2021/12/21 - 2021/12/21
704位(同エリア732件中)
おやじさん
知多四国八十八箇所霊場八十七番札所長寿寺。
今回は長寿寺境内の鷲津山山麗に鎮座する高蔵坊稲荷神社。
その昔、荒廃する長寿寺の再興に力を貸した狐の神社です。
また長寿寺から少し東に鎮座する山神社を紹介します。
- 旅行の満足度
- 2.0
- 観光
- 2.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
-
長寿寺の特徴のある山門東側に朱の鳥居が見えます。
かみさんは足早に長寿寺境内に向かい、自分は朱の鳥居を目指す事にしました。
とても広い駐車場だ、それもそのはず、ここでは毎月「4」と「9」のつく日にこの場所で地元の生鮮食品を中心に菓子や衣料品などの青空市が開かれるという。
当日は市開催日ではなかったようで、ある意味それが正解だったかもしれない。 -
山門前から見る鳥居、見えていた鳥居のその先に幾つも奉納鳥居が連なっている。
どうやら稲荷のようだ。 -
鳥居の額には「高蔵坊稲荷」とあり、参道から赤い幟が連なり鷲津山に向け続いている。
鳥居右側には看板があるようだ。
山の頂まで続いているようだと例の如くかみさんを待たせそうだ。
山登りなら途中から引き返そう、まずは向かってみよう。 -
鳥居右の看板は「大高歴史の会」による解説、その内容は以下。
「高蔵坊(こうぞんぼう)稲荷
鷲津山の麓にある長寿寺の伝説です。
昔むかし、寺が傷んできて修理ができず住職の高蔵坊は困っていました。
その頃、この山に一匹の狐が住んでおり、住職はこの狐をとても可愛がっていました。
いつしか住職の嘆きを知った狐は、ある日突然姿を住職に変え、村々を巡ってこの寺の御利益を説いて廻りました。
その結果、各地からお参りの人々がつぎつぎ訪れる様になり寺は立派に修理できたという事です。
村人は、その狐を高蔵坊(こうぞんぼう)狐と呼び、ますます可愛がりました。
その後村人はお堂を建て、この狐を祀りました。
いまも毎年三月第一日曜日、高蔵坊稲荷大祭が行われ、多くの参拝者で賑わいます」
創建等の内容ではなく、長寿寺に纏わる昔話。
知多半島はごんぎつねの里や、つい最近でも半島に生息する狐の行動範囲について新聞にも掲載されていた。それによれば驚くほど行動範囲は広いようだ。
知多を始め、昔は知多の一部で緑豊かだった大高で狐は身近な存在なのかもしれない。 -
参道を登り始める、先は右に曲がり見通しが効かない、なんとなく参道は長そうな予感。
-
登り始めて直ぐ、左に方型のお堂が見えて来た、幟は更に右手奥に続いています。
これは稲荷ではなさそうだ、堂の左に手水鉢があるようなので堂に立ち寄ってみた。 -
堂前の手水鉢。
残念ながら建物の正体や奉納年度に繋がるものは彫られていなかった。 -
堂には額はなく、堂内を窺うもこの建物が何かは分からなかった。
-
参道に戻り右に少し進むと左側に稲荷鳥居と高蔵坊稲荷の赤い幟が奥へと続いている。
下の堂から少し上方斜面に位置し、鳥居の先に社殿も見える、山登りはないようだ。 -
高蔵坊稲荷。
切妻瓦葺の妻入り拝殿で軒下に鈴緒が下げられた鈴が吊られている。
一時期は鈴緒が上げられているのが当たり前だったが、少しずつこうした光景が戻ってきた。 -
拝殿は木造でさほど年月を重ねて来たとは思えない綺麗な外観。
-
拝殿内には高蔵坊稲荷と高蔵坊大明神の提灯が掛けられていた。
奥は見通せたが本殿までは見受けられなかった。
高蔵坊稲荷の創建時期は不明。
「高蔵坊の昔話」にある住職の高蔵坊や荒廃していた時期がいつを指すものなのか分からない。
長寿寺は幾度か伽藍を焼失し再興され、現在の伽藍は先の大戦で焼失後に再建され、1979年(昭和54)に改修を受けたもの。 -
尾張名所図会に長寿寺の伽藍が描かれていますが、そこには高蔵坊稲荷らしき姿は見受けられなかった。
山門の位置(赤丸)が当時と変わっていないと仮定すると、高蔵坊稲荷神社は破線の丸あたりになり、鐘楼は描かれていても周辺にらしきものは描かれていない。 -
地図から鳥居の印を探して見ると1968年以降に鳥居が見られても、それ以前の地図からは鳥居は見当たらない。明治以降から昭和初期にかけて建立されたものなのかも知れない。
長寿寺で大蔵坊の事を伺えばすっきりするかもしれない。
荒廃する寺を救った高蔵坊狐、今も鷲津山に住み寺を見守っているのかも知れない。
狐に守られた長寿寺は鉄筋コンクリートの立派な寺として現在も続いている。
高蔵坊稲荷神社
創建 / 不明
祭神 / 高蔵坊大明神
所在地 / 名古屋市緑区大高町字鷲津山13番地 -
次は知多四国八十七番札所長寿寺から県道50号線を5分程南下した県道沿いに鎮座する山神社。
歩道沿いに「山神社」の社標が見えてきます。
県道から少し中に入れば鳥居を構えた小さな山神社の社地が見えてきます。 -
社頭全景。
左側は東海道線の高架が延々と伸び、鳥居は誰も来ることのできない高架に向かって建っています。
鳥居から奥は社を覆う様に小さな杜に包まれ、二本柱で控え柱のない簡素な手水舎があるだけのこぢんまりとした小さな神社です。 -
鳥居からみた境内。
正面の覆屋に本殿が祀られ、本殿域はブロックで囲まれています。
手水舎左に由緒書きもあるようです。 -
手水鉢は1960年(昭和35)と刻まれている。
通り沿いの社標も新しかった、意外に新しく造営されたものか。
その考えは傍らにある由緒書きを見て改める事になる。 -
「山神社
一般には「山の神さん」と親しみを込めて呼ばれています。
祭神は大山祇命。
この地方では冬は山にいて、春になると里へ降りて田畑を支配する神、ひいては生活全般の神とも云われています。
緑区の山神社では唯一独立した社叢を有し、更に祠は鞘堂に覆われた珍しいものです。
当社の創建は不明ですが、江戸時代初めの1660年代の記録に記載があるので、それ以前から存在していたと思われます。
祭事は12月に例祭、その前夜には提灯祭りが行われています。
なお、東海道線が高架になる前にはこの社の前の道は「山神踏切り」を通って大高のまちに通じていました。大高歴史の会」
小さな神社でありながら、地元の方により立派な由緒が残され語り繋がれている。
分からないものはどこまでいっても分からない、知り得た事を記すだけでも語り部となって行く。
山や森が消え、田畑は消えて家が建ち並ぶ、便利で綺麗な街になって行く。
そんな世界に鬱蒼とした小さな藪や朽ちかけた社があれば、それは奇異な視線を浴び、肝試しの舞台になりやがては消えていく。
小さな神社が消えていく背景に、先人の思いを語り継ぐ語り部を失ってしまうのがひとつの要因かもしれない。
意味もなく祀られたものはないだけに、手書きでもなんでも伝承していく事が、その地に住む者へのメッセージになる事もある。 -
石垣で高く盛られた神域、覆屋の中に萱葺屋根の社が祀られています。
-
鰹木は6本、千木は内削ぎの神明造のようです。
祭神の大山祇命は男神とされます、鰹木の数や削ぎの向きから男神か女神を識別するのはやはり無理があるようです。 -
社頭の前に万里の長城の様に新幹線の高架が立ちはだかり、昔は神社まで参道が続いていたのだろう。
今は神社までの道筋は寸断され、忘れ去られた様にポツンと鎮座しています。
何度か歩いていながら見逃してきた山の神様、やっと出会うことが出来たそんな気がした。
こんな住宅街に山の神様があるの?
いつかはそんな事になってしまうのかもしれない。
2021/12/02
山神社
創建 / 不明
祭神 / 大山祇命
所在地 / 名古屋市緑区大高町西丸根
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