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2020年11月25日(水)お昼前、一休寺の奥に位置する本堂に向かう。庫裏・方丈の入口にある中門のすぐ西側にある門を潜ると正面奥にあるのが本堂(法堂)。仏殿とも呼ばれ、内部には本尊釈迦如来坐像、文殊普賢菩薩像が安置されている。山城・大和地方の唐様建築としては最も古い建造物。1429年から1441年の永享年間に室町幕府六代目将軍足利義教の帰依により建立された禅宗様仏殿で国の重文。<br /><br />本堂の右手には宝物殿がある(下の写真1)。一休禅師の頂相や遺偈などの墨跡他を展示している。また、方丈の狩野探幽の襖絵の本物もここにある。1989年に建てられたもので、本格的な土蔵建築。<br /><br />その西側には開山堂。大正時代に改築をされたものだが様式は完全に昔のものを残している。堂内部には妙勝寺を創建した妙勝寺開山南浦紹明(大応国師)の木像が安置されており、大応堂とも呼ばれる。この像は一休禅師が妙勝寺を再建した63歳の時に安置したもの。近くに開山大応国師妙勝寺旧跡の碑が建つ(下の写真2)。京都国体町火リレー採火之地の石標も建つ(下の写真3)。<br /><br />開山堂の奥、西側一帯には一休酬恩会が1999年に造園した二十世紀の森が広がり、うっそうとした森の中に地元住民が作製した多くの石造の羅漢像が配置されている。羅漢さんは形も顔も様々でなかなか面白い。森の北側には池があり、池の周りの紅葉との眺めが素敵だが、初夏には睡蓮の花が咲き、それも素晴らしいようだ(下の写真4)。<br /><br />この池から二十世紀の森に小川が流れ出しているが、その小川に「このはしわたるべからず」の橋。有名な一休とんち話で、一休さんを困らしてやろうと庄屋がある橋にこの立札を立てたが、一休さんは端を渡らず真ん中を歩いて切り抜けたと云う話。ナンセンスにナンセンスで切り返すと云う、実に一休さんらしい逸話。<br /><br />この橋の手前には手に箒をもち掃除をしている少年一休像も建つ。現在の世の中の汚れも箒で一掃して明るい世の中にしたいとの願いが込められている。二十世紀の森の終わりには一休禅師立像もある。こちらは年を召されてからのお姿。<br /><br />本堂の南側、坂道を上がったところには旧墓地があり、能楽観世流三代音阿弥や江州観音寺城主佐々木承禎、茶人の寸松庵など禅師の遺徳を慕って来られた名士の墳墓がある。<br /><br />音阿弥は、室町幕府六代将軍足利義教が世阿弥を追放した後、義教の寵愛を受けた世阿弥の甥。「希代の上手」と云われた名人で、深く一休に帰依していた。この墓石は観世流十九代清興が江戸後期の1815年に建立したもの。中央に音阿弥で、左側にその清興の、反対側に十五代元章の墓が並んでいる。<br /><br />佐々木承禎は六角義賢とも云い、戦国時代から安土桃山時代の武将で、南近江の守護。宇多源氏佐々木氏流。上洛を目指す織田信長の侵攻を受け、1568年の観音寺城の戦いで大敗を喫し、流浪の身となったが、晩年には豊臣秀吉の御伽衆となり1598年に宇治田原で病死したが、位牌が息子の義治のものと共にこの寺にある。<br /><br />寸松庵は佐久間実勝と云う安土桃山時代から江戸時代前期にかけての茶人、旗本で、茶道・宗可流の開祖。豊臣秀吉の小姓となり、のちに徳川家康から家光まで三代に仕えた。茶人として著名で、茶道を古田織部に師事し、晩年に京の大徳寺龍光院内に塔頭寸松庵を建立し、隠居所とした。前庭一面に小松を植えていたので寸松庵の名が付いた。<br /><br />旧墓地のさらに奥、南側に建つのは永代供養塔(下の写真5)で、その奥には現在の墓地が広がる。<br /><br />旧墓地から東、本堂参道の門の辺りまで戻って来ると鐘楼がある。桁行三間、梁間二間、袴腰付、入母屋造、本瓦葺で、前田利常により1650年に修復されたもの。梵鐘は1623年の作。国の重文になっている。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.5873115556091753&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />16年振りの一休寺参拝終了。次は薪神社に向かうが続く

京都 京田辺 一休寺本堂他(Ikkyuji Temple Main Hall, Kyotanabe, Kyoto, JP)

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2020/11/25 - 2020/11/25

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ちふゆ

ちふゆさん

2020年11月25日(水)お昼前、一休寺の奥に位置する本堂に向かう。庫裏・方丈の入口にある中門のすぐ西側にある門を潜ると正面奥にあるのが本堂(法堂)。仏殿とも呼ばれ、内部には本尊釈迦如来坐像、文殊普賢菩薩像が安置されている。山城・大和地方の唐様建築としては最も古い建造物。1429年から1441年の永享年間に室町幕府六代目将軍足利義教の帰依により建立された禅宗様仏殿で国の重文。

本堂の右手には宝物殿がある(下の写真1)。一休禅師の頂相や遺偈などの墨跡他を展示している。また、方丈の狩野探幽の襖絵の本物もここにある。1989年に建てられたもので、本格的な土蔵建築。

その西側には開山堂。大正時代に改築をされたものだが様式は完全に昔のものを残している。堂内部には妙勝寺を創建した妙勝寺開山南浦紹明(大応国師)の木像が安置されており、大応堂とも呼ばれる。この像は一休禅師が妙勝寺を再建した63歳の時に安置したもの。近くに開山大応国師妙勝寺旧跡の碑が建つ(下の写真2)。京都国体町火リレー採火之地の石標も建つ(下の写真3)。

開山堂の奥、西側一帯には一休酬恩会が1999年に造園した二十世紀の森が広がり、うっそうとした森の中に地元住民が作製した多くの石造の羅漢像が配置されている。羅漢さんは形も顔も様々でなかなか面白い。森の北側には池があり、池の周りの紅葉との眺めが素敵だが、初夏には睡蓮の花が咲き、それも素晴らしいようだ(下の写真4)。

この池から二十世紀の森に小川が流れ出しているが、その小川に「このはしわたるべからず」の橋。有名な一休とんち話で、一休さんを困らしてやろうと庄屋がある橋にこの立札を立てたが、一休さんは端を渡らず真ん中を歩いて切り抜けたと云う話。ナンセンスにナンセンスで切り返すと云う、実に一休さんらしい逸話。

この橋の手前には手に箒をもち掃除をしている少年一休像も建つ。現在の世の中の汚れも箒で一掃して明るい世の中にしたいとの願いが込められている。二十世紀の森の終わりには一休禅師立像もある。こちらは年を召されてからのお姿。

本堂の南側、坂道を上がったところには旧墓地があり、能楽観世流三代音阿弥や江州観音寺城主佐々木承禎、茶人の寸松庵など禅師の遺徳を慕って来られた名士の墳墓がある。

音阿弥は、室町幕府六代将軍足利義教が世阿弥を追放した後、義教の寵愛を受けた世阿弥の甥。「希代の上手」と云われた名人で、深く一休に帰依していた。この墓石は観世流十九代清興が江戸後期の1815年に建立したもの。中央に音阿弥で、左側にその清興の、反対側に十五代元章の墓が並んでいる。

佐々木承禎は六角義賢とも云い、戦国時代から安土桃山時代の武将で、南近江の守護。宇多源氏佐々木氏流。上洛を目指す織田信長の侵攻を受け、1568年の観音寺城の戦いで大敗を喫し、流浪の身となったが、晩年には豊臣秀吉の御伽衆となり1598年に宇治田原で病死したが、位牌が息子の義治のものと共にこの寺にある。

寸松庵は佐久間実勝と云う安土桃山時代から江戸時代前期にかけての茶人、旗本で、茶道・宗可流の開祖。豊臣秀吉の小姓となり、のちに徳川家康から家光まで三代に仕えた。茶人として著名で、茶道を古田織部に師事し、晩年に京の大徳寺龍光院内に塔頭寸松庵を建立し、隠居所とした。前庭一面に小松を植えていたので寸松庵の名が付いた。

旧墓地のさらに奥、南側に建つのは永代供養塔(下の写真5)で、その奥には現在の墓地が広がる。

旧墓地から東、本堂参道の門の辺りまで戻って来ると鐘楼がある。桁行三間、梁間二間、袴腰付、入母屋造、本瓦葺で、前田利常により1650年に修復されたもの。梵鐘は1623年の作。国の重文になっている。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.5873115556091753&type=1&l=223fe1adec


16年振りの一休寺参拝終了。次は薪神社に向かうが続く

  • 写真1 宝物殿

    写真1 宝物殿

  • 写真2 開山大応国師妙勝寺旧跡の碑

    写真2 開山大応国師妙勝寺旧跡の碑

  • 写真3 京都国体町火リレー採火之地の碑

    写真3 京都国体町火リレー採火之地の碑

  • 写真4 二十世紀の森の北の池

    写真4 二十世紀の森の北の池

  • 写真5 永代供養塔

    写真5 永代供養塔

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