2021/10/02 - 2021/10/03
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この旅行記のスケジュール
2021/10/02
2021/10/03
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この旅行記スケジュールを元に
家族のワクチン接種が済み感染者数も徐々に減ってきたことから、今年初の宿泊旅行に出かけてきました。行き先は、ほぼ初訪問となる新潟県の北部一帯。静かに過ごせそうな温泉宿を探してから、近隣の旧家・庭園や観光名所をぐるりと巡る旅に出発。
庭園街道沿いに点在する庭園を造った旧家(豪農、豪商や武家)のそれぞれが明治維新や第二次大戦という歴史の荒波にさらされてきたことを知り、大河ドラマ「青天を衝け」で幕末の悲劇に涙した記憶がまだ新しい我が家にとって、しみじみと印象に残る旅となりました。
にいがた庭園街道については、こちらをどうぞ↓
https://teienkaido.niigata.jp/
vol.2の旅行記は後編として、泊まった温泉(四季の郷 喜久屋さん)近くの旧家訪問と宿での滞在、村上市での観光をご紹介します。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- ショッピング
- 3.5
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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前編の旅行記からの続きになります。vol.1は↓
https://4travel.jp/travelogue/11715739
市島邸から国道290号線を辿って荒川沿いの関川村に着いたのは15時前。
この地の豪農として有名で地域の振興にも尽力した渡邉家の旧宅を見学します。国指定重要文化財 渡邉邸 【豪商豪農の館】 名所・史跡
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江戸時代初期より新田の開拓に携わるとともに廻船業や酒造業を営んで財を成した渡邉家。いまの渡邉邸は1817年に再建された撞木造りの住宅で、建物や棟札などが国の重要文化財に、庭園が名勝に指定されています。
入口の狭い戸口(通用口)をくぐり抜けた先に、茶の間や土間が連なる空間が待ち受けています。 -
ダイドコと呼ばれる広間には昔懐かしい囲炉裏が。
1つ前の写真にある琉球畳敷の茶の間に上がれるのはご主人や武士や和尚様だけ、ダイドコの方に上がれるのは使用人や小作農民、商人はダイドコにすら上がれないと、身分毎の使い方が明確に決められていたんだって。 -
ダイドコって、いわゆる台所ですね。多くの使用人を抱えていた渡邉家、全盛時はこの台所での釜焚きはさぞ活気に満ちていたことでしょう。
ちなみに壁際のパネルは、この渡邉邸でロケを行ったNHKドラマ「蔵」を紹介する写真や資料類。宮尾登美子さん原作の物語を、井上真央さんや松たか子さんが演じた壮大なドラマ(だったそうです、家族が覚えていました)。 -
中茶の間の板壁にかけられた古時計。
今は住まう人はなく静かな渡邉邸の室内を、カチコチと控えめに刻みながら見守っているようでした。 -
帳場として使われた部屋(現在は売店コーナー)から大座敷を遠望したアングル。
手前の畳敷きの所が表玄関にあたる「式台玄関」で、龍の描かれた衝立や大ぶりの掛け軸が飾ってあり、全般に簡素な印象の渡邉家でもここは品格を感じます。 -
イチオシ
建てられた当時ほぼそのままの姿を残している大座敷。武士(それも上級)の屋敷でないと造れないと言われる書院造りで、武者隠しまで用意してあるそうです。
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大座敷からの庭の眺めも、また秀逸。
京都から庭師を招いて造営した池泉回遊式庭園。苔や松の色合いに心がほっと落ち着きます。 -
室内に目を向けると床の間や欄間は手の込んだ作り。右側に写っている縦型の透かし彫り(竹かな?)や表紙写真にある稲穂の彫り物など、豪華ではないけど越後の自然を取り込んだ粋な装飾に思えました。
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階段を上がった2階は二間続きの座敷になっています。こちらの襖や欄間もなかなか立派。
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左手上方の透かし彫り、見えますか?水鳥を形どったものです。この鳥の彫り物が一番気に入った印象に残ったかも。(vol.1で載せた市島邸の透かし彫りと同じセンスでございます)
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2階の縁側からよく見える、渡邉邸の大きな特徴とされる「石置き木羽葺き屋根」。敷き重ねられた木羽が強風で吹き飛ばされないよう整然と押さえ石が並んでいて、滅多に見かけない独特の風貌。
立派なお屋敷を今に伝える渡邉家ですが、vol.1で見学した市島家と同じように、時代の荒波にさらされてきたようです。
財政を支援してきた米沢藩が幕末に奥越列藩同盟に入ったがために戊辰戦争の戦火に巻き込まれ、米沢藩退却後に進軍してきた新政府軍の本営として居宅を提供した史実もまた、維新の世を生き抜くための渡邉家としてのやむを得ない選択だったのではと、勝手に想像してみたり。 -
また第二次大戦前後の当主だった11代渡邉萬壽太郎氏は、家の富や財を守ることより地域の戦後復興に尽力し、全国に先駆けた六三三制教育制度の導入や関谷村国民健康保険組合の創設といった功績を上げられたそうです。
きっと渋沢栄一のような方だったんでしょうね(青天を衝けファンの真っ最中ですんで)。
※コメント情報の多くは、米沢街道地域づくり検討会発行の関川村・散策ガイドブックという小冊子(渡邉邸の売店にて購入)を参考にさせていただきました。 -
さあ、お待ちかねの温泉です。
やはりコロナのことが気になるので、部屋にお風呂が付いてて予算内に収まること、規模が小さめで静かに過ごせそうな宿、食事を工夫している宿、という図々しい希望をクリアしたのが喜久屋さん。期待にたがわずよい湯・よい宿でした。四季の郷 喜久屋 宿・ホテル
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看板犬ハッチー君が笑顔でお出迎え。かわいい柴犬わんこに癒されます。
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我が家が泊まった部屋(雪下)のある別邸喜澄は、フロント棟に一番近い民家風の建物。左側の扉が1階の雪下と2階の土筆の共同玄関。
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HPの写真を見て「お風呂がちょいと小さいかな?」と思ったりしたけれど、本物を見たら十分な広さの清潔感あふれる湯船で、うれしい限り。
夕方・夜・朝と何度も入って、昨年秋の熱塩温泉以来の湯治を楽しみました。 -
夕食はヘルシープランにして、食前酒とともに出される先付からデザートまで7品を味わいます。スタンダードプランより確か3品少ないとの説明でしたが、質量ともに満足できる食事内容でした。
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山菜や鮭といった地産地消の食材を上手に組み合わせた先付。そして食前酒の梅酒がとっても美味。宿の特注品(よって非売品)なんだって。
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メインは魚と肉の両方を選んで家族内でシェア。言わなくてもお皿を人数分揃えてくれた点がまた好印象。
お魚は、鯛の煮付けでした。 -
お肉は関川村産朝日豚の陶板焼き。新鮮な野菜共々よく焼いてからパクッ。
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ヘルシープランにしておきながら、ちょっとでいいから牛肉も賞味したいとの欲望に負けて(笑)食してしまった村上牛ステーキ。これも絶品なり。
味も彩も◎の食事、そして温泉に満たされて、至福の気分で眠りについて1日目が終了。 -
朝ごはん前に宿の近くをぷらっと散歩。
キャンプ場近くの、川沿いに作られた遊歩道入口まで歩いてみました。朝の空気が清々しかったです。 -
夕食と同じ部屋で和の朝食をいただく。
関川村産のハムや双子の温泉玉子、海の幸山の幸が彩りよく並べられたおかず、白米&味噌汁、どれも美味でございました。 -
時間ギリギリの10時にチェックアウト。たいへんお世話になりました。また再訪したいなと思う宿です。
フロントに併設の売店に飾られていたのは、大蛇伝説にちなんだ蛇頭の飾り。ここで蛇に対面できたということで、ふれあいどーむに住む大蛇さんの所には寄らず、次の目的地へと走ります。 -
新潟県のほぼ最北端の絶景海岸「笹川流れ」にとうちゃこ。快晴に恵まれて、沖の粟島もくっきりと見えています。
笹川流れ 自然・景勝地
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11時発の遊覧船に乗って日本海の荒波が削り取った自然の造形美を観賞。
笹川流れ遊覧船 乗り物
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イチオシ
奇岩や海の透明度に感心しつつ、船長さんの案内放送にも耳を傾ける。京から平泉への「奥州落ち」で笹川流れを通ったと伝わる源義経の逸話を紹介していました。
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海岸線の岩場にぐっと接近する所もあり、絶景を存分に味わえる船旅です。
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見所の1つ、恐竜岩。首長竜が口を海につけて水を飲んでいるような風貌に、言われてみると確かに見えたね、うん。
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海岸線を走る羽越線の観光列車も徐行して乗客に笹川流れの眺望を楽しんでもらうサービスを実施中。
車掌さんが手を振ってくれているのが、望遠カメラ越しに見えました。 -
遊覧の後半はカモメの餌付けに挑戦することも可能。我が家はこの手のはちょいと苦手なのでしませんでしたが。
日本海の雄大な風景を体感する45分間のショートクルーズでした。 -
来た道を村上市の市街地まで戻り、城下町の佇まいや武士の旧家を見学して夕方まで過ごすことに。
関川村の渡邉邸と同じく重要文化財に指定され、「にいがた庭園街道」にも取り上げられている若林家住宅を訪問。重文若林家住宅 名所・史跡
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200年以上前、江戸時代中頃の中級武士用住宅(今で言う公務員住宅)として復原された建物で、細かい部屋割りや狭い土間といった往時の特徴がよく残された希少性の高い建築遺産です。
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上役の武士が訪問した際に通した客間の様子。部屋としては小さいものの、すっきりとした居心地よい部屋でした。
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縁側からの庭園の眺め。少し離れた所の松は「鶴の松」「亀の松」と呼ばれています。左の方に鶴が写っているんですが、首をやや下げつつ優雅に翼を広げて飛ぶ鶴の姿に、見えなくもない?(だんだんと見えてきました)
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イチオシ
塩引き鮭を作るために窓際に吊るしている鮭のシルエット。村上らしい風物詩だね。
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若林家住宅の隣にある歴史文化館を見学してから、歩いて5分くらいの所にあるまいづる公園へ。
この公園にも武家屋敷が復原・保存されていますが、そのうち1軒は令和天皇皇后の雅子さま(小和田家)ゆかりの嵩岡家の旧宅です。まいづる公園と武家屋敷 名所・史跡
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旧嵩岡家住宅の内部。質素倹約な当時の暮らしが窺えます(江戸時代は当然、そんな暮らしぶりがごく普通だったんでしょうけどね)。
向こうの部屋に屏風が置かれていますが、秋恒例の屏風まつり開催中で、市内の観光スポットや店舗など各所に屏風が飾られてました。 -
もう1軒の旧岩間家住宅は、幕末期に長屋だったものを一戸建てに大改造した建物です。
ちなみに、こういった江戸期の武家住宅が東日本にほとんど残っていないのは、戊辰戦争で大半が焼失したり壊されたりしたからとの説明を受けました。うーん、明治”維新”とか言うけれど、けっこう残念な出来事も多い気がするなぁ。 -
旧岩間家住宅の座敷にも、見事な屏風が飾られていました。
江戸時代の暮らしぶりのみならず、幕末の激震に見舞われた村上藩士達の心境や運命を思いつつ・・・しずかに巡ったまいづる公園でした。 -
おしゃぎり会館で、華やかに飾り立てられた山車を見学。祭りの時に曳き回されるこれらの山車を「おしゃぎり」と呼ぶんだそう。
村上市郷土資料館(おしゃぎり会館) 美術館・博物館
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旅も大詰め、城下町らしい風情が残る大町通りを歩いて散策。
代表的な町屋である「千年鮭きっかわ」さんでお買い物をしつつ、店の奥の作業場でずらりと並んだ鮭干しも見届けてきました。千年鮭 きっかわ/きっかわ グルメ・レストラン
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きっかわの座敷に飾られていた屏風やミニチュアのおしゃぎり、伝統工芸品の数々。
町屋の屏風まつりのご案内はこちら↓
https://www.sake3.com/byoubu-matsuri/
コロナ後も見据えて、徐々にイベントを開いて村上を盛り上げていこうという意気込みを感じます。がんばれー。 -
新発田市内のわくわくファーム(農産物直売所)でもう一度お土産を探してから、ちょうど夕陽が沈む間際に新潟空港に戻り、夜の飛行機で帰りました。充実した新潟旅行はこれにて終了。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。新潟空港 空港
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