2022/11/16 - 2022/12/23
591位(同エリア16385件中)
ばねおさん
今年は、3年ぶりに規制のないノエル(クリスマス)を迎えることになったパリの街。
カトリックの国フランスにとっては一年で最も大切で特別な日々が続く。
おまけに今年はサッカーのワールドカップでモロッコとフランスが勝ち進み、次に両者が戦い、そしてフランスが決勝で敗れるというドラマチックな12月でもあった。
規制はなくなったけれど、以前と同じかと問われればそうではないと思える。
環境問題や電力事情からイルミネーションは控えめとなり、マルシェ・ド・ノエルも縮小し、コロナ以降の社会の変容も少なくないからだ。
それでも人びとのノエルを祝いたい気持ちだけは変わらないと言える。
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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11月16日、2区のGalerie Vivienne ギャラリー・ヴィヴィアンヌ。
11月も半ばに入ると、どこでもほとんどの商店がノエル装飾になっている。 -
まるで門松のように店の入り口の両脇に立つツリー。
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それぞれに趣向を凝らしたデスプレイは見て歩くだけでも楽しいが、今年はこれはと思う展示に出会えなった気がする。
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ノートルダム・デ・ヴィクトワール・バジリカ聖堂Basilique Notre-Dame-des-Victoires 近くの紅茶専門店「DAMMANN Frères 」
ルイ14世以来、フランスの紅茶の歴史を体現するダマン・フレールの店構えはシックだ。 -
名のある老舗のディスプレイはどんなものだろうかと覗いてみた。
商品の陳列が主で、ノエルの飾りを強く前面に押し出していないのは品格の表れか。 -
ただ、マンハッタンとか北京とか、何だかアメリカや中国の購買層を狙ったとしか思えないネーミングはあまりいただけない。
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4区、パリ市庁舎前のBHV。
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リヴォリ通り沿いのショーウィンドウには、例年ノエルの展示がある。
毎年、展示テーマを決めていたと思っていたが、今年は何だろう? -
羊さんが登場する場面構成が多い。
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だが、結局、何を言いたいのかよく分からないというのが結論。
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11月30日、パンテオン前のツリー。
墓廟の前の清楚な佇まいだ。 -
後方は5区役所。
ソルボンヌの学生たちも休みに入り、観光客もあまり見られなくなったこの時期は静けさに包まれている。 -
聖ジュヌヴィエーヴの丘を下り、サンジェルマン大通り沿いにある人気のシャルキュトリー(食肉加工店)。
店頭には看板豚が繋がれていた。 -
普段と変わらぬ「 Les Deux Magots ドゥマゴ 」
夏の賑わいはどこへやら -
サン・ジェルマン・デプレの先にあるレンヌ通り沿いのROLEX。
商品にはまるで縁がないが、毎年ここの二つの小さなショーウィンドウをひそかに楽しみにしている。 -
センスが光っていると言いたいところだが、今年はどちらもあまり感心できる出来栄えとは思えない、と勝手評価。
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メトロ「サンシュルピス」駅の上にあるカフェ 「Café du Métro」
何の変哲もないカフェだが、最近これは貴重に思えてきた。
ここ数年、パリのカフェは店舗周りをゴテゴテと造化で飾り立てることが流行っている。
シックな佇まいが気に入っていたカフェが、一夜にして変貌しているのを見ると本当にがっかりする。 -
これなどは随分と控えめなほうだ。
「Le Paris Paris」 -
例えばこのように庇の上を中心に飾り立てていたり、中には軒先にまで垂らしてまるで造花の園である。
今ではパリのカフェの多くが我もわれもと真似をして、取扱業者は大忙しのようで注文に応じきれないほどであるという。 -
こうした自然の姿の方がはるかに好ましいと思えるのだが、経営者が造花に切り替えないことを祈るのみ。
「Chez Marianne」 -
カルチェラタンのカフェ「 ZIGZAG 」
こちらもぜひノーマルなままでいて欲しい。 -
今年のクリスマス展示第一号はボンマルシェのようだった。
10月31日にはすでにお披露目開始となっていた。
こちらも例年のような面白さが感じられず、何だか少し物足りない。
これってもしかしたら、見る側の気持ちの問題かな? -
それでも、変化に富む動きが楽しいボンマルシェのディスプレイ。
子供も大人も思わず見入ってしまう。 -
お母さんがまず夢中
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見入っている子供達の様子もまた楽しい風景だ
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いつまでも、なかなか離れない。
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店内のディスプレイ。
ここ数年はどれを見ても野暮ったく、イマイチという印象なのだが、あえてそのようにしているということなのかも知れない。 -
こちらは15区ボーグルネル Beaugrenelle の巨大なクリスマス飾り。
普段はあまりパッとしないのに、今回はどうしたことか大奮発のご様子。 -
12月7日、マドレーヌへ向かう途中のエリゼ宮。
この日は子供達の招待らしき催しがあったようで、大きく開いた傍門から前庭の大きなツリーが見えた。 -
その先の英国大使館。
門の両脇の植栽にイルミネーションがあるのみで控え目な飾り付けだ。 -
有名店が並ぶこの近辺は、街路の飾りつけも高級感が漂っている。
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ウインドウ内からこちらを眺めているライオン君
前に置かれている玩具はクリスマスプレゼントかな? -
12月10日。
この日はワールドカップでモロッコが勝利を収め、街のあちこちから歓声が聞こえてきた。住まいの近くにモロッコ領事館や食品店もあって、モロッコ人が多いと思われる地区だけに喜びの声は大きくなる一方だ。
さらに時間を置いてフランスも勝利となったことで、通行する車という車はクラクションを鳴らし合って祝う有様でもう大変。 -
15区コメルス通りの突き当たりにある教会 Église Saint-Jean-Baptiste de Grenelleの切り絵風の素朴なオーナメント。
こういうの好きだなあ。 -
いよいよブッシュドノエルも登場だ。
本来の薪の形は減るばかりで、最近はやたらと新奇さだけを狙ったものが多い。
とにかく話題性を取ろうというのが、今やどこの世界にも共通している現象であるようだ。 -
「Maison Mulot」のブッシュドノエル。
きっと美味しいに違いないが、色合いや形から食指が伸びない。
たまにはどこか名のある店から買ってみようと思ったのだが、意外と薪形が少ない。 -
結局、今年のブッシュドノエルは「Angelina アンジェリーナ」に決めた。
リュクサンブルク美術館にある店に出かけて実物を見たら、ちょっと大き過ぎる。
もっと小さいのはないのかと尋ねたら、奥からいくつか運んできた。見るとブッシュ形ではなく、普通のモンブランではないか。
店の説明によると、形はそうだが中身は通常のモンブランとは異なっていて、ブッシュドノエルと同じ内容であるという。
形のこだわりは捨てて、一応こちらを2個買い求めた。 -
ちょっと乱暴な切り方だが、中味はこんな感じ。
外側の栗クリームの中に生クリームが詰まっていた。
上品なクリームの絶妙な甘さ加減が、外皮を形成する栗のねっとり感と相俟って一口で表現すれば「とてもうまい」。
それでも二人で半分づつで十分なくらいだ。 -
12月18日、この日はフランスとアルゼンチンのワールドカップ決勝戦。
家でTV観戦をしたいところだが、あいにく前からの予定でちょうど試合が始まる頃に出かけなければならなくなった。
普段なら交通量の多い15区コンバンション通りが、往来する人も車もほとんど途絶えていた。
バスを利用するつもりでバス停へ行ったら、次のバスは何と1時間後の予定になっていた。
どうやら運転手もどこかでサッカー中継を観戦しているようだ。 -
通りには誰も歩いていないが、カフェの前にはこのように試合中継を見る人が外にまで溢れていた。
心配なのは帰りの状況。
帰路につく頃には試合は終わっているはずだが、結果次第ではあちらこちらで騒ぎが起こっているだろう。 -
やむを得ずメトロを利用することにして、12号線のコンバンションConvantion駅へ向かう。
駅前のカフェでも店内の大型テレビの前に陣取った客たちが試合の行方に見入っていた。 -
さすがにメトロは動いていたが、乗客は極端に少ない。
乗り換え駅のセーヴル・バビロンのホームも数えるほどの人だ。
人が少ないということよりも、むしろ人がいることに驚くべきか。 -
目的地のサン・ジェルマン・デプレの屋内市場。
この上階にあるコンサート・ホールで知人の出演があるためやってきたのだが、通行人はほとんどいない。 -
サン・ジェルマンデプレの常設屋内マルシェの花屋さんのリース飾り。
結局、この日の決勝戦はフランスがPK負けしたことを後で知ったが、帰りのメトロの車内はまるでお通夜だった。 -
12月19日、6区の区役所へ。
入り口近くに置かれた絵筆とパレットを持った胸像はJean Siméon Chardin(ジャン・シメオン・シャルダン1699-1779)。
ロココ時代のフランスの画家でルーヴルに作品がある。
ここの区役所は美術作品の展示が多く催され、時にはとても興味ある展覧会を催していて貴重な存在だ。 -
自分が訪ねた先は別の展覧会だったのだが、途中の長い通路を利用してMaurice ESMEIN モーリス・エスメンという作者の展覧会が開かれていた。
医学を修めたモーリスは画家として世に知られる前に第一次大戦のマルヌ戦線で戦死している。
志願者がいないため、自ら希望して偵察に出たところを狙撃されて亡くなったという。30歳であった。 -
展示作品を見ると、まだ試行錯誤の過程にあるようなゴツゴツ感と、すでに一定の世界に到達した作品とが入り混じっているようだ。
画家としては無名に近い存在だが、作品を見ると今後の評価が大いに期待できると思えてくる。
日本でも戦没画学生の作品を収集した信州上田の「無言館」が知られているが、まだまだ埋もれてしまっているものは多いという。 -
区役所前のサンシュルピス教会
ドラクロワのフレスコ画が知られているが、今回は別の目的があってちょっとだけお邪魔した。 -
キリストの生誕場面を再現したこちらのクレッシュはどのようなものか興味があって立ち寄ったのだが、ご覧のようにきわめて大きな導きの星が特徴的な作りであった。
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12月20日。
5区と6区の境にあるサン・ミッシェル広場。 -
ここでマルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)が催されている。
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限られたスペースにマルシェの小屋が立ち並び、見学に来た人と通行する人が入り混じっているので結構せわしない。
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マルシェ・ド・ノエルに欠かせないのは、やはりVin chaud ヴァンショー(ホットワイン)。
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5区の小公園 Square René Viviani。
サン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会 Église Saint-Julien-le-Pauvre の隣というよりもシェークスピア書店の横といった方が分かりやすいだろう。 -
ここでは毎年こじんまりとしたマルシェが開かれている。
公園中央の噴水を囲むように円形に店々が並び、ゆっくりと楽しむことができる。 -
今年はアコーディオン弾きと歌い手のカップルが歌と演奏を披露していた。
写真のお礼にチップを弾んだら、とてもとても喜んでくれた。 -
白鹿さんにポーズをお願いして来場記念に一枚。
川向こうのノートルダムは2024年の再公開を目指している。 -
中世美術館前のサン・ジェルマン大通りとサンミッシェル通りの交わる辺りにもマルシェが並んでいた。
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その中のマカロン専門店。
種類の多さと数に圧倒される。 -
15区コンバンション通り沿いの商店
ここのウインドウに飾られていたのは商品やオーナメントではなくクレッシュ。
25日にどのようになったのかを見に行ってみたい。 -
こちらはどこの店だったか。
賑やかさを通り越して何が何だかまるで焦点の合わない陳列だ。
それとも混沌とした世界を考えさせる意図でもあるのだろうか。 -
15区ルクルブ通りのチーズ屋さんの牛さん親子。
いつもは別々に居るのだが、クリスマスは家族で共に過ごすというフランスの慣わしゆえか、一緒の時間が持てたようだ。
よかったね。
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