神田・神保町、歴史散歩

2020/07/24 - 2020/07/27

神田から神保町に向かって散策した際、周辺には多くの史跡や建造物が点在していることを知りました。
歴史の証人として、いつまでも保存してほしい建物もありました。
その一部を紹介したいと思います。

エリア 神田・神保町(東京)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

神田駅南口から２分程のところに建つ今川橋由来碑。
中央通りに建つゴルフショップの前の歩道にあります。運輸に使われていた神田堀に橋を架けることに尽力した今川氏の名から今川橋と名付けられました。神田堀に各町の下水が流れ落ちたそうです。神田堀は江戸末期に埋め立てられましたが、明治に入り掘り起こされ龍閑川が造られ、神田下水の下水が排出されたそうです。神田駅西口にある神田下水の碑を訪れると、江戸から明治、現代の下水道についてより知ることができます。

今川橋由来碑 名所・史跡

岩本町交差点から1分ほど、一八通り沿いに建つ右文尚武の碑。
東條一堂先生瑶池塾の址と千葉周作先生玄武館の址と刻まれた碑が建っています。儒学と詩文を教えるために開いた遥池塾と、江戸三大道場の一つ、北辰一刀流の道場があったことを表した石碑です。碑の隣には明治15年に創立した千桜小学校が100年を迎えたことを記念した説明板と記念碑が建っています。どちらも歴史を忘れまいとする貴重な碑だと思いました。

右文尚武の碑 名所・史跡

JR神田駅南口から5分ほど、神田金物通り沿いに建つ4階建てのIshitsuboビル。
最上階にPの文字が描かれ、現在はDPM神田ビルという名称になっています。一見すると周辺のビルと変わらない普通のビルという感じですが、昭和4年に建てられた鉄筋コンクリート製の建物で、戦災の被害も受けなかったそうです。外観は塗り替えられ、内装は改築されているとのことですが、外観は昔のままの姿を保存するファサード保存という形をとっている建物です。趣は感じられませんが、歴史的に貴重な建物だと思います。

ishitsuboビル 名所・史跡

神田駅西口前の多町大通りに建つ神田下水の碑。
神田下水が造られた由来や担当者名、建築状況などがわかりやすく記され、埋設されている場所の地図と断面図が描かれています。レンガ積み管の下水道は現在でも使われていて、当時の技術とその後の適切な維持管理に驚きました。明治にコレラが流行ったことが建築理由でした。神田駅南口近くにある今川橋由来碑と合わせて読むと、川に町の下水を流していたこととの関係が実感として伝わりました。

神田下水 名所・史跡

神田駅西口から5分ほど、多町通り沿いに建つ一般住宅・松本家住宅主屋。
住宅の周囲はコンクリート製のビルばかりが建ち並んでいますが、この住宅だけは木造のためとても印象に残りました。雨樋には屋号の?長”の文字が書かれていて、由緒ある建物であることがわかります。昭和6年に建てられた震災復興期の町家で、青果物問屋を営んでいたとのことです。現在もお住まいの方がいるため建物内を見学することはできませんが、屋根が現在少なりつつある瓦だったり、2階の窓ガラスに木製の障子の桟が映っていたりと趣が感じられました。

松本家住宅主屋 名所・史跡

外堀通りの東側の道路の角に建つ志村印刷。
改築され一般的な住宅に見えます。隣の家は看板建築で、三階部分が志村印刷と似ていることから、改築前はこのような雰囲気だったのではと想像できました。改築前は隣三軒の長屋建ての各棟に、マンサード屋根がある特徴的な建物でした。特に志村印刷の三連のマンサード屋根はとんがり屋根が３つあるようでかわいらしく見えました。

志村印刷 (古川邸) 名所・史跡

地下鉄淡路町駅近く、外堀通り沿いの司町2丁目交差点から北へ100ｍほど行った歩道に建つ斎藤月岑居宅跡。
高さ1ｍほどの石に月岑の功績が書かれています。神田生まれの江戸を代表する文化人として、江戸名所図会や東都歳事記などの作品を残した人物です。江戸の町人文化を研究する際に欠かすことができない書物だそうです。亡くなって140年以上たった現代にも影響を及ぼしている素晴らしい人物だと思います。数か月前に訪れた上野の法善寺で、斎藤家の墓を探したことがありましたが見つかりませんでした。今回居宅跡を探すことができたので、再度法善寺に行ってみようと思います。

斎藤月岑居宅跡 (生誕の地) 名所・史跡

日本橋川に架かる30mほどの鎌倉橋。
江戸城建設にあたり鎌倉から運んだ石材や材木を荷揚げした河岸があったことから名付けられたそうで、現在も荷揚げ河岸の跡が残っています。欄干には1944年にアメリカ軍による銃撃の跡が生々しく残っていて、悲惨な歴史の痕跡を見ることができます。これからも保存し続け、戦争の悲惨さを訴え続けてほしいと思いました。

鎌倉橋 名所・史跡

鎌倉橋の下に残る、荷揚げ河岸の跡。

日本橋川沿いに整備された、800mほどの歩行者専用道路・大手町川端緑道。
緑豊かな遊歩道で、ビジネスマンの憩いの場になっています。歩道内には日本の文様について書かれた説明板や、神田橋門石垣跡、江戸城外堀の石垣跡なども残っています。

遊歩道にある不思議な建物。
特殊な照明を使い植物を育てています。

緑道に残る神田橋門に造られていた石垣の一部。

日比谷通り沿い、日本橋川に架かる長さ17ｍ、幅34ｍほどの神田橋。
現在の橋は大正時代に造られたものですが、江戸時代の絵図にも描かれている歴史ある橋です。今も交通量が激しい幹線道路上にある橋で、江戸時代も将軍の菩提寺である寛永寺に向かう重要な道路に架かる橋でした。

神田橋 名所・史跡

神保町駅A9出口から５分ほど、テラススクエアに接っている、1930年竣工の博報堂旧本館。
一帯の建物の共同建て替えが行われ、旧本館の正面外観を残す形で共同ビルが建てられました。角に塔が建っている上品な薄茶色の建物で、入口両側に長い大きな灯りが立っています。入口の上部や二階と三階の窓の間に曲線のきれいな飾りが施されていて、芸術的な建物として残っています。

博報堂旧本館 名所・史跡

靖国通りの裏道、駿河台下交差点から白山通りまで続く神田スズラン通り。
大正時代には看板建築の建物が建ち並んで通りで、現在は書店や飲食店、ドラッグストア、コンビニなどが建ち並んでいます。学生の頃、しばしば通った道で、通り沿いにある書店や、路地裏にある喫茶店を利用していました。久しぶりに通りましたが、学生時代によく利用していた居酒屋・浅野屋さんが今もって頑張っている姿を嬉しく思い商店街を通り過ぎました。今も元気がある商店街です。

神田すずらん通り商店街 市場・商店街

神田小川町スポーツ用品店街。
靖国通り沿い、駿河台下交差点から小川町に向かってビクトリアやミズノ、石井スポーツ、スーパースポーツなどのスポーツ店が何軒も点在しています。野球やテニス、バスケット、スキー、スノーボード、ゴルフなどあらゆるスポーツの用具やユニフォーム、シューズを販売しています。シーズン前になるとどの店もセールを開始し、昨シーズンのものをかなり安く手に入れることができます。スポーツ好きの方には、歩いているだけで楽しくなるエリアです。

神田小川町スポーツ用品店街 名所・史跡

小川町北通り沿いに建つ東京古書会館。
通常一般の人は入れない建物のようですが、たまたま通りがかった時に和洋会古書展が開かれていて入館することができました。古書にはあまり興味ありませんでしたが、中の様子を見たくて整理券をもらい入りました。東京各地の本屋さんが所有する古本だけでなく、鳥瞰図や江戸時代の相撲番付表、木版画、画帖など、数千円のものから数十万円のものまで並んでいました。購入目的で訪れている人の中には開始1時間前から整理券をもらっている人も見られました。どのような方たちが購入するのかはわかりませんが、興味ある人には貴重な古書ばかりなのだろうと思いました。

東京古書会館 名所・史跡

JR秋葉原駅中央南口から5分ほど、柳原通り沿いに建つ海老原商店。
建物正面はEBIHARAの文字が掲げられたタイル張りですが、建物横はトタン板が張られた、関東大震災後に流行した看板建築になっています。かつては商店を営んでいたようですが、現在、正面入り口は閉まっていて、中には商品を置いたと思われる棚が置かれていました。

海老原商店 (高松松蔵宅) 名所・史跡

海老原商店から数十メートル離れたところ建つ岡昌裏地ボタン店。
現在もボタンや裁縫道具などを販売している看板建築の店です。
どちらも歴史が感じられ、いつまでも大切に保存、使用していってほしいと思いました。

小川町駅A３出口から150ｍほど、靖国通りを東へ歩いた須田町交差点に建つ鷹尾岡株式会社ビル。
大阪の羅紗問屋の東京支店として1935年に建てられた５階建てのビルです。１階の外壁は御影石で重厚な感じがします。２階から上はタイル張りです。交差点角に面した壁に社名が一文字ずつ浮き出ていました。目立たないためか同じ面の各階の窓ガラスに金文字で社名が書かれていました。入口の天井に灯りがはめ込まれていて美しいデザインの枠がありました。周囲に建つ新しいビルに囲まれ、御影石の外壁が目をひきました。

鷹岡株式会社ビル 名所・史跡

JR御茶ノ水駅お茶ノ水橋口から400mほど、とちの木通りと猿楽通りを結ぶ男坂。
坂と名が付いた73段の急な階段です。崖地で通路がなかったことから、震災復興事業として1924年に造られたとのことです。とちの木通りに向かう人が多く利用していましたが、皆さん汗をかき息を切らせながら、休み休み上がっている姿が印象的でした。とちの木通り側には男坂と刻まれた小さな石が置かれていますが、猿楽通り側には名前が書かれたものがなく、東京音楽大学発祥の地碑が坂の目印です。

男坂 名所・史跡

Cafe & Bakery MIYABI 神保町店。
歴史とは関係がありませんが、昼食で利用しました。
白山通り沿い、都営三田線神保町駅と水道橋駅の間にあります。高級食パンで知られる店です。トースト付きの彩り野菜クラムチャウダーと彩り野菜カレー、宇治抹茶黒蜜トースト、コーヒーをオーダーしました。カレーはよく煮込んであり肉も柔らかく、辛い料理が好きな自分にも辛く感じる味でした。クラムチャウダーはあっさりした味付けで野菜がたっぷり入っていました。5㎝ほどの食パンをくり抜いた中に、一口サイズの食パンが入り、その上にアイスクリームやホイップクリーム、濃厚な黒蜜、小豆がのったトーストは、パンがふわふわで甘くこれまでに味わったことがない食感で、さすが看板メニューの食パンだと感じる一品でした。店内では食パンだけを買って帰る人も多く見られました。普通の食パンに比べ価格はかなり高いですが、美味しい食パンを食べたい方にはおすすめの店です。

CAFE＆BAKERY MIYABI 神保町店 グルメ・レストラン

トースト付きの彩り野菜クラムチャウダーと彩り野菜カレー、宇治抹茶黒蜜トースト、コーヒーをオーダーしました。カレーはよく煮込んであり肉も柔らかく、辛い料理が好きな自分にも辛く感じる味でした。

クラムチャウダーはあっさりした味付けで野菜がたっぷり入っていました。
5㎝ほどの食パンをくり抜いた中に、一口サイズの食パンが入り、その上にアイスクリームやホイップクリーム、濃厚な黒蜜、小豆がのったトーストは、パンがふわふわで甘くこれまでに味わったことがない食感で、さすが看板メニューの食パンだと感じる一品でした。
店内では食パンだけを買って帰る人も多く見られました。普通の食パンに比べ価格はかなり高いですが、美味しい食パンを食べたい方にはおすすめの店です。