
2023/09/14 - 2023/09/14
166位(同エリア4422件中)
トゥーバーズさん
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この旅行記スケジュールを元に
デュシタニ京都ができたみたい。
調べてみたら、たまたまお部屋が開いていて。たまたま特別価格のプランも出ていたり。
紅葉にもまだ早く残暑厳しい夏の京都とシーズナリティはいまひとつですが、むしろだからこそ注目のお宿も気軽に試せます。
近年、各国のラグジュアリーホテルの進出が進む京都。新時代の幕開けなのかも!と期待して、1泊2日で京都に行ってきました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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いつもに増して突然に決まった京都旅行。
往路はちょうど一年前の2022年9月に新開業したバスターミナル東京八重洲からの夜行バスを利用します。ヤエチカを突き抜けていくとサインボードが見つかります。
東京駅の八重洲南口から東京の八重洲地下街を抜けて、東京ミッドタウン八重洲の地下二階がバスターミナルに整備されています。
今はまだ第一期工事分だけですが、2025年には三期工事まで終えて、今の3倍のキャパシティのバスターミナルになる予定。
長らく東京駅の発着といえば鍛治橋駐車場でしたが、正直あまり良い印象はありません。雨の日や暑い日は使いたくないので、東京駅発着を積極的に選ぶことはなかったのです。しかし新しく整備されるのは地下。それならエアコンもよく効きますし、天候を気にせず快適にバス待ちできそうです。 -
地下二階までエスカレーターで降りて行けば到着です。八重洲南口から徒歩5分くらい。しかも新しくて綺麗です。近くに来るとバス待ちの面々が床に座り込んで仲間とワイワイしながら待っています。
地下二階にはファミマが入っているので、そこで軽食や飲み物も調達できました。 -
日付の変わる0時05分発の3列シート仕様の贅沢バスです。
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値段なら4列の方が安いですが、リクライニングの自由度高いですしカーテンの仕切りもあるしで、すっかり贅沢が身についてしまいました。
それでも新幹線の半額で運んでくれるのですからありがたい話です。所要時間は7時間。京都の到着は朝7時の予定です。 -
3時ごろ浜松で休憩していた時に少し外に出ましたが、あとはバスに揺られながら予定通り早朝に京都駅に到着しました。
「バスの写真撮っておいてよ」
「オーケー、あ!!」
「何やってるのよ!」
「ごめん、なんかエラーメッセージでて壊れたみたい…」
旦那の不注意でいつも使っているカメラを落としてしまって、ちょうど運悪くピント合わせるタイミングだったのでレンズユニットが故障してしまいました…
朝から予定外のトラブル…旦那クラッシャーすぎです。京都駅 駅
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京都に着いたとはいえ、とりあえずノープラン!
真面目に今回の旅行はデュシタニに泊まる以外に京都の旅程がほとんどありません。
駅のロッカーにスーツケースを預けて北口に向かうと、目の前に京都タワーがありました。旦那が住んでいた子供の頃は京都の高さ制限が厳しくて、京都駅といえば京都タワーと東寺の五重塔しか高い建物はなかったのだそう。素敵なデザインのタワーです。
確か下の階はお土産売り場になってるはずというので、行ってみましたが残念ながら営業時間外でした。京都タワー 名所・史跡
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プラプラ歩いてみると、駅周りのビルの裏に京都っぽいものを見つけました。
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エアダクトの横に木彫りの大黒天さま。あとは東本願寺さまと周りの仏具屋と旅館があるくらいで、珍しいものはなく。
「京都の街は四条河原町あたりから二条御池のあたりまで繁華街から官庁街なんだ。JR駅は街の外れの7条。地下街があるけど、地上はなんもないんだよ。デュシタニもお西さんの隣らしいから、立地でいうと京都観光には不便なのは気になるね」
「ふーん、そうなの」
「金沢と同じで、古い街にはありがちだよ」 -
そんなわけで地下街に降りて駅に戻ってきました。広隆寺が朝開いてないので、とりあえず朝ごはんに軽く何か食べたいところです。
しかし朝から何をやってるのやら?
選んだお店は地下街の隅っこにある京都の老舗喫茶店イノダコーヒさん。コーヒーじゃなくてコーヒなんだとか。こだわりの京都創業の喫茶店です。イノダコーヒ ポルタ支店 グルメ・レストラン
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嫁はモーニングのロールパンセット。エビフライのロールパンサンドに、アイスラテです。
ふうわりロールパンにエビフライがおいしい…
ポテトサラダもついています。 -
旦那はレモンパイのセットとホットコーヒー。
レモン風味のメレンゲと、プリンみたいなカスタードクリームが独特の美味しさで気に入りました。 -
京都駅に戻ってきました。立派なものです。ホテルのチェックインは15時。まだ時間はあります。朝ごはんを食べて力もつけたので、京都市内観光に出発です。
「どこか行きたいところある?」
「前に来た時にね、広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像がいいお顔してたのよ」
「洛西だっけか。ちょうど時期も中途半端に夏で、嵐山もまだ季節じゃないだろうしな…いいかもね」
「でしょ?」 -
京都駅から山陰本線に乗って15分ほど。太秦にやってきました。修学旅行生の小グループに混じって、広隆寺を目指します。
「修学旅行の時期なんだねぇ」
「映画村かな?」
「学生が時代劇の映画村にいくとも思えないけど」
「そう?東映のコンテンツ色々あるみたいよ」
「広隆寺だと思うけどな」太秦駅 駅
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5分ほど歩いたところに広隆寺さんがありました。
立派な門構えです。 -
いざ、境内にうかがいます。
広隆寺 寺・神社・教会
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仏像だけでなく、全域が重要文化財指定です。
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イチオシ
境内はよく手入れされています。歩きながら、チラチラ飛んでくる鳥さんも撮影できました。凛々しいメジロさんです。
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葉っぱ被ってしまいましたが、木の高いところから低いところまで、チラチラ落ちてきているのはヤマガラちゃん。
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何羽も飛んできていたのはイソヒヨドリみたい。
境内はよく手入れされていて、さすがの庭園です。暑さを忘れる木陰が多いのに落ち葉も落ちておらず、雑草も綺麗。各地いろいろ庭園はありますが、総じて京都のお庭は手入れが行き届いていて美しく、こちらの広隆寺さんも例外ではないようです。 -
仏像のある霊宝殿に入るには、境内の奥の方で拝観料をお支払いする必要があります。1000円喜捨しましてチケットをいただきます。
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ここから先。霊宝殿は撮影及び写生禁止です。
たくさんの仏像を見られる霊宝殿ですが、単に飾ってあるというより、仏像と対話するかのような空間になっていて良かったです。メインの国宝弥勒菩薩半跏思惟像は左右に桟敷が設けてあって、ご尊顔拝し奉りながら、座った位置や、立った高さ、左前や右前などなどで表情の違いを感じられたり、なによりガラスケース越しでなく、同じ空間内にあって背筋を伸ばして手を合わせられるのです。
他に有名どころでは聖徳太子像や不空羂索観音菩薩像もあります。
オススメは向かって左手の蔵王権現像です。京都の像にしては新しい鎌倉のものらしいですが、パリピというか、サタデーナイトフィーバーというか、よくできています。 -
お庭の苔。よく育っていました。季節が早ければ、もっと緑が綺麗でしたでしょう。少しだけ秋の気配もないわけではないようです。もう一月ほど遅ければ、嵐山も良い風情になるのではないでしょうか。
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落ち着いた時間を過ごすことができた広隆寺を後にします。
「これからどこいく?」
「もう行きたいところは行っちゃったしね。半跏思惟像見れたから満足した」
「仏像見るなら…ほら、六波羅蜜寺の空也上人像とかはどうなの」
「悪くないけどJRの"そうだ京都行こう"、そのまんま過ぎるわ」
「夏の京都なんか、暑いし来るもんじゃないんだよ。その点仏像ならエアコン効いてるしちょうどいいんだけどな。あとは涼し気な有名どこで嵐山の竹林が近いよ」
「行くなら朝よね。もう出遅れてない?」
「そうかなー…うーん」
「とりあえず軽くお饅頭を食べに行きましょ」
「中村軒さんだっけ?」
「へー、桂川の川っぺりなんだ。ここなら遠くないかも」
「お昼に少し早いけど、かき氷もあるから涼めるよ」 -
バスで行くと近いのですが、時間もあるし路面電車の嵐電に乗りたかったので、あえてお寺の目の前にある太秦広隆寺駅に。
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イチオシ
しばらく待つと紫のカワイイ電車がやって来ました!
嵐電 乗り物
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京都唯一の路面電車は道路の真ん中を走っていきます。
今年になって、嵐電も京トラム(KYOTRAM)という新型車両を走らせているみたいですが、今回は従来車両に乗りました。 -
そして阪急に乗り換え。紫からえんじ色になりました。関西の私鉄はなじみがないので、色々と乗れて楽しいです。
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阪急の桂駅から歩いて10分程。
もうすぐ桂川というあたりに中村軒さんの本店です。京都高島屋さんにもお店を出しておられる創業140年の老舗和菓子屋さんで、こちらでは売り場に茶店を併設されています。
人のいないタイミングで撮影していますが、平日の昼間でもチラホラと人が途切れることなくやってくることから、結構な人気店なご様子です。御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン
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名物麦手餅が有名ですが、今回お目当てはかつらの焼き印がかわいらしい「かつら饅頭」です。
「これこれ、このヘタウマな字体がかわいいのよね」
「饅頭なんて小麦の御菓子は関東の田舎のもんだと思ってたけど、京都にもあるんだねえ」
「有名みたいよ?」
初代の姉、お米さんが発案したお饅頭で、素朴なお饅頭のように見えますが、旧久邇宮家御用達の看板もいただいていたとのことです。まったく失礼な話ですが、いくつかいただきます。
茶店のほうで、表で購入できる一部のお菓子を食べることもできるのですが、その場合はお茶とセットになります。
お饅頭は後でいただきましたが、あんこも皮も薄くて上品で、さすがのお味でした。美味しかったです。 -
購入するぶんは購入して、お店に入ってかき氷をいただきます。
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茶店は最近リノベーションされたとのことで、落ち着いた和空間になっていました。
ちょうどお昼前で軽めのランチです。
注文を済ませて、ぼーっと眺める奥ッ手の窓の景色。いい風情です。 -
テーブルの木目が綺麗。手触りも素敵なテーブルです。
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うわ!器がかわいい!
注文はわらび餅、名物麦手餅、かき氷のいちじくフレーバーです。 -
麦手餅。きな粉が凶悪です。あんこの甘さ控えめで上品なお味。関東の人としてはわらび餅も含めて、このきな粉にはぜひとも黒蜜が欲しいところ…
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かき氷もシェアして食べます。
甘さ控えめ。いちじくの追いシロップが付いてきますので、かけるとより贅沢感。スッキリ!冷たくて美味しかったです。
最後にこちらのお店。ホームページからいける和菓子屋のおかみさんの書く「京のおかし歳時記」という主に月々の季節商品にちなんだ言文一致体のブログが月一更新されていますが、勉強になります。
ちなみに2023年6月は「かつら饅頭」をテーマにして書かれています。
http://nakamuraken.jugem.jp/ -
お昼を回って、中村軒さんを後にします。
「チェックインまであと1箇所くらい回れるけど?」
「どこ行こうかしらね」
「もう一軒お饅頭屋さんチェックしてなかった?」
「してたけど閉店したみたいなの」
「えー?そうなんだ。うーん…京都って、銀閣とか苔寺とか、お庭がすごい綺麗な印象があってさ」
「じゃあお庭見に行く?それもいいけど」
「お庭ならすぐ近くの桂離宮かな。本来なら予約制で当日行って入れるかはギャンブルだけど…今日は平日だからもしかしたら入れるかも」
「でも近いんでしょ?行ってみたら」
「聞いてみてダメなら苔寺行ってみようか」
「大丈夫よ、お庭見にいきましょ」
桂川の川沿い歩いて、桂離宮の一般入口を目指します。 -
川沿いを歩くこと約10分。入り口の門前で申し込みのテントを見つけて、担当の方に恐る恐る「あのー…予約してないんですが当日の参観って大丈夫ですか?」と聞いてみたところ…
幸運にも、安心してください!開いてますよ!と元気に返していただけました。
「いやー、オフシーズンの平日さまさまだ。なかなか予約取れないんだよ」
「ちょうど13時のガイドツアーの最後の申し込みだったね」
「最高峰の日本庭園って言われるくらいだしね。ダメ元でも聞いてみるものだね」
話しながら参観者の休憩所に向かう途中に、奥から先に来て申し込んでいた方々が歩いて来られて、そのまま庭園内のガイドツアーに参加することになりました。本当にギリギリの申し込みだったみたいです。 -
参観料は1人1000円。ガイドツアーは9時から16時までの間1時間に一回づつ定員20名で開催されます。私たちが参加したのは13時きっかりな回でした。
ガイドさんを先頭に、参加者が列を作ってついていきます。そして少し離れたところの最後尾にもスタッフが1人ついて歩いてくれます。
参観者出入り口から入って、まずは御幸門までゾロゾロと着いて歩きます。桂離宮 名所・史跡
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門を支える柱はアベマキ。コルクのようなフカフカした手触りが優しい樹種です。
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御幸門から正門が望めます。
ガイドの方曰く、後水尾上皇が御成の際には、御幸門からまっすぐ先のところに見える正門が開いて、行幸門まで牛車で乗りつけて、御幸門からご入場されたとかなんとか… -
門から庭園に入り、ガイドのお兄さんから「外腰掛」の説明を受けます。
松琴亭に向かう前の待合の建物で、左手は厠ですが、実際にはトイレというより服の乱れを直すためのパウダールームとして使用されていたのだとか。 -
腰掛けの板が使われてスベスベになっていました。
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天井の化粧屋根裏。自然な木で素朴な演出です。色々と細かいところで手間暇かけています。
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都度都度ガイドさんが詳しく案内をしてくださいますので、みんなで聞き入ります。
桂離宮のお庭は池泉回遊式庭園といって、欠点として池をぐるりと回るので入ってすぐに庭の仕掛けが一望できてしまうのだそうです。
そこで、作庭を手がけた玉淵坊さんは、築山を作ったり様々な目隠しの仕掛けを用意しており、その一つがこの外腰掛から正面に並ぶソテツ。このソテツ、当時の流行で薩摩藩から贈られたものなのだそう。 -
手水を使う二重枡形の手水鉢。今は水でなくて小石を張ってあるのだとか。
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敷石のひいてある順路に沿って、お茶室の松琴亭を目指します。やや雲が多いのが幸いしていますが、真昼間です。結構な暑さの中、汗を拭きながら進みます。
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池の端に出ると視界が広がり、向こう岸に松琴亭の姿が見えました。手前の石橋は天橋立です。池にも州浜が作られていたり、細かく手が入っています。
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松琴亭を見学です。江戸初期1640年頃の建築のお茶室とのことですが、なんでも平安の昔から、桂の地は別業といわれる貴族の別荘地なのだそう。
桂離宮も桂別業として単なる遊びの場ではなく多分に政治の場としての性質を持っていたのだそうです。 -
あまり詳しくはないので、印象だけですが…やりすぎなくらい思い切ってデザインが前面に出ています。
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化粧屋根裏もこんなに綺麗。
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ふすまの特徴的な市松模様が目に留まります。
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イチオシ
床の間も凄いことに。藍で染めた紙を使っているんでしょうか?一周回ってモダンに見えます。
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昔はもっと青かったのか、裏は真っ青。それとも最初から薄藍気味なのかでもだいぶ印象変わりますが、かなり派手で大胆なつくりです。
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欄間も変わった素材感のある欄間でどこか軽い印象です。
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なんの写真かと思ったら、茅葺屋根の断面でした。
いったい何を撮っているのやら… -
さらに橋を渡って先に進みます。
苔が熱さにやられて少し元気がありません。もう少し季節が違うともっと美しかも濃ゆい緑を見せてくれたでしょう。 -
一行、歩いて暑っつ~!となってきた頃に、高台の縁台で一休み。
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敷地内で最も高い場所にある賞花亭というお茶室で、お池の見える感じも、見下ろすかたちで雰囲気が異なります。
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ちょうど賞花亭の前に白萩が花を咲かせていました。もう少し咲いてくれると、月に萩と、9月の夕べらしい風景になってくるのかもしれません。
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さらに池に沿って景色を楽しみながらプラプラと。
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でっかい実が成っていました。ツバキかな?
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順路の苔を踏まないように、石伝いに慎重に歩きます。
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続いて園林堂に到着します。おんりんどうと読むそうです。トップの膨らんだ瓦屋根、これまでと違うダイヤ型に切られた敷石、いきなり目に入る火灯窓。急に雰囲気の違う建物になります。
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説明によると仏事の礼拝堂とのことで、少し厳かなのはそのためでしょうか?
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また暫く園路を歩いて、お堀を渡ると次の茶室、笑意軒に辿り着きます。
これまでの茶室よりちょいと立派でカクカクした四角い民家風。その壁にいきなりの6連の丸窓はここまでくると「またか」といった感じ。やはり思い切ったデザインです。 -
お部屋の向こうに見える腰壁のデザインは建築版の金継ぎのようなものなのだそう。舶来物の市松模様のビロードを張っていたところ、ボロくなってきたので金を箔っちゃったとか。結果的によくスパッと思い切ったわね…といった風情になっています。
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欄間もシンプルで装飾性の少ないつくりのようで、ふと目をやれば後ろの棚はビロビロのパターン。これが目につきます。襖の引き手の金具は舟の櫂を模しているそうです。
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聞いてみたところ、入口の引き手は矢羽とのことでした。
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イチオシ
色々と印象に残る茶室でしたが、1番は風通しの良さです。向こうに映る緑の空間から、柔らかく風がそよそよと吹いて、涼を感じさせてくれました。
ちなみにトップの写真はこの桂離宮笑意軒のもう一つの広間で、1番そよそよと良い風吹いていたお部屋です。 -
特徴的な直線の縁台の下側。昔の建物なので当たり前ですが、基礎も天然石で押さえてあるんですね。
「ところで二つ質問があるんですが」
「なんですか?」
「竹の雨樋は後付けですか?」
「その通りです。拝観の方に屋根から落ちた水滴がかかるので、後で付けています」
「なるほど。そうですよね。もう一つ。雨が降った時は雨戸を立てるのですか?」
「雨戸はありません。庇が深く雨は中に入ってこないように作られてるんです」
「えー?!そうなの?」
「へえ、それは予想外。てっきり戸を閉めると思ってました。ありがとうございます」 -
後付けですが竹の雨樋もすごく綺麗に加工してあって、上手に巡らしてあるのです。竹垣組んだり、管理の皆さまの手技なんでしょうね。これなんてすごくかわいく機能的にできています。
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そろそろぐるりと池を一周します。書院は今屋根の葺き替え中。奥の屋根と手前の新しい屋根の色の違い何目立ちます。
「こけら葺きって、新しいものはこんなに違う色なのね」
「そうだねー、こんなたくさんの木の皮どこから持ってくるのやら…」
書院を通り過ぎて、そのまま最後の茶室に向かいます。 -
最後の茶室は月を見るための茶室、月波楼です。
部屋の窓の向こうに回ってきた池が見え、対岸に松琴亭を望みます。 -
よく見ると松琴亭の市松模様がここからでも見えています。
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竹を組んで船底天井になっている化粧屋根裏も綺麗です。こうしてみると天井板のない吹き抜け天井でバリ島の伝統ヴィラとも似てる気もします。
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こちらも書院と同じこけら葺きですが、経時変化でしょうか、真っ黒の板が葺かれています。
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ガイドさんから最後に入り口に戻る途中に池の全景を隠す衝立松をアナウンスを聞いて、約1時間のガイドツアーはおしまいです。
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出口に向かう園路。竹垣の風情があります。
「お庭良かったじゃない」
「色々行ったけど京都のお庭はすごいんだよ」
「へえ、そうなの?」
「総じて京都のお庭はお手入れが感動的に行き届いてるもの」
「そんなものかしらね」
「また季節が変わると、あと1ヶ月もしたらもっと良いと思うよ」
「そういう意味ではまた来たいわね」
「そうだねえ。さて、そろそろチェックインだよ」
「駅のロッカーの場所覚えてる?」
「SIZUYAベーカリーの前のロッカーだよ」
「さすが!じゃあ行きましょ」
行き当たりばったりの割に、偶然しっかりミシュランガイドの三ツ星スポット2ヶ所を回って、いよいよデュシタニです! -
桂離宮を出て、中村軒さんの前の桂離宮前バス停からバスに乗り、京都駅にロッカーの荷物を取ってから、ガラガラ引いて今晩のお宿に向かいます。
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徒歩で京都駅南口から15分。ざっくり15時少し過ぎにデュシタニ京都に到着しました。木材を取り入れた木を使った外観です。
デュシタニ京都 宿・ホテル
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エントランスは入り口の通路と砂利があしらわれていて、小さく小さく壁にDUSIT THANIのロゴが入っています。入っていくとボーイさんが挨拶して荷物を運んでくださいます。
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エントランス。エアコンがすっごい涼しくて生き返ります。
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フカフカの椅子に座りながら、チェックインカウンターで手続きです。今回はオープン記念の特別プランで、宿泊料に1人5000円のホテルクレジットが付いているプランでの宿泊です。
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ウェルカムドリンクは、組木のお盆に関西らしく冷やしあめ。冷たいおしぼりもありがたいです。
「ちなみにレストランはアラカルトでも予約できますか?」
「まだオープンしているレストランがタイ料理のAyatanaしかなくて、まだお一人30000円のコースしかメニューがない状況なんです」
「私たちあまり食べないので…コースは多すぎるんですよね…」
「レストランで使おうと思ってたんですが正直タイ料理に60000円っていうのもね…ショップはどこにありますか?」
「ショップは一階にあります。お買い物に使われるか、あるいはラウンジやバーもございますが?」
「お酒も飲まないんで…後でショップ覗いてみます」
「さようですか。例えば朝食でしたらお一人5060円でつけることができますので、それも良いかと存じます」
「それも良いですね。ホテルクレジットは使い方はあるんですか?」
「お部屋番号をお伝えいただいてチェックアウト時の清算になります」
「わかりました、ありがとうございます」
まだ地下のケーキショップもシェフが来日しておらずクローズしていて、2人で合計10000円のクレジットの使い道は懸案事項のまま、まずはお部屋に入らことにしました。 -
チェックインが終わったらお部屋に担当の方が案内してくださいます。ロビーのソファや空間も落ち着いた感じで好印象です。
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建物中央に吹き抜けの中庭がきってあって、枯山水風の庭園になっていました。チェックインカウンターのところのパターンなんかはタイの仏具をモチーフに、こういうお庭は日本のお庭をモチーフにみたいな造りです。
ホテルのテーマが”伝統的な和”と”タイらしさ”の融合ということですが、場所が場所ですしタイからくる客筋は無視できないでしょう。この日もタイのお金持ちっぽい女性の方が団体さんを連れて泊っておられましたし。タイ人から見て「異国っぽい=和」のなかにタイ人が安心できる程度にタイっぽさっていう感じです。逆に日本人からすると和が強い印象で、タイっぽさは味付け程度ってところ。 -
エレベーターで客室フロアに。
セキュリティでお部屋のカードキーのあるフロアにしか止まらない仕様になっています。私たちのお部屋は3階なので、3階とエントランスのある1階、それとレストランやスパのある地下階に止まります。
建物は全部で4階建て。ホテルとしては低層ですが、京都市内のうえ元植柳中学校の跡地の住宅街の真ん中なので高さ制限が厳しいのでしょう。 -
カーペットが敷かれた廊下を進んで、自分たちのお部屋に向かいます。
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扉をあけて目に入るのは落ち着いた照明のなか明るく光る窓の障子。
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テーブルには、お茶のセットと、記念日って伝えておいたので、ちょっとしたお祝いとフルーツ盛り合わせも置いてありました。
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お部屋はコートヤードビューのプリミエルームです。アップグレードしていただきました。ベッドも大きくて寝心地すごく良かったです。全体的に和のテイストが入っていて「和洋室」といった感じのお部屋。40㎡あるので広々感じて快適です。海外のホテルで泊まるお部屋に遜色ない広さと新しさです。
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でっかいモニター。贅沢~。
隣にある棚は冷蔵庫やミニバーになっています。 -
両開きの扉を開けるとウォーターボトルやコーヒーメーカーが入っています。ミニバー色々入ってるけど有料ですし、使わないかな。
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お風呂スペースも広々。アメニティはタイ資本らしくタイの高級コスメブランドHARNNが入っていました。
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シャワーは海外ホテルによくついてる水の出方の切り替えのきく銀色の大きいの。好きなので歓迎です。これは慣れてる。それよりビックリしたのは湯船。張り石の湯船がリッチ。
「なんじゃこの風呂…贅沢」
「お高いホテルって感じするわね」
「実感するとこがココまで無いんかい!」
「そういうわけじゃないけどね」
とにかくこのホテル。
個室のお風呂が日本のホテルじゃないみたいなのに、しっかり日本のお風呂なのです。 -
バスローブもかかっています。
「お金持ちバスローブね」
「ついてるホテル多いけど、うちはあまり使わないよね」
「お金持ちじゃないからね」 -
うちのようにバスローブ慣れしてない人には、担当の人に教えてもらった引き出しに浴衣も準備されています。
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さっそくお湯を沸かして、お茶を淹れて。
中村軒さんで買ってきた月見だんご(左)と3色だんご(右)で一休みです。
「はー、涼しいし天国だね」
「一息入れたら、この後どうする?」
「そうだね…晩ご飯は、ほんとはホテルで食べたかったんだけどなあ。となると出かける?」
「そうね。村上開新堂に行きたい」
「予約も紹介もないでしょ?」
「京都店は紹介なくてもお店にあるクッキーなら買えるのよ」
「えーと。市役所前か…じゃあ晩ごはんがてら行ってくるか」
「でもまずゴロゴロしましょう」
「お。この月見だんごって美味しい。赤福みたい」
「あんこの感じが上品な赤福ね」
というわけで。
少しゴロゴロした後に寺町二条に向かいます。 -
お部屋の中で唯一タイっぽいのかも?と思った壁の飾り。
「そろそろ出るよ。営業時間18時までだよ」
「30分くらいで行けるんでしょ?」
「そうだけど、そろそろ出よう」
17時頃に再び街に出ます。 -
ホテルから出てお東さんの角のバス停から撮ると、ちょうど京都駅と京都タワーと本願寺の門が綺麗に並んでいます。さて、キリのいいところで後編に続きます。
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