知覧・南さつま・日置旅行記(ブログ) 一覧に戻る
ひょんなきっかけでフェリーさんふらわあを利用して鹿児島へ行ってきました。今回のサブタイトルは、前回現実逃避行の旅で沖縄の戦跡を回った時にふと思ったことを自分なりに史実を知りたくなり、今回の鹿児島の戦跡を訪ねてみようということからはじまったものです。記載しました内容は史実を元に書き起こしていますが、間違いがない訳ではありません、また捉え方によっては不愉快に思われることがあるかと思います。事柄によっては絶対的な答えがないものもあり、書いていることがすべてだとは思ってはおりません。旅行記としては重苦しいところもあるかとは思いますが、あえて楽しい旅の&quot;訪問地&quot;として参考にして頂けたらと思います。<br /><br />こちらでは1~2日目の志布志到着から万世・知覧・指宿・鹿児島・鹿屋までの道のりを書いています。<br /><br />2014年9月15日月曜日<br />自宅 14:15<br />田舎の駅14:22<br />        15:00<br />大阪15:42<br />    15:48<br />弁天町 15:56<br />       16:06<br />コスモスクエア 16:18<br />               16:23<br />フェリーターミナル 16:33<br />フェリーターミナルバス停 16:45<br />                         17:02<br />大阪南港かもめ埠頭 17:11<br />                   17:54<br /><br />船中泊【ツーリストベット】<br /><br />九月になってからふと思い立った今回の旅、支払いを済ませて行程が確定したのは9月10日のことでした。関西地区から九州だと交通の選択肢がホント多いです。折しもPeachがバーゲンをやったりしたもので余計に定まらなくなりました。最終的にフェリーを選んだのは”久しぶり”をやってみたくなったからです。数十年前高校の修学旅行でこの大阪~志布志航路は使ったことがありますが、当時は昔…どんなものだったかも覚えていません。ということがあり今回はさんふらわあトラベル主催のツアーを利用しました。<br /><br />毎度のことながら駅まで送ってもらいます。最初はWILLERのバスを使おうと思いましたが、結構ギリギリにしかつかないので正攻法でJR&バスを使い大阪南港まで行くことにします。仕事に行く時も旅行に行く時もこの石山駅を利用します。旅の始まりはいつもココって場所ですね♪<br /><br />関西在住の方はご存知ですが他地区の方には理解され難い不思議をひとつ、JR在来線のキップが安くなる方法です。駅前の金券ショップでキップを購入すると、駅で買うより安くなります。新幹線は全国であるようですが在来線は関西特有のことらしいですね♪と言うことで今回も大阪環状線弁天町までのキップを購入します。石山~弁天町のJR価格1,140円、金券ショップ価格765円…コーヒー代くらいは浮きました♪<br /><br />まずはJR西日本誇る韋駄天列車”新快速”に乗ります。約60kmの道のりを42分で結びます。大津・山科・京都・高槻・新大阪に停車した後大阪駅へとすべり込み、乗り換えて大阪環状線内回りに乗車、弁天町に到着しました。地下鉄中央線への乗り換えは前方向の出口からと情報は知っていましたがすっかり忘れており、後ろ方向の出口から出てしまったためぐるっと遠回りして地下鉄弁天町駅に来ました。その後もとんちんかんなことをやり続け、ポートタウン線に乗り継ぐコスモスクエア駅では、どこにバス停があるのか探すなど田舎者丸出しでした(泣)。まあ旅行慣れはしているのでなんとかなるさ~って感じで無事フェリーターミナル駅までやってきました。バス停は3番出口から出て左方向に進み、道路を横断したらすぐにあります。でも一服したいのと目の前の”大阪南港フェリーターミナル”が気になってそのまま歩きます。こちらは北九州方面の乗り場と知りましたが、関空リムジンの乗り場もあったりするので、”大阪南港の交通の要”ってことになるんでしょう。ちなみに大阪南港かもめ埠頭行きのバスはこちらも通りますので、一服しながらバスを待つことにします。<br /><br />定刻通りバスが到着します。かなり混んでいて立席でしたが、最近はやりのノンステップバス、とにかくキャパがありません。石垣空港のシャトルバスもそうですが、やはり荷物が多いお客が多い区間は車両を考えて頂きたいと思います。<br /><br />定刻より1分遅れてフェリーターミナルを出発したバスは港を回るように走行し、10分程で大阪南港かもめ埠頭に到着します。ちなみにこのバスはターミナル前までは行かず前の道路で下車します。とはいえ目の前にあるので迷うことはありません。<br /><br />ターミナルに到着し、またまた一服したあと乗船手続きをします。名簿とバウチャーを提出するだけなのでいとも簡単です。手続きをすると乗船券を貰います。こちらかもめ埠頭ターミナルでは手続きをした後ゲートを出ると、右方向が宮崎フェリー、左方向が志布志線になっていました。ただ宮崎はエレベーターで上に上がる様式に対し、志布志はそのまま通路を歩くかたちになります。間違っているのかな…って思ったので誰か来ないかちょっと不安になっていたのはほかならぬ私でした(笑)。<br /><br />タラップへ上がる前に半券を渡し、フェリー3階へと乗り込みます。大阪発に関しては座席の指定がされていませんでした。タラップでフェリー3階に乗り込んだあと、6階のエントランスへエスカレーターで登るのですが、そこで係員が割り振りをしていました。指定されたツーリストベットへと向かいます。ただ大型フェリーだけあって八重山の高速艇とは比較になりません。マジで自分のいる場所がわからなくなります。とは言え左右の前後ろの通路をたどれば間違いなく行けるので、なんとなく行けちゃいます。とりあえず荷物を置いてベットの感触を確かめた後、デッキへと向かうことにします。<br /><br />ちなみにさんふらわあさつま(現在就航しているのは2代目です)とは…<br />1993年3月15日竣工、同月24日就航、1997年改造。12,415総トン、全長186m、幅25.5m、出力34,200馬力、航海速力23.3kt(43.2km/h)(最大25.7ノット(47.6km/h))。1kt(1ノット=1.852km)。旅客定員782名。車両積載数:トラック175台・乗用車140台。三菱重工業下関造船所建造です。<br />船籍港は以前は東京だったが、現在は大阪に変更されている。2008年1月のドック入りの際、ファンネルマーク(煙突の部分)が”Dマーク”に変更されたが、現在はさんふらわあオレンジ(船体側面のサンマークにおけるフレア部分の色)に塗装され、Dマークは姿を消しています。(by wiki)<br /><br />ようは世界最大の旅客機A380のフルエコノミー仕様が海を泳いで行く(なんちゅうたとえ?)って感じですかね…定員ベースで言うと。<br /><br />とりあえずデッキをぐるっと回って、船の周りの景色を見ます。ちなみに本日の志布志行は大変混雑しています。大学の学生団体ととある旅行会社の団体と乗っているみたいなんで…、ただ私の利用するツーリストベットは全く関係がありません。学団はツーリスト、旅行団体はデラックス利用なんで…。なので当然のことながらデッキにも人がうじゃうじゃいます。まあ一人旅の気楽さ、ちょっとの隙間にちゃっかり入って景色を堪能します(笑)。昼間は関西地区も結構暑かったんですが、さすがに夕闇迫るこの時間なんで心地よい風が吹いていました。ただ雲は結構あったんで夕陽ばっちりとまでは行かなかったのがちょっと残念です。<br /><br />大きな船ゆえ出航時には勝手にドラの音を期待していましたが全くの予想外、気付くと岸壁を離れていました。定刻より1分早い17:54、さんふらわあさつまは大阪南港かもめ埠頭を後にして一路鹿児島志布志港へと向かいます。<br /><br />弾丸旅行記等に書かれている”テープ投げ”とかは、あくまでも週末の話だって言うことも知りましたが、これがないと逆にいつ出たのかもわからない…そんな静かなものだったって言うことも今初めて知りました。<br /><br />1時間程デッキにいたでしょうか。今までの写真を整理してブログアップをしたりしていましたが、なんとなく雨粒を感じたので一旦屋内に戻り船内を散策することにします。まあ改めて広いことを痛感しますが、とにかくなんでも扉が多いこと。ツーリストベッドはカーテンの仕切りでしたが、その他の部屋はすべて開き戸がついています、トイレ・喫煙所など。ちょっと面倒臭いって思っちゃいました。<br /><br />船内施設って結構時間限定されています。レストラン20:00、売店20:30、展望風呂21:30など。でも人が多い時って混んでいる中に入って行くことが嫌いな私にとって結構苦痛です。とにかく船室がケータイ圏外なんで、接続するためにエントランスに行くと人がうじゃうじゃ…、レストラン・お風呂もそんな感じでした。一通り探検を済ませると意外にすることがなくなってしまいます。でも今回鹿児島を巡るルートが結構流動的だったので地図にて回るルートを再検討しないといけなかったので、船室に戻って地図を開くことにします。<br /><br />フルフラットの船室は快適そのものに見えますが、実は高校時代の記憶にひとつ残っていることがあります。それはなにかって言うと”エンジンの音”。多分ツーリストだともっと響くのかも知れませんが、唯一記憶に残っているのがそれなんで、トラウマになっているのかも知れません。今回定員6名の区画に2名での使用だったので、奥の下段が私、入口下段が誰か…ってことなんで”静かすぎる”ってことが逆に気にしてしまったのかもしれません。中身のない頭に伝わる鈍い響き、どうしても集中できず、まあなんとかなるさ!ってことで早々に切り上げました。ちなみにツーリストベットの感触ですが、元々2等寝台と言うことなんであまり期待するほどのものではありません。1畳ほどの寝台スペースに枕元に蛍光灯があります。コンセントもあるんでケータイの充電には困りません。備品は枕・毛布・シーツ、追加の毛布は50円だったと思いますが有料で借りられます。ツーリストベットにはタオル等は置いてありません。なのでタオル等は有料で借りるか持参する必要があります。主観的な言い方になりますが、ベットの広さはやせ形170cmの短足と言う体型でちょっと圧迫感を感じるようには思いました。まあツーリストルームと比べると個人スペースが確保されている分恵まれているのかも知れません。ざっとそんな感じです。ひとつ注意点があります。以前波照間からフェリーで帰ってくるときに12月にも関わらず船内にはエアコンがかかっていました。船酔い防止の目的だそうですが、今回も船室では結構エアコンが効いていました。昼間は暑いとはいえさすがに朝晩は寒い日もある昨今、ベットでくつろいでしまうと寒く感じます。羽織るものは必要だと思います。私も持ってはいましたが、その温度に慣れてしまうと別に気にならなくなるので結局は使いませんでしたが…。<br /><br />適当な時間を見計らってレストランとお風呂は行くつもりでしたが、ぼ~っとしてると時間が過ぎちゃいました、翌朝から行動しないと何もできません。なので前日もあえて寝不足で朝起き(早起きではない!)してたんで急に眠気が襲ってきました。時間にすると22:30、多分いつもだと晩ごはんも食べていない時間ですが、明日に備えて…なんていつものようにゴタク並べようとする前に寝てしまったようです。そういうことで船中泊の1日は更けて行きますzzz。<br /><br /><br />2014年9月16日火曜日<br /><br />志布志港 8:57(下船 9:21)<br />ニコニコレンタカー志布志営業所  9:30<br />                            10:05<br />曽於弥五郎インター 11:00(29.8km)<br />桜島PA 11:58<br />    12:25<br />万世平和祈念館 14:25(154.4km)<br />                15:51<br />知覧特攻平和会館 16:19(174.7km)<br />         17:55<br />開聞岳ふれあい広場 19:15(201.5km)<br />          19:18<br />西大山駅 19:25(225.7km)<br />     19:45<br />鹿児島中央郵便局 21:28(283.2km)<br />         21:55<br />かのや大黒グランドホテル 00:25(389.1km)<br /><br />5:30頃ふと目が覚めました。一服がてらエントランスへと向かいます。航路モニターを見ると宮崎県の都井岬付近だったようです。そう言えば…阪神発着のフェリー航路って結構ありますが、この志布志と宮崎航路は四国沖を通ります、つまり外洋航路です。なので当然本州四国間の橋の下は通りません。おまけに外洋航路なんで、瀬戸内航路に比べると揺れて当然です。私は船酔いをしないのでそれほど気にはなりませんでしたが、やはり船酔いする方にはしんどいかもしれませんね。所狭しと置いてあるエチケット袋の意味を知りました。まあ到着まであと2時間半あります。そういう時はもちろん”二度寝”を決め込みますzzz。<br /><br />次に目を覚ましたのは7:15、確かエントランスに表記されていた日の出には間に合いませんでした。多分6時台の日の出だったと思うので起きれるかな?って思ったのが運の尽き、まあ次の楽しみに回します。意を決して起床します。ただ頭の中は今日の強行軍の行程のことでいっぱいです。レストランに朝食を食べに行こうかとも思いましたが、それより行程の整理がしたくてベットに寝ながら地図を見ていました。既に志布志湾に入っているので外洋独特の揺れもなく、地図を見ていても大丈夫でした。そしてデッキに上がってこれから入る志布志の街を眺めた後、船室に戻り荷物を作ります。着岸のアナウンスはあったと思うのですが気付かなかったのですが、エンジン音がトーンダウンしたのが8:40頃だったように思うので多分その時間でしょう。エントランスには気の早いお客が多い荷物を持って我先にとテンパっていたのでしばらく船室でのんびりしていました。下船が始まったのは8:57、なんか船内の放送で団体客に部屋の鍵の返納やクーポンの返却等色々言われていました。固まって下りないと気が済まない方々をほっといて、マイペース過ぎるB型は9:21に下船し3年半ぶりの鹿児島の地に足を踏み入れました。<br /><br />志布志港ではニコニコレンタカー志布志営業所の方が迎えに来てくれています。ここでひとつ迷惑なことをしてしましました。今回利用したさんふらわあで航(い)くマル得レンタカープランは2つのサポートが入っています。ひとつは鹿児島県の大隅宿泊でレンタカーキャッシュバック、もうひとつは大隅地区市町村のさんふらわあ利用でキャッシュバックですが、ツアーの場合鹿児島県の分は既に旅行代金にあてられているので関係ありませんが、市町村部分は行きの志布志港下船時に1,000円、帰りの乗船時に1,000円と分けて返ってきます。ツアー利用時は勝手に帰りに2,000円返ってくると思っていたので写真をパシャパシャ撮ってから行ったんで時間がかかってしまいました。おまけにもう一組弾丸のお客さんもいたみたいで…申し訳ないです。<br /><br />ニコニコレンタカーの担当さん、若い男の子なんですが鹿児島弁丸出しです。その言葉を聞いたときにいつも思う”遠くへ来たもんだ~”って(笑)。3人のお客を乗せたワゴン車は10分程で営業所に着きます。ニコニコレンタカーって使われたことがある方はご存知かと思いますが、あの値段は程度の良い中古車を充てることで成り立っています。なので修理工場や販売店、ガソリンスタンドと併設していることがほとんどです。とはいえ整備はちゃんとされているので快適に使うことができます。ただサービス内容はフランチャイズ経営のため若干ばらつきがあります。保険の類はともかく、ナビがちょっと…。ツアー代金の中にナビ代金が1,080円別計上されていました。まあよくある話なんでその時は気にもしませんでしたが、当日ナビはポータブルナビを付けることがわかりました。これって自動検索すると結構とんでもない道を選ぶことがありどうなることやら…とは思いましたが、とりあえず前に進まないと仕方がありません。なんとかなるさ~の精神で出発することにします。<br /><br />2日間のアッシー君は日産のクリームマーチ君です。走行はそれなりだったと思いますが程度は上々、いつもの外装チェックをした後乗り出します。そういえば灰皿はガムテープで止めてありました。喫煙者が言うのもなんですが、やはり車は禁煙でないとダメですね!においが付いちゃうんで。そして10:05、ナビ設定を最初の目的地南さつま市の万世平和祈念館にセットし出発します。<br /><br />ルート概略は志布志から曽於弥五郎インターへ、そして東九州道を走り加治木JCTから九州道で鹿児島北インターを経由し、鹿児島西インターより南九州道で伊集院インターを経て国道270号線を走って行くというものです。おや?と思われるかも知れません。多分ナビが示す道路は鹿児島北インターから指宿スカイラインを通り谷山インターから向かう道を選択しますが、この道は一度通ったことがあるので敢えて途中伊集院インターを立寄地点に入れてセットしています。142km、所要3時間7分と出ていましたがどうなることやらです。<br /><br />山道を走って30km、曽於弥五郎インターまで走りました。途中コンビニでドリンクイッポン!したぐらいですが、ここで11:00。やはり実走行とは違います。おまけに入口が少し奥に変わっていたので、ナビの”左です”の連呼に打ち勝つのはちょっと勇気がいりました。まあ南九州道に乗ってしまえば、加治木ジャンクションと鹿児島インター付近だけ気をつければどうってない道なんで先を急ぎます。しばらく対面通行の道を走ります。末吉財部インターと国分インター間で本線を停めて片側交互通行をしていました。ちょうど止められた最初の車だったので、止まった状態で写真をパシャリ。これってでも止める方も大変だぁ~って思います。でもいくら無料区間だとはいえ10分近く止まっているのもなんかおかしくなってしまいました。やっぱり田舎だなって・・・。<br /><br />走行再開すると結構快適に走れます。1車線区間はそれほどですが、2車線区間になると結構みんな飛ばしています。私も制限速度遵守で走っていますが、登りになるとどうしても1000ccクラスは非力です。登坂車線があると逃げますが、それがないと仕方ないです…アクセルベタ踏みで走ります。昼前にやっと桜島サービスエリアに到着します。ランチタイムにしようかと思いましたが、打たれ弱い性格なので行程がおしていると気になって食欲がなくなります。なので水分補給だけして到着のめどが付くまで走ることにします。鹿児島北インターを通過し、指宿スカイラインに入らないように看板を見ながら行きます。そして南九州道に入りますが、このあたりの道ってホントわかりません。九州道?東九道?南九道?…。これからはどんどん変わって行くのだろうとは思いますが…。そして伊集院インターで下りて一般道を走ります。伊集院は特急停車駅の街です。しかしあの九州新幹線の鹿児島中央駅迄の延伸で変わってしまいました。駅前にも”sale”の看板もあったりと…。交通網が整備されることは便利になることには違いありません。しかし停車駅がなければ正直寂れる一方になってしまいます。鹿児島本線として運行はされていますが、主要駅だった頃の繁栄を見られないことは寂しさを感じました。踏切から見た線路に草が生えていることもそういう気持ちを掻き立てました…、ハイ。<br /><br />とにかく先へと向かいます。国道を走っていると”旧吉利(よしとし)駅跡”との表示が見えたのでちょっと寄り道することに。鹿児島鉄道枕崎線として伊集院~枕崎間を運行していましたが、1984年3月18日をもって廃止されました。乗ったことはもちろんありませんが、実はこの路線のことは知っていました。ライトな乗り鉄だった小学校の頃(実は時刻表オタクとも言う・・・)にこの区間に列車があったことは時刻表記載で覚えています。ただいつ廃止になったのかは知りませんでした。折しも国鉄再編が進み多くの赤字線が廃止されて行くなか、鹿児島交通も国鉄ではないにしろ地方の赤字ローカル線として同じ道を歩んでしまいました。今では道路の整備も進んで車が走る中、時間を気にしないといけないローカル線の勝ち目はないのかも知れません。吉利駅跡地は整備され、歴史を無言で語る資料館となり、またその線路跡は”サイクリングロード”として走ることができるのは、鉄道としての役目を終えた土地を最大限に利用されていると思いますので、草場の陰で喜んでいるんじゃないかなって思いたいですね…。つわものどもの夢の跡にならなかったことを。<br /><br />ちょっとセンチになりましたが前に進みます。国道270号線を走って行くと右側に何やらありました。吹上町特産品直売所かめまる館とあります。ちょっと覗いてみるといろいろありました。ウミガメのふるさと吹上町の石碑、へ~っ鹿児島県でもそんな場所があるんですね~。それに無料で借りられるレンタサイクルもありました。時間があったらぜひ乗ってみたい!それと永吉川に掛かっていただろう鉄橋跡の橋脚部分が見られました。即売コーナーには料理をしない私でも品物も買いたくなるものがたくさんありましたが時間の関係で先へと進みます。<br /><br />しばらく進むとナビが右折しろと言ってきます。でもちょっと先に道の駅が見えたので、ナビを無視して直進し、道の駅きんぽう木花館駐車場へ入ります。黄金の稲穂たなびく神話の郷と銘打っているように施設内には木花咲耶姫(このはなさくやひめ)の像があります。この姫は この地の大山津見神(おおやまつみのかみ)の娘で、日向の高千穂の霊峰に 降臨されたニニギノミコトの妃になられた人です。日本の国を統一された神武天皇は木花咲耶姫の ひ孫になります。日本を創った母といわれる人で、墓(古墳)は西都原市にあります。また今回は行けませんでしたが、道の駅のすぐ後ろに隣接して「南さつま市歴史交流館金峰」があります。 薩摩半島西部の歴史と文化を紹介する施設で、館内は「時空のクロスロード」「入り海とともに」「よみがえる中世交易の世界”」の3コーナーに分かれ、金峰地区で出土した石器や土器、阿多張りキセルや竹細工、阿多タンコなどの民具などを展示しています 。<br /><br />施設内を一回りした後売店で美味しそうだった”みたらし団子”を買います。軽食ですがちょうど甘すぎず辛すぎず丁度いい塩梅でした。ふ~っ…。<br /><br />結構寄り道をしてしまいましたがようやく走り出します。ここらになってくるとナビの正確性を疑っているのでスマホナビを使います。そして数分後本日の第一目的地、万世(ばんせい)特攻平和祈念館へと到着します。志布志から154.4km、机上の予定より15km程余分に走りました。まず近づいて思ったことは凄く厳かな場所であるということ。石灯籠が所狭しと並んでいます。国道270号線から入って行くと施設の入口に着きますが、駐車場はそのまま進んで施設を回り込む形で入ります。元々万世の祈念館は静かに戦争の悲惨さを伝える場所としてやっているため、同じく陸軍の特攻基地であった知覧に比べ知名度が低いと言われています。わからなくもない理由なのですが、やはり平和のありがたみを再検証する場所として訪れたい場所であるということは間違いないように思います。<br /><br />※この部分、万世特攻平和祈念館と知覧特攻平和会館の部分については、番外編として” さんふらわあで航(い)く鹿児島陸軍特攻戦跡を訪ねる旅~万世・知覧編~”に記載しますのでご了承下さい。<br /><br />祈念館の周りには多くの慰霊碑が並んでいます。それらを写真に収めながらこの万世特攻平和祈念館の建物を少し離れて見てみます。”複葉合掌型”の屋根は、訓練機と合掌をアレンジしたものです。また知らない方がおられないと言っても過言ではない“子犬を抱いた少年兵”の写真、出撃を数時間後に控えている少年兵の屈託のない笑顔は目の前で見ると本当に不思議としか思えないものでした。<br /><br />館内中央には、平成4年7月に万世沖より引き上げられた海軍の零式三座偵察機が展示されています。50年もの間海中に沈んでいたため損傷は大変激しいものであったそうですが、現海上自衛隊鹿屋航空工作所の尽力で復元されたそうです。<br /><br />隊員の方の軍服と飛行服は、ご遺族からの提供を受けたものだそうです。この貴重な歴史の証は恒久的平和の生き証人として語り継がれるものであろうと改めて思います。<br /><br />旧日本陸軍98式直協偵察機(特攻機として使われたものと同型機)のエンジン・プロペラと機関砲ですが、操業中の漁船の網に引っかかり引き上げられたものを元隊員の方々の尽力により拾得者から旧加世田市が無償で譲り受けたものだそうです。戦後39年の眠りを経てこの場所で戦争の悲惨さを無言で後世に伝える第二の役目を果たして貰える事に感謝の念を込めたいと思います。<br /><br />二階には特別攻撃隊として征かれた隊員の方々の遺書や遺品が展示されています。撮影禁止なので写真はありませんが、展示されているものを直視できなくなったこともありこの場ではあえてコメントは書きません。<br /><br />最後に旧陸軍万世飛行場の歴史を紹介します。日本三大砂丘の吹上浜に昭和19年の終わり頃、陸軍最後の飛行場が建設されました。しかし終戦間際のわずか4か月しか使われなかったので“幻の特攻基地”といわれています。そしてこの万世特攻基地から17歳の少年飛行兵を含め201人の特攻隊員が祖国を護るため沖縄に出撃していきました。特攻隊員には遺骨はありません。しかしこの世に書き残した遺書があります。それを見る人に無言で訴えかけられるものこそ、自分を犠牲にして飛んで逝かれた特攻隊員の平和を願うメッセージのように思います。<br /><br />万世特攻平和祈念館の外には、慰霊碑があります。先述した陸軍特攻慰霊碑“よろずよに”、陸軍萬世特攻飛行場建設時殉職者慰霊碑。戦時中とはいえ尊い命がこの風光明媚な万世の地で、もしくは万世の地から散って征った事実は消えるものではありません。文才のない私には上手く言えませんが、今は安らかにお眠り頂きたいと心底思います。<br /><br />では先へと行きます。知覧というと誰もが聞いたことのある場所だと思います。陸軍の特攻飛行場があった場所、薩摩の小京都と言われる庭園があるところ。今回私はその特攻の史跡を訪ねるべくやってきました。<br /><br />万世から約20km、時間にすると30分程で到着します。ただ今回は行程の組み方が甘く、予定時刻より大幅に遅れての到着となりました。知覧特攻平和会館の閉館は17:00、到着は16:20。とにかく会館だけは時間厳守なんで小走りに見て行きます。知覧は陸軍の特攻飛行場として大多数の若い隊員の方々が南へと飛んで征かれました。その犠牲となられた隊員の方々すべての顔写真が飾られています。正直その数だけでも圧倒されます。ただ言葉は悪いですが、見学者が多すぎるくらいおられるので、万世のようにゆっくり見て浸ってと言う訳には行きませんでした。館内は撮影禁止なのでカメラを抱えてということはありませんが、空いているところをつないで見て行く感じになります。ただどうしても今回は時間のことが頭からはなれず、申し訳ないという気持ちでいっぱいでしたが、ざっくりと見ただけで時間になってしまいました。<br /><br />知覧特攻平和会館の正面には”特攻隊員を天国にいざなう天女たち”を描いた絵が飾られています。館内には特攻戦没者1,036名(うち知覧から出撃436名)の特攻隊員の遺影が出撃順に掲げられ、彼等が残した遺書や辞世の句、家族への手紙、遺品などが展示されている他、日本でただ一機現存する陸軍3式戦闘機”飛燕(ひえん)”や陸軍4式戦闘機”疾風(はやて)”、海から引き上げられた零戦(海軍零式戦闘機)、そのほか戦闘機や戦争関係資料が展示されています。<br /><br />折しも昨年2013年末公開の特攻隊員と零式艦上戦闘機(零戦)を取り上げた百田尚樹氏原作の映画“永遠の0”が700万人の観客動員数を記録し、特攻隊員への関心が高まったことに起因し、特攻ゆかりの地に足を運ぶ方が増えているそうです。ちなみに2014年9月16日火曜日に訪れた私は、本年210,555人目の来館者です。<br /><br />閉館時間になったので外へと出ます。この知覧特攻平和会館は知覧平和公園の中にあり、その他企画展をしているミュージアム知覧、特攻隊員勇士の像”とこしえに”、母の像”やすらかに”、一式戦闘機”隼”(映画撮影時の復元)、三角兵舎(復元)、特攻平和観音、太刀洗陸軍飛行学校知覧教育隊記念碑、知覧基地特攻隊の歌々碑、知覧町護国神社、鳥濱とめ顕賞碑、平和の鐘、慟哭・誓いの碑、アリランの碑、生き残り隊員の歌碑、”俺は君のためにこそ死にいく”撮影記念碑、航空自衛隊T-3初等練習機等当時を偲ぶものが敷地内にあります。残念ながら知覧特攻平和会館の閉館に合わせて周りのお店なども閉まるため、見る場所は多々あれど次の目的地へと向かいます。<br /><br />そして開聞岳ふれあい広場に行きますが、さすがに関西より西にあり日の出は遅く、日暮れも遅い鹿児島でも知覧を出た18:00頃には薄暗い感がありました。約25kmで開聞岳の麓に位置する開聞岳ふれあい広場に到着しますが、時間はもう19:15、さすがに真っ暗でなにがどこにあるのかもわかりません。なのでまた次回のお楽しみとして3分の滞在で次へと進みます。<br /><br />着いた先は日本最南端の駅、JR指宿枕崎線西大山駅です。風光明媚な風景を堪能できる場所として写真等によく載っていますが、見事真っ暗でした。ホームの照明があるため、幸せの黄色いポストや鐘なんかは確認できましたが、その他は確認できませんでした。20分ほど滞在している間に運良く列車が入線して来ましたが、ぱらぱらと下車するお客が終わってしまうとホント迎えの車もなくなり誰もいない、文字通りの無人駅になってしまいました。時間的に次以降の目的地は営業時間外になってしまうため、この時間でも開いている鹿児島中央郵便局を経由し、本日の宿泊先である大隅半島鹿屋市のかのや大黒グランドホテルへと向かうことにします。<br /><br />国道220号線を鹿児島方向にひた走ります。途中道の駅なんかもありますが、真っ暗なんで通過して走っていきます。もしかすると途中から指宿スカイラインを走ったほうが早かったのかも知れませんが、当初垂水フェリーを使う予定だったためそのまま走っています。ただ指宿からの道のりが遠いこと、時間がどんどんおしてしまい結局間に合わない時間になってしまいました。残るは桜島フェリーになりますが、鹿児島中央郵便局についてからホテルに電話して一番早い行き方を聞いてみましたが、桜島まではダントツ速くても、フェリーを降りてから80分かかるということでした。すでに22:00近いためフェリーも30分は待たないとダメなんで、そこまで考えるとナビいわく高速使えは1時間半程で着くようなので、あえて陸路を選びました。鹿児島北インターから九州道に乗り国分インターで降りるところまでは良かったのですか、そこから国道220号線を走れば鹿屋に着くはずでした。それがナビがいう近道を通ると、これがまたとんでもないルート。県道72号線ですが、真っ暗な山道の峠越え、引き返したくても止まることすらままならない道。意を決して進むこと1時間、どうやら国道に出ました。でも鹿屋市の中心部までまだ20km程あり、とにかく進み続けてなんとか無事到着しました。初日の走行距離389.1km、走行時間11時間30分。よく走りました。<br /><br />かのや大黒グランドホテルは鹿屋市役所近くの鹿屋市中心部にあります。今回ツアーに組込みの宿泊先として値段で選んだのでてっきりビジネスホテルとばっかり思っていましたが、結婚式場もある大きなホテルでした。日が変わってから到着しましたが、フロントは24時間対応で大変助かりました。あてがわれた部屋は旧館の禁煙シングルルームでしたが、そこそこ部屋も広く、セミダブルのベットにユニットバス付きなんで、強硬スケジュールで短時間の滞在でしたが、ゆっくりさせて頂き疲れを取らせて頂きました。鹿屋に泊まることがあれば是非また利用したいところです。朝食は和定食がサービスで付いていますが結構本格的なもので、下手なホテルのバイキングよりよっぽど良いものだと感じました。多分この行程だとコンビニ弁当で済ますことが多い私ですが、今回は桜島SAにてカレーライス大盛りを食べてきましたので、さっさとシャワーを浴びて寝ることができました。というわけでいつものごとくzzz。<br /><br />※途中、万世特攻平和祈念館と知覧特攻平和会館の部分については番外編として“さんふらわあで航(い)く鹿児島陸軍特攻戦跡を訪ねる旅~万世・知覧編~”に記載しますのでご了承下さい。<br /><br />これで今回のさんふらわあで航(い)くかごしまマル得レンタカープラン-鹿児島の戦跡を訪ねる旅・前編 -関西~志布志~万世~知覧~指宿~鹿児島~鹿屋-の旅は終わります。

さんふらわあで航(い)くかごしまマル得レンタカープラン-鹿児島の戦跡を訪ねる旅・前編-関西~志布志~万世~知覧~指宿~鹿児島~鹿屋-

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2019/09/15 - 2019/09/18

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たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。

たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん

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ひょんなきっかけでフェリーさんふらわあを利用して鹿児島へ行ってきました。今回のサブタイトルは、前回現実逃避行の旅で沖縄の戦跡を回った時にふと思ったことを自分なりに史実を知りたくなり、今回の鹿児島の戦跡を訪ねてみようということからはじまったものです。記載しました内容は史実を元に書き起こしていますが、間違いがない訳ではありません、また捉え方によっては不愉快に思われることがあるかと思います。事柄によっては絶対的な答えがないものもあり、書いていることがすべてだとは思ってはおりません。旅行記としては重苦しいところもあるかとは思いますが、あえて楽しい旅の"訪問地"として参考にして頂けたらと思います。

こちらでは1~2日目の志布志到着から万世・知覧・指宿・鹿児島・鹿屋までの道のりを書いています。

2014年9月15日月曜日
自宅 14:15
田舎の駅14:22
15:00
大阪15:42
15:48
弁天町 15:56
16:06
コスモスクエア 16:18
16:23
フェリーターミナル 16:33
フェリーターミナルバス停 16:45
17:02
大阪南港かもめ埠頭 17:11
17:54

船中泊【ツーリストベット】

九月になってからふと思い立った今回の旅、支払いを済ませて行程が確定したのは9月10日のことでした。関西地区から九州だと交通の選択肢がホント多いです。折しもPeachがバーゲンをやったりしたもので余計に定まらなくなりました。最終的にフェリーを選んだのは”久しぶり”をやってみたくなったからです。数十年前高校の修学旅行でこの大阪~志布志航路は使ったことがありますが、当時は昔…どんなものだったかも覚えていません。ということがあり今回はさんふらわあトラベル主催のツアーを利用しました。

毎度のことながら駅まで送ってもらいます。最初はWILLERのバスを使おうと思いましたが、結構ギリギリにしかつかないので正攻法でJR&バスを使い大阪南港まで行くことにします。仕事に行く時も旅行に行く時もこの石山駅を利用します。旅の始まりはいつもココって場所ですね♪

関西在住の方はご存知ですが他地区の方には理解され難い不思議をひとつ、JR在来線のキップが安くなる方法です。駅前の金券ショップでキップを購入すると、駅で買うより安くなります。新幹線は全国であるようですが在来線は関西特有のことらしいですね♪と言うことで今回も大阪環状線弁天町までのキップを購入します。石山~弁天町のJR価格1,140円、金券ショップ価格765円…コーヒー代くらいは浮きました♪

まずはJR西日本誇る韋駄天列車”新快速”に乗ります。約60kmの道のりを42分で結びます。大津・山科・京都・高槻・新大阪に停車した後大阪駅へとすべり込み、乗り換えて大阪環状線内回りに乗車、弁天町に到着しました。地下鉄中央線への乗り換えは前方向の出口からと情報は知っていましたがすっかり忘れており、後ろ方向の出口から出てしまったためぐるっと遠回りして地下鉄弁天町駅に来ました。その後もとんちんかんなことをやり続け、ポートタウン線に乗り継ぐコスモスクエア駅では、どこにバス停があるのか探すなど田舎者丸出しでした(泣)。まあ旅行慣れはしているのでなんとかなるさ~って感じで無事フェリーターミナル駅までやってきました。バス停は3番出口から出て左方向に進み、道路を横断したらすぐにあります。でも一服したいのと目の前の”大阪南港フェリーターミナル”が気になってそのまま歩きます。こちらは北九州方面の乗り場と知りましたが、関空リムジンの乗り場もあったりするので、”大阪南港の交通の要”ってことになるんでしょう。ちなみに大阪南港かもめ埠頭行きのバスはこちらも通りますので、一服しながらバスを待つことにします。

定刻通りバスが到着します。かなり混んでいて立席でしたが、最近はやりのノンステップバス、とにかくキャパがありません。石垣空港のシャトルバスもそうですが、やはり荷物が多いお客が多い区間は車両を考えて頂きたいと思います。

定刻より1分遅れてフェリーターミナルを出発したバスは港を回るように走行し、10分程で大阪南港かもめ埠頭に到着します。ちなみにこのバスはターミナル前までは行かず前の道路で下車します。とはいえ目の前にあるので迷うことはありません。

ターミナルに到着し、またまた一服したあと乗船手続きをします。名簿とバウチャーを提出するだけなのでいとも簡単です。手続きをすると乗船券を貰います。こちらかもめ埠頭ターミナルでは手続きをした後ゲートを出ると、右方向が宮崎フェリー、左方向が志布志線になっていました。ただ宮崎はエレベーターで上に上がる様式に対し、志布志はそのまま通路を歩くかたちになります。間違っているのかな…って思ったので誰か来ないかちょっと不安になっていたのはほかならぬ私でした(笑)。

タラップへ上がる前に半券を渡し、フェリー3階へと乗り込みます。大阪発に関しては座席の指定がされていませんでした。タラップでフェリー3階に乗り込んだあと、6階のエントランスへエスカレーターで登るのですが、そこで係員が割り振りをしていました。指定されたツーリストベットへと向かいます。ただ大型フェリーだけあって八重山の高速艇とは比較になりません。マジで自分のいる場所がわからなくなります。とは言え左右の前後ろの通路をたどれば間違いなく行けるので、なんとなく行けちゃいます。とりあえず荷物を置いてベットの感触を確かめた後、デッキへと向かうことにします。

ちなみにさんふらわあさつま(現在就航しているのは2代目です)とは…
1993年3月15日竣工、同月24日就航、1997年改造。12,415総トン、全長186m、幅25.5m、出力34,200馬力、航海速力23.3kt(43.2km/h)(最大25.7ノット(47.6km/h))。1kt(1ノット=1.852km)。旅客定員782名。車両積載数:トラック175台・乗用車140台。三菱重工業下関造船所建造です。
船籍港は以前は東京だったが、現在は大阪に変更されている。2008年1月のドック入りの際、ファンネルマーク(煙突の部分)が”Dマーク”に変更されたが、現在はさんふらわあオレンジ(船体側面のサンマークにおけるフレア部分の色)に塗装され、Dマークは姿を消しています。(by wiki)

ようは世界最大の旅客機A380のフルエコノミー仕様が海を泳いで行く(なんちゅうたとえ?)って感じですかね…定員ベースで言うと。

とりあえずデッキをぐるっと回って、船の周りの景色を見ます。ちなみに本日の志布志行は大変混雑しています。大学の学生団体ととある旅行会社の団体と乗っているみたいなんで…、ただ私の利用するツーリストベットは全く関係がありません。学団はツーリスト、旅行団体はデラックス利用なんで…。なので当然のことながらデッキにも人がうじゃうじゃいます。まあ一人旅の気楽さ、ちょっとの隙間にちゃっかり入って景色を堪能します(笑)。昼間は関西地区も結構暑かったんですが、さすがに夕闇迫るこの時間なんで心地よい風が吹いていました。ただ雲は結構あったんで夕陽ばっちりとまでは行かなかったのがちょっと残念です。

大きな船ゆえ出航時には勝手にドラの音を期待していましたが全くの予想外、気付くと岸壁を離れていました。定刻より1分早い17:54、さんふらわあさつまは大阪南港かもめ埠頭を後にして一路鹿児島志布志港へと向かいます。

弾丸旅行記等に書かれている”テープ投げ”とかは、あくまでも週末の話だって言うことも知りましたが、これがないと逆にいつ出たのかもわからない…そんな静かなものだったって言うことも今初めて知りました。

1時間程デッキにいたでしょうか。今までの写真を整理してブログアップをしたりしていましたが、なんとなく雨粒を感じたので一旦屋内に戻り船内を散策することにします。まあ改めて広いことを痛感しますが、とにかくなんでも扉が多いこと。ツーリストベッドはカーテンの仕切りでしたが、その他の部屋はすべて開き戸がついています、トイレ・喫煙所など。ちょっと面倒臭いって思っちゃいました。

船内施設って結構時間限定されています。レストラン20:00、売店20:30、展望風呂21:30など。でも人が多い時って混んでいる中に入って行くことが嫌いな私にとって結構苦痛です。とにかく船室がケータイ圏外なんで、接続するためにエントランスに行くと人がうじゃうじゃ…、レストラン・お風呂もそんな感じでした。一通り探検を済ませると意外にすることがなくなってしまいます。でも今回鹿児島を巡るルートが結構流動的だったので地図にて回るルートを再検討しないといけなかったので、船室に戻って地図を開くことにします。

フルフラットの船室は快適そのものに見えますが、実は高校時代の記憶にひとつ残っていることがあります。それはなにかって言うと”エンジンの音”。多分ツーリストだともっと響くのかも知れませんが、唯一記憶に残っているのがそれなんで、トラウマになっているのかも知れません。今回定員6名の区画に2名での使用だったので、奥の下段が私、入口下段が誰か…ってことなんで”静かすぎる”ってことが逆に気にしてしまったのかもしれません。中身のない頭に伝わる鈍い響き、どうしても集中できず、まあなんとかなるさ!ってことで早々に切り上げました。ちなみにツーリストベットの感触ですが、元々2等寝台と言うことなんであまり期待するほどのものではありません。1畳ほどの寝台スペースに枕元に蛍光灯があります。コンセントもあるんでケータイの充電には困りません。備品は枕・毛布・シーツ、追加の毛布は50円だったと思いますが有料で借りられます。ツーリストベットにはタオル等は置いてありません。なのでタオル等は有料で借りるか持参する必要があります。主観的な言い方になりますが、ベットの広さはやせ形170cmの短足と言う体型でちょっと圧迫感を感じるようには思いました。まあツーリストルームと比べると個人スペースが確保されている分恵まれているのかも知れません。ざっとそんな感じです。ひとつ注意点があります。以前波照間からフェリーで帰ってくるときに12月にも関わらず船内にはエアコンがかかっていました。船酔い防止の目的だそうですが、今回も船室では結構エアコンが効いていました。昼間は暑いとはいえさすがに朝晩は寒い日もある昨今、ベットでくつろいでしまうと寒く感じます。羽織るものは必要だと思います。私も持ってはいましたが、その温度に慣れてしまうと別に気にならなくなるので結局は使いませんでしたが…。

適当な時間を見計らってレストランとお風呂は行くつもりでしたが、ぼ~っとしてると時間が過ぎちゃいました、翌朝から行動しないと何もできません。なので前日もあえて寝不足で朝起き(早起きではない!)してたんで急に眠気が襲ってきました。時間にすると22:30、多分いつもだと晩ごはんも食べていない時間ですが、明日に備えて…なんていつものようにゴタク並べようとする前に寝てしまったようです。そういうことで船中泊の1日は更けて行きますzzz。


2014年9月16日火曜日

志布志港 8:57(下船 9:21)
ニコニコレンタカー志布志営業所 9:30
    10:05
曽於弥五郎インター 11:00(29.8km)
桜島PA 11:58
    12:25
万世平和祈念館 14:25(154.4km)
15:51
知覧特攻平和会館 16:19(174.7km)
         17:55
開聞岳ふれあい広場 19:15(201.5km)
          19:18
西大山駅 19:25(225.7km)
     19:45
鹿児島中央郵便局 21:28(283.2km)
         21:55
かのや大黒グランドホテル 00:25(389.1km)

5:30頃ふと目が覚めました。一服がてらエントランスへと向かいます。航路モニターを見ると宮崎県の都井岬付近だったようです。そう言えば…阪神発着のフェリー航路って結構ありますが、この志布志と宮崎航路は四国沖を通ります、つまり外洋航路です。なので当然本州四国間の橋の下は通りません。おまけに外洋航路なんで、瀬戸内航路に比べると揺れて当然です。私は船酔いをしないのでそれほど気にはなりませんでしたが、やはり船酔いする方にはしんどいかもしれませんね。所狭しと置いてあるエチケット袋の意味を知りました。まあ到着まであと2時間半あります。そういう時はもちろん”二度寝”を決め込みますzzz。

次に目を覚ましたのは7:15、確かエントランスに表記されていた日の出には間に合いませんでした。多分6時台の日の出だったと思うので起きれるかな?って思ったのが運の尽き、まあ次の楽しみに回します。意を決して起床します。ただ頭の中は今日の強行軍の行程のことでいっぱいです。レストランに朝食を食べに行こうかとも思いましたが、それより行程の整理がしたくてベットに寝ながら地図を見ていました。既に志布志湾に入っているので外洋独特の揺れもなく、地図を見ていても大丈夫でした。そしてデッキに上がってこれから入る志布志の街を眺めた後、船室に戻り荷物を作ります。着岸のアナウンスはあったと思うのですが気付かなかったのですが、エンジン音がトーンダウンしたのが8:40頃だったように思うので多分その時間でしょう。エントランスには気の早いお客が多い荷物を持って我先にとテンパっていたのでしばらく船室でのんびりしていました。下船が始まったのは8:57、なんか船内の放送で団体客に部屋の鍵の返納やクーポンの返却等色々言われていました。固まって下りないと気が済まない方々をほっといて、マイペース過ぎるB型は9:21に下船し3年半ぶりの鹿児島の地に足を踏み入れました。

志布志港ではニコニコレンタカー志布志営業所の方が迎えに来てくれています。ここでひとつ迷惑なことをしてしましました。今回利用したさんふらわあで航(い)くマル得レンタカープランは2つのサポートが入っています。ひとつは鹿児島県の大隅宿泊でレンタカーキャッシュバック、もうひとつは大隅地区市町村のさんふらわあ利用でキャッシュバックですが、ツアーの場合鹿児島県の分は既に旅行代金にあてられているので関係ありませんが、市町村部分は行きの志布志港下船時に1,000円、帰りの乗船時に1,000円と分けて返ってきます。ツアー利用時は勝手に帰りに2,000円返ってくると思っていたので写真をパシャパシャ撮ってから行ったんで時間がかかってしまいました。おまけにもう一組弾丸のお客さんもいたみたいで…申し訳ないです。

ニコニコレンタカーの担当さん、若い男の子なんですが鹿児島弁丸出しです。その言葉を聞いたときにいつも思う”遠くへ来たもんだ~”って(笑)。3人のお客を乗せたワゴン車は10分程で営業所に着きます。ニコニコレンタカーって使われたことがある方はご存知かと思いますが、あの値段は程度の良い中古車を充てることで成り立っています。なので修理工場や販売店、ガソリンスタンドと併設していることがほとんどです。とはいえ整備はちゃんとされているので快適に使うことができます。ただサービス内容はフランチャイズ経営のため若干ばらつきがあります。保険の類はともかく、ナビがちょっと…。ツアー代金の中にナビ代金が1,080円別計上されていました。まあよくある話なんでその時は気にもしませんでしたが、当日ナビはポータブルナビを付けることがわかりました。これって自動検索すると結構とんでもない道を選ぶことがありどうなることやら…とは思いましたが、とりあえず前に進まないと仕方がありません。なんとかなるさ~の精神で出発することにします。

2日間のアッシー君は日産のクリームマーチ君です。走行はそれなりだったと思いますが程度は上々、いつもの外装チェックをした後乗り出します。そういえば灰皿はガムテープで止めてありました。喫煙者が言うのもなんですが、やはり車は禁煙でないとダメですね!においが付いちゃうんで。そして10:05、ナビ設定を最初の目的地南さつま市の万世平和祈念館にセットし出発します。

ルート概略は志布志から曽於弥五郎インターへ、そして東九州道を走り加治木JCTから九州道で鹿児島北インターを経由し、鹿児島西インターより南九州道で伊集院インターを経て国道270号線を走って行くというものです。おや?と思われるかも知れません。多分ナビが示す道路は鹿児島北インターから指宿スカイラインを通り谷山インターから向かう道を選択しますが、この道は一度通ったことがあるので敢えて途中伊集院インターを立寄地点に入れてセットしています。142km、所要3時間7分と出ていましたがどうなることやらです。

山道を走って30km、曽於弥五郎インターまで走りました。途中コンビニでドリンクイッポン!したぐらいですが、ここで11:00。やはり実走行とは違います。おまけに入口が少し奥に変わっていたので、ナビの”左です”の連呼に打ち勝つのはちょっと勇気がいりました。まあ南九州道に乗ってしまえば、加治木ジャンクションと鹿児島インター付近だけ気をつければどうってない道なんで先を急ぎます。しばらく対面通行の道を走ります。末吉財部インターと国分インター間で本線を停めて片側交互通行をしていました。ちょうど止められた最初の車だったので、止まった状態で写真をパシャリ。これってでも止める方も大変だぁ~って思います。でもいくら無料区間だとはいえ10分近く止まっているのもなんかおかしくなってしまいました。やっぱり田舎だなって・・・。

走行再開すると結構快適に走れます。1車線区間はそれほどですが、2車線区間になると結構みんな飛ばしています。私も制限速度遵守で走っていますが、登りになるとどうしても1000ccクラスは非力です。登坂車線があると逃げますが、それがないと仕方ないです…アクセルベタ踏みで走ります。昼前にやっと桜島サービスエリアに到着します。ランチタイムにしようかと思いましたが、打たれ弱い性格なので行程がおしていると気になって食欲がなくなります。なので水分補給だけして到着のめどが付くまで走ることにします。鹿児島北インターを通過し、指宿スカイラインに入らないように看板を見ながら行きます。そして南九州道に入りますが、このあたりの道ってホントわかりません。九州道?東九道?南九道?…。これからはどんどん変わって行くのだろうとは思いますが…。そして伊集院インターで下りて一般道を走ります。伊集院は特急停車駅の街です。しかしあの九州新幹線の鹿児島中央駅迄の延伸で変わってしまいました。駅前にも”sale”の看板もあったりと…。交通網が整備されることは便利になることには違いありません。しかし停車駅がなければ正直寂れる一方になってしまいます。鹿児島本線として運行はされていますが、主要駅だった頃の繁栄を見られないことは寂しさを感じました。踏切から見た線路に草が生えていることもそういう気持ちを掻き立てました…、ハイ。

とにかく先へと向かいます。国道を走っていると”旧吉利(よしとし)駅跡”との表示が見えたのでちょっと寄り道することに。鹿児島鉄道枕崎線として伊集院~枕崎間を運行していましたが、1984年3月18日をもって廃止されました。乗ったことはもちろんありませんが、実はこの路線のことは知っていました。ライトな乗り鉄だった小学校の頃(実は時刻表オタクとも言う・・・)にこの区間に列車があったことは時刻表記載で覚えています。ただいつ廃止になったのかは知りませんでした。折しも国鉄再編が進み多くの赤字線が廃止されて行くなか、鹿児島交通も国鉄ではないにしろ地方の赤字ローカル線として同じ道を歩んでしまいました。今では道路の整備も進んで車が走る中、時間を気にしないといけないローカル線の勝ち目はないのかも知れません。吉利駅跡地は整備され、歴史を無言で語る資料館となり、またその線路跡は”サイクリングロード”として走ることができるのは、鉄道としての役目を終えた土地を最大限に利用されていると思いますので、草場の陰で喜んでいるんじゃないかなって思いたいですね…。つわものどもの夢の跡にならなかったことを。

ちょっとセンチになりましたが前に進みます。国道270号線を走って行くと右側に何やらありました。吹上町特産品直売所かめまる館とあります。ちょっと覗いてみるといろいろありました。ウミガメのふるさと吹上町の石碑、へ~っ鹿児島県でもそんな場所があるんですね~。それに無料で借りられるレンタサイクルもありました。時間があったらぜひ乗ってみたい!それと永吉川に掛かっていただろう鉄橋跡の橋脚部分が見られました。即売コーナーには料理をしない私でも品物も買いたくなるものがたくさんありましたが時間の関係で先へと進みます。

しばらく進むとナビが右折しろと言ってきます。でもちょっと先に道の駅が見えたので、ナビを無視して直進し、道の駅きんぽう木花館駐車場へ入ります。黄金の稲穂たなびく神話の郷と銘打っているように施設内には木花咲耶姫(このはなさくやひめ)の像があります。この姫は この地の大山津見神(おおやまつみのかみ)の娘で、日向の高千穂の霊峰に 降臨されたニニギノミコトの妃になられた人です。日本の国を統一された神武天皇は木花咲耶姫の ひ孫になります。日本を創った母といわれる人で、墓(古墳)は西都原市にあります。また今回は行けませんでしたが、道の駅のすぐ後ろに隣接して「南さつま市歴史交流館金峰」があります。 薩摩半島西部の歴史と文化を紹介する施設で、館内は「時空のクロスロード」「入り海とともに」「よみがえる中世交易の世界”」の3コーナーに分かれ、金峰地区で出土した石器や土器、阿多張りキセルや竹細工、阿多タンコなどの民具などを展示しています 。

施設内を一回りした後売店で美味しそうだった”みたらし団子”を買います。軽食ですがちょうど甘すぎず辛すぎず丁度いい塩梅でした。ふ~っ…。

結構寄り道をしてしまいましたがようやく走り出します。ここらになってくるとナビの正確性を疑っているのでスマホナビを使います。そして数分後本日の第一目的地、万世(ばんせい)特攻平和祈念館へと到着します。志布志から154.4km、机上の予定より15km程余分に走りました。まず近づいて思ったことは凄く厳かな場所であるということ。石灯籠が所狭しと並んでいます。国道270号線から入って行くと施設の入口に着きますが、駐車場はそのまま進んで施設を回り込む形で入ります。元々万世の祈念館は静かに戦争の悲惨さを伝える場所としてやっているため、同じく陸軍の特攻基地であった知覧に比べ知名度が低いと言われています。わからなくもない理由なのですが、やはり平和のありがたみを再検証する場所として訪れたい場所であるということは間違いないように思います。

※この部分、万世特攻平和祈念館と知覧特攻平和会館の部分については、番外編として” さんふらわあで航(い)く鹿児島陸軍特攻戦跡を訪ねる旅~万世・知覧編~”に記載しますのでご了承下さい。

祈念館の周りには多くの慰霊碑が並んでいます。それらを写真に収めながらこの万世特攻平和祈念館の建物を少し離れて見てみます。”複葉合掌型”の屋根は、訓練機と合掌をアレンジしたものです。また知らない方がおられないと言っても過言ではない“子犬を抱いた少年兵”の写真、出撃を数時間後に控えている少年兵の屈託のない笑顔は目の前で見ると本当に不思議としか思えないものでした。

館内中央には、平成4年7月に万世沖より引き上げられた海軍の零式三座偵察機が展示されています。50年もの間海中に沈んでいたため損傷は大変激しいものであったそうですが、現海上自衛隊鹿屋航空工作所の尽力で復元されたそうです。

隊員の方の軍服と飛行服は、ご遺族からの提供を受けたものだそうです。この貴重な歴史の証は恒久的平和の生き証人として語り継がれるものであろうと改めて思います。

旧日本陸軍98式直協偵察機(特攻機として使われたものと同型機)のエンジン・プロペラと機関砲ですが、操業中の漁船の網に引っかかり引き上げられたものを元隊員の方々の尽力により拾得者から旧加世田市が無償で譲り受けたものだそうです。戦後39年の眠りを経てこの場所で戦争の悲惨さを無言で後世に伝える第二の役目を果たして貰える事に感謝の念を込めたいと思います。

二階には特別攻撃隊として征かれた隊員の方々の遺書や遺品が展示されています。撮影禁止なので写真はありませんが、展示されているものを直視できなくなったこともありこの場ではあえてコメントは書きません。

最後に旧陸軍万世飛行場の歴史を紹介します。日本三大砂丘の吹上浜に昭和19年の終わり頃、陸軍最後の飛行場が建設されました。しかし終戦間際のわずか4か月しか使われなかったので“幻の特攻基地”といわれています。そしてこの万世特攻基地から17歳の少年飛行兵を含め201人の特攻隊員が祖国を護るため沖縄に出撃していきました。特攻隊員には遺骨はありません。しかしこの世に書き残した遺書があります。それを見る人に無言で訴えかけられるものこそ、自分を犠牲にして飛んで逝かれた特攻隊員の平和を願うメッセージのように思います。

万世特攻平和祈念館の外には、慰霊碑があります。先述した陸軍特攻慰霊碑“よろずよに”、陸軍萬世特攻飛行場建設時殉職者慰霊碑。戦時中とはいえ尊い命がこの風光明媚な万世の地で、もしくは万世の地から散って征った事実は消えるものではありません。文才のない私には上手く言えませんが、今は安らかにお眠り頂きたいと心底思います。

では先へと行きます。知覧というと誰もが聞いたことのある場所だと思います。陸軍の特攻飛行場があった場所、薩摩の小京都と言われる庭園があるところ。今回私はその特攻の史跡を訪ねるべくやってきました。

万世から約20km、時間にすると30分程で到着します。ただ今回は行程の組み方が甘く、予定時刻より大幅に遅れての到着となりました。知覧特攻平和会館の閉館は17:00、到着は16:20。とにかく会館だけは時間厳守なんで小走りに見て行きます。知覧は陸軍の特攻飛行場として大多数の若い隊員の方々が南へと飛んで征かれました。その犠牲となられた隊員の方々すべての顔写真が飾られています。正直その数だけでも圧倒されます。ただ言葉は悪いですが、見学者が多すぎるくらいおられるので、万世のようにゆっくり見て浸ってと言う訳には行きませんでした。館内は撮影禁止なのでカメラを抱えてということはありませんが、空いているところをつないで見て行く感じになります。ただどうしても今回は時間のことが頭からはなれず、申し訳ないという気持ちでいっぱいでしたが、ざっくりと見ただけで時間になってしまいました。

知覧特攻平和会館の正面には”特攻隊員を天国にいざなう天女たち”を描いた絵が飾られています。館内には特攻戦没者1,036名(うち知覧から出撃436名)の特攻隊員の遺影が出撃順に掲げられ、彼等が残した遺書や辞世の句、家族への手紙、遺品などが展示されている他、日本でただ一機現存する陸軍3式戦闘機”飛燕(ひえん)”や陸軍4式戦闘機”疾風(はやて)”、海から引き上げられた零戦(海軍零式戦闘機)、そのほか戦闘機や戦争関係資料が展示されています。

折しも昨年2013年末公開の特攻隊員と零式艦上戦闘機(零戦)を取り上げた百田尚樹氏原作の映画“永遠の0”が700万人の観客動員数を記録し、特攻隊員への関心が高まったことに起因し、特攻ゆかりの地に足を運ぶ方が増えているそうです。ちなみに2014年9月16日火曜日に訪れた私は、本年210,555人目の来館者です。

閉館時間になったので外へと出ます。この知覧特攻平和会館は知覧平和公園の中にあり、その他企画展をしているミュージアム知覧、特攻隊員勇士の像”とこしえに”、母の像”やすらかに”、一式戦闘機”隼”(映画撮影時の復元)、三角兵舎(復元)、特攻平和観音、太刀洗陸軍飛行学校知覧教育隊記念碑、知覧基地特攻隊の歌々碑、知覧町護国神社、鳥濱とめ顕賞碑、平和の鐘、慟哭・誓いの碑、アリランの碑、生き残り隊員の歌碑、”俺は君のためにこそ死にいく”撮影記念碑、航空自衛隊T-3初等練習機等当時を偲ぶものが敷地内にあります。残念ながら知覧特攻平和会館の閉館に合わせて周りのお店なども閉まるため、見る場所は多々あれど次の目的地へと向かいます。

そして開聞岳ふれあい広場に行きますが、さすがに関西より西にあり日の出は遅く、日暮れも遅い鹿児島でも知覧を出た18:00頃には薄暗い感がありました。約25kmで開聞岳の麓に位置する開聞岳ふれあい広場に到着しますが、時間はもう19:15、さすがに真っ暗でなにがどこにあるのかもわかりません。なのでまた次回のお楽しみとして3分の滞在で次へと進みます。

着いた先は日本最南端の駅、JR指宿枕崎線西大山駅です。風光明媚な風景を堪能できる場所として写真等によく載っていますが、見事真っ暗でした。ホームの照明があるため、幸せの黄色いポストや鐘なんかは確認できましたが、その他は確認できませんでした。20分ほど滞在している間に運良く列車が入線して来ましたが、ぱらぱらと下車するお客が終わってしまうとホント迎えの車もなくなり誰もいない、文字通りの無人駅になってしまいました。時間的に次以降の目的地は営業時間外になってしまうため、この時間でも開いている鹿児島中央郵便局を経由し、本日の宿泊先である大隅半島鹿屋市のかのや大黒グランドホテルへと向かうことにします。

国道220号線を鹿児島方向にひた走ります。途中道の駅なんかもありますが、真っ暗なんで通過して走っていきます。もしかすると途中から指宿スカイラインを走ったほうが早かったのかも知れませんが、当初垂水フェリーを使う予定だったためそのまま走っています。ただ指宿からの道のりが遠いこと、時間がどんどんおしてしまい結局間に合わない時間になってしまいました。残るは桜島フェリーになりますが、鹿児島中央郵便局についてからホテルに電話して一番早い行き方を聞いてみましたが、桜島まではダントツ速くても、フェリーを降りてから80分かかるということでした。すでに22:00近いためフェリーも30分は待たないとダメなんで、そこまで考えるとナビいわく高速使えは1時間半程で着くようなので、あえて陸路を選びました。鹿児島北インターから九州道に乗り国分インターで降りるところまでは良かったのですか、そこから国道220号線を走れば鹿屋に着くはずでした。それがナビがいう近道を通ると、これがまたとんでもないルート。県道72号線ですが、真っ暗な山道の峠越え、引き返したくても止まることすらままならない道。意を決して進むこと1時間、どうやら国道に出ました。でも鹿屋市の中心部までまだ20km程あり、とにかく進み続けてなんとか無事到着しました。初日の走行距離389.1km、走行時間11時間30分。よく走りました。

かのや大黒グランドホテルは鹿屋市役所近くの鹿屋市中心部にあります。今回ツアーに組込みの宿泊先として値段で選んだのでてっきりビジネスホテルとばっかり思っていましたが、結婚式場もある大きなホテルでした。日が変わってから到着しましたが、フロントは24時間対応で大変助かりました。あてがわれた部屋は旧館の禁煙シングルルームでしたが、そこそこ部屋も広く、セミダブルのベットにユニットバス付きなんで、強硬スケジュールで短時間の滞在でしたが、ゆっくりさせて頂き疲れを取らせて頂きました。鹿屋に泊まることがあれば是非また利用したいところです。朝食は和定食がサービスで付いていますが結構本格的なもので、下手なホテルのバイキングよりよっぽど良いものだと感じました。多分この行程だとコンビニ弁当で済ますことが多い私ですが、今回は桜島SAにてカレーライス大盛りを食べてきましたので、さっさとシャワーを浴びて寝ることができました。というわけでいつものごとくzzz。

※途中、万世特攻平和祈念館と知覧特攻平和会館の部分については番外編として“さんふらわあで航(い)く鹿児島陸軍特攻戦跡を訪ねる旅~万世・知覧編~”に記載しますのでご了承下さい。

これで今回のさんふらわあで航(い)くかごしまマル得レンタカープラン-鹿児島の戦跡を訪ねる旅・前編 -関西~志布志~万世~知覧~指宿~鹿児島~鹿屋-の旅は終わります。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
5.0
グルメ
5.0
ショッピング
5.0
交通
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
高速・路線バス レンタカー JRローカル 徒歩
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行なし)
34いいね!

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