2023/10/01 - 2023/10/01
84位(同エリア239件中)
あおしさん
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昭和52年(1977年)まで尾小屋鉄道というローカル鉄道がありました。
尾小屋銅山とともに発展した鉄道です。
銅山の下には多くの人が集まり、銅山城下町を形成していました。
今は尾小屋鉄道も廃止にいなり、尾小屋銅山のふもとの町もほぼ無人になっていますが、年に数回、尾小屋鉄道の車両の体験乗車や尾小屋銅山町のガイドツアー散策などのイベントが行われています。
10月1日にイベントがあったので参加してきました。
https://www.youtube.com/watch?v=Wje2Z-zKLzw
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 3.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 新幹線 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
かつて尾小屋鉄道の始発駅だったJR北陸本線・小松駅。
来年の3月の北陸新幹線開業に備えて、駅もすっかり立派になりました。小松駅 駅
-
朝9時に小松駅からイベントへ向かう人用の無料送迎バスが出発します。
尾小屋鉄道が廃止後はバスが運行されていましたが、これも廃止されてしまったため、公共交通機関で尾小屋に行くことができなくなりました。
乗客は10人ほどと案外少なかったです。
みなさんクルマなんでしょう。ハイパーホテル小松 宿・ホテル
-
小松駅から尾小屋まで約18キロ、バスはノンストップで約30分。
途中、小松駅から9キロの中間地点の金野集落。
ここまではバスは来ていますが、それでも1日2本。
見た目では500軒ほどの家々のある中規模の集落ですが、過疎が相当すすんでいるのでしょう。 -
金野集落を過ぎると、バスは山間地へ走っていきます。
途中、10軒程度の小さな集落が点在していますが、バスは走っていません。
地元の人には市が乗りあいタクシーを運行しているようです。
正直こんな山間地に昭和50年代まで鉄道が走っていたこともとても不思議です。 -
バスは終点の「ポッポ汽車展示館」に到着しました。
小雨が降っていますが、マイカーで来ている人が多く、結構な人でにぎわっていました。石川県立尾小屋鉱山資料館 尾小屋マインロード 美術館・博物館
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まずは尾小屋鉱山資料館へ行きます。
尾小屋銅山は明治時代に開発され、全盛期には年間3000トン、従業員だけで1000人、この周辺には5000人もの人々が住んでいた時期もありました。 -
資料館の中にある尾小屋鉱山の模型。
尾小屋鉱山町はとても栄え、夜になると「当時は尾小屋の街だけが小松の山に明るく輝いてた」「嫁にやるなら尾小屋へやらんせ、金が天から地から湧く」などと言われていたそうです。 -
尾小屋銅山の坑道の一部は観光用に整備されて解放されていますが、今日はトロッコで坑道の中を運行されていました。
往復3分程度のささやかなトロッコ体験乗車です。
「客車」1両、銅を運ぶ貨物トロッコの2両です。
私は貨物トロッコの方に乗りました。 -
トロッコで走る坑道。
今ではと当時の事務所や鉱夫の休憩所、発掘現場などが人形で再現されています。 -
尾小屋鉱山町には、銅山から掘り出された鉱石を製錬する際に出される廃棄物から作られたレンガ、カラミが多く使われました。
10時半からその「カラミの町」を散策するツアーがありました。
ガイドさんは元鉱山資料館の館長さん。
50人ほどが参加していました。 -
まず最初の場所は廃墟となった喫茶店。
かつてここには映画館があったそうです。
1000人ほども入れる大規模な映画館で、鉱山全盛期には小松市街などから尾小屋鉄道に乗ってわざわざこの映画館に来る人も多かったそうです。 -
ここはかつての病院跡。
今では信じられませんが、事故による負傷者も多い鉱山の町の病院ということで今でいう総合病院がここにあったそうです。 -
これがカラミと言われるレンガ。
六角形に作られて亀甲カラミと呼ばれます。
普通のレンガは土から作られ赤い色をしていますが、こちらは鉱石の廃棄物からなので黒光りしています。
見慣れてくると、なかなか美しいレンガに見えてきました。 -
かつては多くの商店が並び、「尾小屋銀座」と呼ばれた尾小屋銅山町の中心街だったところ。
今では元商店の無人の家が2軒ほど残っているだけです。
とても「銀座」と呼ばれるほどの想像もできないのですが、この狭い場所に5000人の人が住んでいたころはさぞかじ人であふれていたことでしょう。 -
資料館にあった当時の尾小屋銅山町、尾小屋銀座。
多くの商店や民家が所せましと並び、下には病院などの立派な建物、上にはまるでお城の石垣のような「カラミ」の石垣があり、そのうえには白亜の殿堂のような鉱山事務所がありました。
まさに企業城下町だったようです。 -
現在の残る貴重なカラミ造りの倉庫。
ある商店の倉庫だったそうですが、当時はとても大きな商店だったのでしょう。 -
現在も残る民家。
当時は商店だったそうで、最近まで90歳を超えたおばあさんが1人で暮らしていたとか。
現在はそのおばあさんも小松市中心部のお子さんの家に移り、無人の家です。
このおばあさんが20歳そこそこでお嫁に来た頃、昭和30年代が尾小屋銅山町の全盛期。
町の栄枯盛衰を見てきたことでしょう。 -
先ほどの写真の上部にあったカラミでつくられた3重の「石垣」。
一番下はコンクリートで固められていますが、かつてはこの3重の「石垣」の上に白亜の殿堂のような巨大な鉱山事務所、そして製錬工場などが並び、まさに「お城」のようだったそうです。 -
人々が生活している鉱山町と事務所を結ぶ橋。
この橋が生活の場と鉱山を結んでいました。
立派で大正ロマン風の美しい橋ですが、老朽化が激しいことから、1か月後に撤去されるとのこと。
貴重な歴史遺産と思うのですが、残念なことです。
ガイドさんがこの話をしたときには、ツアー参加者の多くの人から「ええーっ!」と悲鳴が上がっていました。 -
ガイドツアーは約1時間半。
さきほどの広場に戻ります。
本日は当時坑道で使われていたトロッコの体験乗車が実施されていました。
戦前の木造のトロッコと戦後の鉄製のトロッコ列車で5分ほどで一周していました。 -
尾小屋鉄道のデイーゼルカーが「駅構内」から出てきました。
50年近く前に引退した車両ですが、保存状態もよく、塗装もされてピカピカ。 -
尾小屋鉄道で使われていた小さな蒸気機関車です。
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こちらも尾小屋鉄道で使われていた客車。
蒸気機関車に引かれてこの客車に尾小屋の人々は乗っていたのです。 -
尾小屋鉄道のデイーゼルカーの乗車体験。
100mほどの線路を2往復するだけのささやかな体験ですが、50年前に引退した車両が動くだけでもすごいことです。
保存活動している方々の活動には頭が下がります。
こんなデイーゼルカーにも乗ってみたかったな。
というかどこかの鉄道会社で観光列車として運行してくれないかな。 -
4時間ほど滞在して、13時半の送迎バスで小松駅へ戻ります。
行は直行でしたが、帰りはちょっとしたサービスで尾小屋鉄道の歴史についての説明や遺構のそばを立ち寄ったりしてくれました。
バスの車内から撮った尾小屋鉄道の鉄橋の遺構です。小松駅観光情報センター 名所・史跡
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小松駅に戻り、小松駅周辺を散策します。
小松駅近くにある「ボンネット公園」。
普通の公園ですが、ボンネット型と呼ばれる特急電車が保存展示されていました。
昭和30年代、東京大阪を高速で結ぶ特急「こだま」としてデビューした車両で、かつての国鉄を代表する車両でした。土居原1号公園 (土居原ボンネット広場) 公園・植物園
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小松市は重機メーカーの大手「コマツ」こと小松製作所があります。
小松駅そばには小松製作所のPR広場があり、大きな重機などが展示されていました。
近くで見るとものすごい迫力でした。こまつの杜 公園・植物園
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小松市で行われる曳山祭りの山車が展示されている「曳山交流館 みよっさ」。
美しい山車ですが、この山車の舞台では、子ども歌舞伎が行われます。こまつ曳山交流館みよっさ 美術館・博物館
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曳山祭りの氏神、兎橋神社。
地元では「おすわさま」と呼ばれているようです。兎橋神社 寺・神社・教会
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小松駅周辺は多くのお寺が並び、寺町となっています。
松尾芭蕉が小松で宿泊した建聖寺。建聖寺 寺・神社・教会
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小松駅から金沢駅へ行きます。
金沢大阪の特急「サンダーバード」。
金沢からは名古屋方面へ「しらさぎ」もあり、1時間に2~4本特急列車が発着していますが、それもあと半年。
半年後は特急列車は金沢駅から消えてしまいます。小松駅 駅
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金沢からは新幹線「かがやき」で東京へ。
途中、富山、長野、大宮岳停車する速達便。
大宮までわずか2時間。
速いものです。
かつて会社の転勤で金沢に勤務していたことがあり、そのころは夜行列車で東京と金沢を移動していた経験からは「文明の利器」のすごさを実感しました。金沢駅 駅
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