2023/10/14 - 2023/10/14
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mom Kさん
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安東に行くと決めたのは、全く別のきっかけだった。もう5年ほどになる。韓国通の知人が、一冊の本を持ってきた。韓国の新進気鋭の地理学者の著書だったと思う。まだ新しく、装丁も立派だったのでざっと読み終え、すぐに返した。「読んで」と言われた手前、感想とともに心に残る地名を二つ伝えた。その一つ「安東」に彼女は深くうなずいた。
8月、台東の旅友から日本旅の最後に会いたいと連絡が入り、大阪に出かけた。お互いの次の旅の計画も披露し合った。私が、安東を目指して韓国入りというと、彼は、「仮面劇のところだね。」と言った。それは、私が初めて知ることだった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 徒歩
- 航空会社
- エアプサン ピーチ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
今日は、河回村1dayツアーの日。
集合に遅れないように心がけるだけでいい。
帰りのバスの時刻を気にしなくていい。
今は、霧だけど、この分だと今日も晴れるだろう。 -
安東駅でピックアップされたときは、4人グループ一組だけだったが、列車が到着するや、次々と増えた。結局、補助席や助手席まで使用するまでになった。今日は、土曜日。二日前に予約しておいてよかった。駅インフォメーションで伝えられていたように、ガイド兼ドライバー氏に直接ツアー代金W25000をカードで支払った。10時25分に出発した。
野道を飛ばして30分ほどで到着。高台の小さな駐車場。水道橋のようなものが気になる。ガイド氏に導かれるのは、それを背に急な斜面。 -
視界が開いて、唖然。
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バスを降りた時、説明されていたが、韓国語。私は付いていくだけ。
だから、サプライズ感が一層。 -
ここが、芙蓉台(プヨンデ)ですか。
安東に入って、ifでもらった立派な冊子と日本語本の地図で予習しています。 -
河にぐるりと囲まれて、大洲の町もそうだった。歩いた感じでは同じ広さかもしれない。肘川の砂洲を思い出す。あのようなところへ渡し船で渡って、近在の村人たちが集まり、子ども歌舞伎が演じられる秋祭り。あれも一生に一度の出会いだった。
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さらに上に上がると、
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滑車のようなものからロープが対岸の村までつながっている。伝統花火の装置だろうか。
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次に案内されたのは、屏山書院。昨日の陶山書院よりさらに簡素で気品があるように感じる。あちらは、「見下ろす景色」。こちらは、「見上げる景色」。
その違いからだろうか。建物もこちらのほうが、年代が古い印象。 -
さきほどこちらを見下ろした芙蓉台を眺める。
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ガイド氏、唯一の外国人&韓国語の全く理解できない私を気遣って、自分のスマホを日本語説明に変えて、手渡してくれる。
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いよいよ河回村に到着。各自自由に昼食。
ガイド氏、解散後すぐに駆け寄り「12時45分にここに集合してください。」と、念を押してくれる。大変な人込み。私はどこ(食堂)を選んでよいかわからない。メンバーが流れる方に行ったら、ガイド氏が一組の親子と一緒になれるテーブルを見つけてくれた。中学2年生の男の子とお母さんの二人連れ。どこから来たか名のりあい、三人で食事をすることになった。私は、とてもうれしい。チキンは、苦手でも。
安東名物”チムタク”鑑賞。お母さんは、途中でチキンを取らない私に気づいたので、わけを言うと、「あれ、まあ」という顔をされた。名誉挽回。私、「ソースはとてもおいしいです。この野菜のおかずは大好きです。」とアピール。
ごはん混ぜ混ぜスタイルももう得意。お母さんは、スマホの翻訳機で日本語会話を盛んに試みてくれる。
♀「コレハ ナニカ ワカリマスカ」と小皿の一つを指さす。それまでの定食でよく出てきた小皿だけれど、私は、気にはなっていた。海藻色でわかめの茎のような気もする。
翻訳機には、「チシャの茎」と出ていた。なあるほど、彼女がこれを選んで説明してくれたことから、韓国では出番の多い菜らしい。私、「好きです。マシッソヨ。」私の英語と韓国語の拙さは同じ。お母さんは、うれしそう。私も。
お母さんは、チムタクの中のジャガイモを一つはさみ、「コレハ ダイジョウブ?」と翻訳機なしで聞いてくれる。私、「好きです。」と答える。お母さん、笑う。
男の子は、中学二年生だから英語はできるはずねというと、お母さんは、頷いたような。彼は、私を見つめるだけ。お母さんは、せっせと息子のお皿にチムタクを運ぶ。少年は、お行儀よく食べ続ける。私は、混ぜ混ぜを美味しくいただく。 -
一人で少し早く、集合場所に戻った。
いよいよ仮面劇の建物への移動。
入ると、私たちが最後のようで、始まっていた。 -
オープニング前に進行役の男性と観客との掛け合い。最後は、子供たちを呼び出し、簡単なゲーム。おそらく「ひざまずいて、目を閉じなさい。」の指示だったと思う。驚いたのは、その一言の声掛けで、見知らぬ同士の子たちが、ぱっとこの体勢になったとき。学齢前の幼児も居るのに一斉に、見事。
まるで、祈りのような姿勢に見えた。身についたカタチに感じた。 -
この打楽器5つの伴奏で、演じられる。
女性役のお披露目一周。 -
牛のようにも見えたが、獅子ということだったかもしれない。
字幕の内容はよく覚えていない。 -
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それより登場した時の装束に注視。美しい。麻と思われる。
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農夫登場。
この時の伴奏のリズムは、私の故郷の秋祭りの奉納獅子舞と全く同じ。それは獅子舞を激しく演じながら、身体は、このリズムで、絶えずぴくぴくさせるのだ。太鼓の響きも似ている。驚き、感激する。わが町も、朝鮮半島にルーツがある! -
装束が美しい。
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父は、これを見ただろうか。
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どれほど、感激するだろう。
お能や歌舞伎を連想。 -
もう釘付け。この老婆役の所作。装束。着付けの素晴らしさ。
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なんといっても肩とあの後ろの腰に巻き込んでいる部分の布の張りと言ったら!
この美しい白! -
どんな人なんだろう。どんな人なんだろう。
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この三色ですかあ。
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奈良色です。
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狂言そのもの。
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彼らが演じ終えて、仮面劇は終わる。
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全員、登場。あのリズムで、観客にそろっての披露。
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仮面を外した。
老婆を演じた男性は、メンバーの中では最も年長者に見える。
よいお顔だった。目に焼き付ける。 -
駐車場のミニバスに全員集合して、村までそろって歩いていく。
両端に高さのそろった真っすぐな並木の道。農村・・見通しのよい整えられた土道・・・そう、高村薫の小説[李歐]最後の葬列場面を思い浮かべた。・・・やっぱり、ディーン フジオカで映画にしてほしいなあ。また思った。10年前には我ながら最高!と、思うだけで喜んだ。今でも彼しかない。中国語も堪能らしいし、やっぱり思ってしまう。 -
豊山 柳氏一族の村
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メンバーの一人が、後ろに静かにくっついている私に、指さして、「この戸を見て。とても古いそうよ。」
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両班の家らしい。左右に階段があり、左が当主用。右の少し狭いのは、息子用。
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そこから門の間から、山が見える。息子があの頂を見て勉学に励むように、だそうです。ガイド氏が、ここでもタイミングよく手渡してくれたスマホの日本語ガイドより。
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これは、説明にはなかった。みんなが去りかけて、見つけた。
「オンドル」そばの人にたずねた。頷いた。
村のあちこちにとても美しく薪が積まれている。我が家のより1本が太く、少し短め。火保ちがし、中で組み立てやすいかな。 -
さっき、前のおうちの扉が開かれ、白い韓服をきた当主のような男性が、数人の客を丁重に送り出していた。すぐに扉が閉じられた。お客様は、全員男性だった。
私は、表札を確かめに駆け寄った。 -
お月様の見えない夜は、きっと闇夜になるのだろう。それでも怖くはないと感じられる辺りに漂う穏やかさ。
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風の声、川の声、山の声がわかるようになるかなあ。
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プラスチックの世界から遠いところは、丁寧に暮らしていけるなあ。
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唯一ツアーメンバーで親しくなれたソウルからの二人。彼は歩くとき、フードを被る。ぴたり寄り添っている。心で話し合っているみたいに見える。
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ご神木のケヤキ。この周りで、仮面劇が演じられることがあるという。
いつだろう。満月の夜だったらと、思い浮かべるだけで、ぞくり。月明かりの?もとで浮かび上がるあの麻と綿の白さ。この村の人々は知っている。 -
このお屋敷は、書院かなあ。
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ここを最後に案内は終わり。あとは、自由散策。
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さっき通りがかりで見かけた穴を見に戻る。
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施しを受ける者の気持ちに寄り添っている。
小さな村、そんなに困っていると知られたくない。
両班の玄関門の脇。郵便受けがあるような位置。 -
綿の花が咲いていた。西日が当たる畑。
ここで立ち止まって見ていたら、一人参加のもう一人の女性と会い、親子連れとも合流。 -
そのまま4人で、足の向くまま、家のない、
村の入り口の反対側まで歩く。 -
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「あそこに教会がありますね。」と二人に話しかけたら、何か応えてくれたけれど、私はわからなかった。
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楽しんでいたら、三人とも道がわからなくなった。集合時間は、4時45分が迫っていた。少年が、走っていく。
女性たちは、スマホを取り出す。少年が手招きする。 -
彼が立っていたここまでくると、そろって急ぎ足で戻った。バスに乗車したのは、私たちが2番目だった。時計を見ると、4時41分だった。
よいツアーだった。私一人だと三日はかかる行程。ソウルからの参加者が多いはず。
日に焼けただろうなあ。
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この旅行記へのコメント (2)
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- pedaruさん 2023/10/31 06:53:04
- こんな世界もあるのですね
- mom kさん おはようございます。
安藤ならぬ安東、というところに行かれたのですね。
言葉の壁を乗り越えて、親子づれのお母さんと親しくなり、気持ちが通じたのは素晴らしいですね。
仮面劇、ツアーで見物に来る人も多いのでしょうが、民俗学てきにも貴重なものと思われます。
全く現代を離れて、昔がそこに現れるなんて夢のようです。村も観光用ではなく、人が普通にすんでいる地域ですね、穏やかな村の景色、雰囲気、いつまでも続いてほしい光景です。
言葉がわからないけど、住民はみな親切、ヘイトスピーチなんてありませんねー。
気持ちが和む旅行記でした。
pedara
- mom Kさん からの返信 2023/10/31 08:21:30
- ”こんな世界もあるのですね”・・・そうなんです!
- おはようございます、pedaraさん。こちらのお名前も私の好きな女優さんの名前に似て素敵ですよ。
そうなんです。昨今の出来事を見るにつけ、聞くにつけ、私は、国という言葉にもわが政府にも益々の失望どころか信用ができなくなっています。
でも、それを生み、支えているのが我らであり、私たちの程度なんですね。いつもここで葛藤激しくなる私。もともと実体のない「国」なんてないんですよね。クニの大きさのころでいいんですね。
最後の通い国は、ずっと台湾と思っていたのですが、今回の旅で韓国も加わりました。近くてほんとによかったです。
次は、また初めての時のように船で釜山入りするつもりです。
ハフェマウルでお会いしましょう!
mom K
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