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2020年10月2日(金)午後の3時前、信楽中心部の外輪の路散策コースを歩いている。信楽焼の五重塔がある清右衛門陶房のすぐ西の山手にあるのが信楽陶芸村。1888年(明治21年)にこの山裾で開窯して以来6代続く窯元、奥田忠左衛門窯が開いている。山の斜面を利用した登り窯や古い形式の穴窯が完全な形で残っている。窯屋と呼ばれた古い時代の作業小屋や粘土を板状に調整するタタラ小屋など、当時の窯元が持つ仕事場の佇まいを肌で感じることが出来る。<br /><br />旧道から山側に駐車場を抜けて進んでいくとたくさんの狸たちが迎えてくれる。思わず記念撮影。まずは敷地内を一回りと云うことで、坂道をそのまま真っ直ぐ上がって行くと金長大明神がある。1994年のジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のモチーフである阿波狸合戦伝説の主人公である金長狸を祀った神社。信楽焼の狸が祠を守っている。<br /><br />阿波狸合戦伝説は江戸末期に成立した物語で、明治後期に講談で取り上げられて広がり、昭和14年に映画「阿波狸合戦」が公開され人気を博した。徳島の小松島にこの映画で倒産危機を脱した新興キネマ(後の大映)の永田ラッパ社長の寄付で造られた金長神社があるそうだが、行ったことはない。<br /><br />その隣にあるのが朝ドラの「スカーレット」でもお馴染みの穴窯。この窯がある土手は信楽でもかなり古い窯場だったところで、土の下も焼かれた跡が残っており、元々は大きな窯があったと思われている。実際、鎌倉や室町時代に造られたすり鉢などの陶片が出土されている。また、今はないが、この土手の中ほどの窪んだ所には登り窯もあった。<br /><br />さらに結構な坂を登って行くと屋根の付いたデッキが数軒建っている。ウッドテーブルに椅子も置かれており、バーベキューなどを楽しめるスペースとして使われているようだが、ここから見下ろす信楽の町もなかなかいい。正面に最初の方に行った旧信楽伝統産業会館の建物が見える。向かいの小山は愛宕山公園になっている。<br /><br />狸が並ぶ階段(下の写真1)を降りて行くと土産物屋。狸の焼き物はもちろん、植木鉢、壷、花器、抹茶茶碗などの日常雑器から美術工芸品までが並ぶ。蛙の焼物も可愛い。その隣は薬小屋だったところ。焼物に色付けのために釉薬を塗っていた小屋で、登り窯では中間地点辺りに必ずあったそうだ。現在はのぼり窯カフェの受付になっている。せっかくなので、ホットコーヒーで休憩することにする。<br /><br />ハーブの中に狸が立ち並ぶ崖を越えて向かい側に進むと登り窯があるが、今は7つ並ぶそれぞれの窯がカフェとして使われている(下の写真2)。この登り窯は1934年(昭和9年)に築窯されたもので、主に火鉢を焼いていた。登り窯は一番下の部屋を火袋と云い、最初の3日ほどはここで火袋だきが行われ、マキ300束を使い1300℃まで上げると、一つ上の部屋に上る。ここも追加のマキで1300℃まで上げ、さらに上の部屋へと進むそうで、1週間掛けて、18人の人手とマキが約1000束必要だったそうだ。現在は煤煙公害で使えないとのこと。<br /><br />窯の中には3つテーブルが並ぶが天井や壁は信楽狸と同じ色に焼けている。これはマキの灰から生じるもので、この灰が焼物にも降り注いで、自然に赤みを帯びた色になる。コーヒーはたぬき煎餅1枚が付いて400円。もちろん信楽焼のカップで、それもなかなか美味しかった。<br /><br />登り窯の周りには多くの狸が並んでいるが、中には猫を片手に乗せたものや算盤を持ったものとかもあり、いろいろと面白い。獅子の焼物も立派。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4740566802679973&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />散策コースの出発点に戻るが続く

滋賀 信楽陶芸村(Shigaraki Pottery Village, Shiga, JP)

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2020/10/02 - 2020/10/02

162位(同エリア243件中)

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ちふゆ

ちふゆさん

2020年10月2日(金)午後の3時前、信楽中心部の外輪の路散策コースを歩いている。信楽焼の五重塔がある清右衛門陶房のすぐ西の山手にあるのが信楽陶芸村。1888年(明治21年)にこの山裾で開窯して以来6代続く窯元、奥田忠左衛門窯が開いている。山の斜面を利用した登り窯や古い形式の穴窯が完全な形で残っている。窯屋と呼ばれた古い時代の作業小屋や粘土を板状に調整するタタラ小屋など、当時の窯元が持つ仕事場の佇まいを肌で感じることが出来る。

旧道から山側に駐車場を抜けて進んでいくとたくさんの狸たちが迎えてくれる。思わず記念撮影。まずは敷地内を一回りと云うことで、坂道をそのまま真っ直ぐ上がって行くと金長大明神がある。1994年のジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」のモチーフである阿波狸合戦伝説の主人公である金長狸を祀った神社。信楽焼の狸が祠を守っている。

阿波狸合戦伝説は江戸末期に成立した物語で、明治後期に講談で取り上げられて広がり、昭和14年に映画「阿波狸合戦」が公開され人気を博した。徳島の小松島にこの映画で倒産危機を脱した新興キネマ(後の大映)の永田ラッパ社長の寄付で造られた金長神社があるそうだが、行ったことはない。

その隣にあるのが朝ドラの「スカーレット」でもお馴染みの穴窯。この窯がある土手は信楽でもかなり古い窯場だったところで、土の下も焼かれた跡が残っており、元々は大きな窯があったと思われている。実際、鎌倉や室町時代に造られたすり鉢などの陶片が出土されている。また、今はないが、この土手の中ほどの窪んだ所には登り窯もあった。

さらに結構な坂を登って行くと屋根の付いたデッキが数軒建っている。ウッドテーブルに椅子も置かれており、バーベキューなどを楽しめるスペースとして使われているようだが、ここから見下ろす信楽の町もなかなかいい。正面に最初の方に行った旧信楽伝統産業会館の建物が見える。向かいの小山は愛宕山公園になっている。

狸が並ぶ階段(下の写真1)を降りて行くと土産物屋。狸の焼き物はもちろん、植木鉢、壷、花器、抹茶茶碗などの日常雑器から美術工芸品までが並ぶ。蛙の焼物も可愛い。その隣は薬小屋だったところ。焼物に色付けのために釉薬を塗っていた小屋で、登り窯では中間地点辺りに必ずあったそうだ。現在はのぼり窯カフェの受付になっている。せっかくなので、ホットコーヒーで休憩することにする。

ハーブの中に狸が立ち並ぶ崖を越えて向かい側に進むと登り窯があるが、今は7つ並ぶそれぞれの窯がカフェとして使われている(下の写真2)。この登り窯は1934年(昭和9年)に築窯されたもので、主に火鉢を焼いていた。登り窯は一番下の部屋を火袋と云い、最初の3日ほどはここで火袋だきが行われ、マキ300束を使い1300℃まで上げると、一つ上の部屋に上る。ここも追加のマキで1300℃まで上げ、さらに上の部屋へと進むそうで、1週間掛けて、18人の人手とマキが約1000束必要だったそうだ。現在は煤煙公害で使えないとのこと。

窯の中には3つテーブルが並ぶが天井や壁は信楽狸と同じ色に焼けている。これはマキの灰から生じるもので、この灰が焼物にも降り注いで、自然に赤みを帯びた色になる。コーヒーはたぬき煎餅1枚が付いて400円。もちろん信楽焼のカップで、それもなかなか美味しかった。

登り窯の周りには多くの狸が並んでいるが、中には猫を片手に乗せたものや算盤を持ったものとかもあり、いろいろと面白い。獅子の焼物も立派。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4740566802679973&type=1&l=223fe1adec


散策コースの出発点に戻るが続く

  • 写真1 狸が並ぶ階段

    写真1 狸が並ぶ階段

  • 写真2 のぼり窯カフェ

    写真2 のぼり窯カフェ

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