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「秋の嵐は秋の終わりと冬の訪れを告げる。」<br /><br />11月20日の鉄路と23日の空路は運休とディレイという二重の交通障害が発生した。<br />そのおかげで当初予定していなかった名寄市内を散策することができた。<br />現在の旭川、名寄、稚内を彷徨ってみて、半世紀前には想像もしなかった北海道の凋落を実感することとなった。<br /><br />名寄中心市街地

北辺の鉄路

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2021/11/19 - 2021/11/23

122位(同エリア972件中)

2

21

キューロク

キューロクさん

「秋の嵐は秋の終わりと冬の訪れを告げる。」

11月20日の鉄路と23日の空路は運休とディレイという二重の交通障害が発生した。
そのおかげで当初予定していなかった名寄市内を散策することができた。
現在の旭川、名寄、稚内を彷徨ってみて、半世紀前には想像もしなかった北海道の凋落を実感することとなった。

名寄中心市街地

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
グルメ
3.0
交通
1.0
同行者
一人旅
交通手段
ANAグループ JRローカル 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 11月19日の札幌駅構内は真冬の装いだ。

    11月19日の札幌駅構内は真冬の装いだ。

  • 札幌から旭川へ向かう特急カムイは、夕暮れだというのに大部分の家々には灯がなく、人気のない住宅地を北上する。<br />かつて2極化の側面を担っていた旭川はそのポジションを放棄し、徐々に北海道本来の大自然に戻りつつあるよう。<br />

    札幌から旭川へ向かう特急カムイは、夕暮れだというのに大部分の家々には灯がなく、人気のない住宅地を北上する。
    かつて2極化の側面を担っていた旭川はそのポジションを放棄し、徐々に北海道本来の大自然に戻りつつあるよう。

  • 夕飯はイオンで買ってきた特上二層十勝豚丼特性カラミだれ。

    夕飯はイオンで買ってきた特上二層十勝豚丼特性カラミだれ。

  • 昭和から変わらない二重窓。

    昭和から変わらない二重窓。

  • 塩狩峠は雪の中。

    塩狩峠は雪の中。

  • 座面がへたりきったシートがJR北海道の未来を暗示している。

    座面がへたりきったシートがJR北海道の未来を暗示している。

  • 11月20日<br />宗谷本線豊富駅~兜沼駅で、サロベツ2号が倒木に衝突し、名寄~稚内駅が不通。<br /><br />旭川駅を6時33分に出発したDC鈍行は、7時40分ごろ名寄駅に到着。<br />以後稚内までの区間をランキャンセル。<br /><br />ランアゲインは7時間ディレイのなんと14時30分。

    11月20日
    宗谷本線豊富駅~兜沼駅で、サロベツ2号が倒木に衝突し、名寄~稚内駅が不通。

    旭川駅を6時33分に出発したDC鈍行は、7時40分ごろ名寄駅に到着。
    以後稚内までの区間をランキャンセル。

    ランアゲインは7時間ディレイのなんと14時30分。

  • かつて、国労と動労は「合理化反対闘争」を繰り広げた。<br />目的は自分たちの雇用を守るためだった。<br />その目的がどの程度達成されたのか、国民は知らされていない。<br /><br />今、JR北海道は労使協調路線で、乗客へのサービスの合理化を行っている。<br /><br />名寄駅で話したシニアな女性は、「宗谷線が赤字だからかどうか知らないが、サービスが年々悪くなっているんだワッ。前だったらこんな時は代行バスが出たんだけどネーッ。」<br /><br />利用者の信頼を失墜するような行為。つまり顧客満足を得られるような努力をせず、品質の低下を招くような経営を続けていると、きっと衰退の速度を速めることになるのだろうと思った。

    かつて、国労と動労は「合理化反対闘争」を繰り広げた。
    目的は自分たちの雇用を守るためだった。
    その目的がどの程度達成されたのか、国民は知らされていない。

    今、JR北海道は労使協調路線で、乗客へのサービスの合理化を行っている。

    名寄駅で話したシニアな女性は、「宗谷線が赤字だからかどうか知らないが、サービスが年々悪くなっているんだワッ。前だったらこんな時は代行バスが出たんだけどネーッ。」

    利用者の信頼を失墜するような行為。つまり顧客満足を得られるような努力をせず、品質の低下を招くような経営を続けていると、きっと衰退の速度を速めることになるのだろうと思った。

  • 人気のない名寄を彷徨ってみる。

    人気のない名寄を彷徨ってみる。

  • 哀愁の漂う商店街だ。

    哀愁の漂う商店街だ。

  • 名寄市内を貫く宗谷線は単線非電化路線だ。<br /><br />かつて、C55の機関士が「月夜の晩はシカと並走することもあるんですよ。」と、鉄道ジャーナル誌で語っていたことを思い出す。<br /><br />さらに、稚内気象台に勤務されていた方(窪田さんとおっしゃったか)が、ゼンザブロニカで撮った朝焼けのC55や、利尻山を背景に疾走するC55、クマザサの宗谷丘陵を駆ける9600の素晴らしい写真を同誌に投稿され、頻繁に掲載されていたことが記憶に残っている。<br /><br /><br />

    名寄市内を貫く宗谷線は単線非電化路線だ。

    かつて、C55の機関士が「月夜の晩はシカと並走することもあるんですよ。」と、鉄道ジャーナル誌で語っていたことを思い出す。

    さらに、稚内気象台に勤務されていた方(窪田さんとおっしゃったか)が、ゼンザブロニカで撮った朝焼けのC55や、利尻山を背景に疾走するC55、クマザサの宗谷丘陵を駆ける9600の素晴らしい写真を同誌に投稿され、頻繁に掲載されていたことが記憶に残っている。


  • C55はこのスポーク動輪が人気だった。

    C55はこのスポーク動輪が人気だった。

  • 北国博物館ではアイヌ文化を学び、かつて人気を博したキマロキに想いを馳せ、思いがけない名寄の時間を堪能した。

    北国博物館ではアイヌ文化を学び、かつて人気を博したキマロキに想いを馳せ、思いがけない名寄の時間を堪能した。

  • ランチは駅前食堂でカツ丼を。<br />ここのカツ丼の特色は何といってもカツが細長く細分化されていること。<br /><br />日頃食するカツ丼のカツは、前歯で3分の1程度に切り分けてからごはんと口中ミックスするが、これはそのようなひと手間が不要だった。

    ランチは駅前食堂でカツ丼を。
    ここのカツ丼の特色は何といってもカツが細長く細分化されていること。

    日頃食するカツ丼のカツは、前歯で3分の1程度に切り分けてからごはんと口中ミックスするが、これはそのようなひと手間が不要だった。

  • サボが旅路に期待感を持たせたが・・・。

    サボが旅路に期待感を持たせたが・・・。

  • いったんアクシデントが発生すると回復の進捗状況すらアナウンスできず、なすすべもない。<br /><br />あえて取りえる手段は原状回復の履行。<br />つまり出発地の旭川へ乗客を帰らせること。<br /><br />「次の旭川行き快速は〇〇分後に出発となります。」<br />「その後は〇〇時間後となります、よ~・・・。」

    いったんアクシデントが発生すると回復の進捗状況すらアナウンスできず、なすすべもない。

    あえて取りえる手段は原状回復の履行。
    つまり出発地の旭川へ乗客を帰らせること。

    「次の旭川行き快速は〇〇分後に出発となります。」
    「その後は〇〇時間後となります、よ~・・・。」

  • 近郊型に改造されたDC鈍行。

    近郊型に改造されたDC鈍行。

  • 平日の夕方の札幌駅は閑散としている。

    平日の夕方の札幌駅は閑散としている。

  • 使い古された特急カムイのエコノミーシート。<br /><br />札幌と旭川を結ぶエリート特急ですらこのありさま。<br />経営体力がなくなったJR北海道。<br />北海道から鉄道が消えるのもそう遠い未来ではないのかもしれない。

    使い古された特急カムイのエコノミーシート。

    札幌と旭川を結ぶエリート特急ですらこのありさま。
    経営体力がなくなったJR北海道。
    北海道から鉄道が消えるのもそう遠い未来ではないのかもしれない。

  • 晩秋の宗谷線を旅してきた。

    晩秋の宗谷線を旅してきた。

  • 宗谷線に乗ってみたい人は、いや、乗っておきたい人は急ぐ必要があると実感した今回の旅だった。

    宗谷線に乗ってみたい人は、いや、乗っておきたい人は急ぐ必要があると実感した今回の旅だった。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • mom Kさん 2022/05/16 15:50:28
    心して
    味わい、目に焼き付けてきます、キューロクさん。この枕木1本に何人の死者が葬られてきたのか。そんな記憶は間違っていますか。

    キューロク

    キューロクさん からの返信 2022/05/17 08:47:51
    Re: 心して
    kazuko様
    もうすぐ出発されるとお見受けしました。そうすると緑鮮やかな宗谷路を駆け抜けてくることになりますね。
    北海道本来の大自然を車窓に感じながらの旅路。素敵ですね。

    「この枕木1本に何人の死者・・・」そうだったんですか、知らなかったです。
    石北線の常紋トンネルには朝鮮人労働者が人柱として埋められているというのは聞いたことがあります。

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