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2020年11月13日(金)の12時半過ぎ、三井寺観光中。ひときわ高い南院エリアを回って、中院の東部に戻って来る。観音堂のある札所伽藍から北側の石段を降りてそのまま真っ直ぐ進むと左手にあるのが水観寺。平安時代の1040年、三井寺の正面入口に当たる園城寺町交差点の西側にあった大門の北東一帯に明尊大僧正によって創建された。創建時は本堂、法華堂、三重塔などがあり東西に総門を備える大伽藍だった。後に三井寺五別所の一つとなる。<br /><br />当初は十一面観音を本尊としていたが、1595年に秀吉に寺領を没収されて廃寺となった際に流失。1601年に復興された際、薬師堂に安置されていた薬師瑠璃光如来像を新たな本尊として迎えた。現在の本堂は江戸初期1655年の再建で、1984年に滋賀県の有形文化財に指定された際に解体修理し、1988年に現在地に移転した。西国薬師四十九霊場第48番札所。<br /><br />次の予定があるので、水観寺の前を通り過ぎてさらに北に進むと、左手に5月中旬の土・日に開かれる千団子祭の時に子供の安産育成を祈願して亀の放生が行われる放生池がある。この池の真ん中に石橋が掛かるが、江戸中期の1725年に造営されたもので、護法社の参道になっている。大津市の有形文化財(下の写真1)。<br /><br />護法社は三井寺の鎮守社の一つで、寺の守護神である護法善神(鬼子母神)を祀っている。石橋の奥、駐車場の先に見えるのが護法社唐門で、江戸後期の1797年の建立。間口1間、向唐破風門、檜皮葺で、両袖格子塀潜り門付。大津市の有形文化財。<br /><br />唐門を抜けると護法善神堂。現在の社殿は1727年建立で、大津市の有形文化財。鬼子母神を祀ることから「鬼子母神堂」とも呼ばれ、千団子祭から「千団子社」とも呼ばれてる。千団子祭は室町時代、1363年に足利尊氏によって社殿が再建されたのを機に始められた。鬼子母神の千人の子供にちなんで千個の団子をお供えし、安産や子供の無事成長を祈願する。<br /><br />護法善神堂の堂内には重要文化財に指定されている鬼子母神像が安置され、千団子祭の日に開扉される。また、当日は千の団子が千人の子の供養、ザクロが鬼子母神の供養として供えられる。<br /><br />護法社の北側に並ぶのが財林坊。護法社の僧侶の住まいである預坊として創建された。護法善神堂の北側にある本地堂は江戸時代初期の1651年の建立。護法善神の本地仏である聖観音菩薩を祀る。木造平屋建て、宝形造、檜皮葺、桁行2間、梁間2間で、外壁は真壁造り板張りで上部は白漆喰仕上げ。大津市の有形文化財。<br /><br />財林坊の表門は1727年建立で、切妻、本瓦葺き、一間一戸、薬医門形式。隣接する門番所も1727年建立で、木造平屋建て、寄棟、桟瓦葺、外壁は真壁造白漆喰仕上げ(下の写真2)。共に大津市の有形文化財。<br /><br />ここで、昼食。仁王門前に位置する和風のレストランの「れすとらん風月」へ。私は前に来た時もここで食べた。閑静な和風の建物の中、寺前ならではの精進料理、会席料理、点心、お弁当など手作りのお料理が戴ける。名物の長寿そばは私は前回食べたので、今回は冷たいなま湯葉そばを。なかなかうまかった。昼食後、併設の売店で土産購入。<br /><br />ここに来るまで結構時間が掛かって行けなかったのだが、中院の北側の円満院にも行こうかと思っていた。平安時代の987年に村上天皇の第三皇子・悟円法親王によって創建され、円満院門跡とも称し、かつては天台宗寺門派三門跡の一つであったが、戦後に天台寺門宗から独立したお寺。江戸時代の画家円山応挙ゆかりの寺としても知られ、宸殿は、慶長年間造営の御所のうち、東福門院の御局といわれる建物を移築したもので、仁和寺の金堂などと共に江戸時代初期の寝殿造宮廷建築の遺作として重要なもの。1619年築で、国の重要文化財。<br /><br />食事を終え、土産も買って先を急ぐ。護法社の護法善神堂、唐門、石橋と一直線に東側に続く表門から外の道に出る。色づいたイチョウの黄色がきれい。この護法社表門は江戸時代前期の建立で、大津市の有形文化財。<br /><br />護法社表門から南に進むとある門は南院の総門として1621年に建立されたもの。中世以降、三井寺は北院、中院、南院の三院に分かれ、多くの僧兵を擁したことから外周には濠を構え、石垣で枡形をつくり厳重な山門が設けられていた。現在の総門もかつての名残をとどめる城門風の薬医門。北に門番所が接続している。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.5536006806469298&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />さらに三尾神社に続く

滋賀 大津 三井寺 中院東部 (Nakanoin East, Miidera Temple, Otsu, Shiga, JP)

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2020/11/13 - 2020/11/13

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旅行記グループ 三井寺

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ちふゆ

ちふゆさん

2020年11月13日(金)の12時半過ぎ、三井寺観光中。ひときわ高い南院エリアを回って、中院の東部に戻って来る。観音堂のある札所伽藍から北側の石段を降りてそのまま真っ直ぐ進むと左手にあるのが水観寺。平安時代の1040年、三井寺の正面入口に当たる園城寺町交差点の西側にあった大門の北東一帯に明尊大僧正によって創建された。創建時は本堂、法華堂、三重塔などがあり東西に総門を備える大伽藍だった。後に三井寺五別所の一つとなる。

当初は十一面観音を本尊としていたが、1595年に秀吉に寺領を没収されて廃寺となった際に流失。1601年に復興された際、薬師堂に安置されていた薬師瑠璃光如来像を新たな本尊として迎えた。現在の本堂は江戸初期1655年の再建で、1984年に滋賀県の有形文化財に指定された際に解体修理し、1988年に現在地に移転した。西国薬師四十九霊場第48番札所。

次の予定があるので、水観寺の前を通り過ぎてさらに北に進むと、左手に5月中旬の土・日に開かれる千団子祭の時に子供の安産育成を祈願して亀の放生が行われる放生池がある。この池の真ん中に石橋が掛かるが、江戸中期の1725年に造営されたもので、護法社の参道になっている。大津市の有形文化財(下の写真1)。

護法社は三井寺の鎮守社の一つで、寺の守護神である護法善神(鬼子母神)を祀っている。石橋の奥、駐車場の先に見えるのが護法社唐門で、江戸後期の1797年の建立。間口1間、向唐破風門、檜皮葺で、両袖格子塀潜り門付。大津市の有形文化財。

唐門を抜けると護法善神堂。現在の社殿は1727年建立で、大津市の有形文化財。鬼子母神を祀ることから「鬼子母神堂」とも呼ばれ、千団子祭から「千団子社」とも呼ばれてる。千団子祭は室町時代、1363年に足利尊氏によって社殿が再建されたのを機に始められた。鬼子母神の千人の子供にちなんで千個の団子をお供えし、安産や子供の無事成長を祈願する。

護法善神堂の堂内には重要文化財に指定されている鬼子母神像が安置され、千団子祭の日に開扉される。また、当日は千の団子が千人の子の供養、ザクロが鬼子母神の供養として供えられる。

護法社の北側に並ぶのが財林坊。護法社の僧侶の住まいである預坊として創建された。護法善神堂の北側にある本地堂は江戸時代初期の1651年の建立。護法善神の本地仏である聖観音菩薩を祀る。木造平屋建て、宝形造、檜皮葺、桁行2間、梁間2間で、外壁は真壁造り板張りで上部は白漆喰仕上げ。大津市の有形文化財。

財林坊の表門は1727年建立で、切妻、本瓦葺き、一間一戸、薬医門形式。隣接する門番所も1727年建立で、木造平屋建て、寄棟、桟瓦葺、外壁は真壁造白漆喰仕上げ(下の写真2)。共に大津市の有形文化財。

ここで、昼食。仁王門前に位置する和風のレストランの「れすとらん風月」へ。私は前に来た時もここで食べた。閑静な和風の建物の中、寺前ならではの精進料理、会席料理、点心、お弁当など手作りのお料理が戴ける。名物の長寿そばは私は前回食べたので、今回は冷たいなま湯葉そばを。なかなかうまかった。昼食後、併設の売店で土産購入。

ここに来るまで結構時間が掛かって行けなかったのだが、中院の北側の円満院にも行こうかと思っていた。平安時代の987年に村上天皇の第三皇子・悟円法親王によって創建され、円満院門跡とも称し、かつては天台宗寺門派三門跡の一つであったが、戦後に天台寺門宗から独立したお寺。江戸時代の画家円山応挙ゆかりの寺としても知られ、宸殿は、慶長年間造営の御所のうち、東福門院の御局といわれる建物を移築したもので、仁和寺の金堂などと共に江戸時代初期の寝殿造宮廷建築の遺作として重要なもの。1619年築で、国の重要文化財。

食事を終え、土産も買って先を急ぐ。護法社の護法善神堂、唐門、石橋と一直線に東側に続く表門から外の道に出る。色づいたイチョウの黄色がきれい。この護法社表門は江戸時代前期の建立で、大津市の有形文化財。

護法社表門から南に進むとある門は南院の総門として1621年に建立されたもの。中世以降、三井寺は北院、中院、南院の三院に分かれ、多くの僧兵を擁したことから外周には濠を構え、石垣で枡形をつくり厳重な山門が設けられていた。現在の総門もかつての名残をとどめる城門風の薬医門。北に門番所が接続している。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.5536006806469298&type=1&l=223fe1adec


さらに三尾神社に続く

  • 写真1 護法社石橋

    写真1 護法社石橋

  • 写真2 財林坊表門と門番所

    写真2 財林坊表門と門番所

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