ブラジル・危うく帰らぬ人に／フォスドイグアス

2023/04/28 - 2023/05/09

今回ずっと好調だった日帰り弾丸越境シリーズ（①アルゼンチン→ウルグアイ②アルゼンチン→パラグアイ）、とうとう暗礁に乗り上げました。イグアスの滝を訪ねる皆さんには割とお馴染みの③アルゼンチン→ブラジルだったのに、想定外の窮地に追い込まれます。スコールの中でスコール飲んじゃって、とか一人で笑ってる場合じゃありませんでした。

エリア イグアスの滝周辺(ブラジル)

• 旅行の満足度: 3.0
• 観光: 3.0
• ホテル: 3.0
• グルメ: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

パラグアイからアルゼンチン側のプエルトイグアスに着岸。雨脚は強まる一方です。

弾丸パラグアイを成し遂げた勢いで「弾丸ブラジルでご当地ビール！」なんてお気楽な事を思いつき、折り畳み傘が殆ど役に立たない大雨の中も足取り軽く。

プエルトイグアスの中心部にあるバスターミナルから、ブラジル側の玄関口フォスドイグアス行きのバスに飛び乗ります。叩きつける雨で車窓はほぼ洗車機状態。

１時間ほどのバス旅は、滝見物を終えてブラジル側の宿に戻る思しき皆さま方と。その見立て通り、ただビール飲みに行って帰って来ようとする乗客は自分一人だったとのちに知ります。

途中国境で全員下車。何を問われるでもなくパスポートを覗かれてから歩いて進むと、乗ってきたバスが待っていました。パスポートにスタンプを押される事もありません。

程なくフォスドイグアスのバスターミナルで降ろされます。土砂降りの中を歩く人影は殆どありません。

大きなバスターミナルの在処を確認。この時間はタクシーもいたんです。ええ、この時間はまだ。

時刻表を確認し、夕飯後はアルゼンチン側へ戻る終バスに間に合わないと分かっていたので、復路はタクシーです。道中ネットで越境タクシー代を検索し、許容範囲と。

念のためタクシー会社のオフィスの場所もチェックしました。この時間は中に人の気配もしたんです、確かに。

飲食店街はどこにあるのか、当てずっぽうに豪雨の中を探検開始。

イグアス川を挟んで隣り合う街なのに、鄙びた小ぶりなプエルトイグアスに比べると、巨大ジムがあったり、大きなビルも立ち並ぶ都会です。

数軒飲食店が並ぶ一角に辿り着きました。ブラジルっぽいものを…と選んだつもりが（隣の店と間違えた）まさかのレバノン料理屋さん。お目当てのビールも当然ないけど「向こうの売店から持ち込むのはOKよ」って。

通りの反対側の売店は慣れっこで「後で返しに来てね」と氷の入ったバケツ付でご当地ビールのスコールを。厳格なレバノン人店主に見つかると嫌な顔されるから「外の席で飲んで頂戴」とのこと。

「スコールの中でスコール…」などと一人で呟きながらニコニコ料理を待ちます。

翌日見に行くはずのイグアスの滝をフライングで体験するかの如く、凄まじい雨脚に。程なく爆音と地響きと共に辺り一帯停電です。

部分的に復電。レバノン料理屋さんながら、地元のピラルクを扱っていたので。川魚特有の臭みも感じず、ピルスナーのスコールによく合います。

食後に空瓶とバケツを返却。こちら側はまだ停電しっ放しだったけど、暗がりの中で陽気に酌み交わすおじさんたちも。

大通りから離れていたようで、観光客向けの店も見当たらずミニスーパーに。

カラフル！なんて喜んでいる場合じゃありませんでした。「タクシーってそこのターミナルから乗れるよね」と若い店員さんたちに聞いたら「もうこの時間は一台もいないと思うよ」。

到着時に確認したタクシースタンドは真っ暗に。辺りの人たちに尋ねてもまず英語が通じません。タクシーアプリの類でも空車は見当たらず。ブエノスアイレスの友人たちにSOSしてみましたが、彼らも打つ手なし。

翌朝のバスを待つしかないか…諦めかけていたら英会話教室発見！見るからに生徒でないズブ濡れ日本人が来たにも関わらず、英語の先生が優しく迎えてくれて「裏手のホテルならタクシー呼んでくれるはず！」。Obrigado!!

ホテルで事情を聞いてくれたフロントのお兄さんも、客でもない自分のためにタクシーを呼んでくれて「来るまでソファーで休んでて」。

土砂降り平日の夜遅くで「多分これが最後の一台だよ」なんて笑って送り出してくれたフロントの兄ちゃんとハグして別れ、ポル語オンリーの陽気なじいちゃんドライバーとアルゼンチンを目指します。

アルゼンチンペソで支払いOKと身振り手振りで確認完了。お爺から国境スタッフにパスポートをパスして、ドライブスルーのようにさくっと越境。道中ずっと新旧ブラジル大統領の話をしてくるのに（辛うじて「ボルソナロ」「ルーラ」だけ聞こえた）適当に相槌打ち続けます。

宿の名前を伝えたら「大丈夫」と返してきた割に、プエルトイグアスに着いてから何度も停車し、場所を尋ねています。「Googleマップだと次の角を右に…」とスマホを見せても「そういうのはあてにならない（と言ったはず）」。面白いのでお爺に任せて、何度も迷いに迷ってようやく辿り着きました。車内でハイタッチ交わして、とうとうベッドに。数時間の往復になんと心をすり減らした事か（自業自得）。