古い写真を見直すシリーズ。<br /><br />ウィーンのレオポルド・ミュージアムLeopold Museumは、この２０１３年３月に唯一入館したことがある。デジカメのRICHO CX6は、室内撮影が割と得意だったので、この頃は、ミュージアムに入館すると写真を丁寧に取ることが増えた。<br /><br />近代絵画は、美術のなかでは苦手なほうで、普通はわざわざ見たりしないのだが、グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８）は、作曲家グスタフ・マーラーの妻だったアルマ・マーラーを、作曲家の死後、しばらく追っかけたことがあるというエピソードでも知っていたし、ベルベデール宮殿に二回訪問した際にも、館内展示で目立った画家だったので、当然、よく承知している一人だ。<br /><br />このレオポルト美術館は２００１年に立てられた新しい展示なのだが、ここでは、クリムトより、むしろエゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）の多くのコレクションのほうがもっと強烈に目立つ。二人とも、２０世紀初頭から暫くのウィーンの雰囲気をつくりだした画家たちであることは間違いない。<br /><br />クリムトやシーレについては、資料も多い。簡潔なまとめとしては、ウィキペディアを参照のこと。そこに書いてあることだが、シーレは、ウィーン美術アカデミーに入学したが、そこのスタイルに飽き足らず、工芸学校時代の先輩であるクリムトに弟子入りした。（ウィーン美術アカデミーは、ヒトラーが二回とも受験して入れなかったところだ。）クリムトはシーレを可愛がった。シーレにとっての転機は、ゴッホ作品との出会いであった。確かに共通点を感じる。シーレは当時流行ったスペインかぜで２８才で死んでしまったが、その作品の評価は高い。このレオポルト美術館の所蔵品の内の一点をサザビー・オークションに出したところ大変な高値がついた。ナチス時代にドイツに渡った作品群の買い戻しをオーストリアは努力しているようだ。このレオポルト美術館はシーレの最大のコレクションとなっている。<br /><br />音楽界では、グスタフ・マーラーが比較的保守的にさえ今では聞こえるが、シェーンベルクやアルバン・ベルクなどとともに、２０世紀初頭のまもなく消えていくハプスブルク文化の大きな頂点を形成したように思える。しかも、面白いことに１９世紀末のウィーンでは、ヨハン・シュトラウス、ブラームス、ブルックナーらが、随分と保守的な芸術活動を直前まで展開していたのだ。<br />（２０２１年３月１６日記す。）<br />

レオポルト美術館（ウィーン）のシーレやクリムト（２０１３年）

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2013/03/14 - 2013/03/14

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#美術館

tadさん

古い写真を見直すシリーズ。

ウィーンのレオポルド・ミュージアムLeopold Museumは、この２０１３年３月に唯一入館したことがある。デジカメのRICHO CX6は、室内撮影が割と得意だったので、この頃は、ミュージアムに入館すると写真を丁寧に取ることが増えた。

近代絵画は、美術のなかでは苦手なほうで、普通はわざわざ見たりしないのだが、グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８）は、作曲家グスタフ・マーラーの妻だったアルマ・マーラーを、作曲家の死後、しばらく追っかけたことがあるというエピソードでも知っていたし、ベルベデール宮殿に二回訪問した際にも、館内展示で目立った画家だったので、当然、よく承知している一人だ。

このレオポルト美術館は２００１年に立てられた新しい展示なのだが、ここでは、クリムトより、むしろエゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）の多くのコレクションのほうがもっと強烈に目立つ。二人とも、２０世紀初頭から暫くのウィーンの雰囲気をつくりだした画家たちであることは間違いない。

クリムトやシーレについては、資料も多い。簡潔なまとめとしては、ウィキペディアを参照のこと。そこに書いてあることだが、シーレは、ウィーン美術アカデミーに入学したが、そこのスタイルに飽き足らず、工芸学校時代の先輩であるクリムトに弟子入りした。（ウィーン美術アカデミーは、ヒトラーが二回とも受験して入れなかったところだ。）クリムトはシーレを可愛がった。シーレにとっての転機は、ゴッホ作品との出会いであった。確かに共通点を感じる。シーレは当時流行ったスペインかぜで２８才で死んでしまったが、その作品の評価は高い。このレオポルト美術館の所蔵品の内の一点をサザビー・オークションに出したところ大変な高値がついた。ナチス時代にドイツに渡った作品群の買い戻しをオーストリアは努力しているようだ。このレオポルト美術館はシーレの最大のコレクションとなっている。

音楽界では、グスタフ・マーラーが比較的保守的にさえ今では聞こえるが、シェーンベルクやアルバン・ベルクなどとともに、２０世紀初頭のまもなく消えていくハプスブルク文化の大きな頂点を形成したように思える。しかも、面白いことに１９世紀末のウィーンでは、ヨハン・シュトラウス、ブラームス、ブルックナーらが、随分と保守的な芸術活動を直前まで展開していたのだ。
（２０２１年３月１６日記す。）

エリア

ウィーン(オーストリア)

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エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
一枚目の絵の説明。絵のモデルとなった建物だろう。
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
次の説明
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
説明パネル
説明パネル
説明パネル
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
再びシーレ
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
ジャポニスムの影響下
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
エゴン・シーレEgon Schiele（１８９０－１９１８）
ここからクリムト
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
クリムトが３点のみ請け合ったウィーン大学大講堂の天井画の構想写真。クリムトの３点は承認されず、契約破棄された。その３点はナチスが没収したが、後に焼失してしまった。
クリムトが担当し、焼失した３点。
焼失した３点。
焼失した３点。
焼失した３点。
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
グスタフ・クリムトGustav Klimt（１８６２－１９１８)
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ヘルマン
ヘルマン
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ココシュカ
ココシュカ
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レオポルト美術館の外では雪が降っていた。

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