2021/04/21 - 2021/04/21
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ばねおさん
バスティーユ広場を中心とするあたりは、以前から馴染んできた地区で、お気に入りの場所も多いのだけれど、コロナウイルスによる外出規制もあって、ここしばらくは足が遠のいてしまっていた。
どこもかしこも世紀の大工事がおこなわれているパリの中でも、バスティーユ広場の改造はかなり大掛かりなもので、ずいぶんと長くかかっていたが、それも半年ぐらい前には完了して、広場はすっかり様変わりしたという。
その変わりようを確かめながら、その先にあるお気に入りの散歩道、芸術高架橋 ( Le viaduc des Arts )を歩いてみた。
芸術高架橋は、1969年に運行を停止したかっての列車路線の跡地で、地上高約10mの高架部分を遊歩道に、高架下を工房やギャラリー、店舗などで活用されている。
遊歩道には植栽も多いので、季節ごとの変化が楽しめ、散歩や読書をしたりして時間を過ごす人ばかりなので、静かなひと時を過ごすにはもってこいの場所である。
パリ市内にはこうした廃路線のリノベーションがいくつも試みられていて、線路跡を遊歩道に、廃駅をレストランなどに再生させるなどの取り組みが現在進行中である。
ここは保存された赤レンガのアーチが街の景観にうまく融合し、自然を取り入れながら人工物と上手く組み合わせており、旧線路道をヴァンセンヌの森まで辿ることも可能である。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ずっと長い間続いていた、バスティーユ広場の工事。
これは、2019年2月に撮影したもの。 -
ほぼ同じ角度から(オペラ・バスティーユ方面から)2019年11月の様子。
7月革命記念柱を中心に、ロータリーを絶えず車が行き交っている。 -
それが、今やこのように変身していた。
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一番大きく変わったのは、記念塔を周回するロータリーが半分なくなり、歩行者専用の広場になったこと。
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車道は追いやられ、7月革命記念塔まで続いている歩行者広場。
これもエコ推進、自転車大好きのイダルゴ市長の政策の一環であるらしい。 -
メトロ」1号線のホーム越しに望むサンマルタン運河のアルセナル港も、ずいぶんと近くなった感じだ
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広場からアルセナル港へのアクセスも整備され、階段を下れば、そこはもう運河。
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アルセナル港には大きな変化はみられない。
写真は2019年11月の撮影で、広場側から古い鉄橋Passerelle de Mornayあたりまでをおさめたもの -
広場をぐるりと回らずともオペラ・バスティーユまでは直線で行くことができる。
ベンチもところどころに用意され、利用している人もいるのだが、どれもこれも新しさだけが目立って、何となくぎこちなさを感じてしまう。
便利になったには違いないのだろうけれど、綺麗すぎる広場は無機質で、なぜかしっくりとこない。
やがて人びとの手垢や足跡で汚れ、街に馴染んでいくのだろうが、それには少し時間が必要なようだ。 -
オペラ・バスティーユから少し進んで、ドメニル通りAvenue Daumesnilに入るとすぐに赤レンガに viaduc des arts (芸術高架橋)の文字が見えてくる。
ここが高架橋のバスティーユ広場側の先端である。
高架上への出入り口は途中にもいくつかあるので、先に遊歩道を歩くもよし、高架下のブテックやアトリエを見ながら歩くもよしである。 -
高架橋下。
コロナウイルスによる営業規制で、今は多くが営業を休止している。 -
高架橋を上がると、左右に植栽のある遊歩道が始まる。
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ただ真っ直ぐに道が伸びているだけでなく、カーヴやら二本道やらで変化をつけている。
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今が盛りのリラの花
リラの花を題名につけた歌、シャンソンがいくつかあるが、ポピュラーなのは「(白い)リラの咲く頃」だろうか。
これもいろいろなバージョンがあって、歌詞もまちまちである。
曲だけ流すと、日本では宝塚の「スミレの花咲く頃」だ、と答える人が多いかもしれない。 -
これはアジサイ
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ところどころに、下を覗ける場所もある。
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板張りになっているかっての陸橋。
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下から見るとこのようになっている。
(2019年2月撮影) -
頭上を覆う竹林
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2番目の陸橋
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2019年2月の橋の上
座っているのは物乞いではありません。
こよなく日光を愛するパリの太陽族。
それにしてもコロナウイルス前なのに、よくソーシャルデスタンスがとられている -
La coulée verte
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地上高約10mなので
プラタナスの大木も横から観察。
鈴なりの実をみると、プラタナスではなく鈴懸の木と呼ぶのがふさわしいと思えてくる。 -
パリの並木を形作る街路樹でもっとも多いのはプラタナスであるという。
二番手がマロニエ -
うーむ
目指すべきは、こういうことかな
ベンチに座らず、自前の椅子を用意してくる理由を聞いてみたくもあるが... -
まだ、花の残る八重桜
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チューリップの奥にある「インセクト・ホテル」
別名「ラヴ・ホテル」と言う、とある人が教えてくれたが、本当だろうか?
仮に本当だとしても、説明に手間取りそうな気がする -
秋のラヴ・ホテル
やはり、ロマンティックだ -
小鳥の水浴びも兼ねた水路
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水路といったが、流れはない
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アーチの上には巣箱が
パリ市提供の無料宿泊所
好みの間取りがあればよいが -
時々、顔を見せるクロウタドリ
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先日モンパルナスの駅頭ではじめてメスのクロウタドリを見ることができた。
オスもメスも黒いとばかり勝手に決め込んでいたのだが、メスは茶色のぶちであることを最近教えてもらった。
この時は、黒いオスと一緒に動いていたので、ああこれがメスなのだと分かった。
しかも、そのメスはサンドイッチを食べていた人の近くまで行って、こぼれたパンくずを拾っていた。
鳩がバゲットを突っついているのはよく見かけるが、クロウタドリがサンドイッチのおねだりをするとは!
それとも、おねだり上手はメスだけ? -
常にアートする心を忘れず、とでも言いたいのか。
遊歩道沿いの高みにこうしたベンチがところどころに用意されているのだが、いつも誰かが座っていて写せるチャンスは滅多にない。 -
階段にも忘れずに
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こんなのも居ましたね
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歩きながら、いつも気になる建物。
上部に人体のモチーフのような彫塑風な造形が並んでいる。
何とも形容しがたい奇妙な感じで、はっきり言っていかにも趣味の悪い意匠だ。
最近その建物が何であるか、ようやく分かった
何と、警察署。
このモチーフの意味はまだ不明。 -
この細い通路を抜けると、そろそろ高架橋の終点だ。
まるでかち割られたような左右の建物 -
建物と線路のどちらが先にあったのか
もちろん線路でしょう
三日月形の建物は少し無理があるように見える。 -
日時計のある広場を過ぎて
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つり橋を渡ると、高架遊歩道の終点
バスティーユ広場から約1.8km -
つり橋の下の芝地は、ハイこの通り
ピクニック大好き、おしゃべり大好き、寝ころぶの大好き族のオンパレード
マスクと距離は忘れていないようだ -
晩秋、強い西日を受けて芝地につり橋の自分がくっきりと投影されていた。
お気に入りの自画像
(2019年11月) -
つり橋の横にあるのは、ルイイ - ポール・ペルナン庭園
(Jardin de Reuilly - Paul Pernin)
ここは色々な花が見られる -
歩き足りないひとは、ヴァンセンヌの森を目指してみるとよい。
この先も旧線路跡の道は続いていて、ヴァンセンヌの森に達することになる。
つり橋からは約3kmだ。
途中にはこうした里程標がところどころにあって、道程の目安になる。
以下は、2019年11月、ヴァンセンヌの森の入り口まで歩いてみた時の写真。 -
途中、特に見るべきものが何かある訳ではない
ただ、好奇心で歩くだけ -
季節にもよるだろうが、ほとんど無人の地帯が所々にあるので
誰にもおすすめできるというコースでもない。 -
トンネルが多いのも特徴だ
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トンネルを幾つくぐり抜けただろうか
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人の姿が見えると、ちょっと安心する
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ジョギングをする人以外には、自分のような単独歩行はまったく見かけない。
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蝙蝠がぶる下がっていそうなトンネル。
こうした道を独りで黙々と歩くというのは、よほどの変わり者に違いない。
そう思っていたら、向こうから変わり者がやってきた。 -
ようやくヴァンセンヌの森のルート案内までやってきた。
見どころ満載の森だが、さすがに5km歩いてから森に遊びに行く気は起きてこないし、夕暮れ時も近づいてきた。 -
この日は最寄りの駅からトラムで帰宅となった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- yunさん 2021/05/01 19:19:37
- 街中の自然
- ばねおさん こんにちは
今日は「すずらんの日」、どちらかお散歩されている頃でしょうか。
バスティーユ広場が随分変わりましたね。車のロータリーが半分無くなった?
常時交通量多いロータリーでしたから、ドライバー達の苦労は増していそう。でも、地下鉄出口を間違え、延々と迂回した歩行者としては歓迎です。
芸術高架橋は5キロも続いているのですね。高架橋を見上げながら下道を歩いた事がありますが、次回は上に上がりヴァンセンヌの森まで頑張れるかな~
ミモザから桜、そしてリラの花へ。
コロナに関係なくその営みを繰り返す自然の数々は健気。街中ゆえ、陰で世話をしている人の存在もありますね。
不自由な毎日に花たちの姿を見ると、口角が上がり文句なくhappyなひと時。
もうすぐ芍薬から薔薇の頃。先日のマクロン大統領の今後方針発表もあり、パリは少しずつ華やかさを取り戻しそう。慎重に慎重にですが、明るくなるように願ってます。
クロウタドリさんはスリム体系!
Wikipediaでも「鳴き声」を聴く事が出来、以前ブルターニュの森で録音した声と同じと確認できました。雌雄ともに美しく鳴くのかしら?
パリの空気吸い込みました。いつもありがとうございます。
yun
- ばねおさん からの返信 2021/05/02 05:35:15
- RE: 街中の自然
- yunさん コメントありがとうございます。
今日、5月1日。メーデー&すずらんの日でしたが、小雨降る冷たい一日でした。
> 芸術高架橋は5キロも続いているのですね。高架橋を見上げながら下道を歩いた事がありますが、次回は上に上がりヴァンセンヌの森まで頑張れるかな?
バスティーユからつり橋までの高架橋自体は1.8km位しかありません。5kmというのはバスティーユからヴァンセンヌの森までの距離です。
つり橋を渡った後は市街地の外れをいくような平地で、季節にもよりますが、ヴァンセンヌの森を目指す、という目的でもなければあまり面白みはありません。
> コロナに関係なくその営みを繰り返す自然の数々は健気。街中ゆえ、陰で世話をしている人の存在もありますね。
パリの魅力のひとつは美しい街路樹だと思いますが、市内の通りに20万本、ブローニュとヴァンセンヌの森に30万本あるとのことです。
街路樹の手入れはパリ市緑地環境局が行っていて、一本一本がデータベース化されて管理され、いわば身分証明書付きだとのこと。
老化や病気で伐採されるものも年間3000本あり、新たに樹木の保育園からやってきます。
数多くある公園の植栽も定期的によく手入れをしているのを見かけます。
> 不自由な毎日に花たちの姿を見ると、口角が上がり文句なくhappyなひと時。
> もうすぐ芍薬から薔薇の頃。先日のマクロン大統領の今後方針発表もあり、パリは少しずつ華やかさを取り戻しそう。慎重に慎重にですが、明るくなるように願ってます。
ご存じのように、フランスは段階的に規制緩和をしていくことを発表しましたが、ウイルス自体が駆逐された訳でもないので、嬉しさよりも心配です。
日本のように横並び感覚や自粛という概念はありませんので、タガが外れれば必ず弾けます。
> クロウタドリさんはスリム体系!
> Wikipediaでも「鳴き声」を聴く事が出来、以前ブルターニュの森で録音した声と同じと確認できました。雌雄ともに美しく鳴くのかしら?
本当にクロウタドリは美声ですね。
街中でこの歌うような声が聞こえてくると、ああいいな、と小さな幸せを感じます。
もしかしたら鳴くのはオスだけではないのか?と思うのですが、要研究課題です。
日本のコロナウイルスの状況が、とても懸念されます。
くれぐれもお気を付けください。
ばねお
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