JAL、どこかにマイルで、仙台へ（2020）２～本物のレトロ旅館で沈没（東鳴子温泉/高友旅館）

2020/07/25 - 2020/07/27

コロナ流行中の旅行ということで、今回は、基本的には旅館を楽しむ旅行としました。
長時間居るのだから、旅館選びは重要ポイント。
そんな中、私がここを選んだのは、佐野眞一氏の「甘粕正彦 乱心の荒野」を読んだからでした。
この中に、甘粕大尉が泊まった旅館として、この高友旅館が出て来まして。
わぁ、泊まってみたい！となりました。
それで、調べていると、名前を忘れていただけで、実は以前、４トラベラーの中年トラベラーさんの旅行記で、心惹かれた旅館だったことが判明！
ああ、これはもう、行くしかないと…。

中年トラベラーさんの旅行記はこちら。
https://4travel.jp/travelogue/11310793

でも、それと同時に、夏場は虫が多い、虫との戦い、とか、私にとってアレな情報もいろいろ出てきて、冷や汗たらたら（←大の、の大が100個以上付くほどの虫嫌い）
ここは1泊にして、2泊目は、別の、もう少しきれいめの旅館に泊まることにしました。

ということで、鳴子の1泊目です。

エリア 鳴子温泉(宮城)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: レンタカー JALグループ
• 旅行の手配内容: 個別手配

仙台から約1時間半。
迷うことなくサクッと着いた。

車は、旅館から、道路を挟んで向かい側にある駐車スペース（というか空き地的な感じ）に停めてくれとのこと。
この場所…ちょっと…写真ではわかりにくいが、私の車の後ろは…

この状態。
うーん…
夜暗くなってから車のところに来るのはやめておこう。
なかなかの先制パンチだ。

あ、この配色、インドの旗っぽい。
それで心惹かれた？（笑）

東鳴子温泉　黒湯の高友旅館 宿・ホテル

古い。
いかにも古い。

ガタピシの引き戸をようやく開けて入ると、昭和初期の世界。
好みだ。

ビクッ！
何これ、怖い！
廊下にいきなり、はく製が…

真剣に驚いた。

突然だが、ここでちょっと冒頭の話に踏み込んでおくと…

関東大震災後の混乱の中、アナーキストの大杉栄と妻・伊藤野枝は、甥と共に、憲兵隊の甘粕大尉に虐殺された（とされている）。
そして、服役、出所後の甘粕大尉が、変名で潜伏していたのが、ここ、高友旅館。
けれど、湯治客を装って潜入していた新聞記者に見つかって、彼は、この旅館で会見を開くことに…。

そのあたりの時代の好きな人間としては、行かずにはいられないでしょ。

甘粕大尉の泊まった部屋は、今はもう無いけれど。

ザ・昭和。
こうやって見るだけならイイ感じかもしれないが、窓とかガタピシして開け閉め大変。
素早く閉めないと虫が入るのだが…。
…と、それなりの苦労はある。

あと、Wi-fiが無かった。
あると書いていたし、フロント（というか、受付？）で尋ねたけれど、ソフトバンクしか無いし、それも弱い、と…。
諦めた。
仕方がないね、レトロだから。

あ、こけし発見！
なんか、コソコソ話をしている…。
感じの悪いこけしだ。

…って、シャイなだけかな、悪く言ってごめん。

え？カレンダー、5月6月だよ？
まもなく7月も終わろうとしているのに…。
結局、私も、あえてめくらなかった。

とりあえず、お風呂に行こう。
写真は、お風呂あがりに寛いだ広間。

広間の隅に、見たかった謎の木馬が、変わらず鎮座していた。

ちなみに、この旅館は、GO TOキャンペーンには参加していない。
なので、1泊2食付きで約1万円だった。
妥当か思うどうかは、クセが強めな旅館だけに、人によるか。

昭和な感じの洗面スペース。
今回、部屋にはトイレも洗面所もないので、共同の場所を使うわけだが…

あぅぅ
赤サビ？
しばらくこの水が出続けた…。

さて、気を取り直して、お風呂。
この旅館には、4つの源泉、7つの湯壺がある（男性専用、女性専用のもあるのでご注意)。

まずは、貸切家族風呂に入ってみよう。
こじんまりした、壺って感じ。
こういうの、好きだ。
やわらかくて、良いお湯…。

消えててわかりづらいけれど、左のがボディソープか。
ということは、右のはたぶんリンスインシャンプー？
でもなんとなく、手持ちのを使った。
…まだまだだな。
ちなみに、ここのシャワーは、お湯が出なかった…。
ま、暑かったので問題ないけど。

お湯は本当に良かった。
一人で入れたのも高得点。

窓、割れてるし（二重になっているので実害はないけれど)。
もっとアレな、カメラに残すのも嫌な年代物？の蜘蛛の巣とかなんとかいろいろ見かけた。
でも、見なかったことにした…。

それでなんとかなったのは、部屋という最後の砦を破られることがなかったからだろう。
そしてそれはもしかしたら、より安価な自炊の湯治部屋ではなく、2食付きのはたごに泊まったからなのかもしれない。
…いや、単に、運が良かっただけの可能性もあるけれど…。

夕食。
全体としてはどうということはないが、マグロは、おっ！という美味しさだった（大阪から行くと、東のマグロはさすがと思うのかもしれないけれど)。

食後、19時だったか19時半だったかからは、しばらく、混浴の黒湯が女性専用になるということで、早速行ってみる。
他の女性はビールとか飲まれていたので、すぐには来られないと思って。←さりげなく観察していた

この、滑ってるこけしの張り紙が、好きすぎる…。
こういうの見ると、赤サビも虫の死骸も、許しちゃうんだよな…。
って、ダメな男性にハマったみたいな状態（笑）

脱衣スペース。
よしよし、作戦通り。
誰もいない。

廃墟感…。
好きな人は好きだし、苦手な人は苦手だと思う。
さっきも書いたが、写真で見るだけなら良くても、実際に見ると、あちこち汚れが気になったりとかね。

私はこれは、なかなかにグッときた。
根が、廃墟好きなもので…。

向こうが黒湯で、手前がプール湯。

こういう位置関係。
左が黒湯で、右がプール湯。
プール湯は、黒湯に比べたら素直なお湯だった。

黒湯は、独特の香り。
タールというか、タイヤというか…。
良い香りというのとはちょっと違うので、この匂いも、嫌な人は嫌かも（実際、ブログを見ると、ダメという人も)。
けれど、迫力のある湯で、面白い。

ちなみに、正面の衝立？の向こうは、小さな女性専用湯。

あがって部屋に戻ったら、布団が敷かれていた。
16時頃からチェックインして、ゆーーっくり旅館に居続け。
省略したが、他にも館内のお風呂を楽しんだ（激熱で全く入れないお湯もあったけれど・苦笑）
明日もゆっくりチェックアウトして、14時頃からもう、次の旅館にチェックインの予定。

…それは良いけど、右手にあるの、これ、エアコンかな？っていうか、クーラーか？
でもたぶん、かけない方が良いと思う…、なんとなく…（カビとか…。もししっかりカビ取りしてらっしゃったらごめんなさい）
扇風機だけにしておこう。

ということで、昔ながらの重たーい布団に圧迫されつつ、おやすみなさい…。

翌朝はすっきりした目覚め。
障子だけなので、とにかく早く明るくなり、半ば強制的に起こされたわけだけど。

それで、早朝（5時半ぐらいだったか？）からまた黒湯に入った。
もう女性専用時間じゃないのでちょっとドキドキしたが、なんとか。
部屋に戻る際、お湯に向かう男性とすれ違ったけど。
セーーーーフ！！

朝食は、スタンダードな感じ。
食べてゆっくりしたら、チェックアウトして、次の宿のチェックイン時間まで、鳴子の町観光へ。

この旅行記へのコメント （10）

• Jさん 2020/08/17 19:37:57

  大変

  ラムロールちゃん
  
  こんばんは。
  今年の夏休みは何十年かぶりに予定のないつまんない夏休みを過ごしました(TT)
  
  あー大変(ФωФ)たいへーん(ФωФ)
  すごく魅力的な旅館。
  蛇口から出ちゃう茶色いお湯、シャンプーかトリートメントかわからない、ささやかなドキドキが味わえるアメニティ。
  浴室にあるコケシの貼り紙。
  
  実物を見てみたい。
  
  いつか行きたいな～。
  
  早く旅行に行ける日を楽しみに、行き先候補をいっぱいあげて心の準備だけは完璧にしたいと思います。
  
  ではではー、あ～面白かった(^ー^)
  
  J

  ラムロールちゃんさん からの返信 2020/08/17 22:34:52

  それは大変(笑)

  Jさん、こんばんは☆
  書き込み、ありがとうございまーす(^o^)／
  
  > 今年の夏休みは何十年かぶりに予定のないつまんない夏休みを過ごしました(TT)
  
  国内でも、どこかへ行けたらだいぶ違うんですけどね…。
  早く自由に出かけられるようになりますように…。
  
  > あー大変(ФωФ)たいへーん(ФωФ)
  > すごく魅力的な旅館。
  
  あら、そうですか！
  Jさん、オモシロがお好きですもんね♪
  ぜひぜひ、行ってみてください。
  
  > 早く旅行に行ける日を楽しみに、行き先候補をいっぱいあげて心の準備だけは完璧にしたいと思います。
  
  候補地、増殖しますよね〜。
  海外はまだ遠い感じなので、私は最近は国内ばっかり見ています。
  また国内のオモシロ見つけようっと（？）
  
  ラムロール

• まむーとさん 2020/08/17 13:16:04

  衝撃を通り越して笑い溢れる

  ラムちゃん、こんにちは!
  
  こんな衝撃的なお宿がある事にびっくりで面白すぎました!
  ツッコミポイントあり過ぎて。
  畳の飴色。おそらくは半世紀は過ぎてそうな色合い。玄関前に何かが出ているか入っているような白いモヤ。ちょっとづつ動いてコソコソ話してるこけしちゃん。赤錆にびっくり!
  イチオシ写真の赤い馬さん、変にバッチリ決まってる!ラムちゃん以外に女性客さんがいた事にもびっくり。
  
  レジオネラ菌の検査を受けて無しの結果は貼ってた?　
  
  でも貼り紙の文字も知的さ感じる素敵な筆跡だし、
  お料理の盛り付けも繊細だし。
  あえてこの唯一無二の空間を保っているのか?!
  ピエリが明るい廃墟ならこちらは、一泊2食付きの?!
  
  ほんと面白かったわ!
  公共機関で閲覧注意作品!
  みるみる元気になったよ!
  ありがとう!
  勇気をもらいました!(≧▽≦)

  ラムロールちゃんさん からの返信 2020/08/17 20:39:29

  笑えてよかった ♪

  まむーとさん、こんばんは(^^♪
  
  > 畳の飴色。おそらくは半世紀は過ぎてそうな色合い。玄関前に何かが出ているか入っているような白いモヤ。
  
  確かに、畳も飴色ですね！
  いつの畳なんだろう(笑)
  白いもや？と思ったら、確かに、出てますね。
  扉から出て行ったのか、入ったのか？
  
  ラムちゃん以外に女性客さんがいた事にもびっくり。
  
  他の方は、ご夫婦のようでした。
  ひとり旅は、私以外は男性だけ…(^_^;)
  
  > レジオネラ菌の検査を受けて無しの結果は貼ってた?　
  
  あ、ノーチェックでした。
  どうだったんだろう…
  
  > ピエリが明るい廃墟ならこちらは、一泊2食付きの?!
  
  ピエリ(笑)
  あえてこの状態を保っているなら、なかなかのものですね。
  気づいても取ってはいけない蜘蛛の巣(≧▽≦)
  
  少しでも、まむーとさんのNK細胞のために役立てたのなら幸いでした。
  次は、鳴子のこけし、こけし、こけしです。
  
  ラムロール
  

• fuzzさん 2020/08/16 19:48:42

  タール臭の黒湯

  ラムちゃん、こんなっし～
  
  お宿、すごいです・・・
  でも、愛読書の中に出てくる宿なら読者は行ってみたい気持ちは止められない！
  
  虫も怖いざますが、お化け的なのが出そうで怖い～！
  
  それも、一人で・・・
  
  この宿、楽しめるラムちゃんはオラとのレベルが違う！！
  さすがです。
  
  黒湯？タール臭・・・
  もう想像を絶する領域ざんす。
  
  あれ、何か否定的コメント？
  違う、違う。そーじゃないの。
  とにかく、スゲェひとだ。ラムちゃんは。
  ↑
  褒め称え
  
  fuzz ((((；゜Д゜)))

  ラムロールちゃんさん からの返信 2020/08/16 20:05:49

  湯の花も黒と白が…

  fuzzさん、こんなっし〜〜(*^-^*)
  
  > お宿、すごいです・・・
  > でも、愛読書の中に出てくる宿なら読者は行ってみたい気持ちは止められない！
  
  ね、そうですよね♪
  行って、気が済みましたよ。
  
  > 虫も怖いざますが、お化け的なのが出そうで怖い?！
  
  実は私、お化けが全く怖くない人種で。
  たぶん、心霊スポットにテント張って一人で寝られると思います。
  あ、いや、それは怖いか。
  お化けじゃなくて、物盗りとか強姦魔とかが…。
  
  なので、不気味だな〜♪（←喜んでいる）というような状況で。
  …そんな私も、虫には震え上がる…
  虫がそれほどでもなくて、本当に助かりました(^_^;)
  
  > とにかく、スゲェひとだ。ラムちゃんは。
  > ↑
  > 褒め称え
  
  あはは、ありがとうございます(^_-)-☆
  
  ラムロール

• てくてくさん 2020/08/16 17:31:54

  ここに泊まったのですね。

  ラムロールさま
  
  こんばんは。
  仙台のキャピキャピしたふなっしー旅の次はこれですか。ギャップありすぎです。
  それにしてもこの宿、あまりにもおどろおどろしくありませんか。
  てくてく

  ラムロールちゃんさん からの返信 2020/08/16 18:13:45

  なかなかの宿でした

  てくてくさま
  
  こんばんは。
  書き込み、ありがとうございます(^^♪
  
  > 仙台のキャピキャピしたふなっしー旅の次はこれですか。ギャップありすぎです。
  
  キャピキャピしてましたか(≧▽≦)
  女子会で、ぬいぐるみですもんね、そうですよね。
  この次の宿は、女性好みの感じですよ♪←フォロー
  
  > それにしてもこの宿、あまりにもおどろおどろしくありませんか。
  
  本当に。
  あちこちに階段があって、迷いそうな感じで、夜はちょっと不気味さがありました。
  夜中にあのトラを見るのは、半分肝試しのようですし。
  木馬とか、わざとか！って(笑)
  
  全くバリアフリーではなく、そのあたりもまた、昭和な宿でした。
  
  ラムロール

• 中年トラベラーさん 2020/08/16 08:46:25

  救われました

  ラムロール様
  こんにちは
  
  高友旅館に行かれたのですね。
  色々かなりクセが強いので、確かに好き嫌いは別れますよね。。
  
  パンチのある泉質。ちょっと熱めの温度。
  何より、見た目の強烈さ！！
  
  私もボロ宿(失礼！)が好きです。
  ちょっと変態気質なのかなぁって疑心暗鬼だったのですが。。
  そうなんです。きっと私も廃墟好き♪
  
  中年トラ

  ラムロールちゃんさん からの返信 2020/08/16 10:45:35

  実際に木馬に会えて、嬉しかったです

  中年トラベラー様
  
  こんにちは☆
  書き込みありがとうございます！
  
  > パンチのある泉質。ちょっと熱めの温度。
  > 何より、見た目の強烈さ！！
  
  ほんとに、いろんなところが強烈でした。
  令和の日本とは思えない感じで(笑)
  
  さすが源泉かけ流し、温泉の温度って、大きく変動しますね。
  熱くなっている時は、とても入れる温度ではなくびっくり(+_+)
  
  > 私もボロ宿(失礼！)が好きです。
  > ちょっと変態気質なのかなぁって疑心暗鬼だったのですが。。
  > そうなんです。きっと私も廃墟好き♪
  
  変態気質(笑)
  タグに“廃墟”と付けてしまって、失礼極まりないですね、考えてみれば(≧▽≦)
  でも、どこからどう見ても、トップの写真は…。
  愛を持って付けたタグなので、旅館の方には、許していただきたいものです。
  ダメ押しのように、関連タグで“廃墟めぐり”が付いちゃっていますが、これは私のせいじゃ…、って、私のせいですね(^_^;)
  
  ラムロール