2021/09/24 - 2021/09/24
250位(同エリア388件中)
おやじさん
半田市乙川若宮町。
知多新四国霊場 五十四番札所海潮院から西に40分程歩き、乙川幼稚園北側に知多新四国八十八箇所霊場番外の「曹洞宗 清涼山 海蔵寺」に至ります、海蔵寺周辺には若宮神社、香取神社が鎮座し併せて参拝するのもいいかもしれない。
- 旅行の満足度
- 2.5
- 観光
- 2.5
- 交通
- 2.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
-
清涼山 海蔵寺入口。
山門はなく参道右に禁葷酒入界内の石標が建っています。
正面には本堂が見えている、今日は餃子もビールも口にしてはいないので大丈夫。 -
海蔵寺境内の全景。
参道左の宝篋印塔の先に本堂、右に庫裏・納経所、本堂左は手前から鐘楼、手水舎、弘法堂の伽藍。
中庭に聳えるイチョウの樹が印象的で、これらが黄葉し境内を黄に染める頃に訪れると海蔵寺の別の一面を見られるのでは。
境内に車が止まっていますが法要に訪れた方の専用駐車場と理解した方がいいかもしれません。 -
参道左の宝篋印塔方向の眺め。
右手に聖観世音菩薩像、奥の樹々に覆われた一画に鐘楼が建っています。
更にその後方に広々とした海蔵寺参拝者駐車場があり、駐車に困る事はなさそうです。
とはいえ、この辺りの道は幅員の狭い個所も多く、今日は歩きですが、自分なら軽でくるかな。 -
瓦葺の切妻屋根の鐘楼。
-
海蔵寺本堂全景。
比較的新しいように見えます、過去この地は大きな地震(昭和19・20年の東南海・三河地震)に見舞われ、海蔵寺の庫裏を始め大きな被害を受けたそうです、こうして見る姿はその後再興されたもの。
新しいとはいえ、正面から見る入母屋瓦葺の本堂の姿は安定感があり落ち着いた佇まいのもの。 -
本堂の額と堂内。
海蔵寺の創建は1489年(長享3)と云われ、開山は月洲用敦大和尚、開基は華草栄香大和尚とされます。
本尊は釈迦如来で宗派は曹洞宗。
知多四国霊場は弘法大師上陸の地でもあるこの地方で、大師と所縁のある88ヶ寺の札所と番外10ヶ寺で成り立っています。
海蔵寺は1909年(明治42)に高野山奥の院として番外に加えられ、直伝弘法霊場二十二番札所、東海薬師霊場四十六番札所でもあります。 -
本堂左の弘法堂全景。
左に手水舎とその左にも大きなイチョウの樹が聳えている。 -
本堂と庫裏方向の眺め。
イチョウの樹の大きなこと。 -
切妻瓦葺の手水舎、訪れた時は秋の実り銀杏が一杯。
龍はまだお休みの様です。 -
弘法堂入口右の石標には「この寺に大師法来の法衣あり」と刻まれています。
その由縁は海蔵寺第二世、田翁和尚は予知能力に長けた方で、遠く離れた高野山の火災を予知し、祈祷しながら庭に水を撒き高野山の火を消したそうです。
そうした功績から高野山より「蓮糸の法衣」を授かり、それは寺宝として現在も受け継がれているそうです。 -
御詠歌 奥の院高野の山に変らねば 真心こめて頼め諸人
「曹洞宗 清涼山 海蔵寺」
宗派 / 曹洞宗
創建 / 1489年(長享3)
開山 / 月洲用敦大和尚
開基 / 華草栄香大和尚
本尊 / 釈迦如来
札所 / 知多新四国八十八箇所霊場番外、直伝弘法霊場二十二番札所、東海薬師霊場四十六番札所
所在地 / 半田市乙川若宮町二十五番地 -
海蔵寺参拝者駐車場の西側の道路を左に1~2分程歩く、住宅地の中、前方右側に広い空間が現れます。
若宮神社の社地で、道路から振り返れば海蔵寺本堂の大棟が見えるくらいの距離感にあります。
知多四国を歩いていたからこそ出会えた神社です。
住所は半田市乙川若宮町、町名からして若宮神社の名を冠している。
面白いのが周辺の住宅街と神社神域の境界となる玉垣がない。 -
若宮神社境内全景。
横長の切妻平入拝殿に千鳥破風と唐破風が付きその後方に覆殿らしき建物の伽藍。
境内左に境内社が二社祀られていました。 -
社頭から境内全景。
車道に面した社地はどこからでも境内に立ち入る事ができます。
訪れたのが9月も終わろうとしているのに、まだまだ半袖で十分な陽気でした。
深い杜がある訳でもないので境内は明るく、風の通りがとても良かったのが印象に残っています。
広い社地の南側に常夜灯と鳥居が建ち、左には手水舎があるが社標はここには見られなかった。
結界となる玉垣がないだけでこの神社が妙に身近な存在に感じられる。 -
境内には由緒書きらしきものが見当たらなかったので手水鉢を診て見る。
そこには弘化?5年戊申(1848)と彫られていた。
読みにくいけれど元号の下に化が付いて五年の戊申というと弘化で間違いないだろう。
綺麗な社殿の外観から想像できないくらい、古くからこの地で何世代にもわたり氏子達を見守ってきた神社のようです。 -
上は1890年(明治23)頃の神社周辺、海蔵寺のすぐとなりといっても過言ではない。
田畑に囲まれた乙川村集落の北外れに鳥居は記されている。
境内の燈籠や狛犬など目を通してみたが、鉢が一番古い寄進のようだった。
どこまで遡れるのか地史など調べて見ましたが明確な記述は見つけられなかった。 -
拝殿全景。
コンクリート造りですがとても安定感のある外観で、破風がアクセントになり、いい姿をしている。
拝殿前を狛犬が守護する。 -
肉付きも良く、これ以上開きませんとばかり目を見開き眼光は鋭い。
-
若宮神社で印象に残るのが拝殿の破風かもしれない。
参拝を済ませ拝殿から本殿方向を眺める。
拝殿から先は覆殿となっているようで、そこには石垣で一段高く積まれた台座の上に本殿が祀られていました。
画像が不明瞭で本殿が良く分からないけれど、茅葺か檜皮葺の流造の様に見えます
祭神は仁徳天皇(大雀命)
創建等の詳細は不明。 -
境内左に二社の境内社。
-
左の社は秋葉神社。
-
右の社が熱田神社。
境内西側の杜が作る数少ない木陰の下に整然と祀られていた。
どこからでも境内に出入りできる社地、少し調べて見ると…
亀崎には山車がありました、この一帯にも山車が受け継がれているようで、3月の春の祭礼では浅井山宮本車、殿海道山源氏車、南山八幡車、西山神楽車の4輛が、若宮神社とここから南に鎮座する乙川八幡社を二日間にわたり巡行されるそうです。
山車の巡行のために玉垣で囲っていないのかも知れません。
知多四国を巡りながら「チョットだけ」と寄り道するもんだから時間の過ぎるのが早い。
かみさんの目が「次の札所いくよ」と訴えている。
とてもお待たせしました、先に進もう。 -
若宮神社の社頭から西の通りに出ると、社標はここにあった。
若宮神社
創建 / 不明
祭神 / 仁徳天皇(大雀命)
境内社 / 秋葉神社、熱田神社
所在地 / 半田市乙川若宮町38 -
半田市乙川北側町2「香取神社」
知多四国八十八番外奥之院の海蔵寺から南西の若宮神社を経て、社頭から右に進んだ左側に鎮座する。今回訪れた中で一番魅かれた神社かもしれない。
上は先に掲載した海蔵寺、若宮神社と香取神社の位置関係。
明治の地図には香取神社を示す印は表されていなかったが、若宮神社から徒歩で2~3分ほどの西山神楽車の山車蔵の左に鎮座しています。 -
御神木は推定樹齢450年とされるイブキの樹、幹はうねる様に上に伸び枝葉は社殿を覆わんばかり。
社殿は石垣が積まれ一段高く盛られ本殿域に周囲を玉垣と神門で囲み、覆殿の中に本殿が祀られているようで、手水舎は写真右側の常夜灯の横にあります。
鹿取神社
総本社は千葉県の香取市に鎮座する下総国の一之宮「香取神社」で全国に400社近くあるそうですが、この地方ではあまり馴染みがないかもしれない。
小社ですが歴史は古く、由緒書きは以下
「香取神社 本宮千葉県佐原市
明徳時代(1390年頃)毘沙門として創建、明治8年頃に現社名に改称された。
祭神は経津主大神(ふつぬしのおおかみ)
毘沙門さん 明徳時代の御祭神で福の神、戦の神の御神徳が有名」
とある。
どこから勧請されたものかは記されていないけれど、祭神の経津主大神(伊波比主命)は出雲の国譲りの神話に登場する神様。
天上界を治めていた天照大神は自分の息子が地上世界を治めるのが相応しいと考え、古代日本の荒ぶる地上世界(葦原中国)を治めていた出雲の国の大国主神のもとへ何度か遣いを下ろすも取り込まれ戻ってこない。
満を持して遣わされたのが経津主大神と武甕槌大神の二神で、それにより大国主神は地上世界を天照大神に譲り、その見返りに大国主神のために出雲大社が建てられた。
そうした武徳から平和・外交の祖神として、勝運、交通安全、家内安全、災難除け、産業指導、海上守護、心願成就、縁結、安産の神として広く崇敬されている。 -
桟瓦葺の玉垣に囲まれた香取神社、鳥居や狛犬はなく小さな社殿かもしれない。
いつも感じるけれど、格式も敷居も高い大きな神社より、街角のこうした身近にある神社の方が妙に魅かれる。
綺麗な街並みの中にポツンと荒廃した小さな神社の姿を見かけると、街並みも色あせて見えたりもします。
町の守護神として住民の方々からどれだけ崇敬されているかがよく分かります。
失くした町に住む者がこうして綺麗に維持された神社を見ると、地元の結びつきの強さみたいなものが感じられ時に羨ましく思ったりもします。
半田に山車や祭りが受け継がれているのも、そうしたものが住民同士の結びつきを繋ぐ役割を持っているのでしょう。 -
香取神社由緒書き。
-
神門の軒下の透かし彫りはうずらとあわ?
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社殿の斜景、町の神社らしくこぢんまりと纏まっています。
-
西山山車保管庫の右に方型の小さな地蔵堂がありました。
詳細は不明。 -
香取神社境内全景。
右手が西山山車保管庫、中に保管されている西山神楽車は建造は天保年間(1830~1844)とされ、明治、昭和と修理され今に引き継がれている。
香取神社
創建 / 明徳年間
祭神 / 経津主大神(伊波比主命)
所在地 / 半田市乙川北側町2-1
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