北海道の旅　夏の陣2021　その③　～北の駅から　’21～

2021/08/14 - 2021/08/17

夏の北海道を旅する旅行記　第３弾。
自然豊かな稚内から大都市:札幌へ。
北海道の景色を見てみたいことと、「ある目的」を達成するために、今回は飛行機ではなくJR北海道の特急を乗り継いで行ってみた。

エリア 札幌(北海道)

稚内駅の先、本当の「北の駅」はここ：北防波堤ドーム。

稚内港北防波堤ドーム 名所・史跡

もう駅の面影はないが、まるでギリシャ建築のよう。
そして長ーい。

デザイン、大きさ、統一性が見事。
ここは近未来なのか、外国なのか、日本のてっぺんなのか、どこなのか分からなくなるような不思議な建造物。

この壁の向こうはどうなってるのだろう。

堤防に上ってみると、北防波堤ドームの向こうは、テトラポットが置かれた日本海だった。

この日は、稚内から札幌まで電車で移動。
テレビ番組で観て以来、ここから列車に乗って旅を始めることに憧れていた。

だが、ホームにはまだ列車が来ておらず。
出発まで30分を切った頃、ようやく乗る予定の特急サロベツが入線。

日本最北端の線路のモニュメント 名所・史跡

それに合わせて、みどりの窓口と改札もようやく開いた。

ここは日本最北端の駅。
終点であり、同時に出発点。

特急出発まで、自分を含めた乗客たちは日本最北端の駅構内を撮影しまくっていた。

枕崎駅より3000km！
ここから西の端の駅まで、線路でつながってるんだよなぁ。
ロマンだね。

この日は、特急サロベツで旭川まで向かい、そこで別の特急に乗り換える予定。

稚内駅 駅

父さん。
僕は、札幌まで特急で行くことにしたわけで。

「北の駅から　’21」の始まり。
さよなら、稚内。

稚内駅を出発。
途中までは、右側に日本海と利尻富士、

周りは湿原や牧場という景色の中を走った。
遮るものはなく、よく晴れていて景色が見渡せた。

ドイツやオーストリアの田舎もこんな車窓だった。
日本でも、こんな牧歌的な車窓が見られるんだなぁ。

線路は徐々に内陸に入っていく。

宗谷本線は、天塩川沿いに線路が走っており、川を遡るように旭川まで進んでいく。
雄大な天塩川は、遥か彼方の大雪連峰が源流。

天塩川 自然・景勝地

自然に囲まれた宗谷本線の旅。
他の特急とのすれ違い待ちで5分遅れ。
これは特急宗谷。

アイヌの言葉などに由来した北海道の地名は、音の響きがいい。
駅名はひらがな表記なので、読み方も分かる。
駅に着くたび、駅名を見るのが楽しみに。

父さん。
車窓を眺めていると、非情なアナウンスが聞こえてきたわけで。
「この先、野生動物が出没するエリアを走りますので、急停車にご注意ください」

ちょっ待てよ！
確かに我々人間が自然の中を走らせてもらっているのは分かっている。
だがエゾシカ、今だけは絶対出てくんなよ！
頼む、今だけはアカン！！
旭川で乗り換え時間が迫ってるんじゃあ！！！

ところで、この宗谷本線沿線で見てみたいものがあった。
それは、作家:三浦綾子氏の小説「塩狩峠」の舞台となった塩狩峠。
旭川の手前の和寒駅まで来た頃、塩狩峠が近いと分かったので、車窓に目を凝らしていた。

列車は、森の中の坂を上り始めた。
自分があの塩狩峠に差し掛かっていた。

塩狩駅は、森の中の静かな駅。
途中で、一瞬建物が見えた。
そこが三浦綾子記念館で、

塩狩峠記念館三浦綾子旧宅 美術館・博物館

駅の脇に事故の慰霊碑が建っているのも、列車内から確認。
ここか。
本当にあの小説の場所があるんだ。
小説内の重要な場所を実際に見られて、その路線も走ってみて、不思議な感覚に。

塩狩峠 自然・景勝地

父さん。
乗っている特急が遅れて、旭川の乗り換え時間はわずか数分にまで縮まっていたわけで。
僕は、無事に札幌にたどり着けるのでしょうか。

「北の駅から　’21」は、その④に続く。