2022/10/25 - 2022/10/29
158位(同エリア430件中)
ちびのぱぱさん
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旭川―北見を結んでいる都市間バス「石北号」に乗ってみました。
バスで層雲峡を通ると、特にハイデッカーは背が高くて窓が広いので、層雲峡の柱状節理を眺めるのにちょうどいい。
このバスの他にも、札幌から網走を結ぶ「ドリーミントオホーツク」もあります。
今のところ、スマホチケットという旅行支援制度を使った30%オフの割引があるので、観光で来た方も格安で利用可能。
ただ、銀河の滝、流星の滝などの観光地には寄りません。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 自家用車
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10月下旬に夏タイヤで札幌から道東の北見に行くことになりました。
道東への関門となる石北峠は標高1050m、日勝峠は1022mで、天気が崩れれば雪になることは必定。
なぜ冬タイヤに履き替えないのかという、至極当然の疑問を持たれると思いますが、とある事情があって仕方なかったんです。
一週間前から天気予報にくぎ付けで、「峠や山間部は雪になるでしょう」という陰鬱な予報が繰り返されるたびに気が滅入る。
そんな時、強い味方になるのが道東自動車道です。
夕張ー十勝清水を通るとほとんどトンネルで、あの憂鬱な日勝峠をパスすることができます。
日勝峠では、何度も事故に出くわしました。
距離は長くなりますが、旭川まわりよりずっと楽チン。
難工事の末、2011年に開通しています。
そんなわけで、無事十勝清水ICで高速を降りて足寄で一息。足寄駅 駅
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旧駅舎の中は喫茶コーナーになっていましたが、おじさんが一人テーブルについて缶コーヒーを飲んでいる。
「今日はお休みだよ。」
と、にこやかに説明してくださいました。
なぞのおじさんはそれだけ言うと、缶コーヒーのジョージアエメラルドマウンテンを旨そうにすする。
そういうあなた様は?
まあ、さしずめここのヌシみたいな方ですね。 -
道東は日が暮れるのが早い。
先を急ぎたいところですが、昔、池北線が走っているときも、その後ふるさと銀河線鉄道と名を変えて三セクで頑張っているときも、とうとう乗らず仕舞いだったことを今でも後悔しているこの可愛い駅を素通りできず、ついフラフラと。 -
足寄の足にちなんだオブジェがあって、松山の千春さまに命ぜられるままに取った町民の皆様の足型を見つめる。
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今はなき鉄路の一部が残されている。
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北見市留辺蘂町。
もう、紅葉が終わりかかっています。 -
留辺蘂駅もいつの間にか無人駅になっていました。
国鉄が民営化されるまで、汽車賃というのはびっくりする位安かった。
あれから35年か。 -
今から110年前に開業した留辺蘂駅。
留辺蘂駅 駅
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駅前通りの昔ながらの駅前食堂。
まだやってるのかな。 -
かねしめ食堂。
ここの天丼は美味しかったですね。
二年前の食べログの口コミがありますが、現在は閉店しているそうです。
もう一度食べたかったな。 -
まだ滞在する予定ですが、札幌に所要ができて妻を残して一人でとんぼ返りをすることに。
石北号バスの回数券が残っているから使ってくれというので、行きはバスになりました。
留辺蘂駅前のバス停に送ってもらい、時間があるのでブラブラ。
高浜虚子の句碑が立っている。
子供の頃、教科書でこの名前を見て「きょこ」というのは変な名前だなあ、と思いました。
きよし、という名前をもじって師匠の正岡子規が「きょし」と名付けたとか。
自分の雅号に病気で血を吐くさまをモジるくらいだから、中が空っぽで空しい子と自分の弟子を号するのは朝飯前でしょうか、知らんけど。
皆降りて 北見富士見る 秋の旅
昭和8年の8月、汽車旅の途中に留辺蘂駅で見た北見富士の雄姿を詩ったようです。
鉄路だと、遠軽から下ってきて留辺蘂のある盆地に出て一瞬見える山です。
8月といえど、下旬になれば秋の気配が忍び寄る道東ならではの句でしょうか。
けっこう長生きで、私と生涯が重なっているのを知って驚きました。 -
駅舎よりも立派な施設がバス停を兼ねています。
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時刻通りに来たのは真っ赤なボディーのハイデッカーで、新型ではないですが快適な乗り心地。
妻が一人で何年か前に乗ったときは、路線バスタイプで古い車体をキコキコいわせながら石北峠を越えたとか。
「田舎臭くていやだ。」
と不満を口にしていました。
乗客はほんの数人。
走り出すとすぐに北見富士が前方に見える。
前方の道路右手の三角山がそうです。
この地で暮らした時、子供時代に毎日のように本家の富士山を見ていた者としては、なんでも三角をした山を富士と呼んでしまうのはどうかと思ったものです。
留辺蘂の駅からこの山を見るには、こ線橋に上らないと見えないのではと思いますが、いつか確かめてみたい。 -
留辺蘂町は玉葱の産地で、収穫を終わった玉葱にシートがかけてある。
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峠に差し掛かると、立派な角をした牡鹿がじっとこちらを見ている。
馬ほどもあり、迫力があります。
熊とも渡り合えそう。 -
前方に大雪山系の雪を頂いた峰々が。
道路わきには残雪があるので、それなりに降ったようです。
谷間で陰になっている路面には一分凍結もあったので、やはり注意が必要です。
冬道の運転というのは、過度に恐れる必要はないのですが、とにかく慎重に道路の状況を見極めることと、あとは経験がものを言いますね。
タイヤもさることながら、どんな装備も過信は禁物。
りっぱな4WDが道路わきに転落しているのを何度見たかわかりません。
用心深く運転することに越した対策はないと思います。 -
大雪湖を過ぎるとどんどん下ります。
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層雲峡もすっかり葉が散っている。
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バス旅も、良いですね。
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上川駅前でトイレ休憩。
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ぶらりと駅のホームを柵越しに覗くと、神々しいようなカムイミンタラ。
上川駅 駅
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旭川駅で向こうに見える札幌行きバスを睨みながらセブンのそばの昼食。
バス料金は石北号が3500円で旭川札幌が2300円。
札幌から北見直通のバス、ドリーミントオホーツクは留辺蘂では停まってくれませんからね。旭川駅 駅
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札幌到着。
自宅に帰らずにホテル泊。
なぜなら、ホテルでもらえる旅行支援クーポンで、明日道東に戻るときに使うJRのチケットを購入するからです。
ややこしいのですが、「クーポンde北海道1日乗り放題きっぷ」という2千円のチケットの購入条件が北海道応援クーポン使用なんですな。
北大近くにシングルでちょうど支払いとクーポンが同額くらいのホテルを見つけました。
会議の時間までは少し余裕があるので、近くの北大銀杏並木を歩いてみます。
黄葉にはまだ少し早いですね。 -
このホテルビジネスインノルテⅡは、札幌駅から数分の距離で、部屋(810号)も悪くありません。
明日の汽車が午前6時発なので朝食はいただけませんでしたが、何となく外国で泊まるホテルの匂いがしました。
どこで泊まったホテルだったか思い出せませんが、同じ匂いです。
嫌な臭いではない。
匂いというのは感情を伴った記憶と結びついているようで、その時の旅の気分がよみがえります。
ただ、どこだったのか思い出せそうで思い出せない。
しばらく悶々としましたが、あきらめてしまいました。
このホテルの北のブロックに、イオンがあって外国人留学生などでにぎわっていました。
札幌駅付近でスーパーがあるのは嬉しい。
しかも、北海道応援クーポンが使える!ビジネスインノルテII 北大前 宿・ホテル
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翌日早朝です。
JRのチケットは鈍行専用で、留辺蘂方面には乗り継いで13時59分着と17時39分着の二通りの選択肢がある。
まあ、JR北海道の路線としては優秀、急ぐ旅でもなし。
速い方の午前6時出発で行きます。
車両はキハ40の改装型「山明」号。
なかなか良いですね。
2019年に登場した山紫水明シリーズの一つです。
広大な大地をイメージした深緑のボディー。
これ一本でゆっくりと旭川に行けます。札幌駅 駅
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車内はウッディなデザイン。
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イオンの58円のドリンク。
他にマイバスケットでトップバリューのコーヒー18杯分298円も、モーニングコーヒー用に購入。
ホテルの部屋で淹れて飲んだら美味しかったです。
いずれも税抜きの数字。
窓辺には、長旅のおともにと本棚から引っ張り出しておいた「深夜特急」の2。
行儀悪く足を投げ出して読んでいたら、昔この本と共に旅したマレー鉄道の思い出の品々がページの間からこぼれました。 -
札幌から旭川まで3時間弱かけてのんびり走る。
デビュー当初の写真を見ると真ん中に木製のテーブルがあったようですが、今は撤去されていますね。
コロナを意識したのでしょう。 -
窓は、シマエナガがあしらわれている。
旅心をくすぐる。 -
8時53分旭川着。
旭川駅で27分の乗り継ぎ時間を利用して駅ビルにあるイオンでお弁当など購入。
9時20分発上川行き普通列車に乗り換えます。 -
愛別駅を過ぎると雲が多くなりましたが、一瞬、旭岳と愛別岳が遠望できる。
山里の景色は晩秋の趣があり、沈んだ落ち着いた心持になります。 -
さらに、中愛別、愛山と大雪の山懐へ分け入ります。
北海道にはアイヌ語に由来すると思われる地名があちこちに。
そんな駅名を見ているだけで「旅」を感じる。
次は安足間(あんたろま)。
アイヌ語で、片方が高い崖になっているところ、とか淵のあるところといった意味ではないか言われているようです。
しだいに石狩川の両側に山が迫ってくるような地形です。
鉄っちゃんと思われる(だいたい乗客の6~7割が鉄っちゃん)男性が一人降りてゆく?
グーグルマップで見ると、すぐ近くに「山の食房」という人気の食堂があるようですが、まだ10時を回ったところで昼飯には早いですね。
次の上川行き普通列車は二時間半後なので、ブラブラしてお昼を食べるか、あるいは30分後の旭川行きで戻るか。
こういう謎めいた行動をとるのが鉄っちゃんですから、想像力をくすぐられる。安足間駅 駅
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らーめん日本一の町、上川着10:20。
市松模様のマスクをかぶったオシャレな木彫り熊が迎えてくれる。
ここで一時間弱の時間つぶしを求められます。
イーロン・マスクだったらその時間をどうするのだろう?などと考える前に、イーロン・マスクは絶対こんな汽車に乗らないし、特急にも乗らないだろうし、自家用ヘリコプターか何かですごい勢いで飛んでゆくのだろう。
暇人には暇人しか知らない世界があるのだ。上川駅 駅
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少し駅前をぶらついてみましょう。
小ぢんまりとした盆地に、区画整理されて無個性な街並みが広がる。
自分の顔をいじってみたけど、たいして面白くない仕上がりに。 -
ほとんどひとけのない駅前の通り。
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ラーメンにはそこそこ自信があるようで、自称日本一。
まだ準備中っぽいですね。 -
アサヒ軒というお菓子屋さんの角を右に曲がると、長栄堂というお菓子屋さん。
やっているかな、とガラス戸を開けたとたんに
「いらっしゃーい!」
と元気な声が奥からします。
しばらくするとニコニコした奥さんが出てきて、
「なんか寒いねー。」
と気さくに世間話。
後から思ったのですが、上川の人は、たまたまかもしれませんが、社交的な人が多い気がする。
白花マメのミニ羊羹(200円)を買いました。
汽車で食べようと思ってて食べそびれ、そのまま妻の実家にお土産にすると、
「これ美味しいよ。なんでもっとたくさん買わなかったの?」
と、お叱りを受けました。
人間どこでどう怒られるか、一寸先は闇。 -
二軒おいて角のあさひけんでも、ずんだ餅を買いました。
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こちらも妻の実家で喜ばれました。
一個160円(確か税込)です。
大福タイプで餡が「ずんだ」。
しかし、合わせても360円、けち臭い土産になったなあ。 -
駅に戻ります。
ここから遠軽行き11:10発に乗ります。 -
年代物のこ線橋を渡って列車の待つホームへ。
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もうすでに待機していて、中には見かけた人たちが何人か乗っている。
札幌からずっと一緒の人もいます。
しかし、女性にもてそうな人は、自分も含め一人もいない。 -
ぼんやり発車時間を待ってます。
ずんだ餅とお茶で旅を盛り上げるつもりが、先に焼き鳥弁当(旭川イオンで購入)を食べたら満腹感でずんだ食べそびれる。 -
上川駅を出ると、しばらく山中を走ります。
いくつか廃止された駅があり、上越信号場という道内最高所の信号場を過ぎると4329mもある石北トンネルに入ります。
じょうえつ、ではなく「かみえつ」と読みます。
40年以上前に駅としては廃止されました。
石北トンネルは、北見峠の下を通るように掘られています。
北見峠は、かつて囚人道路と呼ばれ、200名もの囚人の犠牲者を生みつつわずか半年で完成されたもので、どれほど過酷な工事作業だったか想像もつきません。
北海道の道やトンネルには、多大なる犠牲まさに人垣の上に作られたものが多いわけです。
そのトンネルの中で、ずっと窓を開けている鉄っちゃんがいました。
蒸気機関車ではなくディーゼルとはいえ、軽油燃料臭く、けして清々しい空気が入ってくるわけではないのになぜ窓を開けるのだろう。寒いし。
鉄っちゃんには、なぜ?が多すぎる。
写真はようやくトンネルを抜け、白滝あたりかと思います。
大雪山系を越えられなかったらしく、雲が晴れました。 -
この列車、意味もなく5分、10分と途中の駅に停まり、そのたびに同乗している鉄っちゃんたちと外に出て腰を伸ばしたり、辺りの写真を撮ったりと、とてつもなくのんびりとした時間が過ぎてゆく。
白滝駅 駅
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走り出したはいいものの、そのうちだんだんスピードが落ちてきて、ほんとに走る気があるのだろうかと疑いたくなるような速度。
イーロン・マスクだったら、きっとキレている。 -
ガンボウ岩が見えてきました。
遠軽に着きます。 -
北海道の観光地のお土産屋の看板みたいな駅票。
遠軽駅 駅
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少し離れると、まるで山城のような構え。
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駅を背に右手に行くと、飲み屋街が見えます。
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次の網走行き普通列車に乗るため、駅に戻ります。
時間通り発車しましたが、これがまた原動機付自転車くらいの速さしか出ないんだか出さないんだか。
それなのに、午後1時59分定刻ピッタリに留辺蘂駅到着。
どんな理由であんなにゆっくり走るのか、JRの人に話を聞きたい。 -
で、無事冬タイヤに履き替えたマイカーで札幌に帰ります。
昨年初冬、石北峠でたった今路肩に落ちた自動車を横目で見ながら、ひとりこの車を運転して峠越えをした妻は、必要以上に恐れているので、帰りも道東道まわりにします。
途中、じゃらんの昨年の道の駅総合人気ランキング1位に輝いた「かみしほろ道の駅」にて休憩。 -
ここは熱気球でも知られています。
この8月、コロナ前は毎年開かれていたバルーンフェスティバルが3年ぶりに開催されました。 -
来年で記念すべき50回目になるらしい。
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フードコートになっていて、いろいろ人気のものを売っています。
奥には、La Table de KAMISHIHOROという本格的な洋食レストランも併設されています。 -
私たちはベーカリーでお昼のパンを購入。
この近くの人は、北海道屈指の人気の道の駅ができて何よりです。
さて、一気に札幌まで帰ります。
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