2021/04/11 - 2021/04/11
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sallyさん
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「福西本店」? 「野口英世青春通り」にそのお名前を見た時は、なんのお店だろう?と。 でも、黒塗りのその重厚な外観に惹かれてちょっとのつもりで覗いてみたら、素晴らしい昔の商家のお屋敷でした。
- 旅行の満足度
- 4.5
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会津若松城をあとにしたのは11時すぎ。
このあとお昼ごはんをいただき、13時過ぎに向かったのが「野口英世青春通り」。 -
「野口英世青春通り」をぶらり歩いていたら、この黒壁に深緑の扉、大きく開かれた間口、「何かのお店だね」とふらりはいってみました。
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むむむ、この天井、ちらっとみえる曲線を描いた階段。
素敵ね・・・こちらが「福西本店」さんでした。
通りに面したこの空間は土産物屋さんで、靴を脱いであがるとその2階には、 -
ギャラリーとして使用している畳の間、奥に板の間がありました。
この「タダで入れる」空間で確信・・「これはすごい建物そうだ」。 -
ギャラリーでは、会津の漆器の一品が展示販売されておりました。
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誘われるまま、「福西本店」さんの、お屋敷の中を見学されてもらうことにしました。
お値段300円、検温と消毒をします。 -
1階の真ん中の大広間。
ここには4年前まで福西さんご一家が住まわれていたそうです。
展示用に修復を施し、障子戸は紙を抜いて、カラスをはめ込んだとのこと。 -
赤茶っぽいオイルステインで、床も天井も仕上げていて、華やかな印象がつづく1階のお部屋たち。
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あの白くて真ん中が黒く四角い分厚い扉があるところが「蔵」
母屋と蔵は、当時は離れていたそうですが、間を(ストーブがあるあたり)を、床板を張ったそうです。家と蔵が続いているのを実際見るのは初めてです。 -
東側に面したこちら側には、
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若夫婦のふた間がありました。
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若夫婦の間からは中庭を眺める、回り廊下があって。
この角と角がガラス戸で柱を挟んで見渡せるって、豪華ですよね。高校生の頃の通学路に日本家屋の立派なおうちにそれがあった事を思い出します。やっぱりお金持ちしかできない、贅沢な廊下だよなぁぁぁ。 -
こちらも、障子紙を抜いて、ガラスが入っています。
若夫婦のふた間、実際には荷物がたくさんあったんじゃないかなぁ、、、などと思ったりしました。 -
2階です。若夫婦の間のちょうど上にあたる部分です。
こちらは客間や、お客さんと趣味を楽しむ空間だったらしく、なんと廊下が「ウグイス張りの廊下」で、歩くとキュンキュンと鳴りました。
友人は「二条城以来の感動だわ」といいましたが、わたしは二条城に行った記憶さえ怪しい・・・。 -
数奇屋になっていますが、書院と床の間の柱が竹だったり、壁をカーブに抜いたり、楽しく明るい空間のお二階です。
ここは東を向いていてお泊まりにも使っていただいたらしい。泊まってみたい。 -
坪庭? 箱庭? 中庭・・・なんていうのかな。
とにかくそんなところです。ふたたび1階です。 -
お客様を旦那様にお目通しする前の「待合」の6畳間です。
中庭を眺める空間、手間の奥は、蔵座敷 -
中庭から眺める壁の向こうが、野口英世さんがかつてお勤めになっていたという病院の建物。
こちらの黒い壁がいわゆる「うだつ」、で防火の壁です。 -
瓦に「上」の飾り。これがこちらの家の御紋のひとつだったらしい。(他にもうひとつ、植物の葉の紋がありました)
瓦は寒冷地仕様で、というか、その当時の最新技術なんでしょうね、この雪深い土地で割れないように「釉薬」を塗った瓦を使っているそうです。これは鶴ヶ城も同じらしい。「釉薬」を使わない「素焼き」の瓦は寒さにたえられないそうで。 -
いよいろ蔵座敷。
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蔵座敷、すご。
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大空間でございます。
でも外から見ると「蔵」です、左側の襖は開けると「壁」です。 -
蔵座敷からみえる、「若夫婦の間」、そして、
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前庭には狛犬。
この狛犬は、親と子らしい。
そう。こちらの蔵座敷は「親」の間、あちらに「若夫婦の間」
怖っ・・・ってなった。 -
梅?の 柱飾り。
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家の西向きの窓のない空間、こちらも「蔵」。この扉が「蔵」。
こちらは、「仏間」でございます。小さなしっとりした空間でした。
立派なご仏壇があったのでしょうね。 -
ふたたび中庭。
中庭が好き。 -
中庭を囲む廊下も好き。
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母屋の二階に参りました。
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こちらは大広間でお祝いごとに使う「晴れの間」といってました。
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欄間のデザインがね、可愛らしい。
お花がたくさんなのに、パッとみると雲みたいで、ハレの間らしいわ。 -
書院の扉の意匠。
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そろそろ見学も最後の方になってきました。
2階の大広間の隣は、小さな茶室でした。
こちらも東向きの風通しのよい空間で。でも茶人とかその筋の専門家にいわせると色々オリジナル過ぎらしい。しょせん、個人の家だしね、って割り切りなのか、商人の気楽さなのか、ガチガチの茶室ではないそうで・・・
案内人の方いわく、おそらく、この大広間の隣にあるこの空間で、女性達が集まって旦那さんの愚痴やら、世間の噂話やらをした空間ではなかったのではないでしょうか、と言ってました。 -
茶室の三角のガラス戸は当時からものらしい。三角の小さな戸袋も。
案内人の方は、デザイン性に大工棟梁の込めた「俺のデザインを残しちゃる」感がありますね、と言ってました。そうなのかな?
たしかにモダンですね、わたしは好きだなと思いました。よおく見ると、ガラス戸の三角と、戸袋の三角とラインが呼応してますよね。 -
「福西本店」さんを後にしました。
工事中でちょっと絵づらが良くないですが、本当に素敵な日本家屋でした。 -
ちなみに、気になっていた中庭にあった、隣の家との間の防火壁「うだつ」ですが、
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となりの珈琲店からみるとこのように見えました。
うだつ、防火壁は、真ん中を下げて風を通すのでしょうか。 -
お隣の珈琲店とは、「野口英世青春館」に併設されています。珈琲おいしかった。
おしまい。
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