20年前に通った鮨屋の大将に会ってきた

2023/04/21 - 2023/04/21

事前の予約で桂離宮や修学院離宮はだめだったが、仙洞御所は予約が取れた。
ホテルで朝食を摂った後、京都御所に向かった。仙洞御所の見学を終え、蛤御門から烏丸通りに出てバスで今宮神社。あぶり餅をいただいた後、大徳寺前の旧知の寿司屋でランチ。
夕食は二条の著名な居酒屋に行った。

エリア 今出川・北大路・北野(京都)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 旅行の手配内容: 個別手配

朝食はチャプター京都のメインダイニングの『グリル』。
いかにも京都らしい朝食ラインナップが並ぶ。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

京風おばんざいの大皿。
最初は、いかなごの釘煮。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

続いて、芹の辛子和え。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

小松菜と京揚げの煮びたし。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

里芋煮。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

右に高野豆腐、左奥は柚子大根

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

さつまいもの炊いたん。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

卓上七輪には京野菜。真っ黒に皮を焼いたそら豆と万願寺とうがらし焼き。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

京都らしいといえば湯豆腐も。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

中華系ではシュウマイと肉まんと粽と。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

茹で卵は7分茹でと11分茹でをそろえている。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

泉州沖で採れたしらす。
しらす丼がおススメのようだ。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

ごはんの友は梅干とかちりめん山椒とか、Qちゃん風のきゅうり醤油漬けとか。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

うどん。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

稲荷ずしはモーニングビュッフェには珍しいかも。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

ジュースも各種そろっている。
なかなか充実した朝食メニューだった。
京都応援クーポンは扱い店が少なく、これまで使えなかったが、
この朝食で初めて使えた。

ザ チャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル 宿・ホテル

朝一番で予約していた仙洞御所拝観。
バスを裁判所前で降り、堺町御門から京都御苑に入る。

堺町御門 名所・史跡

仙洞御所とは退位した上皇や法皇のお住まい。
令和に入り、平成天皇が上皇になられたため、東京で上皇ご夫妻が住まわれる仙洞御所に対し、従来の仙洞御所は，令和元年から「京都仙洞御所」と改称された。
西を向いた正門からは入れない。

京都仙洞御所 名所・史跡

北口が参観者の入口になっている。

京都仙洞御所 名所・史跡

中に入ると参観者の休憩所。
ここで、時間まで待機。

京都仙洞御所 名所・史跡

中の売店には土産物が並べられている。
先日フェースブックで、友人が財布を購入していたのを見たので品定め。
名刺入れを見つけて購入。

京都仙洞御所 名所・史跡

休憩所の前にあるのが大宮御所の玄関。
上皇后とか、皇太后などの御所を指す。
京都の仙洞御所・大宮御所は，1854年に火災で主要な建物が焼失。
大宮御所は1867年に再建されたが，仙洞御所は再建されないまま現在に至っている。

大宮御所 名所・史跡

定刻に至り、大宮御所から参観スタート。
おりしも霧島つつじが咲いていた。

京都仙洞御所 名所・史跡

お庭から見た大宮御所。
現在でも天皇皇后両陛下が京都に来られた際の御宿泊所として用いられている。

大宮御所 名所・史跡

大宮御所の庭に植えられている橘。
京都御所の紫宸殿前にも左近の桜と並んで右近の橘が植えられている。
桜が武人を代表するのに対し、橘は文人を意味することがある。
文化勲章のデザインが橘の花をモチーフとしているのは、こんな由来から昭和天皇が意向を示された結果と言われている。

大宮御所 名所・史跡

職員の寺田さんの案内でお庭を巡る。
飄々とした説明が面白い。

京都仙洞御所 名所・史跡

苔むした表情が素敵な橋。

京都仙洞御所 名所・史跡

石造りの六枚橋。
このあたりに紀貫之邸があったとされる。

京都仙洞御所 名所・史跡

仙洞御所には北池、南池のふたつの池があり、それを巡る回遊庭園となっている。

京都仙洞御所 名所・史跡

この御所は、江戸初期に後水尾上皇の住居として建てられ、庭は小堀遠州が作ったとされる。
しかし、それは後水尾上皇自身により改修され、原形はほとんど残っていないとのこと。

京都仙洞御所 名所・史跡

後水尾上皇は詩歌や書道、絵画もよくする文人天皇で、修学院離宮も作っている。
自らの美学をしっかりと持つだけに、小堀遠州の作庭が気に食わなかったのだろうか。

京都仙洞御所 名所・史跡

八つ橋の藤棚には、盛りを過ぎた藤が咲いていた。

京都仙洞御所 名所・史跡

この藤は有名と見え、盛りの時期は予約するのも大変だという。
何とか間に合ったのはラッキーなのだろう。

京都仙洞御所 名所・史跡

八つ橋を渡った先の中島には、霧島つつじを背景に草屋形の燈籠。
かつてはここに小亭が設けられており、この燈籠が趣を添えていた。

京都仙洞御所 名所・史跡

池のまわりに洲浜がある。
伝統的な日本庭園では、池や流れを海や河に見立て、岸辺の表現として礫を敷き詰める手法があるが、これが洲浜である。

京都仙洞御所 名所・史跡

仙洞御所に洲浜を作るに際しては、小田原藩主の大久保家が素材となる石を献上しているが、大久保家は領民から石一個につき米一升の報酬で集めて献上したことから、一升石と呼ばれている。

京都仙洞御所 名所・史跡

三本足のユニークな雪見灯籠は、水戸光圀の献上した寒水石(常陸産の大理石)製。

京都仙洞御所 名所・史跡

南池のほとりに柿葺きの茶室・醒花亭がある。

京都仙洞御所 名所・史跡

その手前にあるのが織部燈籠で、燈籠下部に十字架のカタチが隠されていると見立てて、キリシタン燈籠とも呼ばれる。

京都仙洞御所 名所・史跡

柿本人麻呂を祀る柿本社。
「人麻呂」という名前から「火止まる」と読み替えて火除けの神、「人生まる」で安産の神ともされている。
ここでは火除けの効能に期待して勧進されたようだ。

京都仙洞御所 名所・史跡

北池の西側に建つのは又新亭と名付けられた茶室。

京都仙洞御所 名所・史跡

北池に面して丸窓がある。
又新亭からさらに進むと先ほどの大宮御所。
これで、仙洞御所を一周したことになる。

京都仙洞御所 名所・史跡

仙洞御所から出ると京都御苑。
ここは建礼門のあたり。

京都御苑 公園・植物園

蛤御門から烏丸通りに抜ける。

蛤御門 名所・史跡

薩摩と会津が示し合わせて長州藩や三条実美などの尊王攘夷派公卿を朝廷から排除したのが1863年に起こった八月十八日の政変。
翌年、長州藩は軍勢を率いて上洛し、ここ蛤御門から宮中への侵入を試み、会津や桑名の藩兵と交戦した。
いわゆる蛤御門の戦いであり、禁中の変とも呼ばれる。

蛤御門 名所・史跡

戦闘の結果は長州藩の敗北に終わり、久坂玄瑞や来島又兵衛などは自決。
この結果、孝明天皇は長州藩を朝敵に指定。幕府による第一次長州征伐につながった。

蛤御門 名所・史跡

烏丸通りを同志社の前まで歩いてバスに乗り、今宮神社へ。

今宮神社 寺・神社・教会

今宮神社の名物は、門前の参道に二軒向かい合っている茶屋が提供するあぶり餅だ。

一和 一文字屋 和輔 グルメ・レストラン

こちらが一和こと『一文字屋 和輔』。

一和 一文字屋 和輔 グルメ・レストラン

こちらは『かざりや』。

あぶり餅 本家 根元 かざりや グルメ・レストラン

店の前で餅をあぶっている。

あぶり餅 本家 根元 かざりや グルメ・レストラン

かざりやに入る。

あぶり餅 本家 根元 かざりや グルメ・レストラン

一人前10本。
焦げ目と味噌味のタレが美味い。

あぶり餅 本家 根元 かざりや グルメ・レストラン

あぶり餅をいただいてから改めて今宮神社にお参り。
今宮神社は出雲系の神社で、疫病除けに効果があるようだ。

今宮神社 寺・神社・教会

山吹が花盛りだった。

今宮神社 寺・神社・教会

碑に残るのは将軍綱吉の生母桂昌院。
西陣の八百屋の娘『お玉』が数奇な運命に導かれ家光の側室となり、綱吉を産んで従一位桂昌院に出世、『玉の輿』の語源となった。

今宮神社 寺・神社・教会

鎌倉時代以前から疫病を鎮める神社として信仰を集めていたこの神社は、応仁の乱以降荒れ果てていた。桂昌院は信心深く、このことを悲しみ、復興に力を尽くした。

今宮神社 寺・神社・教会

庭には近江八景の名所、唐崎の松から株分けした松の苗が育ち始めていた。

今宮神社 寺・神社・教会

今宮神社境内の『阿呆賢さん』は重軽石と呼ばれ、手のひらで３度叩いて持ち上げると重く感じ、３度優しく撫でて持ち上げると軽く感じるという。

今宮神社 寺・神社・教会

また、石を撫でた手を体の悪いところに当てると病気平癒の効能があるという。

今宮神社 寺・神社・教会

阿呆賢さんにすがって療養なう。

今宮神社 寺・神社・教会

今宮神社から大徳寺真珠庵の裏玄関の前を通ってやってきたのが『大徳寺鮨長』。

大徳寺 鮨長 グルメ・レストラン

昔、赤坂にあったころ。よく通っていた店だ。
仕事終わりにひとりでふらりと訪れると、オーダーせずとも面白いつまみを次々に出してくれ、最後は軽く握りで締めるスタイル。
ご主人は、極上のマグロを追いかけるあまり、はるばる南アフリカまで行って、
しかも現地で鮨屋を開いてしまったという変わり種。
2005年に赤坂の店を閉め、伊東の山の中に宿泊できる寿司割烹のオーベルジュを開いていたが、5年前に紫野大徳寺の傍に同じスタイルのオーベルジュを開いた。伊豆には一度ランチで行ったのでそれ以来だ。

大徳寺 鮨長 グルメ・レストラン

のれそれの突き出しに続いて出てきたのは、ブリ　カワハギ　真鯛の三種の魚卵の煮つけ。
確かに微妙に味が違う。

大徳寺 鮨長 グルメ・レストラン

カラスミ。

大徳寺 鮨長 グルメ・レストラン

蛍烏賊。

大徳寺 鮨長 グルメ・レストラン

握りは赤身と中トロに加え、肝で食べるカワハギなど。

大徳寺 鮨長 グルメ・レストラン

旅館としては紫野鮨長を名乗り、
鮨屋としては大徳寺鮨長を名乗っているようだ。

大徳寺 鮨長 グルメ・レストラン

がんの闘病談や、ビルバオ移住を考えていた話、伊東でアパートやログハウスの経営を始めている話など。大笑いしつつゆったりとした時間を過ごした。
大徳寺や裏千家、オリックスなどそれなりの馴染みも出来ているらしい。
旅館もやっているのでこの店なら京都応援クーポンが使える。
残ったクーポンはここで使い切った。

大徳寺 鮨長 グルメ・レストラン

近くまで来たので大徳寺に立ち寄る。
大徳寺では春の特別公開でいくつかの未公開の塔頭が公開されている。

大徳寺 寺・神社・教会

黄梅院、興臨院を覗いてみよう。

大徳寺 寺・神社・教会

京都の臨済宗の寺院は、「禅面（づら）」といって、それぞれの特徴をひと言で表すことがある。
京都五山の上に立つ南禅寺は徳川家などの武家の篤い帰依があることから「武家面」。
これに対し大徳寺は「茶面」。
千利休はじめ茶道流派三千家の菩提寺で、多くの塔頭に茶室がある。
一方、建仁寺は「学問面」。東福寺は「伽藍面」。妙心寺は「算盤面」。相国寺は「声明面」。

大徳寺 寺・神社・教会

大徳寺は後醍醐天皇が帰依したために、足利幕府の成立とともに京都五山から除かれ、さらに応仁の乱で荒れ果てた。
これを救ったのが一休宗純。その一休さんのもとに参禅したのが、侘び茶を創始した村田珠光。
その縁で千利休・武野紹鴎・小堀遠州をはじめ多くの茶人との関係が生まれ、大徳寺は茶の湯の世界での存在感が増した。

龍源院 寺・神社・教会

秀吉は大徳寺で信長の葬儀を執り行い、信長の菩提寺として塔頭・総見院も創建している。
千利休は金毛閣と呼ばれる山門を寄進したが、その楼上に自らの像を据え、このことが秀吉の怒りを呼び、切腹を命じられている。

大徳寺 寺・神社・教会

最初に訪れたのは黄梅院。

大徳寺 寺・神社・教会

この塔頭は、織田信長が父信秀の菩提を弔うために建立。

大徳寺 寺・神社・教会

他に、蒲生氏郷とか、小早川隆景はじめ毛利氏の一族の墓所もあるようだ。

大徳寺 寺・神社・教会

青い紅葉が美しい。

大徳寺 寺・神社・教会

その中に鮮やかに咲く一輪の牡丹。
中に入ると撮影禁止だ。

大徳寺 寺・神社・教会

続いて興臨院。

大徳寺 寺・神社・教会

ここは加賀前田家の菩提寺。

大徳寺 寺・神社・教会

『昭和の小堀遠州』と称えられる中根金作が復元した庭が美しい。

大徳寺 寺・神社・教会

花頭窓越しに見える庭の光が鮮やか。

大徳寺 寺・神社・教会

一旦ホテルに戻り、ひと休みしてから5時開店の居酒屋赤垣屋へ。
まだ陽が高いのに、開店待ちの行列が続いている。

赤垣屋 グルメ・レストラン

われわれは行列の20人目。多くが予約したうえでの開店待ち。
予約してきて良かった。フリの客は確実に1時間以上待たされる。

赤垣屋 グルメ・レストラン

年季の入った赤ちょうちん。
入口の上にはレトロな赤いネオンサインがある。

赤垣屋 グルメ・レストラン

時間になって中に入ると、なんとも懐かしい昭和の居酒屋。

赤垣屋 グルメ・レストラン

お勧めメニューは経木に書かれている。

赤垣屋 グルメ・レストラン

突き出しで出てきた胡麻豆腐。
ねっとりとした舌触りがうれしい。

赤垣屋 グルメ・レストラン

小芋煮がバカうま。

赤垣屋 グルメ・レストラン

おでんは糸こんにゃく、じゃがいも、ロールキャベツをオーダー。
たっぷりの九条ネギが乗っている。
おでんのロールキャベツはちょっと残念。
煮込みが浅く、キャベツと挽肉がバラバラに。

赤垣屋 グルメ・レストラン

こちらはタコのおでん。
辛子がよく効いている。

赤垣屋 グルメ・レストラン

てっぱいとは鉄砲和えのことで、ねぎとイカのぬた。これも辛子酢味噌が効いている。

赤垣屋 グルメ・レストラン

うなぎは関西風で皮をカリカリに焼き、わさび醤油で食べる。

赤垣屋 グルメ・レストラン

イカゲソは事前の予測を上回る分量。

赤垣屋 グルメ・レストラン

いずれも手の込んだ肴でさすが居酒屋の名店だ。

赤垣屋 グルメ・レストラン