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2020年10月2日(金)のお昼過ぎ、信楽高原鐵道信楽線の信楽駅から車を止めた観光駐車場の手前に戻って来ると右手に信楽伝統産業会館がある。見学無料で、木曜休館。元々は今年4月の予定がコロナ禍の影響で遅れて6月に新たにオープンした建物で、約300m西にあったものが移転した。外観は信楽地域で生産したタイル張り。<br /><br />正面の入口を入り、検温とコロナ対策の連絡先記入を終えて進むと、穴窯で焼き上げた91枚の陶板を敷き詰めた幅5m、高さ2.8mの陶壁「天の息吹、地の息吹」が迎えてくれる。ここ信楽は越前、瀬戸、常滑、丹波、備前と並び、中世から現在まで生産が続く代表的な窯である日本六古窯の一つ。この辺りは約400万年前には琵琶湖があったと云われ、湖底に堆積してできた古琵琶湖層から良質の陶土が取れ、奈良や京の都にも近いことから茶陶としての信楽焼が発展した。<br /><br />中に入るとまずは戸田恵梨香や松下洸平らスカーレット出演者のサイン色紙が飾られている。その奥の常設展示室は信楽焼ミュージアムとなっており、鎌倉期以降の信楽焼が展示され、特産の茶とともに発展、進歩した焼き物の歴史をたどることが出来る。地域から譲渡された昭和期の生活用品や信楽焼の製造道具も展示されているが、戦後にやきものの運搬に使われたオート三輪が懐かしい。<br /><br />廊下を挟んだ反対側の企画展示室は地元作家の作品紹介などに活用されるそうで、この時は旧信楽町時代に開かれていた信楽陶芸展の館所蔵の入賞作品が展示されていた。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4687067264696594&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br />伝統産業会館から車を止めた観光駐車場の前を西に進むと、駐車場の向かいの山立製陶所の店頭にはずらっと狸に代表される信楽焼が並ぶ。狸の焼物は江戸時代から茶道具として存在していたが、現在のような愛嬌のある姿は明治30年代に陶芸家の藤原銕造が作ったものが最初と云われる。全国的に有名になったのは確かブラタモリでもやってたが1951年に昭和天皇が行幸された時に、沿道にたくさんの信楽狸が日の丸の小旗を持って並ぶ姿に陛下が感興され、歌を詠まれたことが新聞報道されたため。「をさなき日あつめしからになつかしも 信楽焼の狸をみれば」。現在の信楽での狸の生産は全体の3%ほどだそうで、多くないんだ。<br /><br />国道307号線の交差点の少し南西に窯元の忠六苑。信楽独特の土味を生かしてろくろと手びねり等で作陶されてるそうで、登り窯や穴窯の炎が生み出す自然釉や緋色を生かした壷、花入など、土のぬくもりを感じる温かみのある素朴な作品がギャラリーに並ぶ。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4748949635175023&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br />駅前通りに戻りさらに西に進むと右手に旧信楽伝統産業会館。1975年に信楽焼が国の伝統的工芸品に指定されたのを受け、旧信楽町がその2年後に信楽焼の殿堂として整備したもの。老巧化によりこの春に上記の新会館に移転した。会館の外壁や内装の壁、面床に至るまで信楽焼の特製タイルが使われている。<br /><br />会館移転後は、2019年秋から半年間放送されたNHK朝ドラ「スカーレット」をテーマとした「テレビドラマの世界~スカーレットの舞台 甲賀市信楽~」が開催されている。2019年12月のドラマ放送中から開かれていた「スカーレット展」がコロナ感染拡大に伴い会期途中で中止となったのをリニューアルして7月から始められたもの。<br /><br />ここも検温と連絡先記入後に先に進むと、ドラマに登場した小道具や衣装の展示をはじめ、戸田恵梨香演じるヒロイン喜美子が陶芸に熱意を燃やした穴窯やかわはら工房、登場人物たちが通ったカフェ「サニー」のセットがスタジオから移築され、ドラマの世界観を体感できる。入場無料で水曜休館。いつ終わるかは不明。<br /><br />ちなみに朝ドラ「スカーレット」は朝ドラ101作目で大阪制作。主な舞台を信楽として女性陶芸家、川原喜美子の半生を描いた。残念ながら全体の平均視聴率は19.4%で9作ぶりに20%を切った。松下洸平が喜美子と結婚する十代田八郎を演じた。八郎と喜美子の息子で、白血病で早逝した武志を伊藤健太郎君が演じており、当面再放送ないよなあ。私は帰国後、まとめて放送されたハイライトを見た。なお、喜美子の幼馴染を演じた大島優子と林遣都のサイン色紙が新しい伝統産業会館にあった。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4687080728028581&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />いよいよ窯の散策になるが、続く

滋賀 新・旧信楽伝統産業会館(Traditional Crafts Center of Shigaraki, Shiga, JP)

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2020/10/02 - 2020/10/02

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ちふゆ

ちふゆさん

2020年10月2日(金)のお昼過ぎ、信楽高原鐵道信楽線の信楽駅から車を止めた観光駐車場の手前に戻って来ると右手に信楽伝統産業会館がある。見学無料で、木曜休館。元々は今年4月の予定がコロナ禍の影響で遅れて6月に新たにオープンした建物で、約300m西にあったものが移転した。外観は信楽地域で生産したタイル張り。

正面の入口を入り、検温とコロナ対策の連絡先記入を終えて進むと、穴窯で焼き上げた91枚の陶板を敷き詰めた幅5m、高さ2.8mの陶壁「天の息吹、地の息吹」が迎えてくれる。ここ信楽は越前、瀬戸、常滑、丹波、備前と並び、中世から現在まで生産が続く代表的な窯である日本六古窯の一つ。この辺りは約400万年前には琵琶湖があったと云われ、湖底に堆積してできた古琵琶湖層から良質の陶土が取れ、奈良や京の都にも近いことから茶陶としての信楽焼が発展した。

中に入るとまずは戸田恵梨香や松下洸平らスカーレット出演者のサイン色紙が飾られている。その奥の常設展示室は信楽焼ミュージアムとなっており、鎌倉期以降の信楽焼が展示され、特産の茶とともに発展、進歩した焼き物の歴史をたどることが出来る。地域から譲渡された昭和期の生活用品や信楽焼の製造道具も展示されているが、戦後にやきものの運搬に使われたオート三輪が懐かしい。

廊下を挟んだ反対側の企画展示室は地元作家の作品紹介などに活用されるそうで、この時は旧信楽町時代に開かれていた信楽陶芸展の館所蔵の入賞作品が展示されていた。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4687067264696594&type=1&l=223fe1adec

伝統産業会館から車を止めた観光駐車場の前を西に進むと、駐車場の向かいの山立製陶所の店頭にはずらっと狸に代表される信楽焼が並ぶ。狸の焼物は江戸時代から茶道具として存在していたが、現在のような愛嬌のある姿は明治30年代に陶芸家の藤原銕造が作ったものが最初と云われる。全国的に有名になったのは確かブラタモリでもやってたが1951年に昭和天皇が行幸された時に、沿道にたくさんの信楽狸が日の丸の小旗を持って並ぶ姿に陛下が感興され、歌を詠まれたことが新聞報道されたため。「をさなき日あつめしからになつかしも 信楽焼の狸をみれば」。現在の信楽での狸の生産は全体の3%ほどだそうで、多くないんだ。

国道307号線の交差点の少し南西に窯元の忠六苑。信楽独特の土味を生かしてろくろと手びねり等で作陶されてるそうで、登り窯や穴窯の炎が生み出す自然釉や緋色を生かした壷、花入など、土のぬくもりを感じる温かみのある素朴な作品がギャラリーに並ぶ。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4748949635175023&type=1&l=223fe1adec

駅前通りに戻りさらに西に進むと右手に旧信楽伝統産業会館。1975年に信楽焼が国の伝統的工芸品に指定されたのを受け、旧信楽町がその2年後に信楽焼の殿堂として整備したもの。老巧化によりこの春に上記の新会館に移転した。会館の外壁や内装の壁、面床に至るまで信楽焼の特製タイルが使われている。

会館移転後は、2019年秋から半年間放送されたNHK朝ドラ「スカーレット」をテーマとした「テレビドラマの世界~スカーレットの舞台 甲賀市信楽~」が開催されている。2019年12月のドラマ放送中から開かれていた「スカーレット展」がコロナ感染拡大に伴い会期途中で中止となったのをリニューアルして7月から始められたもの。

ここも検温と連絡先記入後に先に進むと、ドラマに登場した小道具や衣装の展示をはじめ、戸田恵梨香演じるヒロイン喜美子が陶芸に熱意を燃やした穴窯やかわはら工房、登場人物たちが通ったカフェ「サニー」のセットがスタジオから移築され、ドラマの世界観を体感できる。入場無料で水曜休館。いつ終わるかは不明。

ちなみに朝ドラ「スカーレット」は朝ドラ101作目で大阪制作。主な舞台を信楽として女性陶芸家、川原喜美子の半生を描いた。残念ながら全体の平均視聴率は19.4%で9作ぶりに20%を切った。松下洸平が喜美子と結婚する十代田八郎を演じた。八郎と喜美子の息子で、白血病で早逝した武志を伊藤健太郎君が演じており、当面再放送ないよなあ。私は帰国後、まとめて放送されたハイライトを見た。なお、喜美子の幼馴染を演じた大島優子と林遣都のサイン色紙が新しい伝統産業会館にあった。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.4687080728028581&type=1&l=223fe1adec


いよいよ窯の散策になるが、続く

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