2023年10月 5度目の宮古島 〈前編〉

2023/10/23 - 2023/10/24

2023年10月、半年ぶりに宮古島を再訪しました。

宮古島へは2019年12月に初めて行った時から、美しい海と美味しい食べ物と感動の三線ライブに魅了されてしまい、もう５回目の来島になります。

今回の旅では、お気に入りの場所やお店を訪問すること以外に、今まで私たちが見たり経験したりしていない宮古島の魅力を発見することをもう一つのテーマにしました。

今でも十分美しいと感じる宮古島ですが、以前はもっとずっと美しかったと言います。
今回の旅は、宮古島の自然を守ることと観光開発の両立の難しさを考える機会になりました。

〈前編〉は宮古島到着初日のディナーと、初めて伺った「蟹蔵」でのプライベートツアー＆カニ料理を中心とした旅行記です。

エリア 宮古島(沖縄)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 3.5
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: レンタカー ANAグループ 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行なし）
• 利用旅行会社: 楽天トラベル

旅の初めは羽田空港から。
宮古島へのANA087便は61番ゲートからの出発でした。

羽田空港 第2旅客ターミナル 空港

羽田11:45→NH087→宮古14:45
搭乗機はこちら。

羽田空港 第2旅客ターミナル 空港

ANAフェスタで旅先へのお土産と空弁を購入します。

ANAフェスタ 羽田60番ゲートフード店 グルメ・レストラン

お土産は葉山「ラ・マーレ・ド・チャヤ」の洋菓子にしました。

ANAフェスタ 羽田60番ゲートフード店 グルメ・レストラン

空弁はこちらでおにぎりを購入。

ANAフェスタ 羽田60番ゲートフード店 グルメ・レストラン

搭乗しました。機材はボーイング787。

機内の様子。前の方の席にしました。

機内で空弁をいただきます。
鮭と明太子のおにぎりに、から揚げとみそ汁を付けました。
CAさんが「おにぎりとから揚げ、最高ですよね～」と言ってました。

３時間ほどのフライトでした。
最後はぐるっと旋回して、まもなく宮古島に到着。

到着後、送迎車でレンタカー屋さんに向かいます。

宮古空港 空港

レンタカーで宿泊コンドミニアムに到着しました。
今回も宿はいつもの「かりゆしコンドミニアム ふくぎステイズ」です。

かりゆしコンドミニアムリゾート宮古島 ふくぎステイズ＜宮古島＞ 宿・ホテル

４連泊で確保できたのはこちらの「ラージツインルーム」。
窓側のベッドがダブルベッドになっているほかは、「ツインルーム」と同じ仕様です。

かりゆしコンドミニアムリゾート宮古島 ふくぎステイズ＜宮古島＞ 宿・ホテル

宿泊先をココにするのは、室内にこの洗濯機＆乾燥機があることが一番の理由です。

そのほかの情報はクチコミに詳しく書いてありますので、下のリンクをご覧ください。

かりゆしコンドミニアムリゾート宮古島 ふくぎステイズ＜宮古島＞ 宿・ホテル

荷物をほどいて落ち着いた後、徒歩３分のスーパーマーケット「サンエー」に食料品や水の買い出しへ。
途中でこんなネコちゃんに逢いました。

シッポ、しましま～！
青い目をしたこんな毛色のネコちゃん、初めて見ましたヨ。

レンタカーで初日の夕食に出かけます。

かりゆしコンドミニアムリゾート宮古島 ふくぎステイズ＜宮古島＞ 宿・ホテル

今日の夕食は宮古島本島の真ん中あたりにある「ファインダイニング 久玄達」。
牧舎を改築した一軒家のお店です。
周囲に何もない場所で、灯りに虫が集まってくるので、ドアを開けたらすぐに閉めないと店内が虫だらけになりますね。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

こちらのお店はプロフィギュアスケーターの村上佳菜子さんが、テレビ番組で紹介しているのを見て知りました。
店内には村上佳菜子さんのサインがいっぱい。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

ドリンクメニュー。
まずは村上佳菜子さん絶賛の「濃厚トマトサワー」（800円）から。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

甘みの強い地元産のトマトを使った濃いトマトサワーです。確かに美味しいですね。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

メニューは仕入れによって毎日変わるそうです。
お勧めを聞いたら「上から順番に全部」とのこと。
取れたての魚介類から２品と、島野菜の２品をオーダーしました。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

「宮古島No1 カツオ刺身」（1,690円）
生姜醤油のタレをかけて食べると、カツオ特有の臭みは全くなく、確かに美味しいお刺身です。
付け合わせの輪切りのミカンも彩よく味も良く、オーナーシェフのセンスが光る一品ですね。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

次のドリンクは「宮古島産マイヤーレモンのレモンサワー」（800円）にしてみます。
お水は380円のミネラルウォーターしかないようなので、いただきませんでした。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

マイヤーレモンは普通のレモンより丸くて甘みが強いレモンですね。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

刺身に使われるシャコ貝を見せてもらいました。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

「本日採れシャコ貝の刺身」（1,890円）
コリコリしてますが、思ったほど弾力はなく、サクッと食べられる貝刺しでした。
粗塩でもレモンを絞ってもわさび醤油でも美味しいです。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

シャコ貝の肝はバターソテーにしてくれました。
コレは美味しいに決まってますよね。
オーナーシェフは「サービス」と言ってましたが、料金はお刺身に含まれていますということですね。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

こちらのお店、１日２、３組限定の予約制で、キッチンにはオーナーシェフの１人だけ。
この日のフロアスタッフさんは大分から移住したという女性１名だけでした。
メニューに「ワンオペなので・・・」と書かれていますが、サービスは確かにゆっくりしています。
まだ野菜は何も来ていませんが、ドリンクは３杯目の「生絞りシークワーサーサワー」（800円）

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

入店時にはお客さんは私たちだけでしたが、30分後に２組目のご夫婦が来られて、ますますオペレーションは遅くなります。
写真は「スベリヒユ」という島野菜だそうです。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

入店して１時間が経過し、「スベリヒユのバジルサラダ」（1,590円）がようやく届きました。
モッツアレラチーズがふんだんに使われていて、見た目も味も良いですね。

ホントにこちらのオーナーシェフは、メニューのネーミングや素材の組み合わせ方、盛り付け方のセンスが良いンですね。
値段はちょっと高いですけど。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

店内の様子。

さてさて、待てど暮らせど最初にオーダーした４品目が届きません。
途中で若い女性が入ってきましたが、非番のフロアスタッフさんが妹さんを連れてきたようです。
シェフは「いま忙しいから適当に何か飲んでいて！」とは言わずに、食べものを用意して出してあげてました。
きっと私たちのオーダーは忘れてしまったンだろうナと思ってフロアスタッフさんに聞いてみると、「いまフライパンの上に乗っているのでもうすぐです。」だって。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

入店して1時間47分後に届いた料理がこちら。
「伊佐さんちのオクラ バターしょう油グリル」（1,290円）
島オクラをバターしょう油で焼いて鰹節をトッピングしたダケのものです。

美味しいですけど、これほど待って食べたいものではありません。
このあと頼みたいと思っていた料理もありましたが、全部やめてこれで会計しました。お支払いは現金のみ、合計で１万円超えでした。

サトウキビ畑のど真ん中にある一軒家で、風貌も島人（シマンチュ）に見えましたが、聞くところによるとオーナーシェフは宮古島の人ではなく移住組だそうです。
料理の腕と発想力は確かに素晴らしいですが、一番優れているのは有名人を使ったPRと低い原価率で映える創作料理を生み出す経営手腕だと思いました。

レンタカーで来たので帰りは運転代行を呼んで、3,400円ほどかけて宿に戻りました。
クチコミの評判はとても良いお店でしたが、私たちに２回目はありません。

ファインダイニング 久玄達 グルメ・レストラン

翌朝。
前日に「サンエー」で買ったサンドイッチとパパイヤ etc. で朝食にします。
パパイヤは九州産でしたけど、ライムの代わりのシークワーサーは宮古島産です。
味はまぁまぁ美味しかった。

かりゆしコンドミニアムリゾート宮古島 ふくぎステイズ＜宮古島＞ 宿・ホテル

今日は伊良部島・佐和田漁港近くのマングローブ蟹のお店「蟹蔵」にやって来ました。

蟹蔵 グルメ・レストラン

こちらが「蟹蔵」の入口。
YouTubeで紹介されているのを見て、サバニクルーズとマングローブ蟹のランチを予約していたンですが、朝からあいにくの雨模様。

蟹蔵 グルメ・レストラン

ちなみに「サバニ」というのは宮古島の伝統的な漁船のことで、「マングローブ蟹」は宮古島で「ガザミ」と呼ばれるマングローブに生息するワタリガニなンだそうです。

蟹蔵 グルメ・レストラン

こちらのお店の「ガザミ（マングローブ蟹）」は『嵐にしやがれ』で相葉ちゃんとニノも食べたンですよね。
嵐ファンの聖地にはなっていないンですかね？

蟹蔵 グルメ・レストラン

雨が降りやまないので、部屋の中で蟹蔵のご主人・吉浜祟浩さんのお話を聞きながら待つことにしました。

伊良部島で生まれ育った吉浜さんは、子供の頃の伊良部島の海は今とは比べものにならないほど美しかったと言います。
子供の頃に遊び回った入り江や砂浜が恐ろしい勢いで失われているという現実に恐怖を覚え、蟹の存在をもっと広めることで彼らが生息できる環境を守りたい、このすばらしい自然を未来に残すために何か行動を起こさなければならないと感じて、蟹漁師として入り江の保全と蟹の養殖をおこなっているのだそうです。

蟹蔵 グルメ・レストラン

吉浜さんのお話の中にあった「人間は地球のウィルスなのかもしれない。」という言葉には衝撃を受けました。
観光振興と自然保護ってなかなか両立するのは難しいと思いますけど、観光のために自然を破壊するのはやっぱりダメですよね。

でもって、雨が降りやまないので今日のサバニクルーズは中止して、吉浜さんの案内で「島のパワースポットを巡るプライベートツアー」に出かけることにします。

蟹蔵 グルメ・レストラン

最初に「下地島巨岩（帯岩）」にやって来ました。
この岩は下地島の「中の島海岸」と「通り池」の間の高台にあります。
高さ12ｍ、周囲60ｍ、重量は数千トンとも２万トンとも言われる巨岩は、古くから島人の信仰の地となっているそうです。

帯岩 自然・景勝地

「帯岩」を見つめる吉浜さん。

石碑に書かれた言葉の意味は分かりませんが、資料によると、この岩は江戸時代の明和８年（1771年）に発生した八重山地震（八重山津波）によって海中から運ばれた津波岩で、昭和中期まではこのような巨石が「帯岩」以外にも周辺一帯に多数存在していたとのこと。
昭和47年の下地島空港建設に際して、その大半は爆砕された上で基礎工事などに利用されましたが、信仰の対象でもあった「帯岩」だけは島の要請に応える形で残されることになったのだそうです。

帯岩 自然・景勝地

岩の中央がくびれていて人が帯を締めている姿に見えたところから、「帯岩」と呼ばれるようになったとか。
海底にあった巨石が大規模な津波によって、こんな断崖の上まで打ち上げられたのは驚くべきことですね。

帯岩 自然・景勝地

岩に自生していたのは『ンギャナ（苦菜・ニガナ）』というキク科の植物。
ビタミンＣやカロテン、カルシウムが豊富で、風邪の諸症状や胃腸にも良いとされ、島では古くから薬草として利用されたり健康野菜として食べてられているのだそうです。
口に入れてみましたが、噛むとやっぱり少し苦みがありましたヨ。

帯岩 自然・景勝地

こちらは『モンパ（モンパノキ）』という植物。
日本では南西諸島や小笠原のみに自生していて、大きなものは高さが10メートルぐらいになるものもあるそうです。
葉の柔らかい新芽は食用や薬などに利用されるほか、葉中の水分を水中ゴーグルに塗ると曇り止めになるそうです。

帯岩 自然・景勝地

次は伊良部島の西側の海岸沿いにある「潮吹き岩（スーフツミー）」と言うところにやって来ました。
こちらには以前は30ｍも潮が吹き上がる「龍の空気穴」とも言われる潮吹き穴があって、島人にとって神聖な場所だったのだそうです。
ところが “塩害を防ぐため” と言う理由から、穴はある日コンクリートで埋められてしまいました。
伊良部島のユタ（霊力を持つと言われる人・多くは長老の女性） は、この穴が自然に開くよう祈りを捧げ続けました。そしてユタのお告げを受けて、吉浜さんが仲間と協力してこの場所に堰と鳥居を作ると、その数日後に穴の蓋が開き潮が吹きあがったのだそうです。
ところが再び何者かが堰を壊し鳥居を撤去してしまいました。“また何か島に災いが起きなければ良いが・・・” と吉浜さんは不安を口にしていました。

私たちが訪ねた時も、コンクリートとの境目の岩間から湿気を含んだ空気が上がってきていました。何か神秘的なパワーを感じる場所でした。

ユタの話などを信じるかどうかは人それぞれですが、自然に潮が吹きあがっている場所をコンクリートで埋めてしまうのは、何か恐ろしい気がします。
人間の営みのために自然を壊すのは、極力慎むべきではないかと思いました。

スピリチュアルなパワースポットツアーの後は、奥さまお手製のマングローブ蟹のコースランチをいただきます。

蟹蔵 グルメ・レストラン

まずは地元で取れた新鮮なもずく酢と、ガザミで出汁を取った蟹ソーメン。
蟹ソーメンは控えめな味付けですが、蟹のうまみが出ていてとても美味しい。

蟹蔵 グルメ・レストラン

そしてお料理が勢ぞろい。

蟹蔵 グルメ・レストラン

「マングローブ蟹（ガザミ）の塩ゆで」
カニ独特の風味があって、身は淡泊ですが甘味が感じられます。
甲羅にたっぷりと詰まったカニ味噌には濃厚な旨味と甘みがあるので、カニの身を味噌につけて食べるのが最高でした。

蟹蔵 グルメ・レストラン

天ぷらは、食用ハイビスカスのローゼル、ゴーヤ、先ほど自生しているのを見たモンパです。
こうして地元のものをいただけるのは嬉しいですね。

蟹蔵 グルメ・レストラン

〆はカニ味噌のリゾット。美味しいに決まってますよね♪

蟹蔵 グルメ・レストラン

左のお菓子は「さたぱんびん」。
サーターアンダギーの宮古諸島での名称です。素朴で美味しいですね。

右のフルーツは「シマヤマヒハツ」。
口に入れてみると小さい実の中に種があり、味は甘みは少なく渋みと酸っぱさがあるので、フルーツとしてはあまり美味しいものとは言えませんが、抗酸化作用のある「アントシアニン（ポリフェノール）」がブルーベリーよりもさらに豊富に含まれているので、目の疲れの回復に効果があるそうです。

ココでしか経験できない美味しい蟹コースを堪能させていただきました。

蟹蔵 グルメ・レストラン

母屋の奥にある養殖場。吉浜さんはこちらでマングローブ蟹の養殖をしているのだそうです。

天候のせいで今回はサバニクルーズは体験できませんでしたが、代わりに自分たちだけでは行かれないような場所に案内していただき、自然を守ることの大切さを考える良い機会になりました。
蟹蔵さん、次回はサバニ船に乗りに来ますネ！

蟹蔵 グルメ・レストラン

「蟹蔵」からの帰り道、雨が上がって少し晴れ間が見えてきたので、「渡口の浜」を見に来ました。

「渡口の浜」について吉浜さんは、「自分が子供の頃は日本一どころか世界一美しいビーチでした。入り江を埋め立てて自然環境を変えてしまったおかげで、ビーチの砂は流され海の生物もいなくなって、風景が全く変わってしまいました。」と嘆いていました。

渡口の浜 ビーチ

私たちにとっては今でも十分に美しいビーチですが、この美しさがいま以上に失われてしまわないようにしたいですね。

渡口の浜 ビーチ

部屋に戻ってオリオンビールを飲みながら一休み。

かりゆしコンドミニアムリゾート宮古島 ふくぎステイズ＜宮古島＞ 宿・ホテル

夕日が沈むのを部屋から眺めました。

かりゆしコンドミニアムリゾート宮古島 ふくぎステイズ＜宮古島＞ 宿・ホテル

今日の夕食は「串揚げと島おでん くしお」にやって来ました。
写真は、飲み放題付きで4,000円 の「お手頃コース」の「串揚げ盛合せ」。

串揚げと島おでん くしお グルメ・レストラン

こちらは看板メニューの「島おでん」。
私たちは「てびち」のトロッ プルッとしたところがチョット苦手なので、てびちは残しちゃいましたけど。

コースの料理はまだまだたくさんあって、私たちは「紅芋スティック～ハニーバター添え～」が大好物ナンデスゥ♪
その他の詳しいことは下のリンクをご覧ください。

串揚げと島おでん くしお グルメ・レストラン

帰り道の西里通りで可愛いネコちゃんに逢いました。

「ナニカクレルノカニャ？」
「ごめんね～なんにもあげるもの持ってないや～」
私たちがバイバイすると、次の猫好きさんが話しかけてましたヨ。

→〈後編〉に続く・・・