2023/10/17 - 2023/10/17
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たびたびさん
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今日は、まるまる一日をかけて新居浜太鼓祭りです。
ところで、新居浜太鼓祭りのことですが、徳島の阿波踊りや高知のよさこい祭りと並ぶ四国三大祭りの一つのよう。といわれても、二つに比べると全国的な知名度がかなり落ちるのは否めないんですけどね。ただ、起源は平安時代まで遡るみたいだし、主役である太鼓台と呼ばれる重さ2tもあるという巨大な山車の豪華さや勇壮さはちょっと類を見ないもの。見せ場のかきくらべですが、200人以上の男衆が力を合わせた”房割り””差し上げ”が華。ゆっさゆっさと揺れる房飾りの豪快さには、見る者の胸を熱くする強烈なインパクトがあると思います。昨日までの西条祭りでも数台の太鼓台はありましたが、そちらは車輪を付けたままでのパーフォーマンスでしたからね。やっぱり、この担ぐ太鼓台を実現するためにこれだけ大勢の担ぎ手を集められる、その一点でも地域のパワーはちょっとやそっとではない。調べるとこうした太鼓台の出現は明治以降であり、別子銅山の隆盛により活気づいた新居浜の歴史と重なりますから、これもその新居浜の歴史を受け継いでの伝統のパワーかな。そう考えると、新居浜太鼓祭りって確かに新居浜らしい、新居浜ならではのお祭りなんだと思います。
さて、新居浜太鼓祭りには、川西、川東、上部の3地区があって、今回拝見したのは、川西の一宮神社(一宮の杜ミュージアム)(13台)、上部の山根グラウンド(20台)、川東の夜太鼓、多喜浜駅前(17台)。
それぞれにそれぞれなのですが、一宮の杜ミュージアムは有料席から落ち着いて太鼓台を見れるのがいいところ。すぐ目の前、目の高さと同じ高さで揺れる太鼓台も圧巻で、かきくらべの醍醐味がよく分かる。そういう意味だと新居浜太鼓祭りの皮切りとしては最適です。二つ目の山根グラウンドは、20台の太鼓台が広い運動場を所狭しと動き回る渾身のパーフォーマンス。多くの太鼓台が並んでのかきくらべは壮観というしかない破格のスケール感だし、太鼓台を中心に多数の担ぎ手の男衆の集団とその周囲に群がる無数の観客の姿はまるで潮のようで、壮大な絵巻物を見ている感覚かな。新居浜太鼓祭りでは一番の華かと思います。そして、最後の川東の夜太鼓は、ライトアップされた太鼓台の幻想的な美しさがこれまた素晴らしい。一台ごとにかきあげの技を競い合うのですが、審査会場の交差点では観客ともみくちゃになりながらの演技。幻想的な美しさとそれらの熱気がとても刺激的です。
いずれにしても、すべては期待以上。華麗な太鼓台の魅力を最後の最後まで堪能した一日となりました。
最後にもうひとつ余談ですが、新居浜太鼓祭りは日本三大喧嘩祭りという側面も持っています。これは太鼓台と太鼓台をぶつけ合う「鉢合わせ」。しかし、これがエスカレートすることで乱闘騒ぎになることも。今では鉢合わせは危険な行為として禁止されていて、これを破ると即刻解体命令が出され、祭りへの参加停止処分が下されるとか。なにげなく話を窺った地元の方からけっこうどぎつい話も聞かされて、ちょっと眉を顰めました。ということで、観光客が鉢合わせを見る機会はなくなりましたが、そういう側面もある祭りだということは紹介しておきたいと思います。
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宿を出て、まず向かったのは新居浜市街の中心部にある一宮神社。
新居浜太鼓祭りの有料観覧席、一宮の杜ミュージアムのチケットを買っていて、それがこの神社のはずなんですよね。一宮神社 寺・神社・教会
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一度来たことがありますが、本殿などまだ新しい感じだし、国の天然記念物という大きな楠木もありますが、第一印象としては、むしろ広い空き地が目立つシンプルな境内なんですよね。
てっきりここが会場かと思っていましたが、そうではない。 -
参道の楠の並木道の方ですね。
立派な設営がされていました。ただ、時間まではまだちょっとあるので、近くを散策してみます。 -
これは登り道サンロード。新居浜駅からは少し離れた新居浜の市街でも海に近い辺りなんですが、
登り道サンロード 市場・商店街
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新居浜駅の周辺よりも、こちらの方が賑わっているような感じがありますね。しっかりしたアーケードの商店街です。
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と
太鼓台を発見。
金栄
絢爛豪華な太鼓台に赤い法被が勇ましいですね。 -
まだ本番前なので静かな感じ。
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イチオシ
朝日を浴びた金糸の刺繍も鮮やかです。
太鼓台の構造ですが、一番上の赤白サッカーボールのような模様の帽子の部分は天幕。房が下がって、側面の三重構造ですが、上から布団締め、上幕、高欄幕。
こちらの側だと布団締めは、飛竜。上幕は、荒法師。高欄幕は、金子城が見えています。とにかくド派手もド派手。そのまた上をいっているような装飾です。
ちなみに、この太鼓台。だいたい4~5000万円のお値段だそうです。 -
これは、口屋。
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房を下げている四隅のくくり。
その濃紺が全体の金ぴかを締めていて、渋いですね。 -
これは本町
まだ担がずに、車輪で移動しています。 -
色調は、口屋と似ています。
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通りに揃って、しばし休憩中。
江口と本町が並んでいますが、やっぱりよく似ていますね。
縦横が違いますが、天幕の赤白も一緒です。 -
改めて、江口太鼓台
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本町太鼓台
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布団締めの龍に
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高欄幕は、龍と獅子です。
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西町太鼓台
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龍の布団締めに
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高欄幕は、ヤマタノオロチ。
お見事です。 -
ここで太鼓台を離れて、
これは別子銅山口屋跡といって、別子銅山から銅を搬出するための物流の中継地点だった場所。当初は土居町天満から搬出していたのですが、後にこの新居浜浦に口屋を設けて中継地としたのだそう。これが新居浜発展の基盤となったことで、県の史跡にも指定されています。別子銅山口屋跡 名所・史跡
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さて、そろそろ時間です。
一宮の杜ミュージアムのチケットはこれ。指定席になっているので、焦ることはありません。 -
席について、太鼓台を待ちます。
やってきたのは、東町太鼓台。
軽く差し上げをして、エンジンがかかります。 -
これは、房割り。
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ゆっさゆっさと房が揺れて、房が割れるように動くことから、房割りです。
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激しく揺れる房飾り。
いいですねえ。 -
会場の奥でもひとしきりパーフォーマンス。
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最後の最後まで
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がんばります。
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続いては。新須賀太鼓台
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太鼓台には前後に二人ずつ。四人の指揮者がのっています。
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指揮者の掛け声で、担い手「かき夫」が動きます。
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かき夫の基本的な掛け声は、「チョーサージャー」「ソーリャ、ソーリャ」「ソーリャ、エイヤーエイヤー、ヨイヤサーノサーサー」などだそうですが、
必死で担いでいますから、掛け声をかけるほど余裕はない感じですね。 -
庄内太鼓台
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モスグリーンの房飾りがいい感じで揺れています。
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こちらも会場の奥に進みながら
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イチオシ
最後まで
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思い切りのパーフォーマンス。
まだまだ元気いっぱいです。 -
口屋太鼓台
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指揮者が笛を吹いて前進の指示。
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じゃあ、この位置で始めるぞー
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差し上げから
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うおー
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乗ってきたところで房割り
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もう一回、行くぞー
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房が見事に揺れていて。
指揮者のお兄ちゃんの気合も十分です。 -
金栄太鼓台
やっぱり赤い法被がいいですね。 -
指揮者に貫録があって、老舗の太鼓台の雰囲気を感じます。
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江口太鼓台に
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本町太鼓台
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房が前後に揺れたり
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縦に揺するとこうやって、
まさに房割りですね。 -
西町太鼓台とその後方が西原太鼓台。
以上、9台を確認したところで、もう満腹かな。
昼飯にしたいと思います。 -
一宮神社に近い場所で予約していたのは中国菜房 くどう。
中国菜房 くどう グルメ・レストラン
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ミニコースといった感じでしたが、一品一品工夫を凝らした感じがあって、この値段で出すレベルではないなと感心しました。お店の雰囲気も街の中華屋さんとは明らかに違うのですが、値段的にはとてもリーズナブル。
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上品な中華料理を気軽に利用できるお店ですね。
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午前中の一宮の杜ミュージアムで新居浜太鼓祭りの何たるかは十分に分かったので、これ以上はもういいかなという気分だったのですが、周りの声を聴くと、これから山根グラウンドに行くとかどうとか。まあ、時間もあることだし、ではもうひと踏ん張り。私も行ってみましょうか。
山根グラウンドまではシャトルバスがあって、やってきましたよ~ -
え、
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え~
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イチオシ
これはまた
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すごいじゃないですか。
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太鼓台の数からして違いますよ~
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グラウンドの中央では何台もの太鼓台が並んで
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これぞかきくらべ!
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土埃が舞う中
隣り同士が
まさに競いあってのパーフォーマンスです。 -
そして、太鼓台のパーフォーマンスをじっと見つめる観覧席には黒山の群衆。
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イチオシ
いやいや
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笑ってしまうくらい破格のスケールがあって
劇場型の祭りといってもいいですね。 -
少し休憩も挟んだりしていますが、
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やおら動き出すと
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イチオシ
一つの太鼓台の集団だけでもすごい人数ですからね。
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ドドドドド、
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ドドドドド~
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大移動が
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あっちでも
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こっちでも。
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それをうまく避けながら
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それでもできるだけ近くへ。
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その自由さも楽しいですよ~
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太鼓台の集団の渦の中で
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なんとか
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かんとか。
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居場所を見つけて
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流れに逆らわないようにして彷徨います。
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そうしながら、
指揮者や -
かき夫の息づかいを
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存分に感じることができました。
大興奮から少し落ち着いてきて、 -
では、観覧席の方にも上がってみましょう。
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むむむ~
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観覧席の方から見ると会場の全景がよく分かる。これもまた違った迫力がありますね。
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と
またかきくらべが始まるよう。 -
じゃあ、やっぱり近くで見ますかね。
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降りて行って
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イチオシ
また太鼓台の周辺へ。
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始まりました
-
始まりました!
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太鼓台は房割りも差し上げもいかに一丸となるかが大事。
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指揮者はかき夫の疲れ具合も見ながら
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ここぞという場面で
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イチオシ
最高のパーフォーマンスを引き出します。
それぞれ自分のチームの状態、状況があるのですが、 -
こうして隣り合わせた関係だと対抗心もムラムラ。お互い負けじとがんばるんですね。
ただ、一方で、こうして並んでのパーフォーマンスはバランスも重要で、お互いに協調し合う技術も必要なのだとか。競っているようで協調も大事。上部の技術が発揮される場面ということでした。 -
パーフォーマンスを終えた太鼓台は
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少しづつ
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戦列を離れていきます。
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その引きながらの
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整然とした所作も
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またいいものですね。
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それぞれが力いっぱいぎりぎりだけど、それだけではない。
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全体がちゃんとコントロールされいて
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各太鼓台は
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そのルールの中で
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動いていく。
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事前に綿密な打ち合わせもして、それを徹底しているんでしょう。
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それこそが上部地区の力。とってもいいと思います。
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ひと息ついて、もう一度観覧席の方へ。
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このドローンから見たような
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俯瞰した眺めもまた圧巻。
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太鼓台の鮮やかな色彩と
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かき夫の集団に
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それを取り巻く無数の見物客。
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全てがるつぼのようになっていて
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イチオシ
これはなんと表現していいのやら。
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こんなの全然想像もしていなかったし
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あっけに取られてしまう
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たびたびです。
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ただ、敢えて言えば
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これは壮大な絵巻物かな。
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一つ一つの太鼓台が素晴らしいのは当然として
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それをこんなに整然とコントロールしてみせる。
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こうして、観覧席から眺めると
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その凄さに
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改めて気が付きます。
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大集団の太鼓台は
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乱れることなく、
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入場、退場。
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指定された場所での
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かきくらべも
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とても整然としたものであることがよく分かる。
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新居浜太鼓祭り
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恐るべしの祭りだと思います。
いやいや、すっかり満足。ここから、今日の宿の川之江に移動するつもりだったのですが、またまたどこかから聞こえてきたのは夜太鼓。え、それはなんですか?
聞けばそれは是非見た方がいいということで、場所も多喜浜駅という川之江に向かう途中の駅前。それなら回り道にはならないし、もうひと踏ん張りしてみますかあ。 -
ということでやってきたのは、川東の夜太鼓、多喜浜駅前(17台)。
多喜浜駅は、新居浜駅のひとつ東側の駅でした。
駅前で待機していると神輿の入場。多喜浜駅 駅
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巫女さんもやってきて
初めて神事らしい場面になりました。 -
ここは駅前の交差点。
ここで太鼓台が順番に演技を行い、その審査によって優劣をつけるというもの。
アナウンサーが太鼓台を紹介した後、それぞれが演技を披露します。
最初の演技は、澤津太鼓台 -
日が暮れてくると途端に夜バージョンの雰囲気が出てきましたよ~
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それにしても
この暗がりにライトアップされた太鼓台の美しさはなんでしょう。 -
昼間の太鼓台とはがらりと印象が変わって
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ちょっと神々しいまでの美しさ。
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揺れる房飾りも素晴らしい。
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前後にゆっさゆっさ
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イチオシ
上下にゆっさゆっさ
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太鼓台の重みに耐えながら、息を合わせた力強い演技。
最後までやり切ったぞいう安堵の表情もいいですね。 -
続いては、松の木太鼓台
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ピーピーピーピー
笛を鳴らして前進。 -
差し上げから入りました。
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かき夫さんたちもまだまだ元気いっぱい
ここからですね~ -
東雲太鼓台
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鮮やかな青の色調
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指揮者は四人のはずですが
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一人なにか写真をもっている人が
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もしかして、ここの太鼓台に貢献した人なんでしょうか。
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イチオシ
その人の思いまで含めてのパーフォーマンスだったようですね。
無事にやり切ったぜのポーズ。 -
お疲れさまでした~
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町太鼓台
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こちらはライトブルー
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最初はちょっとゆるゆる
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慣れてきたところでだんだんギアを上げていきますよ~
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それそれ
それそれ~ -
房飾りもいい感じで揺れています。
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浮島太鼓台
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ゆっくり入場して
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では、一丁やりますかあ
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いくぞー
-
それー
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太鼓台を傾けて
ゆっさゆっさ
ゆっさゆっさ -
ところで、こうやって近場で見てますけど、実は私の周りはず~っと押し合いへし合い。この辺で、ちょっと限界かな。
夜太鼓の魅力も十分わかったし、これから川之江ですからね。今度の列車を逃すとかなり遅くなるし、退散しようと思います。 -
多喜浜駅から川之江駅に到着。
今夜の宿のプリンスホテル杉源は、川之江駅から歩いて10分くらい。市街の裏路地のようなところに建つビジネスホテルでした。部屋には最低限のものしか置いてなくて、シンプルですが、こういうホテルの場合、そういうシンプルさが面倒くさくなくて一番助かる。好印象でした。
明日は、坂出から宇多津を回ります。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ようかんさん 2024/09/19 00:16:16
- たくさんのお写真をありがとうございます~
- たびたびさま
こんばんは
遅くにコメント失礼します
素晴らしいです!
新居浜太鼓祭り!
たくさんのお写真をありがとうございます~
感動です~
いっぱい見られてうれしいです!
迫力ある太鼓台きれいですね
私、同じ四国なのに、いつか観たいと思っていて毎年見れていません。。。
たびたび様の行動力うらやましいです
来年こそは。。。
- たびたびさん からの返信 2024/09/20 17:35:50
- RE: たくさんのお写真をありがとうございます~
- 新居浜太鼓祭りは10月。まだこれからですから、今年でもチェレンジOKですよ。
たびたび
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