もう歩けるんじゃない？と行ってみた・尾瀬の旅③尾瀬ヶ原周回

2023/05/20 - 2023/05/22

昔から歩くのが大嫌いだった私にとって、尾瀬は「尾瀬＝たくさん歩く＝私には無理」と長い間避けてきた場所でした。しかし、急に山歩きにはまって約１年半。少しづつ歩く距離が伸びてきて、ある日、「あれ？ 最近、私、尾瀬に行けるくらい歩いてない？」と気がつきました。歩けると気がついたら、湿原好きな私としてはもう行くしかないでしょ。

今回は初めての尾瀬ということで、やはり基本の水芭蕉の季節は外せない。それと、富士見田代の池塘が、雪に覆われ、八幡平の有名なドラゴンアイみたいになるというので、それも見てみたい。あと、山小屋に泊まって、尾瀬の朝焼け、夕焼けも見たい…というわけで、水芭蕉が見頃を迎え、けれども富士見田代の雪が融けきる前で、なおかつ２日続けて快晴で、仕事が休める日…となかなか難しい条件で日程を熟考しました。毎日天気予報や尾瀬のブログに目を通し、ギリギリまで検討しましたが、完全に条件が合う日は見つかりませんでした。妥協して、２日間お天気はいいけど、朝夕は雲が多め予報で、朝焼け、夕焼けは難しい日を選択。天気予報が外れるか、ずれ込むかして、雲がとれることを祈りつつ尾瀬に向かいました。

尾瀬の山の鼻小屋に宿泊した翌朝、日の出を見たくて早朝出かけてみましたが、天気予報通りの曇り空。小雨もパラついていたので、一旦小屋に戻って出直すことにしました。ここまでは旅行記②の内容になります。この旅行記③では、雨が上がってから尾瀬ヶ原を周回して、帰路につくまでを紹介させていただきます。

この旅行記での歩行距離　17.1ｋｍ、アップ　204ｍ、ダウン　33ｍ

２日間の総歩行距離　36.9ｋｍ、アップ　664ｍ、ダウン　661ｍ

エリア 武尊・尾瀬・片品(群馬)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 高速・路線バス 自家用車 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

7：04、予報通りに雨が上がったので、改めて尾瀬ヶ原周回に出かけます。空はまだどんより。

雲が厚いなぁ…一応、私が使用しているお天気アプリwindyでは、９時頃までにはこの辺り一帯の雲がとれてくる予報になっているのですが…。

まぁ、こんなお天気の尾瀬もまた良し。

光が差してきました。水面や枯れ草の上の露が煌めいて綺麗です。

雨に濡れたミネザクラ。

アップで。

ワタスゲの花。

7:36、牛首分岐に到着。ここまでは昨日の午後に来たところです。(旅行記②) ここから先は未知の世界。
真っ直ぐ行く道が尾瀬一番のビュースポット、下ノ大堀川の水芭蕉群生地や竜宮現象が見られる竜宮カルストに向かう道で、尾瀬ヶ原のメインコースになります。最初はそのメインコースを人が少ない早朝のうちに行ってしまおうと思っていましたが、せっかくならばビュースポットはお天気が良いときに行きたいと思い、後回しにすることにしました。
こちらの分岐で左に曲がり、先にヨッピ吊り橋や東電小屋に向かうコースから回ることにします。

牛首 自然・景勝地

至仏山は上の方がまだ雲の中ですね。

燧ケ岳も雲の中。でも、これはこれでなかなか素敵だけど。

尾瀬ヶ原 自然・景勝地

向かって左手の方の空は明るいですね。

池塘の周りにすくすくと育っている線状の草が見えます。ニッコウキスゲの葉でしょうか？

お、青空が見えてきました。

この辺りのダケカンバ(それとも白樺？)の林が本当に美しい。

朝露が残る水芭蕉。

林の中にひっそりと隠れるように湿原がありました。

水芭蕉もひっそりと咲いています。

東電下の大堀橋です。この橋を渡り終えたところの木道に足を置いた途端、木道がシーソーのようにがったんと浮いたので、注意が必要です。高さがあるので、バランスを崩したら…と思うと怖かったです。

橋からの眺め。川は木々に埋もれている感じです。

育ち過ぎな水芭蕉群。これはこれで面白い景観です。

景鶴山がきれいに見えますね。

燧ケ岳はあともう少しで雲がとれそう。

中田代 自然・景勝地

小鳥がいました。

アップで。ジョウビタキのメスとかですかね？

景鶴山と美しいダケカンバ林。お天気が最高に良くなってきました。

8:16、ヨッピ吊り橋に到着です。ここから竜宮方面に行く道もありますが、私は橋を渡って東電小屋方面に向かいます。橋は結構揺れます。

吊り橋からの眺めです。

後で知ったのですが、私が通った１時間後くらいに、この近くで熊を目撃した人がいたみたいです。ニアミスでしたね。(実は私が気づいていなかっただけだったとか？)

反対方向の眺め。

水芭蕉の川みたい。

ショウジョウバカマ。

タテヤマリンドウ。

二者共演。

リュウキンカ。

東電小屋付近はお花がたくさん咲いています。

8：36、東電小屋を通り過ぎると山に入ります。人もいないので、熊が怖い…。

山を抜けると、小さな湿原に出ました。
あ、燧ケ岳の雲がとれてる！　

何やらモコモコしたものが…。ネコヤナギでしょうか？

東電尾瀬橋にやって来ました。

穏やかな下流側の眺め。

上流側の眺め。なかなかワイドで、迫力あります。

尾瀬橋を渡ったあと、急に山道っぽくなり、しばらく林の中を歩くことになります。

そして林を抜けると、バーンと正面に燧ケ岳！

今までの中で一番近くに行くので、大迫力です。

振り返って、至仏山。至仏山の雲もとれてきましたね。９時までにはこの辺の雲がなくなるというwindyの予報はばっちりでしたね。そろそろ有料会員になるべきか？

道は燧ケ岳の麓に広がる林のところまで続いていました。近すぎて、頭しか見えません。

林のところまで来たら、今度は右に道が続きます。ここにも水芭蕉が咲いています。

左側、燧ケ岳の麓の林方向。

右は至仏山方面。

苔の一部分が真っ赤になっているところがありました。これも苔なんでしょうか？

右前方に見える山で、残雪が残っている山が昨日歩いていた山だと思います。下から見上げると感慨深いです。

9：08、見晴に到着しました。尾瀬ヶ原の中では、この見晴に山小屋が多くあり、キャンプ場などもあります。見晴からは木道を右折し、竜宮方面に向かいます。
牛首分岐からヨッピ橋までの区間、数組しか人に会わず、ヨッピ橋からこの見晴までの間は、東電小屋で人と会っただけで、他には誰にも会いませんでした。人が少なく、変化に富んだとっても良いコースでした。

見晴から竜宮に向かう木道は荒れ気味。ただ高さはないので、荒れていても恐怖感はないです。

壮大な眺めですが、このコース、歩いても歩いても景色が変わらないんですケド？

林のところまで来て、漸く道に変化が…。ダケカンバとミネザクラ。白とピンクの対比がいいですね。

良いアクセントになった橋を渡ると…

再び歩いても歩いても変わらない景色…広大すぎる。

振り返って燧ケ岳。

他に見るものと言えば、木道沿いに生えているミズゴケ(？)しかない…辛っ！

広大な平野の真ん中に池塘があって、少し変化をつけてくれました。

尾瀬ヶ原の池塘 自然・景勝地

燧ケ岳方面。

頑張って歩いていると、また林のところまでやって来ました。

しかし、この橋が恐怖のナナメってる橋でした。決して左側(下がっている方)を歩かないでください。そのまま落ちちゃいそうな恐怖感があります。

それでも、怖々と橋の上から写真を撮りました。この橋を渡ると、急に緑が多くなって、龍宮小屋へと続きます。

龍宮小屋の公衆トイレそばにニリンソウが群生していました。

龍宮小屋 宿・ホテル

これは何だろう？

龍宮小屋から先は池塘が増えてきます。景鶴山方面の眺め。

池塘にはお魚もたくさんいました。写真、分かりづらいですが、草のそばの長細いのが魚です。

木道と木道の間には水芭蕉とリュウキンカ。

振り返って。こんなに華やかな木道でした！

ほとんど1本道の木道が左右に伸びているところがありました。ここが有名な竜宮現象スポットですね。

竜宮カルスト 自然・景勝地

３方向から水が流れ込んでいる池塘がありますが、どこにも流れ出ることはありません。

何もないこの平原を挟んだ向こう側に…

突如現れるこの池塘が先ほどの水流の出口となっているようです。ここからずっと先まで川が続き、こんこんと水が流れていました。

おそらくあの穴から出ているのかな？　水は地下に潜っている間にろ過されていて、透明度はかなり高いですが、結構深さはありそうです。落ちたら、溺れること必至。

お魚がいっぱいいました。近くにいた男性がアブラハヤだと教えてくれました。その人が昨日来たときには、イワナもいたそうです。残念ながら、今日は見当たりませんでした。

10：01、下ノ大堀川の水芭蕉群生地にやって来ました。

後回しにしたおかげで、最高のときにこのビューポイントに来ることができました。しかも人が少ない！　シーズン中は行列ができると聞いていましたが、私の他には3人しかいませんでした。

下ノ大堀川 自然・景勝地

ザ・尾瀬！　…って感じですね。

タテヤマリンドウがまとまって花をつけています。かわいい！

下ノ大堀川を渡って振り返る。

小さな池塘に至仏山が写っています。

昨日も来た逆さ燧スポット。でも昨日よりお天気が良くて綺麗です。燧ケ岳は揺らいで今一つだけど、雲がよく映えています。

燧ケ岳はやはり離れた方がよく映り込みます。

ここまで来ると、山ノ鼻はもうすぐ。

この辺の石は赤茶けていますね。

尾瀬ヶ原を１周して、10：54、山の鼻小屋に戻って来ました。預かっていただいていた荷物を引き取って、11：02に小屋を出発しました。

尾瀬至仏山麓 山の鼻小屋 宿・ホテル

フキノトウって育つとこんな感じになるんですね。

山ノ鼻から鳩待峠までは約１時間ほどの道のり。できれば12：00発のバスに乗りたいので急ぎます。

ま、写真は撮りますが…。オオカメノキの花。

こちらの赤いつぼみは何でしょうね？

青いスミレ。

オオバキスミレ。

なんだか、お花は昨日より咲いている気がします。

なだらかな道は終わって、ここからはほぼ登りに入ります。階段脇の水芭蕉がエールを贈っています。はい、頑張ります！

途中で歩荷さんとすれ違いました。山小屋で必要となる物資はヘリでも輸送していますが、歩荷さんも背負って運んでくれているそうです。お世話になっております。

頑張ってくださいね～！

この後、本当にギリギリで鳩待峠12：00発のバスになんとか間に合いました。ギリギリ過ぎて、写真は一つも撮っていませんｗ

12：32、尾瀬第一駐車場に戻り、無事にマイカーと再会。この小屋の中に精算機があるので、先に精算を済ませて出庫する方式です。
駐車料金は１日1000円。今回は２日なので、2000円でした。できれば、１泊２日の割引料金を設定してほしい…。

駐車場の目の前の山にめっちゃ藤の花が咲いていました。すごい！

車で15分ほど移動して、12：57、道の駅　尾瀬かたしなへ。

道の駅 尾瀬かたしな 道の駅

昼食、何にしようかな？

肉おろしぶっかけうどん(940円)とマイタケ天ぷら(190円)にしました。
うどんの方は青じその風味が効いて、さっぱりいただけます。天ぷらはサクサクでおいしかったです。

食堂はガラス張りで、目の前にはこんな景色。

立派な橋と大滝調整池が見えますが…

私が注目したのはこちらの眺め。青く霞んでいる山の左の方。実は昨日歩いたアヤメ平だそうです。下山後、登って来た山を見上げるのは本当に格別。

今回、２日間の総歩行距離は、36.9ｋｍ、アップ　664ｍ、ダウン　661ｍ　でした。たくさん歩けるようになったなぁ、私…。

尾瀬、すごく良かったです。他にもいろいろコースがあるみたいだし、別の季節も見てみたい。今回見られなかった朝焼け、夕焼けのリベンジもしたいですね。きっとまた来ます。