2023/07/15 - 2023/07/16
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ブリッヂ・トレック(橋梁旅行)さん
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生駒ケーブル・祇園祭を観て京都に泊まった後、坂本ケーブルを観てきました。
坂本ケーブルは我が国最長(2,025m)のケーブルカーで、比叡山延暦寺と琵琶湖側を結ぶ寺社鉄道の一つですが、もう一つ有名なのが、我が国のケーブルカー初となる架線レス車両システムを導入した事でしょう。
東信貴ケーブルや日光ケーブル等廃止された路線もありますが、こちらは信心深い土地柄なのか、経営状況はかなり良好なようで、古い資料にもそのような記載があり、そういった事も思い切った投資に踏み切る事を後押ししたのかもしれません。
比叡山鉄道線略歴
・1927年(昭和2年)開業
・1945年(昭和20年)不要不急線として旅客営業休止
・1946年(昭和21年)営業再開
・2006年(平成18年)車内の電源を蓄電池化
・2007年(平成19年)駅構内を除き架線撤去完了
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
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【京都駅】
古そうな上屋の屋根組です。
坂本ケーブルの前に、山科から乗った京阪京津線の写真も載せておきます。京都駅 駅
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京阪京津線 【逢坂山隧道】
1912年(大正元年)開通
車両の大型化には路盤の切り下げで対応し、隧道はそのまま残したようです。
隧道出口付近では三条京阪行きの線路を外側に振って軌道中心間隔を拡大しているのが判ります。車両大型化の際の急曲線対応の措置と思われます。 -
隧道を抜けると、制限速度20km/hの急曲線。曲線半径は驚きの40m!
内軌側のチョックとゲージタイでレールの小返りや軌間拡大を防止しています。 -
びわ湖浜大津駅
1880年(明治13年)官設鉄道大津駅として開業
車道の交差点で鉄道も交差しています。
ここで石山坂本線に乗り換え、終点の坂本比叡山口駅で下車します。びわ湖浜大津駅 駅
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【穴太衆積みの石垣】(あのう)
素敵な石積みの土留がありました。あまり加工していない自然石を巧みに組み合わせています。
【大津市指定文化財】穴太衆積みの石垣 名所・史跡
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【権現橋】
1956年(昭和31年)竣工、2022年(令和4年)改修、上路プレートガーダー橋
かなり腐食していたようで、補強されていました。
渡った先には日吉東照宮。 -
比叡山鉄道 【ケーブル坂本駅】
1927年(昭和2年)開業
【登録有形文化財】 -
照明吊元の装飾や下部八角上部四角の柱等、凝っています。
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持ち送りも素敵。
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木造の駅舎に対し、ホーム上屋は鋼製です。
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架線はホーム付近のみを剛体架線にして他は撤去、車両にバッテリーを搭載して停車中に充電しているそうです。
台風や降雪・倒木等による架線障害対応を無くす事により、省力化を狙ったものだそうです。 -
パンタはホームを出た後も上げたままなので、バンザイしないようアームの付け根にストッパーが付いていました。
同様のシステムを採用したLRTでは、駅を出発する際にパンタを下ろすタイプもあるようです。 -
撤去した架線柱も展示されていました。
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こちらは京都~大津間の旧道に敷設されていた車石、牛車用の石舗装です。
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比叡山鉄道 【坂本電車橋】
1927年(昭和2年)竣工
ケーブル坂本駅に隣接するRCの橋。 -
ケーブル延暦寺駅に古写真が展示されていました。1958年(昭和33年)汽車製造の新車両搬入時の物と思われます。
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比叡山鉄道 【蓬莱丘電車橋】
1927年(昭和2年)竣工、プレートガーダー橋
権現谷川に架かる橋。
橋脚上部はレール底面まで届く凸部を設けて、桁の下方への移動を抑止していました。 -
戦時中の写真。山上に特攻機「桜花」射出施設建設の為、資材運搬用貨車に改修された客車がこの橋を渡る所を捉えています。(ケーブル延暦寺駅展示の古写真)
桜花射出基地は操縦訓練場として計画されたそうで、生駒も候補地だったそうです。思わぬ所で生駒と繋がりました。 -
イチオシ
比叡山鉄道 【ほうらい丘駅】
1984年(昭和59年)開業
下車させて頂きました。事前に降りる旨係員に通知しないと通過するので要注意です。ホームはスロープ状。 -
駅の目の前には霊窟。鉄道建設の際に発掘された石仏数百体を、祀る為に作られたもの。
織田信長の比叡山焼き討ちの際に犠牲になった方々を弔った石仏と伝えられています。 -
比叡山鉄道 【蓬莱丘隧道】
1927年(昭和2年)竣工
石積みの渋い隧道。 -
内部アーチ環はコンクリートブロック積みに見えました。山上側坑門付近は改修したのか、現場打ちに。
待避所も写っていました。 -
比叡山鉄道 【蟻ヶ滝電車橋】
1927年(昭和2年)竣工
蟻ヶ滝は3径間のRC桁かと思われます。 -
蟻ヶ滝上部岩石切取工事
(ケーブル延暦寺駅展示の古写真)
蟻ヶ滝電車橋の上部はこのような岩場のようです。RC桁も無傷では済みませんが、鋼橋では落石でイチコロですね。 -
イチオシ
比叡山鉄道 【鳥亀堂電車橋】
1927年(昭和2年)竣工
J型スティフナーのプレートガーダーのようです。 -
偶々撮った対傾構のアングルにアルファベットらしき文字があります!
DORMAN LONG & Co LD か・・・(Co LD のoとDは上付き)
これは大発見!! -
比叡山鉄道 【行違所】
1927年(昭和2年)竣工
片開きの生駒と違って両開きの分岐器。
橋と隧道に挟まれ、有効長はかなり短そうです。 -
比叡山鉄道 行違所 【鳥亀堂隧道】
1927年(昭和2年)竣工
こちらの隧道は全てコンクリート覆工、延長は200mもあります。
隧道内の軌道はアングルをマクラギに使った直結軌道でした。 -
比叡山鉄道 【西ノ谷電車橋】
1927年(昭和2年)竣工
坂本ケーブル最長(90m)の橋。
架線柱を切除した跡には木彫りの彫刻。 -
ここか鳥亀堂、架設中の貴重な写真です。
(ケーブル延暦寺駅展示の古写真) -
イチオシ
比叡山鉄道 【もたて山駅】
1949年(昭和24年)開業
こちらも下車させて頂きました。 -
近傍には古今和歌集の歌人、紀貫之の墓もあるそうですが、駅前には山道しかない秘境駅です。
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比叡山鉄道 【境ノ沢電車橋】
1927年(昭和2年)竣工、プレートガーダー橋
こちらもJ型スティフナー。アングルとT形鋼が併用されていました。 -
レール・枕木には円筒状のアンチクリーパーをガッチリ固定して匐進を防止しています。
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第3連は何故か桁高の高い桁を使っていました。桁長が長いのかもしれません。
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比叡山鉄道 【南谷電車橋】
1927年(昭和2年)竣工
よく分かりませんが、架線柱の先で軌道構造が変化しているので、ここかもしれません。蟻ヶ滝電車橋と同様、RC桁でしょうか。 -
イチオシ
比叡山鉄道 【ケーブル延暦寺駅】
1927年(昭和2年)開業
【登録有形文化財】ケーブル延暦寺駅 駅
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縦長の窓やあちこちに散りばめられたレリーフが特徴的です。
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持ち送りも独特!
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柱や梁・壁面等にはビード繰り出し状装飾。数珠をモチーフにしたものだそうです。
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屋上からは大津や瀬田、沖島も見渡せました。
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イチオシ
登山道を少し歩くと、パンタが架線を離れる所を上から見られました。
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今回の旅は以上です。
生駒と違ってこちらには橋も多数あって、楽しめました。有形文化財に登録されている駅舎や山上からの景色も素晴らしいので、皆さん是非乗りに来て下さい。 -
トータル 橋8、トンネル3、駅4、他2 を巡る旅でした。
写真は坂本比叡山口駅展示のレールを組み合わせて作ったオブジェ。坂本比叡山口駅 駅
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