンからドイツ国鉄の特急に乗り、２時間少々でドレスデン中央駅に到着した。
選んでおいたのは旧市街中心部のホテル。
すると、幸運にも窓の正面に聖母教会が！
ヒルトンの隣にあるアパートホテルの屋根裏部屋なのだが、素晴らしい眺めだ。

フラウエン教会 (聖母教会) 寺院・教会

荷物を置いて、すぐ近くのビジターセンターへ向かう。

ドレスデン・ミュージアム・カード２日間25ユーロを購入した。翌日から使用の予定。20余りの博物館／美術館に有効、これもカードではなく、味気ないプリント紙なのがちょっと残念。

このビルにはマイセン・ショップもあった。きれいですよね、買わないけど。いや、買えないけど。

少し歩けば、君主の行列だ。マイセンの磁器タイルで作られており、奇跡的に戦禍を免れたという。馬に乗るザクセンの支配者たち、威風堂々。

君主の行列 文化・芸術・歴史

その通りを抜けると、カトリック旧宮廷教会があった。
旅行前、WWII以前の美しいドレスデンと荒廃した爆撃後の町の様子をYouTubeなどで見た。瓦礫から復興再生まで、どれほどの労力を要したことだろう。

カトリック旧宮廷教会 (三位一体大聖堂) 寺院・教会

「ヨーロッパのバルコニー」ブリュールのテラスを歩いた。ラベ川／エルベ川を見下ろすベンチに座る。

ブリュールのテラス 散歩・街歩き

テラス裏側の階段を降りれば、ホテルのあるムンツガッセなのだ。便利ですねえ。

聖母教会前で開かれていたオクトーバー・フェストをのんびり見て歩き、ソーセージとザワークラウトを持ち帰った。近くのスーパーでドイツビールも。

早めに夕食を済ませたのは、ゼンパーオーパーの音楽会に行くため。

ゼンパーオーパー (ザクセン州立歌劇場) 劇場・ホール・ショー

この日の曲目は、ブラームス、リヒャルト・シュトラウス、そしてワーグナーだった。

翌日も秋晴れ、というかほとんど夏の気温だ。
ツヴィンガー宮殿の中庭は工事中。

ツヴィンガー宮殿 城・宮殿

アルテ・マイスター絵画館には、珍しく世俗的なフェルメールがある。

アルテ マイスター絵画館 博物館・美術館・ギャラリー

そして、この奥にはラファエロの「システィーナの聖母」

クラナッハのアダムとイヴが２組並んでいた。
デューラー、ルーベンス、レンブラント、、

それからドレスデン城の緑の丸天井へ。
ザクセン王国のくらくらするような宝物の数々を見る。
数多くの宝飾品は、戦時中安全な場所に移動／保管されていたという。

ドレスデン城 (レジデンツ宮殿) 城・宮殿

中庭を囲むように、武器博物館などいくつもの展示室があった。

元通りに再建された部屋

明るい中庭

聖母教会のノイマルクト広場へ戻る。教会の前に立つのはマルチン・ルターだ。

ノイマルクト広場 広場・公園

教会の塔に登ろう。

280段余りの石段をゆっくり進むと、ドーム天井の美しい絵が見えてくる。

登った甲斐がありました！

ドレスデンは２泊だけ。
移動日の午前中、チェックアウト後にスーツケースを預け、アルベルティーヌムへ行った。開館と同時に入る。

アルベルティヌム 博物館・美術館・ギャラリー

ここにも外からは想像できない明るい中庭があった。

現代絵画と彫刻を中心とした美術館だ。
ピカソやクレー、、

ゴッホとゴーギャンが並んでいる。
充実した２時間だった。

駅まではタクシーで（Uberが使えず、ホテルから呼んでもらった）。
午後1時過ぎの電車で、チェコのプラハへ移動だ。

ドレスデン中央駅 駅

左側の席に座れば、エルベ川の美しい景観が眺められる。