2001/09/01 - 2001/09/10
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2001年8月より私はベルギーのブリュッセルに転勤になっていましたが、この年の9月にクアラルンプールに赴任中の家内がベルギーまでやってきました。
私はアムステルダムのシキポール空港まで家内を迎えに行き、アントワープ、ゲントと列車で移動しながらそれぞれの街を楽しみました。
今回はベルギーを代表する観光地であるブルージュです。
ブルージュは水の都。
プラプラ歩いて美術館や博物館や教会を見て回り、ボートツアーにも参加して、中世にタイムスリプしたような街をじっくり楽しみました。
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アントワープ9時46分発の列車でブルージュへ。
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列車で約1時間30分。
ブルージュに着きました。
ブルージュは生憎土砂降りの雨。 -
タクシーでホテルへ。
Novotel Brugge Hotel
まだチエックインはできないので、
ホテルに荷物を預けて、 -
ブルージュの街散策スタートです。
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生憎雨が降ってます。
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ココはお洒落な文房具屋さん。
ここで購入したペンケースは家内がまだ使っています。 -
この街は少し歩けば運河があります。
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雨だから増水しているのか?
それとも普段からこのような水量なのか?
後でホテルで尋ねたら、多少水量は増えてはいるが、ほとんど普段とは変わらないとのこと。
本当に水の都なんですね。 -
メムリンク美術館へ。
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元修道院の美術館で、ハンス・メムリンクの作品が中心の美術館です。
ハンス・メムリンクはフランドル派の画家で、ベルギー七大秘宝の一つと言われている宝物や絵を見ることができます。
生憎この日は改築中でしたが、入場無料で一部のみ拝見することができました。
中は撮影禁止でした。 -
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グルート・フーズ博物館へ。
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15世紀のブルゴーニュ公国の貴族であった、グルートフーズ家の建物が博物館になっています。
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お屋敷の部屋の一部が隣の聖母教会の聖堂とつながっています。
跪き台の上にガラス窓があって、その向こうは聖母教会の聖堂です。
つまり日常生活の中、教会まで行かなくても、自宅の部屋から教会の聖堂に向かって祈れるわけです。
グルートフーズ家の家族用の礼拝部屋ですね。
この聖母教会は後ほど訪れ、聖堂側からこの部屋を見ることができました。 -
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ビール酒造権を所有していたグルートフーズ家は多くの財を成していただけあって、建物の中は豪華でした。
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当時のタペストリーや銀製品の多くが展示されていましたが、レースの作品が見事でした。
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グルート・フーズ博物館を出たら雨は止んでいました。
引き続き街をプラプラ。
絵になる街並です。 -
街中に運河がある光景は素敵ですね。
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少し太陽も出てきました。
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グルーニング美術館にやってきました。
元修道院であった建物に、
15世紀から16世紀のフランドル画がたくさん展示されていました。 -
「十字架を運ぶキリスト」
エルサレムの画ですね。
同じ題名の画はいくつか見たことがありますが、ほとんどがキリストのアップが絵の中心です。
遠景で街の雰囲気まで描かれている画はこれ以外に知りません。
中央左にキリストが十字架を背負いながら倒れています。
左奥に見える丘は、キリストが処刑になった「ゴルゴダの丘」でしょうか? -
「キリストの洗礼」
場所はヨルダンでしょうね。
右側は洗礼者ヨハネですね。
聖霊がキリストの上で鳩の形をしています。 -
画の題は「Le Paiement de la dîme, dit aussi L'Avocat des paysans」
つまり、「十分の一を支払うことは、農民の擁護者としても知られています」
納税に関する相談に来ている農民たちとその弁護士事務所における光景を表している画です。
左側奥のテーブルでは、聖職者が聖典を読み漁っており、その左側では相談者に来た農民が、恐る恐るドアを開けています。その手前はステッキと帽子を持た農民で、彼は彼の事件に関連する文書でいっぱいのバッグも持っています。
真ん中のテーブル付近では、卵の入ったバスケットを差し出し、農産物の手数料を支払う女性がいます。
その右側では4人の不安そうな農民が、弁護士の方を向いています。
右側の3人は、農民、中央の弁護士、手前の店員。
弁護士は文書を読んでいます。
砂時計が横にあります。
奥の農民が必死に弁護士に話しかけているようですが、砂時計を見る限り、もう相談時間は終わっているということでしょうか?
この時から弁護士は時間制なんですね。
汚い床のゴチャゴチャは何を表しているのでしょう? -
The Preaching of St John the Baptist
洗礼者ヨハネ(ピーターブリューゲル長老)の説教
と言う絵です。
フランスでも見たことがあります。
中央の少し左に洗礼者ヨハネ。
まわりを多くの人が囲んで熱心にヨハネの話を聞いています。
洗礼者ヨハネは、集まった人々よりもはるかに粗末な服をまとっています。 -
雨が上がったので、運河のボートに乗りましょう。
時間に合わせてボート乗り場にやってきました。
これよりブルージュのボートツアーに参加します。
もうすっかり晴れています。
記録を見ると、一人190ベルギーフランでした。
当時のレートで一人約500円ですね。 -
この後ろ姿のベレー帽のおじさんが船の操船、兼ガイドさんです。
おじさんは、フランス語、オランダ語、英語の順に案内してくれます。
最初に正面に見えるたのは聖母教会。
翌日訪れます。
高さ122mの尖塔は市内のどこからも見ることができます。 -
どこ観ても素敵です。
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ブルージュはかつて商業の中心地として栄えました。
その際、この運河が物流と言う分野で大きく存在意義を発揮しました。 -
しかし、14世紀以降、この運河に繋がる入り江が土砂で埋まってしまい、船が出入り出来なくなってしまいました。
街の発展が止まったことによって、後世まで美しい中世の街並みがそっくり保存されました。 -
先ほど訪れた、メムリンク美術館です。
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ゾーンネクメールス通りのブルージュで一番低い橋をくぐります。
くぐる時、何となく頭を下げてしまいますが、それほどのこともなく。。。
でも手を伸ばせば橋の裏側に手が届きそうでした。 -
ボートは緑の中を入っていきます。
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他のボートクルーズとすれ違います。
いくつかのボートクルーズのツアーがありましたが、値段と訪れる場所はほぼ一緒。
乗り場が各社によって違うだけのようでした。
正面は水門の管理棟です。
ボートはココでUターンしました。 -
ベギン会修道院の建物です。
この辺りには白鳥が多かったです。 -
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右側はギルドハウスです。
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運河沿いの家々は、昔の商人の大豪邸が多く、その建物は、今でもホテルやレストランとしても利用されています。
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中世から時間が止まったような街中を進みます。
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何処を見ても素敵です。
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正面は商工会議所の塔です。
ボートはここでUターンします。 -
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税関の建物だったかな?
この辺りは川幅が狭くなっており、すり抜けられない様になっていました。 -
珍しい運河沿いの木造の建物。
今では消防法で木造の建物は建てられないそうです。 -
ココでボートツアーは終了。
約30分のツアーでした。
ガイドさんは、ツアー終了後に帽子を出してチップを要求してきました。
小銭をお渡しして、お礼を言ってさようなら。 -
さあ遅い昼食を戴きましょう。
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私は、ベルギーのビーフシチューをオーダー。
赴任してまだ一カ月で、ブリュッセルしか知りませんが、このベルギーのビーフシチューにはまりました。
牛肉をビールで煮込み、水をあまり使わないで調理する料理なんです。 -
家内はカルボナードをオーダー
牛肉のビール煮込みです。
これもベルギー料理の代表の一つですね。 -
徒歩でシモン・ステヴィン広場へ。
広場中央にはシモン・ステヴィンの像がありました。
シモン・ステヴィンは、ココブルージュ出身の数学者です。
このまま奥の救世主大聖堂へ。 -
救世主大聖堂(サルバトーレ大聖堂)は起源は10世紀に建てられた、ブルージュ最古の教会です。
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美しいステンドグラスに圧倒されます。
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パイプオルガンの生演奏中でした。
なななんと、演奏されているのはフランクの「3つのコラール」ではありませんか。。。
パイプオルガンの生音で。。。
それもブリュージュの救世主大聖堂で、、、
練習中のようで、同じ個所を何度も演奏されていますが、
夫婦で感動!!
この雰囲気の中、暫く聖堂に座り夫婦2人で荘厳な雰囲気に包まれました。 -
説教台の下には聖エリギウスの像。
聖エリギウスは図面を持っています。
この教会の元々の起源は、聖エリギウスが7世紀にここに建てた教会だという言い伝えがあるそうです。真偽のほどは判らないようです。 -
重厚な雰囲気に圧倒されます。
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至る所に美しいステンドグラス。
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もう少しお天気が良ければ陽の光が入って綺麗だったでしょう。
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救世主大聖堂の宝物の一つ、
聖エリギウスの聖遺物箱
です。
銀で出来ている聖遺物箱で、17世紀の作です。
近くまで寄ることができませんでした。 -
救世主大聖堂を出ました。
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南東に数百メートル歩いて聖母教会へ。
時間が遅い為か、聖堂内に入ったら私達2人だけでした。説教台です。
ココで笑顔で神父様が近づいてこられ、英語の小声で話しかけられました。
「どちらからお見えになりましたか?」
「ブリュージュを楽しんでいますか?」
「この聖堂はご覧の通り工事中でご覧いただける場所が限られます。」
良く見たら、聖堂内はあちらこちら工事用の仮囲いで覆われています。 -
神父様が歩きながら中を案内してくださいました。
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ミケランジェロのピエタ
これが??
思ったより地味でビックリ~ -
ブリュージュの聖母子像です。
ガラスケースに入っていました。
1501年から1504年にミケランジェロによって造られました。
思ったより小さかったです。
数ある聖母子像の中でも、この作品の聖母の表情が特徴的であると神父様の弁。
聖母があどけないキリストを見るでもなく、やさしいほほ笑みでもなく、どこかほかを眺めるような表情。
この像は、フランス革命で18世紀にパリに行きましたが、ナポレオンがワーテルローの戦いで敗北した後に、返還されたようです。
第二次世界大戦時には、ドイツが撤退時にこの像を持って行ってしまい、戦後に戻されたようです。
神父様に色々教えて頂きました。 -
教会の床下の様子。
この教会は建てられる前の古い基礎が残っていました。
古代教会であったのでは?
とのことです。 -
神父様に、教会の出口方面に促され、「何か質問は?」
と聞かれたので、
「今朝、グルート・フーズ博物館に行った時、グルートフーズ家の聖母教会の祭壇を見ることができる家族用の礼拝部屋を見たのだけど、それは何処?」
と聞いたら、工事中の祭壇の中に入れてくださいました。
で、これです。
この反対側が今朝見たグルート・フーズ博物館の家族用の礼拝部屋なんですね。 -
神父様にお礼を言って帰ろうとしたら、神父様は笑顔で送ってくださり、私達が出た後、教会のドアに鍵をかけていらっしゃいました。
つまり、施錠の為に聖堂を訪れた神父様は、私たちが聖堂に入ったのをご覧になり、中を案内してくださった後で鍵を閉めていらしたんですね。
神父様、ありがとう。
そして鍵を閉める直前に伺ってごめんなさい。 -
さあ再び街をプラプラ。
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ベルギーに赴任して1ケ月。
この時はまだブリュッセルしか知らず、ブリュージュには初めて訪れました。
結局赴任中にブルージュにはこの後8回訪れました。
ブリュッセルからブルージュは列車で約1時間であるため、簡単に日帰りができます。
そのうち何度かは家内も一緒。
家内は、ヨーロッパの近隣(パリやアムステルダム)に出張時、少しの時間を見つけてブルージュに足を伸ばしていました。 -
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徒歩でペギンホフにやってきました。
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木々に囲まれた緑豊かな敷地に白い壁の建物が点在しています。
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13世紀、男性が十字軍の長期遠征などで街を離れている間に、女性が集まって共同生活を開始したのが始まりです。
住居や教会、共同作業場、医療施設などがあります。 -
私達2人しかいません。
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静寂に包まれています。
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洗濯物を抱えている老女にお会いしました。
ココでの女性たちの生活は、今でも続いています。 -
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ペギンホフをあとにして、再びブリュージュの街歩きです。
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再び水の街を楽しみます。
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さあそろそろ夕飯に。
こんなに明るいですが、もう19時30分です。 -
会社の同僚に教えてもらって、電話して20時に予約しておいたお店へ。
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ココはムール貝の酒蒸しをバケツで戴くお店です。
ブルージュでは絶対に食べなければいけないお料理ですね。
プリップリのムール貝を戴きました。
ムール貝の殻を使って殻から身を外して戴きます。
同じムール貝がバケツに入った料理でも、ブルュッセルのグランプラスの半額程度で戴くことができました。
この後、蟹サラダを戴きました。
蟹サラダと言っても、殻付きの大きなズワイガニがレタスの上にドーンと乗っています。
この後、ビールの次にベルギーワインを戴いていたら、お隣の初老のご夫婦の会話が耳に入りました。
「Mon frère à Yokohama、、、 (弟が横浜で、、)」
とか
「Je dois aller un jour au Japon(いつか日本に行かなきゃ)」
とか聞こえてきたので思わず私達は隣の席を見てしまいました。
するとお隣の初老のご夫婦と目が合い、話しかけられました。
笑みを浮かべながら最初はフランス語で、
奥様「日本の方?」
家内「そうです。」
奥様「日本のどちらから?」
家内「横浜です。」
奥様「私の妹が横浜に住んでいます。妹の夫は日本人です。」
もうココで夫婦共にフランス語は限界。
フランス語は読み書きならまだもう少しは何とかなるのですが、会話は無理!
私「すみません。英語でも宜しいでしょうか?」
ご主人「もちろん」
ホッとしてココから4人で英語での会話が弾みました。
お隣の初老のご夫婦は、フランスの方。
パリからお見えになっています。
奥様の妹さんは以前、日本の某有名企業のパリの現地法人にお勤めでいらしたことがあり、そこで今の日本人のご主人と知り合い、ご結婚され、今ではご夫婦で横浜にお住まいとのこと。
奥様は川端康成と村上春樹が大好きで、全て読破していること。
ご主人は若いころ柔道を習っていたことがあり、生で大相撲を見てみたいとも。
奥様は歌舞伎もお好きで、ビデオもお持ちとのことでした。
私達はパリにも住んでいたことがあるので、色々話が盛り上がり、ワインを1本ご馳走になりずーーっと4人で飲んでました。
この時知り合った初老のご夫婦とは約20年経った今でもクリスマスカードの交換が続いています。
ビックリですね~
まだお二人共、日本にはいらしていませんが、、、、
ブリュージュの夜景を楽しみながらホテルに歩いて帰りましたが、残念ながら写真は残っていません。
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この旅行記へのコメント (2)
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- akikoさん 2020/07/04 10:51:51
- 変わらぬブルージュの美しさ
- nichiさん、こんにちは!
昨年、オランダ&ベルギーの旅行記にnichiさんが書き込みして下さり、オランダ、ベルギーに赴任されていたことを知り… 今朝その時の写真を拝見することができ、ちょっとうれしかったです。
20年前のお写真で少々セピアっぽく色味がなっていますが、ブルージュの街並みが今とほぼ変わっていないことに感動!ボートクルーズも全く同じルートですね!
日本だと20年前の(例えば京都)街並みは現在とかなり変貌しているのに、ブルージュも含め、ヨーロッパの旧市街は昔の景観をそのまま残し、そこが大変魅力で惹かれますが、そのことが実感できる旅行記ですね~。
訪れた場所、現地で会われた方たちとのこともよく覚えていらっしゃって、20年も前のそれぞれの光景が見えるようでした。今もとっても素敵ですが、赴任当時のブルージュを紹介していただいてありがとうございました。
akiko
- nichiさん からの返信 2020/07/04 17:36:37
- Re: 変わらぬブルージュの美しさ
- いつも「いいね」&コメントありがとうございます。
古くて汚い写真でごめんなさい。
ヨーロッパを転々と転勤していましたが、このブルージュは一番のお気に入りの街でした。ブルュッセルからも休日の日帰りが可能でしたので、何度も訪れました。
当時での現地でのことは、はっきり覚えていることと、覚えていないことが多々ございます。この時お会いしたご夫婦は、古いアルバムにその時の会話の内容が記載されていたことと、その後クリスマスカードの交換が続いているため、たまたま記憶が残っていました。
柳谷観音楊谷寺の紫陽花、綺麗ですね~
こんな素敵な所があるんですね~
私は週に2日出勤で3日テレワーク。
家内は週に3日出勤で2日テレワークの日々です。
外食も控えて気味で、昼は会社で専らUber Eatsの出前かお弁当持参。夜は夫婦共に会社で会食が禁止になり、全てお家ご飯の毎日です。
私の会社も家内の会社も大阪支社はそこまで厳しくないようです。
東京と関西ではコロナ事情も違いますね。
今月、コロナ後、初旅行に行くことにしました。
神奈川県内の近場旅行ですが、ボチボチふっかつ復活させます。
でも、ブルージュとかに行ける日はいつなんでしょうね~?
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