京田辺旅行記(ブログ) 一覧に戻る
2023年2月23日(木)、天皇誕生日の午後、地元の一番の観光スポットである一休寺でクラシックコンサートが開催されるというチラシ(下の写真)を市の掲示板で見掛けて行ってみることにする。<br /><br />公演は2時からだが、1時半前に一休寺に到着。会場は境内なので、参拝チケット(一般500円)を購入して入り、まだ時間が早いので境内を散策する。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.9073282806074996&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br />なお、一休寺については前回の2020年11月の紅葉の季節に来た時に書いているので、以下を参照のこと。<br />https://4travel.jp/travelogue/11696472<br />https://4travel.jp/travelogue/11697128<br />https://4travel.jp/travelogue/11697134<br />https://4travel.jp/travelogue/11697638<br /><br />10分前、会場である大雲軒へ。大雲軒は開山堂(2023年2月現在修復工事中)の奥にある書院で、レンタルスペースとして利用されている。開かれたのは京田辺クラシック音楽の会が開催している「とんちの里クラシックin一休寺」コンサート。<br /><br />京田辺クラシック音楽の会はかつて文化の拠点となっていた禅寺である一休寺を活動拠点として四季折々美しい日本の風景とクラシック音楽を楽しめるように定期的にコンサートを開催している市民団体で2015年に設立された。<br /><br />「とんちの里クラシックin一休寺」コンサートはそれから2ヶ月に1回開かれてきたが、コロナ禍になってからはそういう訳にもいかず、中止が相次ぎ、本格的に再開できたのは昨年(2022年)の10月。今回で32回目になる。ただ、私らは全く知らなかった。今回はたまたま見つけたので参加してみることにした。<br /><br />コンサートは中地聖子さんと竿下和美さんのサックス&amp;ピアノユニット「ティーモ」をメインプレーヤーとして毎回多彩なゲストとのアンサンブルを聞かせてくださってるとのこと。今回はクラリネット奏者の村西俊之さんを迎えての回だった。<br /><br />「ティーモ(Timo)」とはイタリア語でハーブのタイム(Thyme)のことで、料理の匂い付けに欠かせないタイムのように出会いの中で音楽の香りを届けたいという願いで命名。2005年結成。<br /><br />「音楽のバリアフリー化活動」と云う活動テーマを決め、ジャンル、場所にとらわれず生演奏を届けることをコンセプトに活動。さらに日本赤十字社にコンサート収益を寄付するなど社会貢献活動にも力を入れている。2017年には初めてのCD、「Blowing」をリリースされている。<br /><br />近年はクラシック音楽に特化し、オリジナルとは異なる音色をサックスとピアノによって表現する事により、新たな魅力発信に力を注いでいる。年間を通じたコンサート活動の他、各地の音楽祭、イベントなどにも出演。テレビ、ラジオ、地方紙などマスメディアに取り上げられることも多い。奈良国際音楽交流協議会メンバー。<br /><br />サックスの中地聖子さんは武蔵野音楽大学卒業後に各地音楽ホールにてジョイントコンサートなどを開催。フランス音楽コンクール優秀賞受賞。ソリストとして活躍する他、CD録音などにも携わられてる。<br /><br />ピアノの竿下和美さんは京都の堀川高校音楽科から京都市芸大に進まれ、卒業後多くのコンクールで入賞、受賞された。現在も自身で企画、演奏するコンサートを関西を中心に行いソロとして活動する傍ら、海外アーティストの共演、室内楽リサイタル、伴奏などを務め、コロナ禍までは年間50回以上のコンサートに出ておられた。京田辺市在住で京田辺音楽家協会理事長を務められている。<br /><br />ゲストのクラリネットの村西俊之さんはお隣の八幡市出身。竿下さんと同じ堀川高校音楽科から大阪教育大の芸術専攻音楽コースを卒業。その後ドイツのハンブルク音楽大を大学院まで納められ、ハンブルク国立歌劇場オーケストラなどの客演奏者も務められた。帰国後は大阪国際音楽コンクール管楽器部門の最高位受賞などご活躍で、現在多くの関西主要オーケストラにて客演奏者を務められている。お話しなかったけど、京都とハンブルクって共通点で親しみを覚えるわ。<br /><br />今回は「愛に包まれて」をテーマに3部構成で、約1時間のステージ。第1部がティーモのお二人の演奏で3曲。第2部がピアノの竿下さんとゲストの村西さんの演奏で3曲、そして第3部は3人のアンサンブルでアンコール含め3曲。<br /><br />1曲目はエルガー作曲の「愛の挨拶」。この曲だけは中地さんはソプラノサックスを演奏。エルガー(Edward Elgar)は1857年生まれのイギリスの作曲家、指揮者。1901年に作られた「威風堂々(Pomp and Circumstance)」の第1番は聞いたら誰でも知ってるような曲。1904年にはナイト(Knight)に叙され、国王の音楽師範も務めた。1934年に76歳で没。<br /><br />「愛の挨拶(Salut d&#39;amour)」は1888年に婚約者に贈った曲。出版社から求められてフランス語のタイトルとした。「威風堂々」と並んでエルガーを代表する曲。日本人演奏家の間でも人気の高い小品。再春館製薬のドモホルンリンクルや日清食品のカップヌードルなど多くのCMでも使われている。<br /><br />2曲目はプラネル作曲の「ロマンティック組曲」から。ここから中地さんはアルトサックス。プラネル(Robert Planel)は1908年生まれのフランスの作曲家。1945年からパリ市の音楽教育の総括監察官として活躍し、パリ地方音楽院を創設した。1994年に86歳で没。<br /><br />「ロマンティック組曲(Suite romantique)」はアルトサックスのための6曲からなる組曲。「1.イタリア風セレナーデ」、「2.踊り子たち」、「3.悲しい歌」、「4.感傷的なワルツ」、「5.クリスマスの物語」、「6.ロバ引きの歌」のうち、1、3、4を演奏。<br /><br />3曲目がサティ作曲の「ジュ・トゥ・ヴー」。サティ(Erik Satie)は1866年生まれのフランスの作曲家。「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」の異名で知られる。1925年に59歳で没。<br /><br />「ジュ・トゥ・ヴー(Je te veux)」は1900年に人気シャンソン歌手のために書かれた歌曲。2002年から放送された高島屋のCMで使われた他、2010年のアニメ映画「涼宮ハルヒの消失」や2017年のアニメ映画「きみの声をとどけたい」で使われたり、多くのゲーム作品にも使われている。<br /><br />少し時間を空けて、第2部はピアノの竿下さんとゲストの村西さんの演奏。通算4曲目は瀧廉太郎作曲の「花」。明治の西洋音楽黎明期における代表的な音楽家の一人である瀧廉太郎は1879年(明治12年)に東京の西新橋で生まれた。1903年に肺結核で23歳で没。「花」は1900年に刊行された歌曲集(組歌)「四季」の第1曲。廉太郎の歌曲の中でも広く親しまれている曲のひとつで、武島羽衣の作詞。<br /><br />通算5曲目はシュライナー作曲の「インマークライナー」。シュライナー(Adolf Schreiner)は 1847年生まれのドイツの作曲家。1921年に74歳で没。「インマークライナー(Immer Kleiner)」は「だんだん小さく」と云う意味で、演奏中にクラリネットを分解して、最後はマウスピースだけで音を出しながら終わる。面白い。竿下さんは演技かと思われたそうだが、最初のベルがなかなか取れずに焦ったとは村西さんの弁。<br /><br />第2部の最後はこれも誰でも知ってる佐々木すぐる作曲の「月の沙漠」。佐々木すぐるは1892年(明治25年)生まれの兵庫県高砂出身の作曲家。最初は小学校の教師だったが、後に東京音楽学校へ進み、浜松師範学校で教員として働く傍らに作曲を行う。童謡をはじめとする2000曲もの楽曲を作曲した。1966年に73歳で没。<br /><br />「月の沙漠」は1923年(大正12年)に作曲したもの。大正から昭和初期の挿絵画家の加藤まさをが、この年に雑誌「少女倶楽部」に発表した詩と挿画からなる作品に曲を付けたもの。「砂漠」ではなく「すなはま」の意味がある「沙漠」を使っている。作曲家の芥川也寸志は、映画「八甲田山」のテーマ音楽の作曲の際、この曲からモチーフを得た、と語っていた。<br /><br />最後、第3部は3人で。通算7曲目はピアソラ作曲の「リベルタンゴ」。ピアソラ(Astor Piazzolla)は1921年生まれのアルゼンチンの作曲家、バンドネオン奏者。タンゴを元にクラシック、ジャズの要素を融合させた独自の音楽形態であるタンゴ・ヌエボ(Tango Nuevo:新しいタンゴ)を産み出した。1992年に71歳で没。<br /><br />「リベルタンゴ(Libertango)」は1974年発表の作品。Libertad(自由)とTango(タンゴ)を組み合わせたタイトルで、フアン・ペロン(Juan Domingo Peron:エビータ(Evita)の夫)が大統領に返り咲くようなアルゼンチンの雰囲気に嫌気をさして、イタリアで演奏活動していたときの作品。<br /><br />最後は村松崇継作曲の「いのちの歌」。村松崇継は1978年生まれの静岡県浜松市出身の作曲家で、国立音楽大学卒業。作曲家として「護られなかった者たちへ(2021年)」などの映画、「未解決の女 警視庁文書捜査官(2018年と2020年)」などのテレビドラマやミュージカルの音楽を数多く手がけ、様々なジャンルのアーティストへ楽曲を提供して音楽プロデューサーとして活動する一方で、自らもピアニストとしてソロアルバムを発表、コンサート・ライブ等でオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っておられる。現在44歳。<br /><br />「いのちの歌」は2008年度下半期の朝ドラ「だんだん」の劇中歌として作られ、茉奈 佳奈のシングルとして2009年2月にリリースされた。オリコン最高順位18位。作詞は竹内まりや(Miyabi名義)。2012年1月にNHK BSプレミアムのドキュメンタリー・ドラマ「開拓者たち」主題歌として竹内まりやのセルフカバーシングルもリリースされ、こちらはオリコン最高順位10位。その後、映画「嫌な女(2016年)」の主題歌、映画「ピース・ニッポン(2018年)」の劇中歌としても使われた。さらに、2019年末のK紅白歌合戦の特別企画コーナーで歌われ、翌年初めに発売されたスペシャル・エディションはオリコン1位を記録し、「シングル1位歴代最年長記録」を更新した(64歳10か月)。<br /><br />アンコールは中島みゆきの「糸」。中島みゆきは今更だが、1952年生まれ、札幌出身のシンガーソングライター。現在71歳。「糸」は1998年1月からTBS系で放送されたドラマ「聖者の行進」の主題歌として使われ、有名になったが、元々は1992年に天理教の4代真柱の結婚を祝して作られた曲で、アルバム「EAST ASIA」を締めくくるナンバーとして収録されたもの。このアルバムレンタルしたし、その頃から知ってるわ。<br /><br />3時5分過ぎ、京田辺クラシック音楽の会代表の村坂みよさんの挨拶で終了。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.9073293192740624&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />以上

京田辺 一休寺 とんちの里クラシック(Classic in Ikkyu-ji Temple,Kyotanabe)

0いいね!

2023/02/23 - 2023/02/23

233位(同エリア241件中)

0

0

ちふゆ

ちふゆさん

2023年2月23日(木)、天皇誕生日の午後、地元の一番の観光スポットである一休寺でクラシックコンサートが開催されるというチラシ(下の写真)を市の掲示板で見掛けて行ってみることにする。

公演は2時からだが、1時半前に一休寺に到着。会場は境内なので、参拝チケット(一般500円)を購入して入り、まだ時間が早いので境内を散策する。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.9073282806074996&type=1&l=223fe1adec

なお、一休寺については前回の2020年11月の紅葉の季節に来た時に書いているので、以下を参照のこと。
https://4travel.jp/travelogue/11696472
https://4travel.jp/travelogue/11697128
https://4travel.jp/travelogue/11697134
https://4travel.jp/travelogue/11697638

10分前、会場である大雲軒へ。大雲軒は開山堂(2023年2月現在修復工事中)の奥にある書院で、レンタルスペースとして利用されている。開かれたのは京田辺クラシック音楽の会が開催している「とんちの里クラシックin一休寺」コンサート。

京田辺クラシック音楽の会はかつて文化の拠点となっていた禅寺である一休寺を活動拠点として四季折々美しい日本の風景とクラシック音楽を楽しめるように定期的にコンサートを開催している市民団体で2015年に設立された。

「とんちの里クラシックin一休寺」コンサートはそれから2ヶ月に1回開かれてきたが、コロナ禍になってからはそういう訳にもいかず、中止が相次ぎ、本格的に再開できたのは昨年(2022年)の10月。今回で32回目になる。ただ、私らは全く知らなかった。今回はたまたま見つけたので参加してみることにした。

コンサートは中地聖子さんと竿下和美さんのサックス&ピアノユニット「ティーモ」をメインプレーヤーとして毎回多彩なゲストとのアンサンブルを聞かせてくださってるとのこと。今回はクラリネット奏者の村西俊之さんを迎えての回だった。

「ティーモ(Timo)」とはイタリア語でハーブのタイム(Thyme)のことで、料理の匂い付けに欠かせないタイムのように出会いの中で音楽の香りを届けたいという願いで命名。2005年結成。

「音楽のバリアフリー化活動」と云う活動テーマを決め、ジャンル、場所にとらわれず生演奏を届けることをコンセプトに活動。さらに日本赤十字社にコンサート収益を寄付するなど社会貢献活動にも力を入れている。2017年には初めてのCD、「Blowing」をリリースされている。

近年はクラシック音楽に特化し、オリジナルとは異なる音色をサックスとピアノによって表現する事により、新たな魅力発信に力を注いでいる。年間を通じたコンサート活動の他、各地の音楽祭、イベントなどにも出演。テレビ、ラジオ、地方紙などマスメディアに取り上げられることも多い。奈良国際音楽交流協議会メンバー。

サックスの中地聖子さんは武蔵野音楽大学卒業後に各地音楽ホールにてジョイントコンサートなどを開催。フランス音楽コンクール優秀賞受賞。ソリストとして活躍する他、CD録音などにも携わられてる。

ピアノの竿下和美さんは京都の堀川高校音楽科から京都市芸大に進まれ、卒業後多くのコンクールで入賞、受賞された。現在も自身で企画、演奏するコンサートを関西を中心に行いソロとして活動する傍ら、海外アーティストの共演、室内楽リサイタル、伴奏などを務め、コロナ禍までは年間50回以上のコンサートに出ておられた。京田辺市在住で京田辺音楽家協会理事長を務められている。

ゲストのクラリネットの村西俊之さんはお隣の八幡市出身。竿下さんと同じ堀川高校音楽科から大阪教育大の芸術専攻音楽コースを卒業。その後ドイツのハンブルク音楽大を大学院まで納められ、ハンブルク国立歌劇場オーケストラなどの客演奏者も務められた。帰国後は大阪国際音楽コンクール管楽器部門の最高位受賞などご活躍で、現在多くの関西主要オーケストラにて客演奏者を務められている。お話しなかったけど、京都とハンブルクって共通点で親しみを覚えるわ。

今回は「愛に包まれて」をテーマに3部構成で、約1時間のステージ。第1部がティーモのお二人の演奏で3曲。第2部がピアノの竿下さんとゲストの村西さんの演奏で3曲、そして第3部は3人のアンサンブルでアンコール含め3曲。

1曲目はエルガー作曲の「愛の挨拶」。この曲だけは中地さんはソプラノサックスを演奏。エルガー(Edward Elgar)は1857年生まれのイギリスの作曲家、指揮者。1901年に作られた「威風堂々(Pomp and Circumstance)」の第1番は聞いたら誰でも知ってるような曲。1904年にはナイト(Knight)に叙され、国王の音楽師範も務めた。1934年に76歳で没。

「愛の挨拶(Salut d'amour)」は1888年に婚約者に贈った曲。出版社から求められてフランス語のタイトルとした。「威風堂々」と並んでエルガーを代表する曲。日本人演奏家の間でも人気の高い小品。再春館製薬のドモホルンリンクルや日清食品のカップヌードルなど多くのCMでも使われている。

2曲目はプラネル作曲の「ロマンティック組曲」から。ここから中地さんはアルトサックス。プラネル(Robert Planel)は1908年生まれのフランスの作曲家。1945年からパリ市の音楽教育の総括監察官として活躍し、パリ地方音楽院を創設した。1994年に86歳で没。

「ロマンティック組曲(Suite romantique)」はアルトサックスのための6曲からなる組曲。「1.イタリア風セレナーデ」、「2.踊り子たち」、「3.悲しい歌」、「4.感傷的なワルツ」、「5.クリスマスの物語」、「6.ロバ引きの歌」のうち、1、3、4を演奏。

3曲目がサティ作曲の「ジュ・トゥ・ヴー」。サティ(Erik Satie)は1866年生まれのフランスの作曲家。「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」の異名で知られる。1925年に59歳で没。

「ジュ・トゥ・ヴー(Je te veux)」は1900年に人気シャンソン歌手のために書かれた歌曲。2002年から放送された高島屋のCMで使われた他、2010年のアニメ映画「涼宮ハルヒの消失」や2017年のアニメ映画「きみの声をとどけたい」で使われたり、多くのゲーム作品にも使われている。

少し時間を空けて、第2部はピアノの竿下さんとゲストの村西さんの演奏。通算4曲目は瀧廉太郎作曲の「花」。明治の西洋音楽黎明期における代表的な音楽家の一人である瀧廉太郎は1879年(明治12年)に東京の西新橋で生まれた。1903年に肺結核で23歳で没。「花」は1900年に刊行された歌曲集(組歌)「四季」の第1曲。廉太郎の歌曲の中でも広く親しまれている曲のひとつで、武島羽衣の作詞。

通算5曲目はシュライナー作曲の「インマークライナー」。シュライナー(Adolf Schreiner)は 1847年生まれのドイツの作曲家。1921年に74歳で没。「インマークライナー(Immer Kleiner)」は「だんだん小さく」と云う意味で、演奏中にクラリネットを分解して、最後はマウスピースだけで音を出しながら終わる。面白い。竿下さんは演技かと思われたそうだが、最初のベルがなかなか取れずに焦ったとは村西さんの弁。

第2部の最後はこれも誰でも知ってる佐々木すぐる作曲の「月の沙漠」。佐々木すぐるは1892年(明治25年)生まれの兵庫県高砂出身の作曲家。最初は小学校の教師だったが、後に東京音楽学校へ進み、浜松師範学校で教員として働く傍らに作曲を行う。童謡をはじめとする2000曲もの楽曲を作曲した。1966年に73歳で没。

「月の沙漠」は1923年(大正12年)に作曲したもの。大正から昭和初期の挿絵画家の加藤まさをが、この年に雑誌「少女倶楽部」に発表した詩と挿画からなる作品に曲を付けたもの。「砂漠」ではなく「すなはま」の意味がある「沙漠」を使っている。作曲家の芥川也寸志は、映画「八甲田山」のテーマ音楽の作曲の際、この曲からモチーフを得た、と語っていた。

最後、第3部は3人で。通算7曲目はピアソラ作曲の「リベルタンゴ」。ピアソラ(Astor Piazzolla)は1921年生まれのアルゼンチンの作曲家、バンドネオン奏者。タンゴを元にクラシック、ジャズの要素を融合させた独自の音楽形態であるタンゴ・ヌエボ(Tango Nuevo:新しいタンゴ)を産み出した。1992年に71歳で没。

「リベルタンゴ(Libertango)」は1974年発表の作品。Libertad(自由)とTango(タンゴ)を組み合わせたタイトルで、フアン・ペロン(Juan Domingo Peron:エビータ(Evita)の夫)が大統領に返り咲くようなアルゼンチンの雰囲気に嫌気をさして、イタリアで演奏活動していたときの作品。

最後は村松崇継作曲の「いのちの歌」。村松崇継は1978年生まれの静岡県浜松市出身の作曲家で、国立音楽大学卒業。作曲家として「護られなかった者たちへ(2021年)」などの映画、「未解決の女 警視庁文書捜査官(2018年と2020年)」などのテレビドラマやミュージカルの音楽を数多く手がけ、様々なジャンルのアーティストへ楽曲を提供して音楽プロデューサーとして活動する一方で、自らもピアニストとしてソロアルバムを発表、コンサート・ライブ等でオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っておられる。現在44歳。

「いのちの歌」は2008年度下半期の朝ドラ「だんだん」の劇中歌として作られ、茉奈 佳奈のシングルとして2009年2月にリリースされた。オリコン最高順位18位。作詞は竹内まりや(Miyabi名義)。2012年1月にNHK BSプレミアムのドキュメンタリー・ドラマ「開拓者たち」主題歌として竹内まりやのセルフカバーシングルもリリースされ、こちらはオリコン最高順位10位。その後、映画「嫌な女(2016年)」の主題歌、映画「ピース・ニッポン(2018年)」の劇中歌としても使われた。さらに、2019年末のK紅白歌合戦の特別企画コーナーで歌われ、翌年初めに発売されたスペシャル・エディションはオリコン1位を記録し、「シングル1位歴代最年長記録」を更新した(64歳10か月)。

アンコールは中島みゆきの「糸」。中島みゆきは今更だが、1952年生まれ、札幌出身のシンガーソングライター。現在71歳。「糸」は1998年1月からTBS系で放送されたドラマ「聖者の行進」の主題歌として使われ、有名になったが、元々は1992年に天理教の4代真柱の結婚を祝して作られた曲で、アルバム「EAST ASIA」を締めくくるナンバーとして収録されたもの。このアルバムレンタルしたし、その頃から知ってるわ。

3時5分過ぎ、京田辺クラシック音楽の会代表の村坂みよさんの挨拶で終了。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.9073293192740624&type=1&l=223fe1adec


以上

PR

0いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP