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2022年12月20日(火)夜、宇治黄檗の萬福寺で開催中の黄檗ランタンフェスティバルに出掛けた。隠元禅師350年大遠諱の記念催事の一環として実施されているもので、境内約30ヶ所に中国独特のランタンを展示している。<br /><br />まず総門の前に建つのが日中友好の門。牌坊(はいぼう)という扉がなく開放的な門型建築で、中国の伝統的な建築様式の一つ。横浜中華街や神戸中華街など、世界各地の中華街には牌坊がしるべとして建てられているので、海外では中華文化のシンボルの一つと考えられている。この門は彫飾と扇子、花などの彩色で華麗な装飾を施すものを用いて、日中友好の友情の門を象徴している。<br /><br />チケット売場を過ぎて、総門から三門に向かう参道の上に一心同体。真ん中の少し大きめのランタンの周りを小さなランタンが囲んでいる。大きめのランタンが世界の地域や国を表し、小さなものが人間の個体を象徴しており、個体の光と力を集め、人間が輝く銀河にすることができると表現している。<br /><br />三門前の放生池に神聖な蓮池。神聖感を運んでくれるランタンの蓮が咲いている。夏の花の代表のひとつとして、蓮は「泥より出でて泥に染まらず」と言われるように仏教を象徴している。その中で鯉が跳ねる。池の奥には昆虫たちの丘がある。<br /><br />三門前には幸福満載。「福」の文字は中国の伝統文化の中で、人々が祝福を送る時によく使われる言葉。人々が円満な幸せを得ることができることを祈っている。舞台の中央に立って両手を開くと後ろのランタンと組み合わせて「福」の字になるのだが、黒いコートだったのでよく分からない写真になってしまった。<br /><br />三門を抜けると右手にまず隠元禅師渡来。隠元隆琦禅師が日本にやって来た時の様子を表している。禅師は日本に招請され、1654年に来日された。禅師はそのまま中国に戻ることもなく、中国の建築、音楽、文学、印刷、煎茶、普茶料理などの先進文化を日本に伝え、禅宗界に多大な影響も与えた。<br /><br />続いて麒麟瑞獣。他のランタンとは異なって麒麟の体は色の付いた小さなガラス瓶で構成されており、内部の明かりを用いて全体的に輝いている。麒麟は中国神話に現れる伝説上の瑞獣の一種で、「麒」が雄で「麟」が雌を表すとされるが、通常は「麒麟」と雌雄同体で表記される。<br /><br />その奥に松鶴延年。不老長寿の象徴とされる松と、吉祥の鳥であり、伝説上の鳳凰の次に地位が高く、長寿の仙禽と考えられている鶴を飾っている。「鶴寿」や「延年」は長寿を祝う時によく使われる吉祥の言葉。<br /><br />三門を抜けた左手にはブランコがあり、その奥、開山堂の門の前に孫悟空の如意金箍棒(にょいきんこぼう)と桃源郷。右奥に果樹園の管理人に任命された孫悟空が瑶池金母(ようちきんぼ)の蟠桃会に自分だけ招かれなかったことを恨み、蟠桃園の桃を盗み食する場面。これにより彼は人間界に追放され、三蔵法師と出会う。奥の桃源郷は俗界(人間界)と離れた、桃林に囲まれた平和で豊かな別世界。仏教でも桃のモチーフはよく見られ、「蟠桃(ばんとう)」は北欧神話に登場する黄金の林檎と同じように神々の不老不死の源とされている。<br /><br />その奥には龍舞賀春。龍舞は中華圏の伝統的な踊りで、龍が玉を追いかける様子を模している。複数の人物によって操作し、ドラや太鼓の音にあわせて上下左右に踊らせることを巨大なランタンで表現している。旧暦の春節や秋の収穫祭に龍舞は伝統行事の一つとして、雨乞いや豊作祈願などを目的に行われる。<br /><br />その右手の奥にある中和園に進むと仕女の花見。色々なランタンを組み合わせ、宮仕えの女性が満月の夜に庭園で花見をしている画面を表現している。「三生」と「三世」はほぼ同じ概念と認識され、仏語の「前世・現世・来世」の意味を伝え、過去も現在も未来も、美しい人と景色がいつも私たちのそばに回ってくるという意味。<br /><br />天王殿の奥、左手に進むと鹿王本生。中国の北魏時代、敦煌莫高窟に描かれたとされる壁画「鹿王本生図」をモチーフにしたもの。インド風と漢風要素がうまく融合されている。<br /><br />さらにト音記号を挟んで南海観音。中国の海南島三亜市の南山寺付近にある観音菩薩像で、南シナ海を向いており、観音の中国と世界全体に対する天恵と加護を表現している。菩薩は左手で浄瓶を支え、右手で楊柳を持って印相を結んでいる。楊柳は災いを避け、病気を治すことができ、浄瓶の中の甘露は幸せを人間界に広げることができると云われる。<br /><br />大雄寶殿前を過ぎ、西方丈から一番奥の法堂に進むと、その前に上善若水。松と桃で造られている。「老子」の第八。「上善は水の若し、水は善く万物を利して而も争わず。衆人の悪む所に処る。故に道に幾し。」 水の如くに生きれば、まさに禅の悟りに通じる。<br /><br />大雄寶殿から天王殿の右手に戻って来ると、紅包(ホンバオ)の文字が乗るネズミに、文字ブロックの柱に続いて隠元禅師の茶器がある。禅師は、来日の際に中国の茶罐(ちゃかん)という茶器を持参した。胴体には「時大彬做壺」と、時大彬の落款が彫られている。これで一回り。日中友好の門に戻ると2時間足らず掛かかっていた。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.8724095727660374&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />順番が前後するが、萬福寺の話を書くが、続く

京都 宇治 萬福寺 黄檗ランタンフェスティバル(Obaku Lanthanum Festival,Uji)

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2022/12/20 - 2022/12/20

1115位(同エリア1500件中)

旅行記グループ 萬福寺

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ちふゆ

ちふゆさん

2022年12月20日(火)夜、宇治黄檗の萬福寺で開催中の黄檗ランタンフェスティバルに出掛けた。隠元禅師350年大遠諱の記念催事の一環として実施されているもので、境内約30ヶ所に中国独特のランタンを展示している。

まず総門の前に建つのが日中友好の門。牌坊(はいぼう)という扉がなく開放的な門型建築で、中国の伝統的な建築様式の一つ。横浜中華街や神戸中華街など、世界各地の中華街には牌坊がしるべとして建てられているので、海外では中華文化のシンボルの一つと考えられている。この門は彫飾と扇子、花などの彩色で華麗な装飾を施すものを用いて、日中友好の友情の門を象徴している。

チケット売場を過ぎて、総門から三門に向かう参道の上に一心同体。真ん中の少し大きめのランタンの周りを小さなランタンが囲んでいる。大きめのランタンが世界の地域や国を表し、小さなものが人間の個体を象徴しており、個体の光と力を集め、人間が輝く銀河にすることができると表現している。

三門前の放生池に神聖な蓮池。神聖感を運んでくれるランタンの蓮が咲いている。夏の花の代表のひとつとして、蓮は「泥より出でて泥に染まらず」と言われるように仏教を象徴している。その中で鯉が跳ねる。池の奥には昆虫たちの丘がある。

三門前には幸福満載。「福」の文字は中国の伝統文化の中で、人々が祝福を送る時によく使われる言葉。人々が円満な幸せを得ることができることを祈っている。舞台の中央に立って両手を開くと後ろのランタンと組み合わせて「福」の字になるのだが、黒いコートだったのでよく分からない写真になってしまった。

三門を抜けると右手にまず隠元禅師渡来。隠元隆琦禅師が日本にやって来た時の様子を表している。禅師は日本に招請され、1654年に来日された。禅師はそのまま中国に戻ることもなく、中国の建築、音楽、文学、印刷、煎茶、普茶料理などの先進文化を日本に伝え、禅宗界に多大な影響も与えた。

続いて麒麟瑞獣。他のランタンとは異なって麒麟の体は色の付いた小さなガラス瓶で構成されており、内部の明かりを用いて全体的に輝いている。麒麟は中国神話に現れる伝説上の瑞獣の一種で、「麒」が雄で「麟」が雌を表すとされるが、通常は「麒麟」と雌雄同体で表記される。

その奥に松鶴延年。不老長寿の象徴とされる松と、吉祥の鳥であり、伝説上の鳳凰の次に地位が高く、長寿の仙禽と考えられている鶴を飾っている。「鶴寿」や「延年」は長寿を祝う時によく使われる吉祥の言葉。

三門を抜けた左手にはブランコがあり、その奥、開山堂の門の前に孫悟空の如意金箍棒(にょいきんこぼう)と桃源郷。右奥に果樹園の管理人に任命された孫悟空が瑶池金母(ようちきんぼ)の蟠桃会に自分だけ招かれなかったことを恨み、蟠桃園の桃を盗み食する場面。これにより彼は人間界に追放され、三蔵法師と出会う。奥の桃源郷は俗界(人間界)と離れた、桃林に囲まれた平和で豊かな別世界。仏教でも桃のモチーフはよく見られ、「蟠桃(ばんとう)」は北欧神話に登場する黄金の林檎と同じように神々の不老不死の源とされている。

その奥には龍舞賀春。龍舞は中華圏の伝統的な踊りで、龍が玉を追いかける様子を模している。複数の人物によって操作し、ドラや太鼓の音にあわせて上下左右に踊らせることを巨大なランタンで表現している。旧暦の春節や秋の収穫祭に龍舞は伝統行事の一つとして、雨乞いや豊作祈願などを目的に行われる。

その右手の奥にある中和園に進むと仕女の花見。色々なランタンを組み合わせ、宮仕えの女性が満月の夜に庭園で花見をしている画面を表現している。「三生」と「三世」はほぼ同じ概念と認識され、仏語の「前世・現世・来世」の意味を伝え、過去も現在も未来も、美しい人と景色がいつも私たちのそばに回ってくるという意味。

天王殿の奥、左手に進むと鹿王本生。中国の北魏時代、敦煌莫高窟に描かれたとされる壁画「鹿王本生図」をモチーフにしたもの。インド風と漢風要素がうまく融合されている。

さらにト音記号を挟んで南海観音。中国の海南島三亜市の南山寺付近にある観音菩薩像で、南シナ海を向いており、観音の中国と世界全体に対する天恵と加護を表現している。菩薩は左手で浄瓶を支え、右手で楊柳を持って印相を結んでいる。楊柳は災いを避け、病気を治すことができ、浄瓶の中の甘露は幸せを人間界に広げることができると云われる。

大雄寶殿前を過ぎ、西方丈から一番奥の法堂に進むと、その前に上善若水。松と桃で造られている。「老子」の第八。「上善は水の若し、水は善く万物を利して而も争わず。衆人の悪む所に処る。故に道に幾し。」 水の如くに生きれば、まさに禅の悟りに通じる。

大雄寶殿から天王殿の右手に戻って来ると、紅包(ホンバオ)の文字が乗るネズミに、文字ブロックの柱に続いて隠元禅師の茶器がある。禅師は、来日の際に中国の茶罐(ちゃかん)という茶器を持参した。胴体には「時大彬做壺」と、時大彬の落款が彫られている。これで一回り。日中友好の門に戻ると2時間足らず掛かかっていた。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.8724095727660374&type=1&l=223fe1adec


順番が前後するが、萬福寺の話を書くが、続く

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