2021/12/13 - 2021/12/13
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ドクターキムルさん
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鎌倉市二階堂字獅子舞の先の山の奥に切通があり、その先が所謂獅子舞谷(ししまいがやつ)の入口となっている。
しかし、平成の中頃に所謂獅子舞谷手前にある切通の手前には例の「私有地につき通行注意」の看板が立てられた。ここ以外では「私有地につき通行禁止」の看板しか目にしたことはない。
この珍しい「注意看板」の意味するところは、この切通を過ぎ、二階堂川の源流辺りを渡ると所謂獅子舞谷の入口に至り、山道が二手に岐れていることから分かる。谷沿いの山道は少なくても源頼朝存命中からあり、谷から上って行くバイパス道は平成の中頃に付け替えられた新しい山道である。
おそらくは、800年以上前からある街道を今さら通行禁止には出来ないので、鎌倉市と鎌倉警察署が立てた「注意看板」となったのであろう。私有地であっても通行権は認められているのである。
では、勝手にこの私有地にある街道は通っても良いのであるが、問題がある。それは、地球温暖化で、この辺りの雨量が多くなり、この鎌倉時代初期(おそらくは古代)からの街道は雨水が流れる谷川となることが多く、地表が削られて滑り易くなってしまっていることだ。私もこの街道を10回ほど下りて足を滑らせて転んでしまい、泥だらけになったことが2度ほどある。その結果、2度目以降はこの街道を通ったことがない。もう、10年くらいは迂回路のバイパス道ばかりである。
今年の夏は8月中旬以降からは雨が多く、こうした山中では最初に笹薮が広がる。私道の獅子舞谷の入口はこの秋に1年振りに訪れてみると、笹に覆われており(https://4travel.jp/travelogue/11724539)、とても通る気にはなれない。実際に誰も通る人がいない状態である。今日も、多くの人たちが紅葉狩りに訪れた後で、半月前に落ちた銀杏の葉の黄色が目に付かなくなっている、ただし、バイパス道から見下すと私道の街道には銀杏の葉の落ち葉が積もっているのが見える。誰も通らないから銀杏の葉の黄色が残っているのだ。一方、人が通る山道では泥足で踏み付けられ、泥に塗れて黄色は見られない。
そんな中で2人がこの谷道を下りて行く。上から「出口は笹薮で通れませんよ。」と叫ぶと、女性の方が「通れます。通れます。」と言ってグイグイと下って行く。おそらくは、出口の笹薮で藪漕ぎとなって往生したことであろう。それにしても何万人も訪れても誰一人通らなかった藪道を果敢にも通る2人がいたことに驚いてしまった。
実は、この谷上の尾根道の入口も笹薮になってしまい、道標がある五差路からは直接入ることが出来ず、かつては七曲の最初の端から山道が伸びていたのであるが、今日はその途中から入る山道に変わっていた。台風後にボランティアが新たに着けたのか、それとも東電の作業員が着けた道なのかは不明であるが、地球温暖化の影響はこうした山中にも及んでいるのだ。
(表紙写真は悪路の私道を下りる男女2人)
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