2022/10/15 - 2022/10/15
17位(同エリア69件中)
雲のすけさん
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今回は天竜浜名湖線の全線を乗りに行きました。数年前に沿線にある小國神社に行くために一度乗ったことがあるのですが、その頃は自分は気動車のことすら分からない鉄道を全く知らない普通(?)の人で、やけに音がうるさい電車だなと思っていたくらいでした。そんな自分でも旅を続けてきて、旅行記を書いているうちに少しずつ鉄道の知識を得て、天竜浜名湖線に魅力が分かり全線を乗り通してみたいと思い計画を立てました。天竜浜名湖鉄道のディーゼル車に乗って途中駅の天竜二俣駅で降りて旧二俣町を散策します。
最後まで読んでいただき、旅の参考になると嬉しいです。
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JR掛川駅に着きました。ここで天竜浜名湖線に乗り換えをします。東海道本線のホームに天竜浜名湖線の乗換口があって改札口までショートカットできますが、写真を撮るために駅の北口に出ました。
掛川駅 駅
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掛川駅での乗換時間は約5分なので、天浜線掛川駅の階段を急いで駆け上がり窓口でフリーきっぷを買いました。
天竜浜名湖鉄道 天竜浜名湖線 (天浜線) 乗り物
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今回使うフリーきっぷ「天竜浜名湖線1日フリーきっぷ」です。天竜浜名湖線のフリーきっぷはいくつも種類があり、これは乗車区間は全線乗れるものです。
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ホームには音街ウナのラッピング列車「うなぴっぴごー!」が停まっていました。音街ウナとは浜松市出身のバーチャルアイドルだそうです。9月23日に新たにラッピングされたようです。天浜線はいろいろなラッピング列車が走っています。
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今回の乗る列車は隣の2番線に停まっていたスズキのKATANA(刀)というバイクのラッピング列車です。
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天竜浜名湖線の沿線図。略称天浜線は掛川駅~新所原駅間を結ぶ路線総延長は67.7km、駅数は39駅の単線です。また静岡県では唯一の旅客営業している非電化路線です。
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真っすぐな線路と青い空。架線がないことで広がる風景です。また普段とは異なるディーゼル車の音は気分を盛り上げます。
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遠江一の宮「小國神社」の最寄り駅、遠江一宮駅(とおとうみいちのみやえき)の駅舎(本屋)は国の登録有形文化財です。また駅舎内には手打ちそば屋「百々や」が入っています(天浜線にはこのように飲食店が入った駅がいくつもあります)。
遠江国は2つの一の宮があって、もう一つは現在の掛川市にある事任八幡宮です。遠江一宮駅 駅
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神田隧道(国指定登録有形文化財)は現在天竜浜名湖線の上野部駅と天竜二俣駅の間にある長さ260mのトンネルです。昭和初期に走っていた光明電気鉄道が1930年に完成させたトンネルでしたが、この会社は短命に終わり、廃線後、天竜二俣駅から豊岡駅(光明電気鉄道当時は田川駅)までは現天竜浜名湖鉄道がほぼそのまま使用しています。
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掛川駅から16駅先で約50分くらいかかり、今回のメインの目的地に着きました。
天竜二俣駅 駅
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駅舎は国の登録有形文化財です。天竜浜名湖鉄道には36件もの国の登録有形文化財(平成10年5件・平成23年31件登録)があります。
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天竜二俣駅の構内には駅舎だけではなく、他にも多くの登録有形文化財があります。それらを見学するためのツアーがありました(令和4年9月30日にリニューアル)。
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2つのツアーがあってどちらにしようかと悩みましたが、せっかく参加するのなら普段に体験できないことをしたいと思い、こちらを選びました。切符は硬券で天竜浜名湖線ショップ「てんはまや」で使える100円の割引券が付いています。
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ツアーが始まるまで少し時間があったので駅構内を探索しました。この2つ(上り下り)の上屋及びプラットホームも国の登録有形文化財です。
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駅舎をホーム側から撮りました。手前にはミニトロがあります。動力(人力)はペダルを漕いで進みます。
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そろそろツアーが始まる時間です。ガイドが参加者の人数チェックしています。20~30人くらいいました。
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この列車で洗車機と転車台を体験します(確かに汚れていますね・・・)。ガイドに言われ乗り込みます。
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ポイントを使ったスイッチバックを何度かして(運転主さんも忙しく前後移動)洗車機がある線路に乗ります。
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ブラシで清掃しているところを撮りました。洗車機は奥行きがなく、すぐに終わります。
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洗い終わり、そのまま転車台に向かいます。横の線路にはエヴァンゲリオンとゆるキャン△のラッピング列車が停まっていました。
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転車台に入るところです。自分以外も写真を撮ろうとたくさんの人が先頭に集まります。写真にはかつて旧国鉄・二俣線で走っていた蒸気機関車C58の動輪が見えます。
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転車台に列車が乗り回り始めました。天浜線の列車が綺麗に並んでいます。
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反対側には扇形車庫があります。
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何周か回り転車台体験は終って列車は扇形車庫の隣に停まり下車しました。
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機関車転車台(国の登録有形文化財)
次は転車台を見学します。昭和15年につくられたもので蒸気機関車の進行方向を転換させるために作られたものです。 -
先ほど洗車が終わった列車が電車台の上に乗りました。実際に列車が転車台に乗って回るところを見学します。
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建設当時は手動で回転させていました。現在は天浜線は非電化路線ですが、ここだけは電気を通して動かしているそうです。
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総木造の扇形車庫は国の登録有形文化財です。現在は4線分格納できますが、もともとは6線分あったそうです(転車台体験したあとに降りたところが残り2線分)。
洗車機・転車台の一連の体験はアトラクションみたいに楽しかったです。天竜二俣駅 転車台 鉄道歴史館 美術館・博物館
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次は扇形車庫にある鉄道歴史館に入ります。
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天竜浜名湖線はもともと旧国鉄が二俣線として使っていました。展示されているヘッドマークによると1987年3月14日で二俣線から天竜浜名湖線になったようです。
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歴史館の内部です。鉄道模型やパネル展示、そしてゆるキャン△のパネルがありました。8分程度滞在しました。
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次は国の登録有形文化財群の見学です。右の建物は運転区休憩所と運転区事務所です。奥に見えるのが高架貯水槽。木で隠れて見にくいですが左の建物は浴場があります。
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運転区浴場(国の登録有形文化財)
木造平屋建で浴場・脱衣場・洗濯場の3室からなってます。画像中央の大浴槽とその奥の小浴槽があります。二俣線の頃に蒸気機関車が走って、煤で汚れた運転手が体を洗うため作られた施設です。 -
高架貯水槽(国の登録有形文化財)
水槽部分は外径6mで高さ4.7m。容量は70t。足を入れた高さは11.61m。写真を撮り忘れたのですが隣に揚水機室というのがあり、そちらも登録有形文化財です。 -
先ほど通った列車で通った洗車機です。洗車機は固定されていて列車がゆっくりと進んで綺麗にします。
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車内のヘッドレストカバーやカーテンをマリメッコの生地で装飾した初代スローライフトレイン「マリメッコ列車」が駅構内にありました。この列車はカフェに生まれ変わるようです。2代目のマリメッコ列車はこの時は整備のため運休し扇形車庫に入っていました。
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天竜二俣駅の駅舎に戻ってきました。ちょうど昼時だったので駅舎内にあるラーメン屋「ホームラン軒」で昼食を取ることにしました。人気店なので20分ほど順番待ちをしてから店内に入りました。チャーシュー麺(大盛)を頼み食べると昔ながらのラーメンでした。
ホームラン軒 グルメ・レストラン
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食事が終わり旧二俣町を歩きます。天竜二俣駅の向かいには機関車公園があり、そこには蒸気機関車C58が静態保存されています。
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駅の西にはもう1つ公園「天竜二俣駅西公園」があります。ここにはブルートレインと呼ばれた客車(「あさかぜ」に使われていたそうです)と旧国鉄時代に二俣線を走っていた列車と並んで置かれています
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公園の奥(1つ前の画像では木で隠れている辺り)には光明電気鉄道の二俣駅口跡があり、ホームも残っています。開業時は阿蔵駅という名前でした。当時増えつつあった電気鉄道での開業でしたが、無理な延伸とコストが嵩み数年で営業停止になってしまいました。当時は新中泉駅(現JR磐田駅付近)から二俣町駅まで19.8㎞を40分程度で結んでいました。この二俣口駅は終点の一つ前の駅となります。
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8分ほど歩き次の目的地の秋野不矩美術館の入口に来ました。
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その横の空き地には光明電気鉄道の実質終点駅だった二俣町駅跡あります。鉄道計画としてはこの先の光明村船明(現浜松市天竜区)まで延伸する予定でした。この光明村が社名の由来でもあります。他の遺構としては先ほどの二俣口駅との間に阿蔵隧道、予定地の船明の南に大谷隧道が今でも残っていますが、どちらも崩落個所があり通り抜けることはできないそうです。
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入口から坂道を歩いていると美術館の建物が見えてきました。この美術館は看板建築の説明でたびたび出てくる藤森照信氏の設計です。館全体の写真を撮るのが難しく写ってないところがあります。右の足がついた建物は「望矩楼」という茶室です。秋野不矩は旧二俣町出身の女性日本画家です。
秋野不矩美術館 美術館・博物館
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当初の予定通り(時間がないので・・・)に美術館の建物だけ見て坂道を下り、町の中心部に戻りました。クローバー通りにあるアイスクリーム屋「包商店」でパッションラムミルク(3カ月前のことなのでたぶん・・・)をテイクアウトしました。歩きながら食べて次の場所に向かいます。
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本田宗一郎ものづくり伝承館(国の登録有形文化財)
本田宗一郎は現在の浜松市天竜区で生まれました。その生涯やものづくり精神を伝える展示やバイクが置かれています。建物は昭和11年に旧二俣町の役場としてつくられたもので平成15年に登録有形文化財として登録されました。平成22年にスクラッチタイル張りの外観を生かしつつ改修されました。入館料は無料です。本田宗一郎ものづくり伝承館 美術館・博物館
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伝承館の横にある諏訪神社と塩地蔵尊。左の木造建造物が清瀧寺の井戸櫓で江戸時代の「秋葉山道中記」に珍しい井戸として紹介されているそうです。清瀧寺の南西に二俣城址があります。この城には井戸がなく天竜川からこの井戸櫓で取水をしていました。その井戸櫓を復元してここに設置してあります。1572年の三方ヶ原の戦いの前哨戦二俣城の戦いでは、攻めあぐねた武田軍が上流からたくさんの筏を流しこの井戸櫓を破壊したことで水を得る手段をなくした徳川方が降伏しました。
清瀧寺 寺・神社・教会
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徳川家康の長男で嫡子だった信康公を祀ったお堂が駐車場の片隅にあります(清瀧寺にはお墓もあります)。ここ二俣町にある二俣城で自刃しました。次の目的地はその二俣城です。
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12分ほど歩き二俣城跡に続く階段に着きました。途中に鳥居がありますがどこの神社のものでしょう?(城址内には2つ神社があります)
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階段を上った道路から撮りました。見晴らしがいいです。右の山が鳥羽山で、中央の山との間に二俣川が流れています。左の山は毘沙門砦があった山です。この二俣では戦国時代に武田と徳川による2つの戦がありました。1つは前述した1572年の二俣城の戦いです。もう一つはその3年後、1575年の徳川家康が二俣城を奪還するため南の鳥羽山に鳥羽山城、東に毘沙門砦、北に蜷原砦(になはら)西に和田ヶ島砦を築き兵糧攻めをして徳川軍が勝利した戦いです。
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道路を歩いていると二俣城址入口と書かれた看板がありました。そこの坂道を上っていくとある常夜灯は北曲輪跡の戦争で亡くなった人を祀った旭ヶ丘神社のものです。
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階段を上りました。この道はもともとは北曲輪と本丸の間の堀切でそれを結ぶ橋がありくぐることができます。
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本丸喰違虎口。本丸に敵がまっすぐ入れないように道を曲げてあります。
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天守台がある広場に着きました。現在みられる天守台や石垣は1590年~1600年まで城主だった堀尾氏によって築かれたそうです。しかし1600年に堀尾氏が転封になった後廃城となってしまいました。
二俣城址 名所・史跡
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枡形門跡(二之門)枡形に区切って門を増やし、敵軍の進軍を妨害する城門の一つです。二の丸と本丸の間にあります。石垣が残っています。
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二之曲輪の二の丸は整備があまりされてなく、虫が多いので虫除けスプレーを持ってきた方がいいと思います。
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西曲輪に向かう道にはマムシ注意の看板があってビビりながら歩きました。
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二の丸のある二之曲輪と蔵屋敷の間にある堀切は遊歩道になっていて西曲輪に続いています。
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西曲輪から井戸櫓曲輪。あずまやの辺りに井戸櫓があったようです。下方に天竜川が見えます。その対岸のもう少し右側に和田ヶ島砦がありました。西曲輪の奥に取水のための井戸櫓曲輪があります。
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井戸櫓のあずまやの右手から天竜川堤防に続く道があります。右の山に和田ヶ島砦がありました。
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天竜二俣駅の隣駅二俣本町駅の来ました。ここの駅舎には1日1組限定のホテルがあります。
二俣本町駅 駅
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ホームに行くとちょうど新所原行きの列車が来ました。このまま乗ってもよかったのですが、そうすると天竜二俣~二俣本町駅間を乗らなかったことで全線に乗ったということにならないので見送りました(まだ街中に行きたいところもあったし)。では天竜二俣駅に戻ります。
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クローバー通りの入り口付近にある天竜二俣の地図です。天竜二俣には多くの昭和の建物があり、それらをこれから歩いて見ようと思います。
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現在は廃業した酒屋の木造2階建て看板建築。2階の外壁にはウィスキーを作るときに使われたオーク樽を木板材に加工して張られています。字が欠けていますがオーシャンウヰスキーとあったそうです。(実際には他にも多くのレトロ建築を見て歩いたのですが今回1番見たかったところを説明しました)
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天竜二俣駅西公園に戻ってきました。今度は旧国鉄・二俣線で25年間走っていたディーゼル車「キハ20形」側から撮ってみました。
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天竜二俣駅に着き新所原方面の列車に乗ります。今回はゆるキャン△のラッピング列車です(数年前に乗った時と内装が変わっているかも?)。
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天竜川橋梁(国の登録有形文化財)
天竜川に架かる橋梁で昭和15年製の橋長403mの天浜線で一番長いものです。画面左側の橋は国道362号の鹿島橋。天竜川橋梁 名所・史跡
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ホーム向こうに停まっている赤い電車は遠州鉄道です。ここで乗り換えて浜松の中心部に向かうこともできます。ただ今回のフリーきっぷでは天竜浜名湖鉄道だけ使えるものなので別途料金が必要になります。
西鹿島駅 駅
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都田川橋梁(国の登録有形文化財)
フルーツパーク駅のすぐ近くにある1940年(昭和15年)につくられた橋で長さ123m水面から14.2mの高さがあります。 -
西気賀駅辺りから浜名湖が見えてきます。天浜線は街があり山や川そして湖といろいろな風景を楽しめる路線です。
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天竜二俣駅から13駅を45分ほどかけ浜名湖佐久米駅に着きました。ここはゆるキャン△の聖地でもあり、この日はいなかったのですが寒い季節にはユリカモメが飛来することで有名な駅です。
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無人駅のこの駅舎には喫茶店「かとれあ」が入っています。駅横にあるの牛形のものはトイレで天浜線には他にも面白い形をしたトイレがある駅があります。ここから歩いて浜名湖の夕景を見に行こうと思います。
浜名湖佐久米駅 駅
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浜名湖の沿いの県道310(瀬戸佐久米線)を歩き、湖畔に降りられる階段がありました。ここから夕景を見たいと思います。対岸には浜名湖パルパルというテーマパークがあり観覧車が見えます。
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天竜二俣駅の売店で昼に買ってきた土日祝日のみ販売する駅弁「まいたけ弁当(味こよみ・きよみ)」です。今まで食べてきた駅弁で上位の美味しさでオススメです。
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駅弁を食べ終えて、ぼーっとしているとだいぶ日が暮れてきました。もう少し居たかったのですが、そろそろ帰りの電車が来るので駅に戻ります。
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浜名湖佐久米駅に戻りました。東名高速道路の高架がなければ、浜名湖の綺麗な景色が拡がるだろうなあと思うととても残念に思えます。
浜名湖佐久米駅 駅
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駅舎内にはこのようなポスターが貼っていました。自分が買ったフリーきっぷは1750円ですが、+50円でおまけとして天竜二俣駅構内のツアー(体験ではなく見学のみの方)と城の御城印が付くお得なものがあるそうです。
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浜名湖佐久米駅から30分ほど列車に揺られ、新所原駅に着きました。
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東海道本線の駅がある終点の新所原駅に着きました。この駅舎にはうなぎ屋が入ってます。天竜浜名湖線は掛川駅からここまでは乗り通すだけでも2時間ちょっと掛かります。気動車でのゆっくり旅は楽しいですよ。
新所原駅 駅
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