2020/10/08 - 2020/10/08
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たびたびさん
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今日は、富士五湖三日間の旅の最終日。ここまでの天気もイマイチだったんですが、今日はけっこうな雨の予報。三日間の中でも最悪なので、天気には比較的関係がない河口湖の文化施設を今日に残しておいたんですよね。
コロナ禍だし、木曜日というのもあったのかな。河口湖美術館、ミューズ館のように休館で外観の確認をしただけの施設もありましたが、河口湖音楽と森の美術館や河口湖木ノ花美術館は想像以上に本格的な施設だし、山梨宝石博物館、北原ミュージアムも悪くない。河口湖の文化施設は富士五湖の中では集積度が群を抜いていて、これなら一日十分に楽しめますね。
ただ、やっぱり貴重な一日だし、それだけでももったいない。少し迷いましたが、どうしても気になった天下茶屋へも足を延ばしたり、山中湖周辺で見残していた施設も最後に拾って、どうにか富士五湖の旅を締めくくりました。
必ずしも、富士五湖に関係する施設ばかりではないのですが、普段と気分が変わる環境で味わうとまた違った気づきがあったりするもの。太宰治に三島由紀夫、徳富蘇峰。富士山のふもとで日本を代表する文化人に思いを馳せるのも意味がなくはなかったかなと思います。
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朝からけっこうな本降りでしたが、まあ、それは天気予報通り。
そんなことで気持ちを腐らせず、河口湖のホテルを早朝に出発です。
まず寄ってみたのは、近くの道の駅 かつやま。幹線沿いでもないし、賑やかな湖の東側でもない。ちょっと不便な場所かなとも思える場所にある道の駅ですね。ただ、こじんまりとしているんですが、外観はちょっとおしゃれな感じもあって、目の前が小海公園という芝生の公園だし、公園の管理棟みたいな感じにも見えるかもしれません。 -
道の駅の向かいの小海公園は、河口湖畔。1.7haの広々した芝生広場ですが、
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ここは「河口湖南岸水田発祥の地」。歴史的にどれくらい価値があるのかはよくわかりませんが、その碑がありました。
まあ、ここはそれくらいです。 -
そのまま湖畔の道を進んで
冨士御室浅間神社は、文武天皇の699年の創建という本宮が富士山最古の社。武田信玄の祈願所でもあったそうです。そして、河口湖の南に位置するこちらはその里宮。ここも世界遺産登録の浅間神社です。
山門の正面奥の -
石燈籠の先に建つ黒くてずんぐりした感じのする本殿は、昭和48年に富士二合目から移築されたもの。慶長17年(1612年)の建立です。
参道もそこそこあって、全体として一種独特の威厳を感じます。 -
その境内には勝山村歴史民俗資料館も。本殿の斜め前に建つどうかすると土蔵のような建物です。御室浅間神社が武田信玄の祈願所だったこともあって、レプリカですが信玄の安産祈願状を置いていたり、あとは昔の生活用具など。普段は閉まっていて、拝観は事前の申し込みが必要なようです。
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湖畔の道をさらに少し進んで、勝山シッコゴ公園。河口湖の南側中央部です。正面に鵜の島を望む場所。広い芝生の広場のようなところと思っていましたが、雨の日だったこともあって辺りはびちょびちょ。大きな水たまりもできているし、芝生もそんなにきれいじゃない。正面に鵜の島を見れたことだけがせめてもの救いになりました。
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で、これが鵜の島。河口湖に浮かぶ無人島で、島には弁才天が祀られていて、通称は「島の弁天」。その他、縄文時代早期から弥生時代の土器や石器類が出土する鵜の島遺跡もあるようですが、眺めとしてはそんなに印象的な感じはありません。
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さらに進んで、これも河口湖南岸にある八木崎公園。
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ハーブや花々が栽培されているということでしたが、季節が悪いのかただ芝生の公園という感じでした。しかし、河口湖に向かっての視界は広いし、芝生はよく整備されていて、明るい印象。悪くないです。本当だったら、ここからも富士山がいい眺めなんでしょうけどね。
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八木崎公園から河口湖のすぐ沖に見えるのは、六角堂。溶岩の浮島の上に建っているのですが、浮島は「川窪寺屋敷」と呼ばれる史跡。かつては日蓮宗の人たちがお堂を建てていて、それを懐かしんで新たに建立されたものだそう。お堂は端正な建物で、そこそこさまにはなっています。
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一気に進んで河口湖大橋の東側まで。
河口湖の南側、最後は大池公園です。
周囲には、河口湖北原ミュージアムや河口湖ハーブ館などの観光施設があるからでしょうか。ここの駐車場はやたらと広いです。 -
湖畔の遊歩道を歩きながら、公園の雰囲気を楽しむということなのでしょうが、
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駐車場の方があまりに広いのでむしろその方が印象が強くなるような気がします。
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ここで、ちょこっと河口湖七福神巡りも。
あの毒舌の漫談が人気の綾小路きみまろさんが富士河口湖町に寄贈したもの。ちゃんと屋根付きのお堂に入った黄金の七福神像が各所にあって、それなりに楽しめます。河口湖は富士山の景色が一番のウリかもしれませんけど、この日は雨。そんな時でもほっこりさせてくれました。 -
北原ミュージアムは、少し小高い場所に建っています。
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テレビの「なんでも鑑定団」のイメージが強いので、趣味の世界とはいえお金が絡んでいる感じがしてあんまり気は進まなかったんですが、早い時間に開いていることもあって入ってみました。
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入口にはビリケンに
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鉄人28号。
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入ってすぐの展示室には昭和の歌謡曲のシングルレコードですか。
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懐かしいアイドル歌手の昔が蘇ると知らず知らずテンションが高くなる。歌は時代を彩っているものですからね。ただ、そういうことは時代が過ぎてから分かるものなのかもしれません。
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ブリキのおもちゃも定番かな。
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でも、それぞれ価値がどうだとか
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イチオシ
そんなことは抜きにして楽しみましょう。
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二階にも展示室があって、
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昭和初期の宝塚ポスターや映画のポスターもいいですね。
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昭和ってやっぱりいいなあ。素直にそう思って楽しめました。
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これも近くにある山梨宝石博物館です。こちらは、名前の通り、山梨の特産品の宝石を展示する博物館。
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展示室はひと部屋ですが、宝石の種類ごとに、その宝石を使った宝飾品が展示されていて、けっこうな見ごたえ。
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分かっているようで分かっていない宝石の種類を一つ一つ確認しながら見ていくと予想以上に楽しい。写真撮影可というのもありがたいです。
ちなみに、甲府市にも宝石に関係する施設がありますが、こっちの方が落ち着いて見れるような気もしました。
これはアメジスト。 -
イチオシ
青紫色が美しい。
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トパーズは、
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こんな赤味を帯びているんですね。
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これは、アクアマリン。
なるほど、海の青を連想させる色合いかな。 -
これは、メノウとか石を使った屏風。
ちょっと中国っぽいですけどね。
まあ、以上です。 -
河口湖ハーブ館も、山梨宝石博物館の並び。大池公園の真向いにある施設なので、ここも大池公園の駐車場に車を停めたまま訪問です。
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ハーブの香りを活かした食品や香水なんかを品揃えしていて、ちょっと個性があると言えばあるような。しかし、やっぱり、そこまでの訴求力は感じられなくて微妙かな。人気というハーブのキャンディをお土産にしました。まあまあです。
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河口湖の南岸を終わって、ここからは北岸に移動します。
大石公園は、本来ならここから河口湖越しに富士山を正面に見れるのでしょうが、あいにくの悪天候でそれは見れず。寂しい眺めとなってしまいました。 -
花壇には暗い緑の団子状のかたまりがぼこぼこと。後で調べるとコキアみたいですね。コキアもこれでは見ごたえなし。どうにもならない状況でした。残念。
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早々に
大石公園の脇に建つショッピング施設、河口湖自然生活館へ。 -
食料品とかお菓子が中心かと思ったのですが、帽子やネクタイとかがけっこう前面に出ていました。そばにある大石紬伝統工芸館の関係かもしれませんけどね。ほかにもがまぐちや買い物袋など、割と充実しています。
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少し戻って、今度は大石紬伝統工芸館へ。大石公園と通りを挟んだ山側です。広い駐車場にちゃんとした建物が建っていて、
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江戸時代からの歴史があるという大石地区の絹織物である大石紬を紹介する施設です。
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ただ、スペースのほとんどは、その製品の展示。
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帽子類や
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スカーフとか
藍で染めた爽やかな色彩が印象に残りました。伝統だけではなくて、現代に通じるセンスが磨かれているように感じます。いいですね~ -
で、ここからいよいよ河口湖音楽と森の美術館へ。河口湖の周辺施設の中では一番メジャーな施設のはずなんですよね。
門を入って、敷地の中へ。 -
これが入口ですね。
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いきなり見えてきたのは、オルガンホール。
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イチオシ
なんともメルヘンチックな建物ですねえ。しっかり大きさがあるのも素晴らしいです。
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橋を渡って入口へ。
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メインホールには巨大な仕掛けオルガン。
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イチオシ
ヨーロッパの中世の宮廷文化を思わせる意匠が壁いっぱいに展開しています。
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さて、時間が来て。
演奏が始まりますよ~
オルガンの曲に合わせて、踊り出す人形たち。派手な動きではないですが、細かく体を動かして、曲の世界を演出します。あっという間のことでしたが、豊かな音色に心が満たされたような気持ちです。 -
周囲の装飾も確認。
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田園風景を描いたり。こちらもしっかり作りこんでありますね。
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続いてはお隣りの
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イチオシ
コンサートホールへ。
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こちらで行われるオルゴールの演奏までは少し時間があるので、ホール内を少し探索。
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この人形もやっぱりオルゴールの付属品かな。
まあ、出来からするとその範疇を越えていますけどね。 -
二階の方にも上がりましょう。
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中世の宮廷文化を伝えるミニチュアですけど
日本なら、さしづめ雛飾りといったところかもしれません。 -
奥の方には大きなオルゴールが並んでいますね。
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それぞれ貴重なオルゴールだと思います。
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そのうちの一つを聞かせてもらいましたが、例によって、豊かな音量にはいつもながら驚かされる。オルゴールって金属板を震わせる音なんですけど、どうしてこんな音が出せるんでしょうね~ まるでオーケストラでも聞いているような気分です。
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さて、そろそろ地下のメインホールの方へ。舞台を見下ろすすり鉢状の構造。ここも雰囲気ありますねえ。
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イチオシ
舞台には、先ほどのオルゴールよりまた一段と大きなオルゴールが何台も。
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それぞれ簡単な説明があって、
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少しづつ演奏もしてくれましたが、
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今回のメインは、このタイタニックに積み込まれるはずだったオルゴール。
直前でオルゴールではなくて、楽団が乗り込むことに変更されたことで、海の藻屑となる運命を逃れたんだそうです。
確かに、豊かな音色はさすがです。ただ、楽団の生演奏を想像するとやっぱり限界があるのかな。オルゴールは物珍しさも半分あるので、それがはげ落ちてしまうと人間的な味付けのない音色は飽きてしまいますよね。オルゴールが細々としか役割を果たせていないのは仕方ないことなのかもしれません。 -
園内をさらに巡りまして、
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これは、どんぐりの家。
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小さなショップですね。
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トトロとか魔女の宅急便。ジブリの関係のグッズがかわいらしいです。
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その向かいのミュージアムショップは、大きな規模。
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メインの売り場は吹き抜けの悠々とした空間です。
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お土産用のオルゴールも含めて、
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かわいいものグッズがあれこれと揃っていて、見ているだけで楽しいです。
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イチオシ
上階では、ヴァイオリンの名器でもある「ストラディヴァリウス」の展示もありました。
以上、一通り回ってみましたが、ここは美術館というより、展示館やショップなど敷地内の建物にどこかの街角を思わせる散策路が素晴らしくて「パスポートのいらない小さなヨーロッパ」といったテーマパークの雰囲気ですね。
私はこれで退散しますが、本来であればもっと時間を取って、食事なんかも楽しみながら優雅な時間を過ごす場所なのかなと思います。 -
続いては、同じ並びの河口湖木ノ花美術館へ。
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展示のテーマは、作家池田あきこの描く猫のダヤンとわちふぃーるどの仲間たちが繰り広げる不思議な世界。
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ちょっとした展示かと思ったのですが、順路は長くて、作品もかなりの数。どこまでもどこまでも続くような感覚になりました。そのボリューム感にちょっと圧倒された感じです。
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なお、写真は不可ですが、最後の花火の絵だけはOKです。
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河口湖円形ホールは、木ノ花美術館から裏手の湖畔の方に少し向かったところ。収容人数100名ほどの小さなホールですが、シックでモダンな外観が面白くて、その眺めは周囲の緑の公園によくマッチしています。ちなみに、コンサートは、ピアノなどのアコースティックな演奏が中心のようです。
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そのまま湖畔に出ると河口湖北岸ウォーキングトレイル。河口湖美術館から長崎公園までの約1.2kmのウォーキングコースなんですが、河口湖沿いに遊歩道が整備されていて、湖越しに富士山が眺められるのがウリとなっています。ただ、この日は天気が悪くて富士山は拝めずです。
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その途中にあるのは、古賀政男記念公園 音楽碑。古賀政男氏の代表曲「影を慕ひて」の歌詞と楽譜が刻まれている歌碑。古賀の自筆による「音楽和也」も刻まれています。古賀政男は戦時中、一時的に河口湖に疎開をしていたようですね。センサーが反応して古賀メロディーが流れてくると、たちまち古賀の世界が出現。音楽の力はすごいなあと改めて思いました。
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こちらにも七福神がありました。
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近くにあった富士菓匠 金多留満にも寄ってみます。名前も面白いですよね。「かねたまる餅」というのが看板商品のようですが、
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ばら売りはないので、いただいたのは天皇陛下献上菓という「はまなし」。はまなしの実を洋酒に付け込んでゼリー状に固めたもの。透き通ったピンクの景色がとっても美しいお菓子です。
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このエリアの最後は富士河口湖もみじ回廊です。美術館がいくつか集まるこの文化ゾーンの端っこに標識で示された入り口がありました。なんでもない普通の川の堤防沿いに紅葉の並木が続いています。どれくらい長さがあるかは分かりませんでしたが、そんな特別なものではないような気はします。
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河口湖の北岸の予定は終了。お昼にしましょう。
向かったのは峠の茶屋。有名なあの天下茶屋がやっているほうとうのお店なんですが、峠の途中の車が激しく行き交う場所なので、看板が見えたら判断よくすぐ入らないと入れませんね。 -
一方で、店内は落ち着いた広さがあるのでこれならほっと寛げます。
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イチオシ
いただいたほうとうは青い三つ葉がちょっと鮮やか。味的には味噌の味が特徴かな。味噌のはっきりした味わいがあって、メリハリが効いているような気がします。
体がしっかり暖まりましたよ~
元気が出たところで、やっぱり天下茶屋にも行ってみますか。せっかくの機会ですからね。 -
天下茶屋へは御坂峠を上っていきます。河口湖から笛吹市御坂町の方に越える峠で、御坂の名は日本武尊が東国遠征の際に越えたことに由来するのだそうです。天下茶屋を訪ねるくらいしか通行はないんじゃないかと思うくらい。旧道に入ってから見通しの悪いくねくね道がけっこう続いて、ちょっと心細さも感じます。
さて、天下茶屋に到着しましたよ~
想像していた小さな茶屋ではなくて、なんとも堂々とした建物です。 -
ところで、天下茶屋とは、おつな名前ですが、これは徳富蘇峰がその名で新聞に紹介したことで、定着した名前なのだとか。そして、昭和13年、富士の眺めとここのほうとうをいたく気に入った太宰治が逗留し、小説「富嶽百景」を執筆したという名物のお店です。
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有名人の色紙がたくさん飾られた小上がりに上がって、
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イチオシ
味噌おでんと
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いもだんごをいただきました。
味噌おでんのみそだれは山椒味噌。うまみもあって、さすが。いもだんごの方は、つまりジャガバタですね。じゃがいもとバターが溶け合って、これも抜群。とってもおいしくて印象に残ります。
いや、これは訪ねた甲斐があったというものですね。 -
最後は二階の太宰治記念室を拝見。
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いやいや、ちゃんとした展示室じゃないですか。
ちなみに、太宰が逗留した昭和13年は、太宰治29歳。妻美知子と婚約した年で、走れメロスの出版はその二年後。愛人の山崎富栄と入水心中するのは38歳のことです。
典型的な自己破滅型の私小説作家とされる太宰ですが、自分を追いつめることで自分の文学を高めるという道を選んだという理解でしょうか。当たり前の幸せでは自分の求めるところには到達できないという思考。今の時代だと考えられないことなのですが、それも時代性ということなのでしょうか。言ってみれば、文学とは何か。そんな命題が重くのしかかっていた時代なんじゃないかと思います。 -
太宰が使ったという机や
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酒器なども展示されていました。ところで、太宰は青森県五所川原市出身。実家の津島家は県下有数の大地主でちょっと途方もない大きさの豪邸なんですが、ここのなにかざっくばらんな雰囲気も気に入ったのかもしれないなと感じました。
なお、天下茶屋の前からは、太宰治が愛した富士山の雄姿が拝めるはずでしたが、あいにく曇っていてそれは拝めずでした。 -
天下茶屋から戻って、今度は河口浅間神社へ。
こちらは、御坂山地を背負い、河口湖越しに富士山と対峙して鎮座する神社。 -
富士五湖周辺だと北口本宮冨士浅間神社、冨士御室浅間神社とともに「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一部として世界文化遺産に登録されています。
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入口の駐車場から参道を進むと赤い大きな鳥居をくぐって、その先は距離はさほどでもないですが杉の大木の並木道。
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迫力があって、ちょっと違うなという雰囲気になりますね。
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始まりは、貞観6年(864年)。富士山の噴火鎮祭のために浅間神を祀ったことからです。
うーん、ここでまだ少し時間があるので、見残していた山中湖の方も行ってみますか。 -
山中湖の方に向かう途中。
それならと富士山世界遺産センターにも寄ってみます。この辺りは、かなり無理を重ねている感じですが、このギリギリ感はまあいつものことかな。 -
こちらは、信仰の対象・芸術の源泉といった富士山の普遍的な価値について紹介、解説する施設。
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噴火を繰り返してきた富士山に自然の力を感じれる展示や
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富士山信仰を肩の凝らない人形たちで伝えるコーナーとか。意外に楽しい内容は、いい感じ。こういうの好きですね。
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きちんとしたパネル展示に
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イチオシ
この富士山のジオラマも、富士山の美しさをちゃんと映しているようでなかなか印象的でしょう。改めて、富士山をテーマにして、どう整理するのかなと思っていましたが、このバランスというか程よさはとても素晴らしいと思います。
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山中湖に戻って。
気になっていたというのは、まず三島由紀夫文学館。河口湖の北岸、文学の森の一番奥。三島由紀夫唯一の文学館として、平成11年にオープンした施設です。 -
三島の作品と生涯を幅広く紹介するものですが、改めてやはりこの人を理解するのは難しいかな。若い頃の活動はなんのテーマであっても書ける、あるいは書いてしまうという才能があって、とにかく早熟だったんだなあという印象。最後は例の割腹自殺となってしまうのですが、自分の才能をどうしていいか分からず、結果として生き急いでしまった人。そんなイメージはここを拝見しても払拭できませんでした。川端康成がノーベル文学賞を取って、その次は三島と言われていたのにもったいない。才能があふれていたことは間違いないのですが、人物を含めると矛盾するようなところが多すぎてなかなか評価ができるものではない。
ただ、それでも敢えて私なりにコメントすると。。その思想はちょっと原理主義の匂いがしなくもない。文学作品においては、テーマを極限まで掘り下げて、純化していくことが必要なのですが、政治信条みたいな世界だとそれは他者を廃する過激な傾向になりやすい。つまり、変な言い方ですが民主主義への信頼がないんですよね。文学の世界でやっているならそれはそれでいいのでしょうが、現実の世界はいろんな人がいて成り立っている。金閣寺を焼かねばならないと考えるに至った学僧、溝口の見た金閣寺も、例えば私が見る金閣寺もそれぞれ。どちらがどうというものではないでしょう。
ただ、生身の人間として考えると、三島のように軍国主義一辺倒の時代に育った人間にとっての終戦がいかばかりのものだったかについては、やっぱり想像を超えるところがある。韓国との歴史問題は別にして、太平洋戦争が日本としていかなるものだったのか。侵略戦争であることは間違いないのですが、それだけでもなくて。日本の歴史としてはまだちゃんと整理されていないような。三島には、円熟した年齢になってから、改めてそこの辺りをもう少し解きほぐしてくれていたらなという残念さが残ります。 -
三島由紀夫文学館と並んで建つのは徳富蘇峰館。ジャーナリストであり歴史家。明治、大正、昭和の三代にわたり、幅広く活躍した徳富蘇峰の蔵書、原稿、揮毫、書簡などを展示する資料館です。
私は、個人的には氏の「近世日本国民史」に興味があって。つまり、日本の明治維新は安土桃山時代の近世まで遡らないとその意味は分からないという問題意識から書き始めたものなのですが、死ぬまで書き続けたといわれるほどの大作。これについてどのような紹介がされているのかを期待していたのですが、さらっとしたもの。期待が少し裏切られて気がしましたが、そこはまあ仕方ないかな。氏の重厚な生涯の歩みは感じられたと思います。
ただ、これも少し、コメントすると。氏の問題意識は、やっぱり日本とは何かに対するモヤモヤ。例えば、頼山陽の日本外史であれば、尊王をテーマに説けばよかったんですが、明治維新とそれまでの日本の歩みをどう関係づけるかは簡単ではない。文明開化とか富国強兵とか和魂洋才とか。西洋に追いつけ追い越せという目標ははっきりしているのですが、そこには日本の伝統もあるし、日本的な限界もある。と言えばその通りなんですが、結局のところ、日本とは何かがやっぱりわかっているようで分かっていない。そこに対する焦りのようなものがあったのではないかと思います。で、それは、今の日本にも言えること。中国とか韓国とかと対峙する中で、日本の優位性を語る風潮が強まっている昨今ですが、しかし、そういう人たちがどれだけ日本の歴史や文化を理解しているのか。私は大いに疑問を持っています。
以前、大仏次郎の文学館に行った時も「天皇の世紀」は紹介されていましたが、その内容にはほとんど触れられていない。その時の寂しい気持ちをふと思い出しました。 -
で、最後は忍野。
四季の杜 おしの公園にある、富士の写真家として知られる岡田紅陽の岡田紅陽写真美術館と絵手紙の創始者である小池邦夫の美術館の二つの美術館へ。
岡田紅陽写真美術館は、富士の写真家 岡田紅陽の軌跡を紹介する美術館。白黒の写真はかつての富士山の周辺で暮らす人々の生活の息吹まで伝えていて、なんか映画でも見ているような感覚でした。 -
併設されている小池邦夫絵手紙美術館は、NHKテレビ「趣味悠々」で絵手紙の講師を担当するなど、絵手紙の第一人者である小池邦夫の作品を展示する美術館。
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画家の絵と違って、正直言えば、素人っぽいところやちょっと拙く見えるところもなくはないのですが、その分、気楽に見れるかな。さらさらっと見ればいいと思います。
まあ、この二つの美術館は軽く終わりました。 -
今日は、ここから甲府に抜けなくてはいけないので、もう晩飯を食べる時間はありません。
なので、テイクアウトをして、列車の中で食べることにしました。訪ねたのは、お惣菜の店 ふるやは、河口湖町の老舗惣菜店。ロードサイドにあって小さな駐車場もあります。 -
コロッケにとんかつ、アジフライをいただきました。新聞紙にくるんでくれましたが、油が染みますからねという通り、新聞紙は油でぬれてきます。しかし、揚げ物はどれもさっぱりとしたおいしさ。そこまでの特別感はないですが、落ち着いたおいしさがあってやっぱりさすがです。
コンビニで食パンを買って、それとこの揚げ物。寂しいけど、まあこれもありでしょう。 -
河口湖から、大月経由で甲府に到着。
今夜の宿は、駅近くのたちばな。ホテルの入ったビルの入口が目立っていないので、ちょっと迷いましたが、部屋は比較的落ち着いていて、これならOK。
明日は、勝沼ぶどう郷でぶどう三昧の予定。あとはゆっくり休みます。
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