波高き玄界灘、揺れるフェリー…耐えに耐えた5.5時間【４歳半の初海外、初韓国、初釜山！その１】

2023/04/22 - 2023/04/22

　子連れで韓国に行くのが夢であり目標でもあったのだけど、生後すぐからの我が子の闘病と、それに続くコロナ禍のため、かなわぬまま４年が過ぎました。
　渡航制限が緩和され、日韓航路も再開されたので、2023年１月に韓国旅行を計画！しかし家族旅行あるあるで、我が子の体調不良により中止に…。そして４歳半を迎えた２０２３年４月、ついに実現した釜山旅行の珍道中です！

エリア 釜山(韓国)

• 旅行の満足度: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 乳幼児連れ家族旅行
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 船
• 旅行の手配内容: 個別手配

　今回は、博多と釜山を結ぶフェリー「ニューかめりあ」で渡韓します。往路は昼発、夜着のダイヤになっていて、１１時半までに博多港へ着けばよいので、ゆとりの出発です。
　まずは近所の駅から、西鉄電車で天神へ。普段通り過ぎて、これから海外へ行くという緊張感がない行程です。日常の延長のような海外旅行というギャップも、また悪くないです。

西鉄天神大牟田線 乗り物

　西鉄福岡駅地下のスーパーマーケット「レガネット」に寄り道。ニューかめりあの船内レストランは休業中のため、昼・夕飯を調達します。
　都心のスーパーなので高かろうと思ってましたが、思ったほどではありませんでした。

にしてつストア (レガネット天神店) スーパー・コンビニ・量販店

　博多・天神から博多港国際ターミナルへは、連接バスがアクセス。補助金を出した福岡市はBRTと主張しますが、専用道があるわけでもなく、西鉄は「連接バス」と称しています。
　停車する停留所は少なく、席が多い分座れる確率も高いので、有用な足。ただしマリンメッセのイベントと重なると乗り切れないこともあるので、ご用心を。

路線バス (西鉄バス) 乗り物

　一般のバスが数分前を先行していたので、連接バスはガラガラでした。うねうねと曲がりながら走るバスは、非日常感があって楽しいです。

　博多港の国際ターミナルが見えてきました。
　毎月のように渡韓していた頃は、実家よりも行きなれた場所(!?）だったけど、この５年間で訪れたのはただの１度きりでした。

博多港国際ターミナル 乗り物

　隣接するクルーズターミナルには、クイーンエリザベスが寄港中。欧米系の観光客が、大型バスで市内へと向かっていました。
　忘れかけていた福岡の日常が、戻りつつあることを実感します。

　空港の国際線と同じような事情で、国際ターミナルも、撤退した店がなかなか復帰していません。１階のご飯やさんは貴重な存在です。
　乗船券の購入は、出航１時間前までOK。大混雑ではやめの手続きが呼びかけられている航空機に比べれば、ゆとりがあります。

　天井からぶら下がる桜の造花が、チープに「和」を演出する２階から、出国審査場へ。我が子の緊張感が伝わったのか、スタッフさんが「クイーンビートルが停まってるよ！」と教えてくれました。
　本当だ、真っ赤な船体がキレイだね！って、え、なんで朝９時発のクイーンビートルがいるの？

　「今日は高波で欠航になったんですよ」
　ええ、今日はそんなに波が高いの？ かめりあは大きいから大丈夫ですよと言われたものの、嫌な予感しかしません。
　免税店の品ぞろえは、全盛期を思えばまだまだ。

　長い連絡通路を通り、ニューかめりあに乗船です。１万トンクラスの船で、クイーンビートルよりははるかに大きいけど…
　乗り慣れた名門大洋フェリーと比べれば2/3のサイズ。しかも向かうは、穏やかな瀬戸の内海ではなく、玄界灘です。

カメリアライン 乗り物

　カメリアラインは、僕が199９年に初めて渡韓した際にも乗った、思い出の航路。ニューかめりあは その後2004年に代替わりした、今年19年目の船になります。
　吹き抜けのホールがある、今風の船です。

　今回は１等の洋室を予約しました。感染対策ということで、２等桟敷席はまだ解放されていません。
　早めに予約すれば２等料金で１等にアップグレードできたのだけど、一歩間に合わず残念！ それでもネット予約割引が導入され、コロナ禍前よりだいぶ安くなりました。

　２段ベッドが２つ並ぶ、定員４人の部屋です。大人２人＋幼児１人の利用でも、追加料金はかかりませんでした。
　昼行便にも関わらず、ベッドにはシーツが準備され、歯ブラシやタオルといったアメニティも完備。充分すぎる設備です。

　部屋の中に洗面台があるのは、子連れにも何かと便利。風呂やトイレは共同です。

　おや、２等室も営業していますね。韓国向けには、すでに解放されているようです。この後ほどなくして、日本向けの予約も始まりました。
　韓国の団体さんは賑やかで、早くも異国の雰囲気が味わえるのは楽しいですが、落ち着いて行きたいなら個室の確保をオススメします。

　２００円で１０分利用できるマッサージチェア。個人的には、もうちょっと強めが好みでした。

　レストランは予告通り休業中でした。感染対策とされていますが、乗客がどれくらい戻ってくるか見極めている段階なのではないかと思います。
　レストラン自体は、食事場所として開放。さっそく酒盛りが始まっていました。

　電子レンジが利用可なのは、ありがたいです。

　その後ろにある食券販売機には、レストランの営業休止のお知らせが。期間は2020年2月25日から3月31日まで。旅客営業休止前の掲示が、そのまま残されていました。
　２月末といえば感染拡大防止のため、学校の休校が決まった頃。まさかのその後、３年も往来できない日々が続くとは、夢にも思いませんでした。

　もし何も持ち込まなかった際には、カップ麺くらしいかありません。これとて在庫がある保証はないので、福岡の街で食料は確保しておきましょう！

　自販機のビールの値段は２００円。１９９９年に乗った時と変わりません。免税にしては高いよなという感覚も、同じです。

　小さなゲーセンあり。

　カラオケボックスは、日韓両国の機械を備えています。
　この扉、水戸岡デザインだよね…？

　充実したパブリックスペース。

　１人旅の昼便なら、２等にして、パブリックスペースを中心に過ごすのもアリですね。

　さて、この先どうなるか分からないので、出航する前に昼ご飯を済ませておきましょう。
　４００円也のサーモン丼、普通においしかったです。我が子もネギトロ丼を完食。

　１２時30分、クイーンエリザベスに見送られ出航しました。
　博多湾は波穏やか。この調子で進んでくれればと思っていましたが…

　外洋に出たら、揺れる揺れる！ 僕はひたすら酒でごまかし続けましたが、ヨメさんは完全にダウン。あと５時間も耐えなきゃいけないの！？ しんどい…

　それに引き換え、乗り物酔いが始まってもおかしくない４歳半の我が子は、いたって元気。昼寝から覚めたら、元気にベッドを上り下りしたり、船内散策をしたりして楽しんでいました。
　これは旅師として、大物の予感。

　釜山のホテルに着くのはいつもの就寝時間頃になりそうなので、我が子と大浴場へ。揺れる浴槽すら、かえって楽しんでいました。
　下船前には、しっかり晩ご飯。ヨメさんがベッドの上から、信じられないといった表情で見つめていました。

　韓国に近づいて揺れも少し減ったところで、入国書類の作成にかかりました。入国カード、ずいぶんシンプルになったなぁ。

　韓国側の水際対策として、健康状態質問書の提出も求められます。電子渡航申請（K-ETA）での申告も可ということになっていますが、釜山港は対象外。
　ちなみに日本側の水際対策だったVisitJapanWebは、日本・韓国の乗船券購入時にそれぞれ確認がありました。これも５類移行を前に、４月末に廃止になっています。

　海雲台の高層ビル群が見えてくれば、無事に釜山港へ入港です。５年半ぶりの渡韓の高揚感と、もう揺れないという安心感が絡み合います。

　釜山港大橋をくぐり、ほどなく接岸です。
　韓国の皆さんはとにかく早く下船しようと、下船口に荷物で行列を作ってました。５年経っても変わらないなぁ…

釜山港大橋 建造物

　こちらは焦ってもしょうがないとばかり、船内を散策しながら、のんびり下船の時間を待ちます。

　国際ターミナルと釜山駅の間に、見慣れぬ高層ビルがそびえていました。2015年の釜山港の移転から８年、周囲の開発が進んだようで、楽しみです。

　影島の、斜面にまで立つ高層アパート群。懐かしい。やっと、やっと来ることができました。

　下船後、ターミナルまでは長い長い連絡通路を歩きます。我が子は何か違う雰囲気を感じ取ったのか、抱き着いて離れません。

　手続きは問題なく終わり、１９時過ぎには無事に韓国入国。さあ、楽しい旅にするよ！

釜山港国際旅客ターミナル 船系