2020夏 九州をうろうろする Part3 どこまでも敵に邪魔される編

2020/07/23 - 2020/07/25

もともと、SL人吉に乗るために計画した九州への旅でしたが、豪雨で橋りょうが流失して肥薩線が不通となり、SL人吉は長期運休になってしまいました。思えば、ここがトラブルの始まりでした。
気を取り直して計画を変更し、Part1では国鉄県山口を楽しんだ後に九州上陸、Part2では九州でがんばっている103系に遭遇してから唐津でおいしいものを満喫することができました。
2日目からはJR九州のおとくなきっぷを利用して、九州の海沿いの絶景を楽しむはずだったのですが、再び敵が行く手を阻みます。

エリア 鹿児島

前日は唐津でおいしい晩ごはんを満喫しました。
そこまでは順調だったのですが…

7月24日朝
ホテルオークラ福岡に2連泊。今日の夜もここに泊まります。
しかし、九州は大雨…。
それもただごとではない雨量のようです。
あくまでも敵が立ちはだかる。SL人吉に乗れないだけでは許してもらえません。ところで敵って誰？←天気です。絶対勝てへん。

※6月30日に来たJR九州のメールマガジンより
今回は、3日間のうち後半2日は「みんなの九州きっぷ」全九州版を使います。
北部九州版（5,000円）と全九州版（10,000円）があり、新幹線、特急含めて自由席は2日間乗り放題、普通車指定席は6回までとれます。

とりあえず、朝ごはんを食べて考えましょう。
今日の予定は8:39のさくら407号から始めて、肥薩おれんじ鉄道で海沿いの絶景を眺めた後、新幹線で鹿児島中央に出て指宿枕崎線に乗り、復路は特急と呼ぶことがはばかられる特急「指宿のたまて箱」の指定を取ってありました。

この大雨で絶景は望めないので、肥薩おれんじ鉄道は諦めましょう。出発も遅らせることにしました。
フリータイプの切符は、自由席でよければ旅程をどうにでも変更できるのがありがたいです。

博多駅にやってきました。
新幹線に運休や遅れは出ていません。

9:41 博多発 つばめ317号 熊本行き 800系
結局は1本後のさくらに乗ることになるのですが、まず、熊本まで800系つばめで行きます。九州新幹線は初めてです。
800系は前から乗りたかった車両で、やっぱりかわいいな。

自由席に乗ります。

800系の自由席は落ち着いた内装、2＋2シートでゆったり。そしてありえないほどガラガラ。
椅子の座り心地はイマイチ。
車内チャイムが九州のものでした。

新鳥栖
九州新幹線には「新○○」という駅が5駅。

久留米の手前で筑後川を渡ります。
水位が高い。

筑後船小屋
よそ者の私には、ここがどこなのか地図を見ないとわかりませんが、整備新幹線はこのような駅名は多いですね。でもここは鹿児島本線に乗り換えられます。

テーブルは肘掛けから出すタイプ。

新大牟田
大牟田市内までバスで30分…。在来線は来ません。

熊本に着きました。

後続のさくらに乗り換えです。
さすがに、熊本は人が多い。

10:34 熊本発 さくら545号 鹿児島中央行き

自由席に乗ります。
これで鹿児島中央まで。

密とか全然関係なかった車内
この2号車に乗っていたのは6人でした。
さくらって指定席と自由席の格差ありすぎ。

10:40 車内に響き渡るスマホのアラート音
通過中の宇土市で避難勧告。

八代市
この悪天候では、指宿枕崎線に乗っても仕方がない気がしてきました。ここまで来る途中で避難勧告が出ているところもあるくらいなので、鹿児島から博多に帰る新幹線が運転見合わせになったら困ります。
さあ、どうしましょう。

選択肢
1. 予定通り指宿枕崎線に乗って指宿まで行き、帰りは特急「指宿のたまて箱」に乗って、キハ47を無理やり（料金だけ）特急にしてしまう魔改造ぶりを観察する。
2. 指宿枕崎線に30分程度乗って、運がよければ九州色の国鉄型キハをちょこっと堪能して戻ってくる。
3. 鹿児島市電に少し乗る。

で、2.にすることにしました。

せんだい
川内です。
市の名称は以前は川内市でしたが、平成の大合併で薩摩川内市となりました。
博多駅のみどりの窓口で「せんだいまで1枚」って言ったら、ここのことだと思われる。でも京都駅だったら仙台のことでしょうね。その境界線はどこなんだろうとか、アホなことを考えた。

鹿児島中央に着きました。
九州新幹線完乗です。パチパチ。

さすがに新幹線らしい駅です。
でも、人は少ない。

行き止まり
新幹線はここでおしまい。
日本の新幹線の南端にしては素っ気ないですね。
なんかこう、最果て感がほしいな。←またそんな無理を言う

鹿児島中央 2番のりば
在来線ホームに移動し、12:02発 指宿枕崎線の枕崎行きで、鹿児島中央から20分あまりの坂之上駅まで往復するつもりでした。
この後、発車時刻になっても2番のりばに列車は来ず、案内放送もなく、いきなり発車標から消えました。
えええ？　そんなことあるの？
あわてて改札に行って駅員さんに聞いてみると、大雨のため運転見合わせを検討中で、まだ決められないとのこと。

あかん、もし動いたとしても博多どころか鹿児島中央まで戻れなくなるかもしれず、そんな恐ろしいもんに乗れません。大雨警報が出ている鹿児島でウロウロするのはやめて、とっとと博多に帰ろ。←安全を踏みたい性格

昼食くらいは鹿児島でとりましょう。
鹿児島中央の駅ビル、アミュプラザ鹿児島の中のラーメン店「こむらさき」にてチャーシュー入りの小。
あっさりめの豚骨スープと柔らかめの中細ストレート麺でキャベツがのっていました。
こちらは隣客との間隔がきちんと保たれていたし、小サイズがあったのもありがたかったです。

13:34 鹿児島中央発 さくら558号 新大阪行き
乗ったのは6号車。6号車は半室グリーン車で残りが普通車です。「みんなの九州きっぷ」で1つだけ残しておいた指定の枠を使いました。

鹿児島中央から乗ったのは3人、あと熊本から6人乗ってきました。その時点で乗車率3割以下ですが、往路のつばめに比べれば多い。
鹿児島銘菓「かすたどん」をおやつにします。かすたどんは仙台の「萩の月」に似ていますが、味は違います。萩の月の方がカスタードがしっかり。

楽しみにしていたことを敵にことごとくつぶされ、さすがに飲まんとやってられへん。←敵には勝てないのでビールと仲良くする

無事、博多に帰ってこれました。よかった。
でも、この日は鹿児島中央往復だけ…。

結果的には、この日新幹線が止まることはありませんでしたが、指宿枕崎線は一部運転見合わせとなり、指定を取っていた「指宿のたまて箱」は運休になりました。
また、明日は長崎方面に行く予定ですが、長崎本線の特急はこの日は運休しています。明日、行けるかなぁ。

中洲川端にあるホテルまで戻った時には陽がさしていました。え～？
もっともこのタイミングで鹿児島では大雨だったようです。

ホテルの自室で大雨関連のニュースを見ながらひと通りため息をついたら、ごはんに出かけましょう。
夕食は博多駅ビルのレストランフロア「くうてん」の椒房庵にて。椒房庵は明太子のブランドで、全国のデパートに出店している「茅乃舎だし」の久原本家のブランドの1つです。
食べたのは明太子、卵焼き、唐揚げの明太マヨネーズ添え、生ビール中です。左はお通しの南瓜の煮つけ。明太子は当然のこと、南瓜のおだしがジュワっとして、さすがにおいしかったです。

めんたい料理 博多椒房庵 グルメ・レストラン

卵焼きもしっかりしていて、おいしかったです。
もともとは博多円盤餃子のお店に行きたかったのですが、雨が降るのか降らないのかはっきりしない状況だったので、ホテルから傘を持たずに行けるところにしました。←敵とは戦わない
こちらは待たずに入れ、コロナに細かい配慮がされていました。4人用の広いテーブル席に座らせていただき、正解でした。

この日はお天気が悪く、また新幹線では防音壁とトンネルの連続でろくに写真が撮れませんでした。SL人吉の運休から始まり、ことごとく敵に行く手を阻まれ続けましたが、800系に乗れて九州新幹線を完乗できたのと、無事博多に戻ってこれたのでよしとしましょう。
敵とは戦わずにうまくかわすのが必要であることを学びました。←処世術？
ここまででPart3終了としてしまうとあまりにも中身がなさすぎなので、もう少し先に進みます。

7月25日 7:40
ホテルのお部屋より。
微妙な天気ですが、今日は長崎方面はそんなに大雨にならなそうですし、特急も動いています。
予定通りに動くことにしましょう。

ホテルオークラ福岡の朝ごはん。
昨日とは内容も違います。今日もとてもおいしい。食後にコーヒーか紅茶がつきます。朝ごはんにできたてのだし巻き卵がついていると得した気分になり、テンションが上がります。
昭和のお父さん達で、旅館の朝ごはんでビールを飲んでいる人は普通にいました。今はなかなか勇気が必要ですね。←やりたいの？
今日は昼ごはんの時間が取れるかがあやしいので、しっかり食べておきましょう。

博多駅前
ホテルをチェックアウトして、西鉄バスで博多駅へ。
外の景色が見えるし密でもないし、私は地下鉄よりバス派です。所要時間も、地下鉄駅の階段上り下りを考えればさほど変わりません。

9:55 博多発 かもめ13号 長崎行き 787系
今日も「みんなの九州きっぷ」を使います。
博多駅で写真を撮れなかったので、これは長崎駅で撮ったものです。一応、乗ってきたときはこちらが先頭でしたが、グズグズしているうちに赤いランプになってしまいました。

車内は水戸岡氏によるグレーを基調としたデザイン。787系は1992年より製造されましたが、この頃のデザインのほうが落ち着いていていいですね。
車内はガラガラ。

テーブルも個性的
あ、もちろん隣席はあいています。

荷物棚は飛行機のような収納棚で、車内は視覚的にすっきり。
大型荷物置き場も設けられています。

肥前山口
これに乗りたかったな。

平良町
海や～←海でテンション上がる京都人
平良町は蟹の町なんですって。ワタリガニですね。

平良町
このあたりはカーブが続き、特急もゆっくり走ります。
この後、諫早以西はえらい飛ばしていました。

無事、長崎につきました。

Part4につづく

この旅行記へのコメント （4）

• とのっちさん 2020/10/03 23:24:40

  敵ばかりですね！

  つららさま
  
  こんばんは。九州へようこそ。敵に阻まれながらも「みんなの九州きっぷ」をうまく活用されましたね。７月初めに水害で、この４連休で“第二波”がやってきて、列車は走らんは、県外には出られなくなるは…呪われた７月でした。全く敵ばかりです。「おれんじ鉄道」もまだまだ復旧まで時間がかかりそうです。
  
  紆余曲折を経て（いい意味で）せっかく九州にいらっしゃっていただいたのに、運休続きで申し訳ありません。いや、ただ近くに住んでいるだけで私に責任はありません。その場でできることをリストアップして、状況によって組み変えていくのはすばらしいですね～４１５系は関門以外ではいつまで走るか分かりませんが、キハ４７は南九州では当分の間は主力なので、また落ち着いた頃にいらしてください。たしかに、どこから「センダイ」の解釈が変わるのでしょうか？新大阪駅から西だと、「みずほ」停車駅なのでさすがに川内が勝って欲しいところです。そういえば、京都駅で買う「タカマツ」の解釈も気になるところです。ラッチ内乗り継ぎで１枚の指定券で行けるところか、駅舎の顔の口がおわんにしか見えないアレか。
  
  それにしても、食事もかなりこだわられていますね～乗り放題にのぼせて、食う間も惜しむ貧乏性とはわけが違う！私もこのような心のゆとりを持って旅したいところですが、あの条件・値段のきっぷではとても無理でした。続きも楽しみにしております。長崎本線も遅れの常習犯ですので、うまく乗れるかどうか不安ですが…
  
  とのっち

  つららさん からの返信 2020/10/04 23:51:41

  タカマツの境界線！

  とのっちさま
  
  こんばんは、つららでございます。
  コメントを頂戴し、ありがとうございます。
  熊本県ご在住のとのっちさまは、7月以来それこそ敵ばかりですね。中でも、長期間県外に出られなかったのは、どんなにかキツかったことと拝察申し上げます。
  今回の旅でメインになるはずだった2日目に大雨に遭い、対応策を考えても結局列車は来なくて散々でしたが、みんなの九州きっぷで一応元はとれたため、まあ仕方ないという程度で済みました。再度九州に行って、ぜひ九州色のキハ47や夕暮れの三角線、肥薩おれんじ鉄道にも乗ってリベンジしたいです。とりあえず関門の415系は安泰なのですか。よかった。
  
  「センダイ」の境界線に乗っかっていただいてありがとうございます。とのっちさまはすでにお気づきかもしれませんが、これは探偵ナイトスクープの発想です。（笑）
  JR西日本管内に住む者としては新大阪以西は川内としたいところですが、仙台は圧倒的に大都市で出張で行く人も多いですし、どうなんでしょう。「アホとバカの境界線」みたいにテレビでやってくれたらいいですね。
  「タカマツ」は、ラッチ内乗り継ぎで１枚の指定券で行けるのって七尾線の高松駅ですよね？　京都駅のみどりの窓口でも、駅舎の顔の口がお椀にしか見えない、改札内におうどん屋さんがある頭端式ホームのほうとなるかと。（笑）　七尾線の高松駅となるのはサンダーバードかしらさぎが走っている範囲に限られると思いますが、境界線は金沢ではないでしょうか？　（え、ヒドイですか？）
  
  食べものはですね、子供の頃からものすごく執着があり、親に呆れられるほどでした。大人になってからはどこで何を食べるかから旅程を組むことすらあり、特にお寿司、おいしいお酒と肴は弱点で、すぐにデレデレします。（笑）
  
  次回は海のほとりのアレに乗ります。ご覧いただければ幸いです。
  
  つらら

• Akrさん 2020/10/03 16:23:35

  ああ、わかります。

  つららさま
  
  こんにちは。Akrでございます。
  
  旅行中に見えない敵と戦ってる。わかります、わかります。私もよくありますが、その「敵」がなんなのかはわかりません(笑)
  
  それにしても大雨抑止は災難でしたね。結局は博多から新幹線で鹿児島にラーメン食べに行っただけって。フォートラ的には最高のネタ提供でしたよ(笑)こういうの好き。
  鹿児島へ着いた後の3択のうち、２つにキハ47が入っててウケました。まあ、私もおそらくそういう選択肢になるかと思われます。帰りの新幹線で飲んだヤケ酒の缶ビール。やはり「開栓」済みでツボりました(笑)そして、行程が「空転」しまくって。夜は「くうてん」で晩御飯とか「うまいっ！」え？狙ってないの？(笑)
  
  「せんだいまで」を「仙台」とするか「川内」とするかの境目ですが、関西エリア位までならば普通に「仙台」ではないでしょうかね。私、個人的には「広島」あたりまで行くと「川内」になるでしょうか？
  仙台駅で「せんだいまで１枚」って言ったら「なんだコイツ頭おかしーのかｗ」って思われますし、文字にして「川内」って書けば仙台市地下鉄に「川内(かわうち)駅」がありますので「地下鉄のきっぷはここじゃねえ」って怒られそう。
  
  昭和のお父さん的には「旅館の朝飯にビール」は普通にアリかと思われます(笑)
  
  で、次回は長崎ですか？？？えええ。読めませんね～
  
  -Akr-

  つららさん からの返信 2020/10/04 17:03:03

  わかっていただき、ありがとうございます！

  Akrさま
  
  こんにちは、つららでございます。
  コメントをいただき、ありがとうございます。
  
  もともと旅でトラブルはないほうなのですが、今回は敵に会いました。対峙するの？戦うの？ いえ、逃げました。
  たしかに、悪天候だったり、事故だったり、落とし穴だったり、勘違いだったり、敵はさまざまな姿で出没します。Akrさまも追手をかわしたりされていますよね。（笑）一体何なんでしょうね。
  
  とにかくこの日はそのせいで、ただ鹿児島中央に往復してラーメン食べてビール飲んで終わるという、薄すぎる1日となってしまいましたが、Akrさまがネタと言ってくださったので、よしとします。ビール飲み始めてから「あ、写真とるの忘れてた」となったのが完全にバレてますね（爆）　
  今回は博多駅のくうてんに行くつもりは最初は全くなかったのですが、なぜか行くはめになったのも、敵による誘導かもしれません。（まだ言うてる）
  
  仙台と川内の境界線というアホな妄想にお付き合いいただきまして、ありがとうございます。境界線、どこなのでしょうね。
  距離的な中間点は京都と新大阪の間ですが、私も関西圏、あるいは岡山までは仙台である気がします。JR西日本の窓口の方にとっては川内であってほしいでしょうが。
  
  旅館の朝ごはんでビールは、昔、父がやっていて、その頃は何の違和感もありませんでしたが、今はなかなか見かけませんね。温泉旅館に電車で3人以上で行く機会があれば、多少勇気が必要ですが、やりたいかも（笑）
  
  次回は、その筋の皆さまにとっては多分ベーシックなコースですが、ご覧いただければ幸いです。
  
  つらら