
2023/07/23 - 2023/07/24
2位(同エリア258件中)
旅猫さん
7月下旬、仕事がひと段落したので、ふらりと出掛けることにした。とは言え、学生が夏休みに入り、宿も列車も混み合っている。調べていると、仙台駅近くの宿が空いていたので予約し、列車の指定席も取った。仙台は、昨年の晩秋に訪れているが、その際立ち寄ることが出来なかった場所があったので、今回はそれらを中心に回ってみることにした。
(2023.07.29投稿)
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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大宮駅から乗車した7時41分発の『はやぶさ101号』は、臨時列車と言うこともあってか、ガラガラであった。後続の『はやぶさ7号』が満席だったのを考えると、奇跡のようである。
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仙台駅には、1時間少々で着いた。そして、20分ほどの待ち合わせで、9時12分発の仙山線の快速列車に乗り換え、作並駅へと向かった。日曜日の午前中とあって、車内はのんびりとした空気が漂っていた。
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作並駅へ来たのは、ニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所を訪れるためである。駅真から乗った送迎バスは、補助椅子まで満席になるほどであった。
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受付を済ませ、10時半の見学ツアーに参加する。出発してすぐ、左手には大きな池が見えた。この蒸留所は、創業者の竹鶴政孝の意向により、出来るだけ地形や樹々をそのまま残して作られているため、とても自然が豊かなのである。
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そして、右手に独特な姿をした建物が見えて来る。麦芽を乾燥させる『キルン塔』である。今は使われていないそうだが、代表的な建物なので残されてるそうだ。19年前に訪れた時にも観た景色に、懐かしさを覚えた。
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奥には、2021年に新設された貯蔵庫が建っていた。この貯蔵庫の完成により、貯蔵能力が4割も上がったそうである。
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蒸溜棟には、大きな単式蒸溜器が並んでいる。ここでは、余市で行われている『石炭直火蒸溜』ではなく、『蒸気間接蒸溜方式』を採用しているそうだ。蒸溜器に注連縄が巻かれているのは、自然や神の力無しでは、良い酒は造ることが出来ないと言う、竹鶴政孝の酒造りに対する考えによるものだ。ニッカならではの光景である。
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施設見学の最後は、貯蔵庫である。十棟以上の貯蔵庫が、弧を描くように立ち並んでいる。その裏手には、新川が流れている。
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以前はウイスキーの香ばしい香りがしたのだが、今は見学用となり、樽だけが置かれているようである。その数も、かなり減っていた。
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そして、いよいよ試飲である。三種類あったが、ひとつはアップルワインであった。ウイスキーは二種類で、『シングルモルト宮城峡』と、『スーパーニッカ』である。期待していたのだが、量が少な過ぎ、しかも、スーパーニッカは普通に味わえるので、少々残念であった。
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その後、有料試飲を楽しむことにする。とりあえず、宮城峡蒸溜所で醸される三種類のウイスキーのセットを呑む。ところが、受け取った時、係の方から、「一人一日三杯までなので、これで終わりです」と告げられ、呆然とする。先に言ってくれれば、高価で通常は呑めないものを選んだのにとがっかりする。それでも、そのセットには小さなグラスが付き、ブレンドを楽しむことが出来た。
ニッカウヰスキー仙台工場 宮城峡蒸留所 名所・史跡
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売店で土産を買い込んだ後、12時20分発のシャトルバスに乗り、駅へと戻った。12時44分発の快速列車に乗り、北仙台駅で下車。その駅舎は、昭和4年(1929)の開業当時から使われているそうである。瀟洒な佇まいでなかなか風情があった。
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ここで市営地下鉄に乗り換え、長町南駅へ向かうのだが、駅からすぐの場所に、気になる佇まいの居酒屋を見つけた。しかも、既に営業している。まだお昼を食べていなかったので、入ってみることにした。
欅屋 グルメ・レストラン
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店内は、地元の常連客などで混み合っていた。ちょうど昼時だったので、定食もあり、品書きには34種類もの料理が載っていた。値段も500円から850円と、かなり手頃である。ハムカツ定食(600円)があったので注文する。しばらくして出てきたそれは、思ったよりも量があった。これで600円は安いし、揚げたてである。餃子などの一品料理や地酒も気になったが、お腹もいっぱいなので諦めた。
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食後、市営地下鉄南北線の北仙台駅から富沢行に乗車。今回気付いたのだが、仙台市の地下鉄は、すべて4両編成なのだ。それでも空いているのだから羨ましい。仙台駅を通り、17分で長町南駅に着いた。。
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地上へ出ると、日差しが強い。そして、駅から数分歩くと、目指す『地底の森ミュージアム』が見えて来た。かなり立派な施設であるが、ひっそりとしていた。
地底の森ミュージアム (仙台市富沢遺跡保存館) 美術館・博物館
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関内の地下展示室には、小学校の建設予定地で出土した、約2万年前の旧石器時代の生活の痕跡と森林の跡が保存展示されていた。田舎館で観た約2000年前の水田跡も感動したが、約2万年前の森の跡とは、さらに驚きであった。鹿の糞や人の痕跡まで残り、太古に思いを馳せることが出来る素晴らしい施設である。
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館内には、縄文や弥生時代などの展示もあった。それにしても、日曜日だと言うのに、来館していたのは10人足らずであった。
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15時の電車で仙台駅へと戻る。地下道を歩き、北出口8番から地上に出ると、駅の西口前であった。赤茶色が特徴的な仙台駅の駅舎は、東北新幹線の開通に合わせ、昭和52年(1977)に建てられた6代目である。いつかは、高層ビルとなるのだろうが、今はまだ空が広く気持ちが良い。
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とりあえず、荷物を置くため、駅近くの宿へと向かう。今宵の宿は、『ホテルJALシティ仙台』である。以前からあるホテルだが、内装を新しくしたようで、室内は綺麗であった。しかも、仙台駅前としてはかなり手頃な料金であった。
ホテルJALシティ仙台 宿・ホテル
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部屋で少し休もうと横になったところ、いつしか眠ってしまい、起きるとすでに2時間近く経っていた。そこで、夕食を求めて街に出る。良さそうな和食の店に寄ってみたが、客が誰もいないのに、一人と言った途端、満席ですと断られる。暑いし、探すのも面倒になったので、近くで見かけた餃子屋で焼き餃子を買い、宿で食べることにした。
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『あずま』と言う名の店であったが、売りはニンニク無しの一口餃子だそうだ。食べてみたが、どこか物足りない味である。やはり、少しはニンニクが入っていないと、味に深みが無いように思える。とは言え、悪くは無かった。それにしても、地酒が呑めなかったのは残念である。
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翌日、駅のコインロッカーに荷物を預け、仙石線の地下ホームから、8時13分発の電車に乗る。この日は、『うみの杜水族館』を観に行くのだ。20分ほどで着いた中野栄駅で降り、駅前から8時45分発のバスに乗り換えた。バスは空いていて、7分ほどで水族館に着いた。
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開館直前だったが、思ったよりも人が少ない。入館券を買い、入口前に並んだが、まだ9時前だと言うのに、もう日差しは強く、かなり暑い。そして、気が付けば、かなりの行列が出来ていた。
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中へ入ると、ほとんどの人は特別な催し物の受付へと走った。こちらは、まっすぐ順路を辿る。すると、すぐに大きな水槽が現れた。しかし、魚の数が少ない。水槽の大きさも、思いの外小さく、少々がっかりであった。
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8年前に開館した新しい水族館と言うことで、期待していたのだが、どうも展示に新鮮味が無い。これはと言う魚もいない。
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岩の多い暗い水槽があった。何もいないようであったが、水槽の上部の岩に、大きなミズダコが貼り付いていた。
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その先には、タカアシガニもいた。
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三陸の海で獲れる魚の展示では、銀鮭や鯖、マンボウなどが転移されている。仙台らしく、松島湾などで行われているカキの養殖の展示もあった。
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二階へ上がると、『海獣ひろば』があり、ペンギンたちが泳いでいた。
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世界で唯一淡水で生きるバイカルアザラシもいる。
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近くには、懐かしい奴もいた。以前、『マリンピア松島水族館』にいたワニの仲間のようだ。相変わらず固まっていた。
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優雅に泳ぐウミガメは、何とも言えず優し気だ。
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そして、今やどの水族館でも人気者となったクラゲも観る。
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クラゲの水槽に囲まれて、美しい星のようなものものが展示されていた。どうやら、イソギンチャクの仲間のようだ。
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クラゲの方は、5種類ほどと少なく、見応えは無かった。結局、30分ほどで観終わってしまい、仕方が無いので、もう一周した。そして、10時のバスで水族館を後にした。
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中野栄駅から、10時12分発の列車に乗車。朝は、通勤通学客で大混雑していたが、この時間の列車は、もう空いていた。
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予定より早く水族館を出たため、まだ時間が早い。そこで、終点のあおば通駅まで乗り、そこから一番町界隈を歩いてみることにした。しばらく歩くと、懐かしい文化横丁に出た。
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その文化横丁には、以前、同僚と訪れた餃子の『八仙』や、居酒屋『源氏』などがあり、とても懐かしい気持ちになった。
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適当に歩いていると、小さな社があった。『野中神社』と言う社で、縁結びなどにご利益があるようだ。せっかくなので、参拝することにした。
野中神社 寺・神社・教会
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その後、文化横丁と並ぶ飲み屋街である『壱弐参横丁』に入る。入口や佇まいからして、かなり個性的な雰囲気が漂っている。
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中は二つの路地が並行し、両側に小さな店が立ち並んでいる。店の数は百軒ほどあるそうだ。元は、空襲で焼け野原となった場所に、戦後、公設市場が出来、その後飲食店が増えて行ったそうである。
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一帯は、昭和の風情が色濃く残り、懐かしい風情がある。
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共同の洗い場もあり、まるで長屋のようでもある。家の勝手口のようなところに暖簾が掛かり、その奥も居酒屋であった。
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洗い場のひとつはタイル張りで、井戸も残っている。
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それにしても、色々な店がある。夜になれば、多くの人で賑わうのだろう。新宿で言えば、ゴールデン街のようなものである。ゴールデン街は、毎週のように飲みに行っているので、かなり曳かれるものがある。
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ゴールデン街と違うのは、飲食店以外の店もそこかしこにあるところだ。八百屋や精肉店、茶舗などもあった。こんな街が、いつまでも残って欲しいものである。
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地下鉄で仙台駅へ戻ったが、まだ帰りの列車まで小一時間ある。そこで、駅ビルの中にあった和食の店でお昼を食べることにする。三陸産の焼き鯖定食が美味しそうであったが、時間が掛かりそうだったので、昨日ありつけなかった地酒と、軽いつまみをいただく。お酒は、『阿部勘』と『田林 特別純米』、『仙臺驛政宗』の季節の呑み比べ。つまみは、笹かまぼこの仙台味噌焼。どれも、美味しかった。
大かまど飯 寅福 エスパル仙台店 グルメ・レストラン
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そして、予定より一本前の12時31分発『こまち18号』で仙台を離れた。まだ早い時間なので、車内は空いている。行きも帰りも、夏休みだと言うのにガラガラで、快適な移動である。
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お昼が中途半端であったので、売店で買い込んで来たつまみとお酒で、再度楽しむことにする。お酒は、『浦霞』である。急に思い立ち出掛けた仙台。少々暑かったものの、色々と楽しめて満足であった。次の旅は、暑さが和らぐ頃にしたいと思う。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- pedaruさん 2023/08/13 06:27:51
- 蒸留所
- 旅猫さん おはようございます
何年か前、スコットランドへ行きましたが、何か所も蒸留所があり、同じ電車に乗った人は、外は見ず、蒸留所だけを5か所見るのだと言っていました。
私は、それより見るもの、行く場所が他にたくさんあるのにと、その人の気持ちが分かりませんでした。今回、旅猫さんが蒸留所を訪ねたと聞いてなるほど、それほどの魅力のある所なんだと知らされました。
青森県の野辺地町にサントリーの蒸留所が開設予定でしたが、もう何十年も計画は頓挫しています。立地としては素晴らしいのですが、会社の方針でそうなったことを残念に思います。広いところに、銅製の蒸留器が置かれている風景が、寂しさを誘います。
pedaru
- 旅猫さん からの返信 2023/08/13 08:51:30
- RE: 蒸留所
- pedaruさん、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
スコットランドは、スコッチの故郷ですね。
ウイスキー好きには、聖地のような場所でしょう。
蒸溜所巡り、わかります。
私が日本酒の蔵元に必ず立ち寄ってしまうのと同じです(笑)
野辺地の話は聞いたことがあります。
頓挫していたのですね。。。
ウイスキーブームで、原料が足りず、値段は高騰。
定番商品すら在庫が無く、何年物と言うものも消え、どうなってしまうのか。
まあ、私はほとんど日本酒なので問題は無いのですが。
旅猫
-
- ポテのお散歩さん 2023/07/31 12:09:04
- 居酒屋 源氏
- 旅猫さん こんにちは。
仙台へ行かれたのですね。
居酒屋『源氏』さんは雰囲気が良いなと思っているのですが
このお店は本当にお酒の好きな方が行かれるお店ですね。
お店には特別なルールがあるようですね。
居酒屋は自分の空腹具合によって好きな物を適量注文出来るし、
お酒が飲めなくても お酒に合う料理は美味しいので好きなのですが、
このお店は お酒が飲めない人が行く所では無いですね。
逆にいっぱい飲む所でもなく、ここへ通われる方に憧れます(^^)
東北にはこういった粋なお店が多そうですね。
私が行けるお店ではないのが残念です(*^-^*)
ポテ
- 旅猫さん からの返信 2023/07/31 12:42:58
- RE: 居酒屋 源氏
- ポテさん こんにちは。
いつもありがとうございます。
急に思い立ち、ふらりと仙台へ行ってきました。
暑かったです。。。
居酒屋『源氏』さんは、とても雰囲気があります。
当時仙台に住んでいた友人に連れて行ってもらったのですが、一人で入るにはちょっと戸惑う感じの場所にありました。
中は、都内の下町によくあるこの字型のカウンター席で、木の温もりがたっぷりです。
割烹着を着た女将さんが名物で、この方がお店の雰囲気を作っています。
確かに、お酒の飲めない人には落ち着かないかもしれませんね。
飲み物にアテが一品ついて来て、4杯までとなっているのが特徴です。
個人的には、好きなお酒と料理を頼んでちびちびやるのが好きなので、正直、この独特なルールは馴染めませんでした。
なので、一回体験しただけで、もう行くことはありません。
近くの餃子の『八仙』のほうが、また行きたいです。
旅猫
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- salsaladyさん 2023/07/30 08:40:11
- ハード ポイルド~
- ☆やはりWhisky~はお酒でしょう。NIKKA が定番ですか?柏にもありましたね、蒸留所!
☆旅猫さん~確か女性ブロガーですよね。(前に効いたことがあったかも)男性的な切り口が爽やか~ハイボールがお好き❓(最近はハイビール等とおこちゃま用アルコールも流行り~
☆暑い時期はやはりキンキンに冷やした。。いや、冷やし過ぎは体に良くない。~see you~
- 旅猫さん からの返信 2023/07/30 20:24:54
- RE: ハード ポイルド?
- salsaladyさん、こんばんは。
書き込みありがとうございます。
個人的には、お酒は日本酒です(^^;
和食をあてに、ちびちびやるのが好きです。
でも、ウイスキーなら、やっぱりニッカが一番です。
そう言えば、ハイボールも結構昔は呑んでいました。
暑い夏は、キンキンに冷えた生麦酒が一番かも(笑)
旅猫(色々あって、性別不詳中)
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