まだまだ増えるサイロアート　Copeville Silo Art

2023/03/12 - 2023/03/12

「サイロアート」というものを知って見にいったのが2020年10月のこと。COVID-19のせいで、海外旅行はおろか、州を越えての旅行すらままならなくなってしまったとき、自由に動ける南オーストラリア州内で楽しもう、というのが動機でした。

このサイロアートは、現在も増え続けています。かって穀物輸送を担った鉄道はやがて大型トラックによる道路での輸送に取って代わられ、線路沿いに建てられていた古いサイロが寂れた町の象徴となっている、そういうところはまだまだたくさんあるのです。

3連休の２日目、さくっと見に行くことにしました。

エリア アデレード(オーストラリア)

• 旅行の満足度: 3.0
• 観光: 3.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 旅行の手配内容: 個別手配

この週はアデレードカップ（南オーストラリア州最大の競馬）で月曜日はお休みです。というわけで日曜日、いつものように遅めの朝食のあと、昨年10月に完成したサイロアートを見に行くことにしました。いいお天気の下、高速道路に乗ります。

この高速道路、つい最近出来たはずなのに、一部で壁を剥がしてやり直し工事中。しかもとりかかってもう随分になります。

日本で長く暮らした人間からみると、この国の土木や建築関係の工事はちんたらちんたらやっているように見えてなりません。

この高速道路自体、予定より随分遅れて、それも中途半端な状態で開通した（当事者としては格好よく仕上げたつもりらしい）が、今度は壁を剥がしてやり直し、それもまたちんたらと・・・

日本でもガソリン価格が高いようですが、オーストラリアもなかなかの高値。わが家がある南オーストラリア州では、１リットル2ドル近くまで上がる事もあります。独立系のステーションで167.5セントのところを見つけたので入れることに。勿論、この国では全部がセルフ。

いつものトンネルを通り・・・

いつものマレーブリッジを通過しました。

2022年末から2023年始にかけ、マレー川流域で起きた「緩やかな洪水」は南オーストラリア州の歴史の中で最も重大な災害の一つとなりました。

そして３月になってもまだこの有様です。

こちらの道路も通行止めが解除されていません。

未舗装の砂利道に入り、がたがたと25km、合計170kmを走りました。

やっと、目的地に到着。Copevilleという、人口わずか40人足らずの町です。この手の町の多くと同じように、穀物輸送用鉄道の沿線に建設され、高速道路と大型トラックの普及で路線が閉鎖されるとともに衰退しました。

こちらの絵柄はクライズデールというスコットランド原産の馬がメインになっています。英国の王立騎兵隊でも使われている品種ですが、スコットランド地方からの移民が持ち込み、荷馬車や農機具の牽引に使われました。その後、他品種との交配によって現在のオーストラリアドラフト（日本では重種というようです）となりました。特にビクトリア州では初期の農業の主力となった馬です。アメリカではバドワイザーのマスコットキャラクターになっています。

サイロ本体だけではなく、手前にある小屋も含めて絵になっていますね。小屋にはもちろん小麦畑。

左手に描かれているのは、Australian Pink and Grey Galah、モモイロインコです。

絵が描かれているサイロはすでに使われていませんが、左にあるバルク穀物サイロは豊作年のみ稼働します。なのでこちらではｗeighbridgeと呼ばれる計量台もそのときだけ利用されます。

その現役のサイロの手間にある小屋にも絵が描かれていました。

サイロアートの多くはすでに寂れてしまった田舎町にありますが、その中でも一二を争うでしょう。近くには民家が１軒あるだけ。トイレもカフェも何にもなしでした。