2017/07/30 - 2017/07/30
15位(同エリア509件中)
Rolleiguyさん
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東部スイスの田舎トッゲンブルク(Toggenburg)地方は、サンクトガレン州の南端に位置する山間にある長さ45kmの谷です。数多観光地のあるスイスでは地味な場所ですが、7つの峰がギザギザに連なっているクーアフィルステン連山がシンボルになっており、100年ほど前にはオランダのウィルヘルミーナ女王が夏に保養で何回か滞在したこともあり、有名観光地のような喧噪に煩わされずにスイスの自然に浸ることが出来る場所です。
私は1977年に初めて訪れてから数十回、四季折々の美しさと静けさを楽しんで来ました。
4トラの旅行記は基本的に単発の旅行記が主流ですので、ひとつの場所を包括的に紹介するのは馴染まないかもしれませんが、コロナで旅行が殆ど出来なくなっている現在、こんな旅行記(案内)があってもいいのではと思い、過去の旅行記録、写真、資料などをまとめて、この素晴らしい場所を紹介してみたいと思いました。殆ど山の写真とその説明で、かなりの分量になってしまいましたが、旅行エッセイの似非(エッセー)ものと思って頂ければと思います。
既に公開済みの旅行記「クーアフィルステン連山」「クーアフィルステン周辺のハイク」1.2、「トッゲンブルクからユリア峠を越えてエンガディンへ」と併せてご覧頂ければ幸いです。
左から、ケーサールック+ヒンタールック、シーベンシュトル、ツューシュトル、ブリーシ、フリュムセル、セルーン。右端は7山には含まれない。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- 交通
- 3.5
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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センティス(Säntis 2502m) を中心とした案内図。Säntis山頂の左にあるWildhausから右側に伸びる谷がトッゲンブルクで、Wattwil から下方に伸びてWilで終わります。中央下方左にサンクトガレンやアッペンツェルがあり、左の川はライン川。この地図は上が南になっています。
地図の出所:
https://toggenburg.swiss/de/outdooractive.html#filter=r-fullyTranslatedLangus-,sb-sortedBy-0&zc=13,9.31546,47.18009 -
トッゲンブルクの中心部クーアフィルステン北面。
地図の出所:次項 -
センティス南面
この2枚の地図はいずれもウンターヴァッサー(Unterwasser)の村が地図のほぼ中央に位置しており、前(南)と後ろ(北)がこうですよという案内図です。
オリジナルの地図は下記から入手できます。
https://shop.toggenburg.org/Toggenburg/prospekt/?page=0
https://saentisbahn.ch/app/uploads/2016/05/Panokarte_Ost-Saentis-Schwaegalp.pdf -
1.トッゲンブルクの魅力
トッゲンブルクは、氷河時代にはトゥール(Thur)氷河、クーアフィルステン氷河などが谷を埋めていましたが、今は氷河がありません。スイス旅行、特にアルプスを目的とした旅行で氷河が見られないのは大きなマイナスポイントでしょう。そんな場所を敢えて紹介するというのは、アルプスやアルプス前山(Voralpen)の楽しみ方には自然の雄大さだけではない、山の生い立ちやそこに暮らして来た人たち、あるいは歴史の積み重ねを目にすることで気付く魅力があると思うからです。
スイスを旅行すると、そこに別荘があって毎日自然の美しさを楽しめたらと思うのは私だけではないでしょう。ツェルマットやグリンデルワルト、あるいはサンモリッツなどの有名リゾートに長期間滞在して、周りの山々をハイキングすることの楽しみは日本では味わいにくいものです。 山のリゾートの別の魅力を実感することでアルプスの多面性を楽しむことを経験すると、マイナーな存在であるトッゲンブルクの心地好さを知ることになるでしょう。それは、ここを自分の庭にしたい、朝から晩まで、春から冬まで、ずっといたいと思わせる愛おしさに似た気持ちが湧いてくることです。
緑なす丘、山の斜面に点在する家々、麓の小さな集落と静かに流れる小川(Thur)、見渡せばゆったりと高みに見える石灰岩の白い山々。それは峩々たるアルプスの景観ではなく、その懐に抱かれたいと思わせる、人を拒絶しないアルプスです。
特に訪れる人を魅了するクーアフィルステンの山々を眺めていると、全部登ってみたいと思いますが、旅行ではなかなかそうは行かないので、ここでひとつひとつ紹介します。
大昔、アフリカ大陸が北上し、テチス海(古地中海)の底にあった石灰岩が押し寄せて、元々あった基盤の上に乗り上げて出来たのがこの辺りの山々(ヘルベチア山塊)です。古い基盤が一番上になっていて、その下に新しい基盤があるという衝上(突き上げ)断層が発見され、アルプス地質学に大きな変革をもたらしたスイス・テクトニック・アリーナは直ぐ傍にあります。クーアフィルステンはその時代に出来た山です。
スイスへの旅行は費用が嵩みますが、この地域は一泊1万円以内でも可能であり、滞在の仕方によっては更に切り詰めることも可能です。
(写真)
Alt St.Johannからの景色。手前にThur川、中央右奥にヴィルトフーサー・シャーフベルク山(Wildhuser Schafberg2373m)。その左手鞍部の奥にはセンティス山。
これが興奮よりも居心地の良さを楽しむトッゲンブルクの景観です。2017年。 -
素晴らしいロケーションです。ここに別荘が欲しいなと長年思っています。2009年
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緑あふれる環境、蛇行する小川の畔にある老人ホームの佇まい。
こんなところで老後を過ごしたいですが、入所させてくれないでしょうね。
インターネットの時代、田舎暮らしでも社会とのつながりに問題なし。
Alt St.Johann 2017年 -
Unser Paradis auf Erden (地上における私たちのパラダイス)と書かれた家。
スイスには雑草と括られるものはありません。草花と牧草だから楽園になるのですね。2009年 -
麓の村ウンターヴァッサー、ここがクーアフィルステンに登るメインゲイトです。
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2. 歴史と現在
トッゲンブルクという名前が歴史的文献に登場するのは11世紀からで、スイスがまだ連邦 (独 Eidgenossenschaft, 英Confederation)として登場するよりもかなり前のことです。トッゲンブルク伯(Graf von Toggenburg)Diethelm I世が創始者とされており、ToccanburgとかTochimburcなどと記載された記録もあります。
サンクトガレンの修道院や、コンスタンツ司教、あるいはキーブルク伯(別の旅行記「キーブルクのお城」があります)などと抗争を繰り返していたようです。
トッゲンブルク家の支配は15世紀まで続きました。
(写真)
トッゲンブルク伯領のワッペン(左が旧、右が新) -
チューリッヒのヴァッサーキルヒェの前に立つツヴィングリ。
この地方出身の歴史上の有名人物は、何と言っても神学者・宗教改革者のツヴィングリ(Huldrych Zwingli 1484- 1531)でしょう。ヴィルトハウスに生まれてウィーン大学とバーゼル大学で学び、ルターとも会っています。チューリッヒのグロース・ミュンスターで主任司祭代行を務めていたときに、カトリック教会の改革を唱え始めました。宗教改革に際して、スイスはカトリックと改革派に二分されて戦争になり、従軍牧師として参加したツヴィングリはチューリッヒ郊外で戦死しました。ルターは、それまでカトリック教会で使われていたラテン語聖書(原語は旧約聖書はヘブライ語、新約聖書はギリシャ語)ではなく、誰でも読めるようにドイツ語に訳しましたが、私はツヴィングリの訳による聖書のドイツ語の格調の高さが好きで長いこと愛用しています。その中でも、マタイによる福音書6章34節が、言葉の味わいとともに、読むときの流れと音韻がとても美しいと思っています。
(ツヴィングリ聖書は凡そ1世紀に一度その時代に分かり易いドイツ語に改訂されているので、厳密には当時のままではなく、下記は1931年版です。日本語もそうですが、古い訳、文語の方が味わい豊かだと思います)
「だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。
その日の苦労はその日だけで充分である」
“Darum sorget euch nicht um den morgenden Tag: denn der morgende
Tag wird seine eigne Sorge haben.
Jeder Tag hat genug an seiner eignen Plage”.
ダルム ゾルゲット オイヒ ニヒト ウム デン モルゲンデン ターク: デン デア モルゲンデ ターク ヴィルト
ザイネ アイグネ ゾルゲ ハーベン。 イェーダー ターク ハット ゲヌーク アン ザイナー アイグネン プラーゲ
これを読むと、ストレスがあっても慰められて、トッゲンブルクに行きたいと思うほどです。そういう場所がある幸いを感謝しています。 -
ヴィルトハウスにあるツヴィングリの生家。500年以上も昔からあるのでしょうか。 2013年
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ツヴィングリの質素な食卓
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1835年創業の、かつてのHeberlein紡績会社の本社工場。Thur川沿い。
トッゲンブルク地方の人口は46千人で、田舎にしては老齢人口が20%と低いことに驚きます。カトリックが46%、改革派(プロテスタント)が35%、イスラムが6%、無神論者が5%だそうです。スイスはカトリックと改革派が地域によって割とはっきり分かれているのですが、ここは珍しく両方がそれなりの比率で併存しています。 これも歴史的経緯によるものです。イスラムの人が田舎にも住むようになったのは最近のことではないかと思います。
その他の特徴としては、単身世帯が10%、外国人13%というのはスイスの都市部の平均に近いかもしれませんが、高等教育修了者25%という数字が目立ちます。スイスの大学進学率は日本などよりずっと低いのに、これだけの高い数字の背景にはここの住民の特徴が現れているのかもしれません。些細なことでも調べてみると意外な面白さに気付きます。
地域の産業は、数十年前までは紡績業が盛んで、中心地のひとつであるヴァットヴィルには、1835年創業のヘーバーライン(Heberlein)というトッゲンブルクで最も大きい会社があり、「ヘランカ」という合成繊維を日本企業に提供し、1960年代には「カロリナ・ヘランカ」という商標で女性用水着が有名でした。今もネットで検索できるポスターには、若き日の松原智恵子や浜 美枝、江波杏子などが登場していましたが、それぞれが「清純派の方」「グラマーな方」「悪女タイプの方」などと、水着のタイプ別の説明付きになっていて思わず笑ってしまいそうです。
一度この会社から訪問を受けて、日本企業による買収の相談を受けたことがありました。買収は実現しませんでしたが、こんなスイスの山奥にそれなりの企業があり、日本とも関わりがあったことに驚きました。1970年代の終りころです。現在の産業は観光が主体で、観光の中心地はヴィルトハウス(人口2600人)です。その他の主な町としては、キルヒベルク(9100人)、ヴァットヴィル(8800人)などがありますが、谷のハイライト部分からは離れています。 -
3. スイスアルプスにおけるトッゲンブルクの位置づけ
アルプスは地理的におおまかに東西南北に4分されており、スイスアルプスは殆どが中央アルプス地帯に属しており、トッゲンブルク地方はその東端に近く、ここから東はライン川をはさんでエンガディンやオーストリア東端まで続く東アルプスになります。地域による山の特徴がなんとなくあり、知らない山の写真を見ても、凡そどの辺りか見当がつくことがあります。
地質学的な歴史に深入りするととても興味深いのですが、さわりだけお話しします。
スイスアルプスは、ヴァリスカン造山運動(3億年前)のころに出来た硬い基盤の上に、アルプス造山運動(1億年~7百万年前)のときに、他所(アフリカ、古地中海)から遥々押し寄せて来た石灰岩などの堆積岩がぶつかって出来た場所(ヘルベチア・ナッペと呼ばれる異地性の地質が覆っている場所)と、他所から来た岩盤が覆いきれなかった古い花崗岩や片麻岩の山々が残っている部分などがあり、隣り合っている山でも地質が違うことがあります。ユングフラウやメンヒはマグマ由来の花崗岩、アイガーやヴェッターホルンは主に石灰岩です。
ヴァリスカン造山運動のころの基盤は、ボヘミア山塊としても残っていて、ドナウ川べりにある有名なメルク修道院(オーストリア)の対岸が、ボヘミア山塊と東アルプスの境界になっています。ヴァッハウ渓谷が出来たり、ドナウ川が急角度で曲がっていたりするのは、この硬いボヘミア山塊の故です。
(写真)
センティス山頂から眺めたクーアフィルステン北面とトッゲンブルクの谷。
遠方にはグラルナー・アルペンの山々。2009年7月 -
何故クーアフィルステンはこんな形をしているのか?
誰でも不思議に思うあの形はどのように形成されたのでしょうか。
トッゲンブルク地方は主に白亜紀(145-65百万年前)の石灰岩で出来ています。
石灰岩の下には古い泥灰岩の層が、更にその下にはより古いジュラ紀(200-145百万年前)中期の石灰岩層があります。蛇足ですが、ジュラ紀はジュラシックパークで有名になりましたが、この時代の化石が多く出土した地層が大規模に残っているのがスイスのジュラ地方であるため、こうした命名になったのだそうです。
Churfirstenの名前は、Chur(グラウビュンデン州都のクール方向を向いているからとの説あり)とFirsten(山稜の意。グリンデルワルトのフィルストも同じ理由)から来ているそうですが、異説もあります。初めて地図に登場したのは1784年で、Churfürsten(Kurfürstは神聖ローマ帝国の選帝侯の意)と記されていて、
ChäserruggはKaiserruggだったそうです。7つの峰も7人の選帝侯になぞらえたという説もあります。1854年の地図から現在の名前になりました。
スイス人の発音はChurfirschten(クーアフィアシュテン)です。
普通はセルーン(Selun 2204m)、フリュムセル(Frümsel 2263m)、ブリーシ(Brisi 2279m)、ツューシュトル(Zuestoll 2235m)、シーベンシュトル(Schibenstoll 2234m)、ヒンタールック(Hinterrugg 2306m)、ケーサールック(Chäserrugg 2262m)の7山を指しますが、蛇のように連なっている少し低い他の山も加えて13山と言うこともあります。セルーンから西方向にWart 2068m, Schären 2171m, Nägeliberg 2163m, Glattcham 2084m, Leistcham 2101m,ケーサールックから東方向にTristenkolen 2159mを加えます。その隣のGamserrugg2076mは加えません。ケーサールックはロープウェイで歩かずに山頂まで行けますが、その他は比較的楽に登れるのはセルーンで、Starkenbachからロープウェイでアルプまで登り、後は徒歩です。北面からだとどの山でも3時間前後で登れます。どの山も滑りやすく、ヴァーレン湖側に転落防止用の柵はないので残雪期や雨の後の稜線は非常に危険です。
南面から北面に行くルートは2本しかなく、ケーサールック越えと、ずっと西の
Nägeliberg/Leistchamの鞍部を越える道ですが、いずれも急登で4-5時間かかります。ハイキングに最適の季節は5月から10月ですが、ロープウェイは6月中旬から運行されます。
何故こんなギザギザの山が出来たかというと、柔らかい石灰岩層に固い石灰岩層が乗り上げて層を成していたのが、その後の浸食により柔らかい石灰岩層がはげ落ちてしまったことによるものだと言われています。上部はセンティス山から続く白亜紀中期(1億年前)、下部は南のグラールス地方から続く白亜紀前期(1億5千万年前)の岩です。
クーアフィルステンの南面(ヴァーレン湖側)の壁の下には、石灰岩でも石英を含む岩が突き出ています。かつての採石場の跡が大きな穴になって、対岸から見えます。
トッゲンブルク地方の山々は造山運動のころの岩盤の動きが表面に現れているところが多く、石灰岩が褶曲した様を目にすると、マントルに浮いている大陸を動かす力に驚かされます。50百万年前のサメの化石などが発見されています。スイスではこうした造山運動が残した岩や山を、素人にも分かるように解説した資料がいくつかあり、地質学の専門家ではない私は大いに重宝しています。また、現地を歩くと、その場所の地質構造を図で説明してあったりして、(私の)興味を掻き立ててくれます。
ヴァーレン湖対岸から眺めたクーアフィルステン南面。絵葉書から。
(Zuestollはこの絵葉書のようにZuestollenと記されることもあります) -
蛇のようにうねっている南面から見たクーアフィルステン。
左後方はセンティスなどアルプシュタイン(Alpstein)の山々。 -
では、7山をひとつひとつ紹介します。説明は地元の登山愛好者によるものを参考にしました。ルートのレベルはスイス・アルペン・クラブの山歩きの等級(SAC Wanderskala)でT-2(易しい山歩き。Tはトレッキングを表わす)からT-3(部分的に手を使う場所あり)なので、普通の体力があれば大丈夫です。但し、ツューシュトルだけはT-4(登山経験必要、ルートファインディング必要、悪天候の下山は困難なこともあるレベル)の箇所があるので注意が必要です。
先ずはセルーン(Selun 2205m)。 Starkenbachから4人乗りのロープウェイでAlp Selunまで行き、2時間程度で登頂可能なクーアフィルステンで最も登りやすい山。レベルT2。途中にWildmannlislochという4万年前に猟師が使ったとみられる奥行140mのトンネルがありますが、見学にはランプが必要です。
ロープウェイは週末すごく混むので朝早く行かないと1時間以上待たされます。 -
次はフリュムセル(Frümsel 2263m)。
7山の中では急登で体力的に最も大変。1か所に固定ザイルがあるがルートは易しい。スタート地点はセルーンと同じAlp Selun。ロープウェイ山駅から往復4時間。この写真は望遠レンズで撮影したため実際以上に急斜面に見えます。殆どがT2のレベルですが、一部T3。 -
ブリーシ(Brisi 2279m)。
Alp Selamatt(1389m) から往復12km。 易しいハイキング。標高差847m。 -
Brisiを反対側の南面から見たところ。 岩壁にいつくもの層が見えます。下部の黒っぽく、沢山のルンゼ(溝)が見えるバンドも石英を含む石灰岩。2013年6月。
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ツューシュトル(Zuestoll 2235m)
Alp Selamattから登る。ルート表示が白青白のアルペン登山路。T3,T4レベルで固定ザイルやステップがあり、7山の中で最も難しいが好天時は危険というほどではない。斜面の石灰岩がトレードマーク。往復5時間。写真ほど急斜面ではありません。 -
シーベンシュトル(Schibenstoll 2234m)
Alp Selamattからスタート。登り2時間45分。下り2時間。往復9km。 標高差880m。 7山のなかでは登山者が少ない山。カルスト地形あり、穴に落ちないように手を使うよう推奨されている。レベルT2-3。 -
最後にヒンタールック(Hinterrugg 2306m)が右、ケーサールック(Chäserrugg 2262m)が左に。
Iltiosからロープウェイで登る人が殆どですが、登山路もあります。この2つの山はそれぞれ別の名前がついていますが、隣り合った山は、鞍部からの高さが最低30メートルないと、低い方が支峰と見なされるそうで、ケーサールックは14メートルしかないので、独立峰とされず、クーアフィルステン6山と言われることもあります。ケーサールック山駅からヒンタールックは徒歩15分。HinterruggはHinderruggと記されることもあります。 -
ケーサールックとヒンタールックの間に見える大きな窪みは、氷河時代のクーアフィルステン氷河が残したカール(圏谷)とモレーンの名残です。他の峰には見られないのは、全て崩れ落ちてしまったからだと言われています。2017年7月
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Walenstadtから見た晩秋のクーアフィルステン南面 1978年。
北面は一応草が生えていますが、南面上部は垂直の岩壁です。 -
ヴァーレン湖対岸のゼーベンアルプ(Sebenalp)から眺めたクーアフィルステン南面。
連山の特徴はこちらの南面から眺めた方が良く分かりますが、一寸距離があるので、迫力はいまひとつかもしれません。1978年 -
4.見所と私の楽しみ方
この地方の楽しみ方はやはり自然に浸ることです。スイスにはいろいろな美しい自然がありますから、ここの自然は特別だと思うものがなければならないでしょう。
それはクーアフィルステンです。 このギザギザの山が与える印象は格別のものですから、それらを愛でることが観光のメインとなります。
地図は官製のハイキングマップ1/25000 Nr.2514 “Wanderkarte Obertoggenburg-Appenzell” がお勧めです。 ネットからでも入手出来ます。https://map.geo.admin.ch/?topic=ech&lang=de&bgLayer=ch.swisstopo.pixelkarte-farbe&layers=ch.swisstopo.zeitreihen,ch.bfs.gebaeude_wohnungs_register,ch.bav.haltestellen-oev,ch.swisstopo.swisstlm3d-wanderwege&layers_visibility=false,false,false,true&layers_timestamp=18641231,,,&X=218095.00&Y=727080.00&zoom=4&layers_opacity=1,1,1,0.8
7つの峰のうち、歩かなくても頂上まで行けるのはChäserrugg(ケーサールッ
ク)だけです。古い資料だとKäserruckと書かれたものもあるので、Käser(酪農小屋とかチーズ販売人などの意)チーズと関わりがあるのかもしれませんが、18世紀にはKaiser(皇帝)ruggと呼ばれていたこともあります。センティスの麓に酪農家がチーズを展示販売していて、食べてみたことがありますが、安くて美味でした。この山には、ウンターヴァッサーからケーブルカー(通年運行)とロープウェイ(6月中旬から運行)を乗り継いで上がれます。途中駅のイルティオス(Iltios)から7つの峰の中腹を横にハイキングすることも出来ます。上り下りの少ない快適な道で、常に展望を楽しめます。春に来るとクロッカスが一面に花を咲かせています。また、冬はスキーも出来ます。
ケーサールックの頂上には、360度のパノラマと眼下のヴァーレン湖の絶景が待ち受けています。7月は山頂付近がお花で一杯になり、Blumenweg(お花の道)という散策路があって、ところどころにお花の説明版があります。歩いて麓まで下りることも可能です。
写真はケーサールックから見下ろすヴァーレン湖 2017年7月
右手の草付き斜面にSchnürliweg(細引きの道)という非常に危険な崖路がずっと先まで続いています。高所恐怖症、神経の弱い人は近寄ってはならないそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=YAvEjS_5MWg -
花の道
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センティスなどアルプシュタインの山々を背景に。 2017年7月
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クーアフィルステン南面のハイキング。
ヴァーレン湖に沿って岩壁の下を歩くハイキング。湖西端の町WeesenからQuintenまで10.5km 3時間半の道。 途中のRingquelleには、スイス最大の落差305mの滝があります。この南面は暖かくイチジクやキゥイが栽培されています。
上り下りがあるので、標高差合計は710mになります。自動車は通行出来ない道なので、帰りはQuintenから定期船で戻ります。南面には東のWalenstadtから歩くルートもありますが、距離も高低差もかなりハードなルートです。 -
シュヴェンディ湖(Schwendisee)。2013年6月
ウンターヴァッサーからイルティオスまでケーブルカーで登り、そこから麓まで歩く道があり、途中にこの湖というか、池が2つあります。カモが泳いでいたりして、日本人の感覚では一緒に泳ぎたいとは思いませんが、こちらの人は気にしないようです。 -
同。センティス(左)とヴィルトフーサー・シャーフベルク 2009年7月
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グレッペレン湖 (Gräppelensee)。
ウンターヴァッサーから北側の道をエルプリ(Älpli)方向に登り、小一時間ほど歩くと小さな、美しい池があります。背後にヴィルトフーサー・シャーフベルクが見える静かな場所です。元の道を戻らず、谷に下りる道があって、麓はアルト・サンクト・ヨハン(Alt St.Johann)です。
1978年10月 -
グレッペレン湖から見た初冬の趣のクーアフィルステン北面。 1978年10月。
秋になって、夕方に気温が下がると谷は霧(Bodennebel)で覆われてしまいます。冬は日中でも霧で薄暗い日が多くなりますが、毎日の天気予報で今日の霧(Hochnebel)は標高〇〇メートルまでと教えてくれます。大体1000メートル以上は晴れていることが多いです。地面まで漂う霧はBodennebel、高いところにある霧はHochnebelと区別されています。 -
エルプリ (Älpli)。
トッゲンブルクを紹介する写真に度々登場するアルプでトゥール川の源です。
大昔、トゥール氷河はここから下に流れて谷を形成しました。Älpliとは小さいアルプという意味です。ウンターヴァッサーから登ります。
昔の絵葉書 -
エルプリ近郊から見た朝のクーアフィルステン。 2013年6月
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シュタルケンバッハ(Starkenbach)。
ここはクーアフィルステンの右端の山セルーン(Selun)の麓の村ですが、ここから小さな箱型ロープウェイでアルプまで上がり、山の中腹をイルティオスまで一日かけてゆっくり歩くと、クーアフィルステンを眺めながら楽しいハイキングとなります。
1台しかないので運が悪いと待ち時間が長くなります。 -
パノラマルート(そういう名前ではありませんが)。
ヴィルトハウスからアルト・サンクト・ヨハンまで続くパノラマルート。
谷からだとよく見えないクーアフィルステン連山が全て目の前に見えます。
自動車も通る道ですが、交通量は少ないので寛ぎながら歩けます。途中でエルプリに立ち寄ることも出来ます。レンタルのEバイクでも周れます。2013年6月 -
パノラマルートからの見たブリーシ(左)とフリュムセル。2013年6月
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パノラマルートはこんな道。 2013年6月
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パノラマ・ルートの終点から東方向を望む。 2009 年7月。
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シェーネンボーデン湖(Schönenbodensee)。
ヴィルトハウスから少し登ったところ、パノラマルートを反対に東方向に行った場所にある小さな湖。穏やかな佇まい。 -
エンネットビュール(Ennetbühl)。
谷の下流方向、ネスラウ(Nesslau)からセンティスの麓シュヴェークアルプ(Schwägalp)に向かう途中にある村。村に入る前の丘からクーアフィルステンが綺麗に見えます。村からはセンティスも見えます。
丘の上に立つ一本の木にスイス人の美意識を感じます。2017年7月。 -
エンネットビュールの村から見えるセンティス
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エンネットビュールから眺めた春のクーアフィルステン北面。1978年5月
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イルティオス(Iltios)、セラマット(Selamatt)。
イルティオスはウンターヴァッサーからのケーブルカーの山駅がある場所。
セラマットはその西隣で、アルト・サンクト・ヨハンにある谷駅からリフト・ゴン
ドラで上がります。
周囲は気持ちの良い散策が出来て、春先には一面にクロッカスが咲きます。
セラマットに咲くクロッカス。1981年5月 -
センティス山(Säntis)2502m。 東部アルプスの展望台。
トッゲンブルクの谷からアッペンツェルに向かう道の途中にあるシュヴェークアルプは、この地域、アルプシュタイン(Alpstein)の盟主センティスの麓にあるアルプで、ここからロープウェイで登ります。歩いて登る道もありますが、標高差1,150メートルもあり、岩場の道なので慣れた人だけ。頂上からの眺めは360度でベルナーオーバーラントやエンガディンのピッツ・ベルニナまで見えます。
チューリッヒから日帰りする場合、このセンティスとケーサールックの2か所の観光をお勧めします。
左遠方がベルナーオーバーラントで、フィンスターアールホルンも見えます。
右遠方にピラトゥスとリギが見えます。2009年7月。 -
東方向にはエンガディンの山々。中央の台形の山はピッツ・ケッシュ、右端にピッツ・パリューやピッツ・ベルニナが見えます。エンガディンからおいでおいでと言われているように思えて、直ぐにも飛んで行きたいと思いました。
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左下にゼーアルプ湖(Seealpsee)、中央右寄りの遠方にホーアーカステンと右方向にのびる稜線(次の場所参照)。この山域の特徴である石灰岩の稜線が褶曲しています。
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ホーアーカステン(Hoher Kasten 1795m)とフェーレン湖(Fählensee)。
アッペンツェルの郊外にある展望台ホーアーカステンから、尾根道を3時間半ほど歩くと、アルプシュタインの宝石と言われているフェーレン湖に至ります。晩秋の遅い午後の陽の光を反射する湖の美しさはスイスアルプスでも屈指の存在です。
ホーアーカステンからセンティス方面の眺め。
湖はゼムティザー湖(Sämtisersee)。 1978年10月 -
フェーレン湖 1978年。美しい湖ですが、奥まった場所にあるので、
ホーアーカステンから歩き始めて、ロープウェイの谷駅ブリューリサウに戻るまで、全行程徒歩で約6時間かかります。一番奥の高い山がアルトマン(Altmann 2436 m)、右側に手前まで連なっているのがフェーレンテュルム。 -
5.行き方と滞在場所のお勧め
トッゲンブルクへの行き方は3ルートあります。
1.Zurichから鉄道またはレンタカーでWinterthur経由、トッゲンブルク地方
が始まるWilの街を抜けてWattwilを通るルート。車であればWattwil までは
チューリッヒ湖畔のRapperswil近郊経由でも行けます。これが最も一般的
です。チューリッヒから1時間半くらいですが、途中が綺麗なので急ぐと勿
体ない。日帰りの場合はこのルートがお勧めです。
2.サンクトガレンやアッペンツェル方面から、Urnaeschまで鉄道、その後バ
スでセンティスの麓のSchwaegalpを経由してNesslauに至り、1のルート
に合流する。アルプシュタイン地方を見るには良いルートです。
3.ライン川が流れる東側のSarganserlandの町Buchsを経由してバスで
Wildhausに入るルート。オーストリアやコンスタンツ湖方面からだとこの
ルートが便利。あるいは、ヴァーレン湖の美しさとクーアフィルステン南面
も見るのであれば、チューリッヒから高速道路、またはSargans経由Buchs
まで鉄道という方法もあります。
どこに滞在するにしても谷はバスが1時間に1本走っているので、移動は便利です。
(滞在先のお勧め)
ホテルからクーアフィルステンの山を眺めるには、谷の底の村だとよく見えません。少し高い場所にある所がお勧めですが、ヴィルトハウスは高いものの、クーアフィルステンからは少し離れています。 私はウンターヴァッサーが好きですが、クーアフィルステンは手前の山に遮られてよく見えません。
最もクーアフィルステンが見えるのは、パノラマルートに沿った場所ですが、こちらはホリデイアパートが主で、ホテルとしてはHotel Schönenbodenが唯一だと思います。但しバスは行っていないので、レンタカーかまたはホテルに送迎を頼む必要があります。その他は谷から登った場所(Alp SelamattやGamsbergなど)にいくつかありますが、滞在型の場合は他所への移動が不便かもしれません。
山は昼間見ればよいということであれば、Alt St.Johann, Unterwasser, 少しでも見える所であればWildhausです。賑やかなのはWildhausで、旅行案内所もここにあります。なお、クーアフィルステン周辺はキャンプ禁止ですが、見えない所であれば黙認されているようで、山頂付近で泊まって朝日を見る人がいます。
(写真) Hotel Schönenboden。 -
ウンターヴァッサーのHotel Sternen。昔オランダのウィルヘルミーナ女王が何度か夏休みを過ごしたのはこのホテルです。
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ウンターヴァッサーの村の入り口にある標識
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最後に、緑と石灰岩の白のコントラストが美しいヴィルトフーサー・シャーフベルクを見て終わりにします。
これでトッゲンブルクの旅案内を終わります。数十回も訪れながら、まだ全部を周っていません。季節を変えると別の印象になり、何度でもここで歩きたいと思います。
スキーのゲレンデや、クロスカントリー用の道もあり、秋から冬は下界が霧に覆われて薄暗い日が続きますが、そんな時でも、山の上は太陽が照っていて寒さを感じないこともあります。
行く前にWebcam(https://www.chaeserrugg.ch/en/webcam)で様子を見てから行くことも出来ます。
日本からの訪問者がもっと増えるといいなと思います。この記録が参考になるよう
に、適宜更新することを考えております。
お食事やお土産の写真も説明もありませんが、それは現地の楽しみに。
長い文章をお読みいただき有難うございます。
(資料)
山に関しては、海外の本に詳細な説明がありますが、写真を見るだけでも楽しい資料です。
日本語の資料としては、トッゲンブルクについて書かれたものは見たことがありませんが、アルプスの成り立ちについては、「ヨーロッパアルプス登山・ハイキング」(金原富士子。本の泉社)が詳しく書いています。
“Landschaften und Geologie der Schweiz”,
(「スイスの景観と地質学」スイス全土を網羅した詳細な説明。著者によれ
ば、素人でも理解出来るように書いた由)
Adrian Pfiffner, Haupt Verlag 2019
“High Above the Alps”,
(「空から見たアルプス」地質学的説明付。驚くほど美しい写真集です)
Kurt Stuewe, Weisshaupt Publishing,2012
”Zur Tal- und Reliefgeschichte des Churfirsten-Alvier-Gebietes”,
(「クーアフィルステン・アルフィーア地域の谷と起伏の歴史」学術論文)
Rene Hantke, Geographica Helvetica 1987 Nr.2
“Tektonikarena Sardona”,
(「テクトニックアリーナ・サルドーナ」
地質学的説明付写真集) Roland Gerth , AS Verlag 2018
"Der Alpstein"
(センティス周辺の自然と文化)
Hans Buechler, Appenzeller Verlag 2000
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この旅行記へのコメント (12)
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- ドロミティさん 2021/12/30 09:45:36
- 年末の挨拶に伺いました!
- Rolleiguyさん、おはようございます。
今年もあと2日となりました。
コロナに振り回されて、一年があっという間に過ぎてしまいました。
こうしてトッゲンブルク地方の素敵な景色を拝見していると
再びスイスに出かけられるのはいつになるのか、待ち遠しい
気持ちでいっぱいになります。
でもこればかりはRolleiguyさんが仰るとおり気長に待つしか
ありませんね。
お健やかに新しい年をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
ドロミティ
- Rolleiguyさん からの返信 2021/12/30 11:56:34
- Re: 年末の挨拶に伺いました!
- ドロミティさん、こんにちは。
年末のご挨拶を頂きまして恐縮です。本当に昨年、今年と一体何に時間を
使ったのだろうと思うほど、空しい気持ちも残る2年でした。
その一方で、時々旅行記を拝見して、じっくり見ることが出来ました。
ドロミティさんを始めとして、皆様それぞれのスタイルがあって、自分とは
違う視点や楽しみ方があることを再発見することも出来ました。
私はいよいよネタ切れで如何ともし難い年でしたが、まあ充電期間だと思って、次の旅行は何をポイントにしようかなどと考える時間がありました。
コロナに負けずに、充実した1年になりますようお祈りしております。
Rolleiguy
-
- kiyoさん 2021/03/28 17:21:40
- オンライン ツアーのような
- Rolleiguyさん、こんにちは
私の旅行記にいいねしていただき、ありがとうございます。
クーアフィルステン連山。
旅心を刺激する魅力的な風景ですね。
緑なす丘、麓の小さな集落と静かに流れる小川のお写真は、
ディスプレイ越しでも新鮮な空気が感じられて、
思わず深呼吸をしてしまいました。
コロナ禍で家に引きこもりがちな私にとって、
Rolleiguyさんのトッゲンブルクの旅行記は、一服の清涼剤になりました。
ありがとうございます。
山々のことだけでなく、その歴史や人々の生活、
カロリナ・ヘランカの女性用水着などの
雑学まで多彩な情報が詰め込まれ
素晴らしい大作ですね!
また、ツヴィングリ訳の福音書6章34節。
Rolleiguyさんが書いてくださったドイツ語の読み方。
私も声に出して読みながら、
大学の時に少しだけ学んだドイツ語を真剣に身につけておけば、
このリズムと韻をもっと味わえたのにと悔やまれました。
コロナが収束して気軽に旅を楽しめるのはまだ先かもしれませんが、
この機会にドイツ語やフランス語も学び直してみようかと思えました。
Rolleiguyさんもお体に気を付けて、お過ごしくださいませ。
またRolleiguyさんの詳しい解説つきの旅行記を楽しみにしております。
kiyo
- Rolleiguyさん からの返信 2021/03/28 22:16:20
- RE: オンライン ツアーのような
- kiyoさん、こんにちは。
コメントを有難うございます。
コロナのせいでどこにも行けなくなりましたが、いろいろ振り返る時間が出来て、
それなりの過ごし方を楽しむようにしています。
この旅行記というか旅行案内は、私の好きなこの地方を多面的にまとめてみたいと
思っていたこともあり、楽しい作業でした。カロリナ・ヘランカの名前は昔から
知っていましたが、水着の広告を目にして、高校生の時だったらきっとジーッと見つめていたかもしれないなと思いました。
今年も旅行は難しそうで、次回に行くときに歩く元気が残っているだろうかと心配しています。kiyoさんのお父上が乾徳山に登られたのは70歳を過ぎていたとのことですが、
普段の鍛え方が違っていたのでしょうね。山登りが出来るかどうかは兎も角、コロナは
とんでもない災難で、旅行好きの人たちには我慢出来ないでしょうね。
kiyoさんの旅行記はエジプトのイメージが濃いのですが、個人手配のご旅行とのことで、
歩きもあって感心しました。私は基本的に、出張以外では先進国にしか行かなかったので、個人旅行でも手配やその場での対応で問題ないのですが、kiyoさんのような旅行はもう無理かなと思っています。
人生の終盤にこんな障害が発生するとは思いもよりませんでした。
「我々が予想していることは滅多に起きず、起きそうもないと思っていることが通常起きる」というイギリスの政治家ディズレリーの言葉を噛みしめています。
コロナ消滅まで頑張りましょう。
Rolleiguy
-
- poodle714さん 2021/02/27 22:12:18
- また行きたくなります
- Rolleiguyさん、こんばんは。
お久しぶりです。
クーアフィルステンのギザギザに誘われて参りました。
日本語の資料がない中で、連山をひとつひとつ詳しく教えてくださって
うれしいです。
私も以前現地を訪問した折、あの山のうちどれでもいいからひとつ登って
みたいなと感じました。
クーアフィルステンに上がって、牧歌的なトッゲンブルクの谷と絶壁直下
のヴァーレン湖の両方を一度に眺められたら、きっとすばらしいだろうな
と思います。
旅行記の中で紹介されていたSchnüerliweg Churfirstenの動画も再生して
みました。恐怖心を煽るような音楽も流れて冷や冷やしました。
いつかベルナーオーバーラントのフィルストにあるクリフウォークが
整備されそうなコースですね。
Rolleiguyさんのお写真は、どれもくっきりと鮮やかですね。
おかげさまで、季節ごとに味わいのあるクーアフィルステンを楽しませて
いただけました。
中でも、うっすら雪化粧した「パノラマルートはこんな道。2013年6月」
のクーアフィルステンが一番好きです。
山に登らず眺めるだけなら、初夏がすばらしいみたいですね。
poodle714
- Rolleiguyさん からの返信 2021/02/28 09:07:55
- RE: また行きたくなります
- poodle714さん、こんにちは。
本当にお久しぶりです。コロナで家に籠りきりになり、どこにも行っていないのですが、昔の写真を見ると行きそびれた山に無性に行きたくなります。
今年はどうなるのでしょうかね。
クーアフィルステンは見るだけでも楽しい山ですが、あの上からはどんな景色があるのだろうかと想像すると、ひとつは登ってみたいと思いますね。
ケーサールックからの景色は素晴らしいですが、やはりロープウェイで登るので、登山という気分にはなれませんから、私は次回はセルーンに是非登りたいと思っています。
観光客の少ない、静かな山歩きがお好きなpoodle714さんご夫妻ですから、きっと気に入られると思います。
まだ山の上に雪が残っている6月は、登山には少し時期が早いのですが、遠くから眺めるには趣があっていいなと思います。パノラマルートからの写真を気に入って頂き有難うございます。普段雪景色に接しない私には雪があるだけで遠くに来たなという思いで旅行を楽しめます。足が衰えないうちにまた行きたいと焦っているこのごろです。
コロナ終息までどうぞご自愛くださいますよう。
Rolleiguy
> Rolleiguyさん、こんばんは。
> お久しぶりです。
>
> クーアフィルステンのギザギザに誘われて参りました。
> 日本語の資料がない中で、連山をひとつひとつ詳しく教えてくださって
> うれしいです。
> 私も以前現地を訪問した折、あの山のうちどれでもいいからひとつ登って
> みたいなと感じました。
> クーアフィルステンに上がって、牧歌的なトッゲンブルクの谷と絶壁直下
> のヴァーレン湖の両方を一度に眺められたら、きっとすばらしいだろうな
> と思います。
> 旅行記の中で紹介されていたSchnüerliweg Churfirstenの動画も再生して
> みました。恐怖心を煽るような音楽も流れて冷や冷やしました。
> いつかベルナーオーバーラントのフィルストにあるクリフウォークが
> 整備されそうなコースですね。
>
> Rolleiguyさんのお写真は、どれもくっきりと鮮やかですね。
> おかげさまで、季節ごとに味わいのあるクーアフィルステンを楽しませて
> いただけました。
> 中でも、うっすら雪化粧した「パノラマルートはこんな道。2013年6月」
> のクーアフィルステンが一番好きです。
> 山に登らず眺めるだけなら、初夏がすばらしいみたいですね。
>
> poodle714
-
- sanaboさん 2021/02/21 16:20:41
- 魅惑のトッゲンブルク地方☆彡
- Rolleiguyさん、こんにちは
トッゲンブルク地方の魅力の集大成ともいえる素晴らしい旅行記を大いに楽しませていただきました♪
今から15年ほど前になりますが、ブリゲンツからサンクト・ガレン、アッペンツェルを経由してリヒテンシュタインへ抜けるコースを旅したことがあり、旅行記中の南が上になった地図とPCのグーグルマップを見ながら旅行記を拝読しました。
旅行した当時、センティス山の名は知っていましたがクーアフィルステンの山々のことはつゆ知らず(ガイド本にも載っておらず旅番組でも観たことがなく)、その時のルートを思い出してみたところ残念ながらウンターヴァッサーの村を通過することもなくもっと北側のルートを東に戻ったようでした。果たしてクーアフィルステンの山々を北側から目にしたのかしなかったのか…?
当時は観光客が世界中から押し寄せるスイスの観光地が苦手で、敢えてオーストリアアルプスばかり巡っていたのです。Rolleiguyさんのこちらの旅行記と出会っていたなら、迷うことなくクーアフィルステンの山々の周辺に宿をとったことでしょう。
クーアフィルステンの7つの山々が並ぶ姿はどこかユーモラスで微笑ましくもあり、周辺の風光明媚な大自然は四季折々の魅力を存分に見せてくれそうですね。ほんとにこのような地に別荘を持つことができたなら、この世の楽園でしょうね。少なくともこの地を数十回も訪れていらっしゃるRolleiguyさんにとってはご自分のお庭のような存在かもしれませんね。
単なる観光ガイド的なご紹介にとどまらず、哲学的なご見識や地質学的な解説付きで流石博識でいらっしゃるRolleiguyさんらしいと唸ってしまいました。
いつの日か実際の風景を目にすることができたならどんなに幸せなことでしょう☆彡
そのような希望と夢を与えていただいたような気持ちになりました♪
ここのところ感染者数も減り、春もすぐそこまでやって来ていますね。
引き続きご自愛の上、どうぞお元気でお過ごし下さいませ☆
sanabo
- Rolleiguyさん からの返信 2021/02/21 21:09:44
- Re: 魅惑のトッゲンブルク地方☆彡
- sanaboさん、今日は。
家に籠っていることが多かったこの1年、写真や皆様の旅行記を過去に遡って拝見して来ました。私もひとつ作ろうかと思って始めたのですが、結構な時間がかかってしまいました。自分の勉強にもなってそれなりに楽しい時間でしたが。sanaboさんも東部スイスを旅行されたとのこと、リヒテンシュタインに行かれたのでしたら、多分ライン川に沿って移動されたのだと思います。
確かに、スイスは観光客が多くて辟易することもありますが、場所を選べば静かな自然を楽しめます。スイスとオーストリアの両方に住んだ身としては、山はやはり氷河の多いスイスの方が迫力がありますが、麓の村とのハーモ二―であれば、オーストリアにも大きな魅力があります。sanaboさんは多分自然オンリーではなく、人や歴史との関わりによりご関心がおありだと拝察しますので、他国との関わりなど歴史的な重みの点ではオーストリア派ではないですか? 私はこの頃歴史とともに、人への関与がない自然である地質学にとても興味が湧いています。地理学はそれほど面白いとは思わないのですが、地質学には過去を探る探偵的な深みがあるように思えます。
いつまでも山歩きが出来る年齢でもないので、コロナが終息したらすぐにも
また行って見たい、その時には十分準備勉強をしてと思っています。
この時期、油断せずにご自愛ください。
Rolleiguy
-
- cheriko330さん 2021/02/21 12:08:22
- トッゲンブルクへの手引書୨୧ *̩̩̥*̩̩̥
- Rolleiguyさん、こんにちは
ご無沙汰でした。トッケンブルクの詳しい旅行記、これは永久保存版で
一冊の本にして欲しいです。
Rolleiguyさんの旅行記で知ったトッケンブルク、是非に行きたいと思って
いるところです。
拝見して、ますます行きたい気持ちが募っています。奥深い緑の色彩が
印象的で一般的なイメージのスイスとは少し違いますが、そこがまた魅力です。
数々のRolleiguyさんの美しい写真の場所を、是非に自分の目で確かめたいです。
本当にどれも絵ハガキみたいです☆
別荘が欲しいの分かります。小川の流れがあると気持ちも安らぎますね。
ここで暫く滞在できたらどんなに素敵でしょう。
クーアフィルステン南面のハイキング、良いですね。シュヴェンディ湖の
景色もよくて、ここも是非に。
ワクチン接種も始まり、いずれ終わりは来るのでその時は是非に。
トッケンブルクへ向かう方が増えそうですね。
Rolleiguyさんも、うずうずされていることでしょう。
大変な作業、お疲れさまでした。
また、おじゃましますね。三寒四温で体調にもお気をつけくださいね。
cheriko330
- Rolleiguyさん からの返信 2021/02/21 16:05:51
- RE: トッゲンブルクへの手引書?? *???*???
- cheriko330さん、今日は。
永久保存版だなんて過分のお褒めに止まらず、恥ずかしくなります。
ドロミティさんへのご返事に書きましたが、一般受けする場所ではないのですが、
その場所にいると自分の故郷に帰った気持ちになります。
スイスに最後に旅行するときにどこにすると聞かれたら、住んでいたチューリッヒ以外では、エンガディンとトッゲンブルクにすると思います。
譬えは悪いですが、絶世の美女に会うか、会話が楽しい昔馴染みにするか、といった
選択に似ているかもしれません。
ここはツェルマットなどに比べると山が優しいので、かなり年をとってからでも
そこそこ歩けるだろうと思います。
もう重いカメラを担ぐのは苦痛になりかけているので、軽くて思うように操れる小さなカメラを持って歩きたいなと思います。
早くコロナが退散してくれないとそれさえも実現不確実ですが。
首都圏に住んでいると、ここから出ることさえ憚られるというご時世で、
少しやり過ぎではないかという気がします。日本は世間に反することをすると
いうらでも叩かれる社会なので、我慢しありませんね。
春になって気分だけは浮かれたいものです。
Rolleiguy
-
- ドロミティさん 2021/02/21 11:42:02
- クーアフィルステン連山♪
- Rolleiguyさん、こんにちは^^
トッゲンブルク地方の素晴らしいガイドありがとうございます。
チューリッヒからエンガディンに向かう列車の車窓から見えるヴァレン湖とこの7つの連山の風景がとても印象的でいつも列車の窓に張り付いて見ていましたが、Rolleiguyさんの旅行記で初めてそれがクーアフィルステン連山と知って以来、いつか絶対に行はきたい!と願っています。願いが叶ったその時はこちらをバイブルにさせていただきますね☆彡
トッゲンブルクの谷の四季折々の美しいお写真はどれも魅入ってしまいました。
センティス山頂から眺めたクーアフィルステンの雄大な景色は観光地化されたユングフラウやアイガー、マッターホルンとは全く違う山の魅力を感じるところですね。
コロナ禍の終息の兆しが見えないなか、いつになったら安心安全に再び海外へ出かけることが出来るのか見当もつかず、欝々として過ごすことが多い日々にこのトッケンブルグ地方の静かな風景で心が癒されました。
本当にクーアフィルステンから、またエンガディンからおいでおいでと呼ばれているようで今すぐにも飛んで行きたいです(^_-)-☆
ドロミティ
- Rolleiguyさん からの返信 2021/02/21 15:53:35
- RE: クーアフィルステン連山♪
- ドロミティさん、今日は。
早速お出で頂き有難うございます。
4トラに旅行記を載せ始めてから数年経ちますが、昨年は載せようがない状況で
結局どこにも行けず、古い写真を眺めるだけになってしまいました。
日本からの旅行者は、欧州内の旅行者に比べてやはり行くところが
かなり固定されているため、自由旅行でも楽しむ人でないとトッゲンブルクなどには
行かないでしょう。なので、こうした旅行案内みたいなのを作って、限られた4トラのメンバーにお伝えしたいなとは前々から考えていました。
しかしいざ作り始めると、私の旅行が如何に偏ったものであるかがよく分かりました。スイスは山しか材料がないのです。
出来上がったものは万人向きではないのは明らかですが、少数の人であっても、
海外旅行とはガイドブックに載っていないところに行くのが、意外性を与えてくれるものなんだなと受け止めて頂ければ目的は達成したと思います。
ドロミティさんも行く先がなくてじりじりされていることと思います。
今年も見通しは立ちませんが、気長に待つよりしかたありませんね。
その時期になったら是非また旅行記をお作りください。楽しみにしております。
Rolleiguy
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