2017/07/22 - 2017/08/01
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マンボウのお城さん
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2017年までに登録されたイタリア本土(シチリア島を除く)の全ての世界遺産を4回に分けてレンタカーで周遊しました。
今回の旅行記は、その4回目となります。旅行期間は、往復の国際線を合わせて、10日間でした。
スケジュールは以下の通りです。右端にホテル名を記入しておきました。
(凡例 ■:世界遺産(未制覇)/ □:世界遺産(再訪)/ ★世界遺産(未制覇&この旅行記))
※本日は、イタリア着後3日目となります。イタリアで唯一の葡萄畑の世界遺産【ピエモンテのブドウ畑の景観:ランゲ=ロエーロとモンフェッラート】でワインを堪能します。世界遺産の登録名称だけでは、どこに行けば良いのか、本当にわかりづらい世界遺産でした。
でも、この旅行記を読んでいただければ、ピンポイントで行き先を決められます。
※また、世界遺産登録されたワインの違いがわかるように解説させていただきました。ワイン好きの皆さんに、きっと喜んでいただける内容となっています。是非、これを読んでいただき、美味しいワインを堪能されることをおススメします♪
1日目:成田→フランス-パリ(エールフランス航空)/ Hilton Paris CDG Airport→荷物を置いて市内へ
2日目:Hilton Paris CDG Airport→イタリア-ミラノに移動 / Milan Linate Airport (LIN)→(レンタカー)→■ベルモンテのサクロ・モンテ→トリノ(■サヴォイア王家の王宮群)/ B&B Alba in Langhe
★3日目:★ピエモンテのブドウ畑の景観:ランゲ=ロエーロとモンフェッラート→■ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)/ Hotel La Scaletta, Florence
4日目:□フィレンツェ歴史地区(再訪)ウフィッツィ美術館/サンタ・クローチェ聖堂→■トスカーナ地方のメディチ家の邸宅群と庭園群(ピッティ宮殿のボーボリ庭園)→■サン・ジミニャーノ歴史地区 / NH Siena
5日目:■シエナ歴史地区→■ピエンツァ市街の歴史地区→■ヴァル・ドルチャ / Vico Del Poeta
6日目:■アッシジ、フランチェスコ聖堂と関連修道施設群→■ウルビーノ歴史地区→■サンマリノの歴史地区とティターノ山 / Mosaico Hotel, Ravenna
7日目:■ラヴェンナの初期キリスト教建築物群→■フェラーラ:ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯→■パドヴァの植物園(オルト・ボタニコ)/ B&B Il Melo
8日目:■ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオのヴィッラ→■ヴェローナ市街 / Albergo Giulia Gonzaga
9日目:■マントヴァとサッビオネータ(サッビオネータ→マントヴァ)→■クレスピ・ダッダ→Milan Linate Airport (LIN)→フランス-パリ(CDG)→
10日目:→成田(エールフランス航空)
上記の通り、訪れた世界遺産は、イタリアが19カ所、サンマリノが1カ所の合計20世界遺産です。
1つの世界遺産で複数の登録リストがあるため、実際に訪問した世界遺産リストの数は、23か所を越えています。
今回の旅行記をもって、本土の2017年までに登録された全世界遺産43か所に足を運んだことになります。
コロナウィルスで行けなくなったシチリア島(エオリア諸島/サルディーニャ島含)が8カ所あるので、シチリア島で2017年までのイタリアの全世界遺産に行くことになります*。
*アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群とカルパティア山脈のブナ原生林は、イタリアに世界遺産のサイトがないため、他国にてカバーする予定。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- ブッキングドットコム
-
ピエモンテの葡萄畑のエリアは、北はポー川、南はリグリア・アルプスの中間地域であるピエモンテ州の南部に位置します。
何世紀にも渡ってこの地域を特徴付けてきた葡萄栽培とワイン造りに関する、技術的、経済的プロセス全般が包括され、世界遺産登録されました。 -
ピエモンテがエトルリア人とケルト人の交流・交易地だった紀元前5世紀頃に遡ること、ぶどうの木の花粉がこのエリアで発見されています。
今もこの地域の方言には、特にワイン関係の単語に、エトルリア語やケルト語が残っています。
古代ローマ帝国時代には、学者で軍人の大プリニウスが、ピエモンテ地域は古代のイタリア半島で最も葡萄栽培に適した土地と言い、同時代の地理学者で歴史家のストラボンもこの地域のワイン造りに関する地理観・歴史観を記していたそうです。 -
すばらしい景観が広がるワイン産地である以下の5つの地区と後述のグリンザーネ・カヴール城の全6か所がバローロ地区として世界遺産に登録されています。
(1) ラ・ランガ・デル・バローロ La Langa del Barolo(バローロ村のあるランガ地区)
(2) イル・カステッロ・ディ・グリンザーネ・カヴール Il Castello di Grinzane Cavour(グリンザツァーネ・カヴール城)
(3) レ・コッリーネ・デル・バルバレスコ Le Colline del Barbaresco(バルバレスコ村の丘陵地)
(4) ニッツァ・モンフェッラート・エ・イル・バルベーラ Nizza Monferrato e il Barbera(ニッツァ・モンフェッラートとバルベーラ)
(5) カネッリ・エ・ラスティ・スプマンテ Canelli e l'Asti Spumante(キャカネッリ村とアスティ・スプマンテ)
(6) イル・モンフェッラート・デーリ・インフェルノット Il Monferrato degli Infernot(インフェルノットのモンフェッラート)
この地名をGoogle Mapにコピペするだけで、ピンポイントに行き先がわかります! 特長はこの後、徐々にご説明します。 -
これらの写真は、到着が夕方となったため、B&Bの宿の素敵なおばさんに、レストランを尋ねると、とても美味しいワインが飲める素敵なレストランがあるので、すぐに行きなさい♪と紹介してくれたのが、このトラットリアです♪
料理も美味しくて、バローロのワインが楽しめる本当に素晴らしいレストランでした♪
地元の方々も沢山来ていて、ほぼ満席状態でした。 -
最初に飲んだのが、このワインです♪
酸味とタンニンが強く、樽にしみ込んだ香りと混ざり、とても複雑な味が楽しめました。
この後、2人で1本あけたので、食事中に全部で2本楽しみました。
もう1本は、写真撮るの忘れました…泣 -
この写真が、お世話になった「B&B Alba in Langhe」です。
共有部分のダイニングキッチンと個室の寝室&バスルームに分かれていますが、この日は、私たちだけだったので、使い放題でした♪ラッキー!!
マンボウのお城が行ったのは、バローロを名乗って良い11の村(後述)の1つヴェルドゥーノ Verduno(ランガ地区)ですが、実は葡萄栽培の発展に留まらず、イタリア統一においても、ピエモンテ州にあるグリンツァーネ・カヴール城(Castello di Grinzane Cavour)が最も重要な場所だと後で知りました。
できれば、グリンツァーネ・カヴール城のワイナリーに行くことをおススメします(私は、このことを知らなかったために行けなかったのですが…泣)。 -
城のあるグリンツァーネ・カヴール村は、バローロ村からバルバレスコ村を目指し北東方面へ進む途中にある村です。その街の頂上にこのグリンザーネ・カヴール城があります。
この城は13世紀に建てられたもので、カミッロ・ベンソ・カヴール伯爵(Camillo Benso,conte di Cavour)が住居を構えていました。
カヴール伯爵は19世紀後半に活躍した政治家で、イタリア統一運動の立役者としてイタリアでは知らぬ人のいない偉人なのですが、実は同時にこの土地のワインの品質向上に大きく貢献した人でもあります。
カヴ-ル伯爵が携わる以前もバローロでワインは作られていましたが、醸造技術が乏しく、非常に不安定な品質のワインだったそうです。
その不安定な品質のワインを改善しようと、カヴ-ル伯爵は城の周りでブドウ栽培を始め、19世紀半ばにはフランス人の醸造学者、ルイ・ウダール(Louis Oudart)を招き、醸造の知識をこの地域に教え込み、ワインの品質を向上させて、今のバローロワインが出来たとされています。
イタリアを作った歴史やバローロワインを発展させた歴史がこの城には詰まっており、この城だけで世界遺産になったとも言われています。 -
そのブドウ畑で作られるワインの中にはバローロ(Barolo)、バルバレスコ(Barbaresco)という銘柄があります。
いずれもイタリア北西部ピエモンテ州にある村の名ですが、同時にどちらも、イタリアワイン好きの間で知らない人はいない重要なワインの銘柄でもあります。 -
「世界遺産」に選ばれるブドウ畑とはどのようなもの?
そのワインの味わいにはどのような特徴があるの?
にお答えします。 -
バローロ(Barolo)とバルバレスコ(Barbaresco)という2つの地域の間は20kmほど離れていますが、どちらも昨日観光したピエモンテ州の州都トリノから70kmほど南下した車で1時間ほどの距離です。
すり鉢状の地形や丘に挟まれた地形が多く、風通りがよいので熟成したブドウが収穫しやすいのだそうです。 -
ネッビオーロはイタリア語で霧を意味するネッビア Nebbiaから名付けられたとされています。この地域は秋に濃霧が発生しやすいためです。
ブドウ品種としての特徴は、酸味とタンニンが強いことです。
この酸味は石灰質の水はけのいい土から、タンニンは養分をしっかり吸収する粘土質から得られます。
この強い酸味とタンニンを丸くするのには熟成が必要です。
この熟成によって生まれるワインがバローロとバルバレスコというわけです。 -
ちなみに、「バローロ」の生産地域はバローロ村を含め、近隣11の村に限定されています。
バローロ11の村を列記します:バローロ Barolo、カスティリオーネ・ファッレット Castiglione Falletto、セッラルンガ・ダルバ Serralunga d'Alba、ラ・モッラ La Morra、モンフォルテ・ダルバ Monforte d'Alba、ロッディ Roddi、ヴェルドゥーノ Verduno★、ケラスコ Cherasco、ディアーノ・ダルバ Diano d'Alba、ノヴェッロ Novello、グリンツァーネ・カヴール Grinzane Cavour
※私が泊まったのは、★印の村です。 -
同様に、「バルバレスコ」もバルバレスコ村を含め、特定の4つの村で生産されたワインのみが名乗ることができます。
バルバレスコを名乗れる4つの村を列記します: バルバレスコ Barbaresco、ネイヴェ Neive、トレイゾ Treiso、サン・ロッコ・セーノ・デルヴィオ San Rocco Seno d'Elvioの一部 -
それ以外に熟成期間などの様々な厳しい規定があり、それらの規定をクリアしたものだけが「D.O.C.G.バローロ」、「D.O.C.G.バルバレスコ」と名乗ることができます。
D.O.C.G .: Denominazione di Origine Controllata e Garantitaデノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロッラータ・エ・ガランティータ の略で、統制保証付原産地呼称のことです。
ブドウ品種、醸造法、熟成方法、熟成期間など厳しい条件をクリアしたワインのみが名乗れる呼称。イタリアワインの格付けの中で一番厳正な規定が存在します。 -
さらに、熟成期間別に、以下の名称がつけられています。
(リゼルヴァ(riserva):一定以上の熟成期間寝かしたものにだけ付けられる名前)
バローロ :38か月(18か月は木樽で熟成)
バローロ〝リゼルヴァ" :62か月(18か月は木樽で熟成)
バルバレスコ :26か月( 9か月は木樽で熟成)
バルバレスコ〝リゼルヴァ" :50か月( 9か月は木樽で熟成) -
〝リゼルヴァ" ってつくだけで、いきなり5000円位のワインが1万円以上(年代によってとても高いものも含みます)に跳ね上がります。
味に自信のある方や是非、本物の良いワインを飲みたい or プレゼントしたい方は、是非以下の信用できるショップで手に入れてください。 -
~バローロを手に入れる~
まずはバローロを生産する中心の村、バローロ村の人口は、700人ほどの小さい街です。
街の中心にはバローロ城があります。この城は10世紀に建てられた城で、13世紀にはファレッティ家と言われる資産家がこの城に1864年まで住居を構えていました。
19世紀には学校機関として利用され、1970年には村が買収、そして2010年にその中を改装して『ムゼオ・デル・ヴィーノ・ア・バローロ Museo del vino a BAROLO(バローロ博物館)』に生まれ変わりました。
この博物館では城の歴史や、ワインを取り巻く環境などを展示したパネルや参加型アトラクションなどがとても華やかに展示してあり、ワインを知らなくても楽しめる構成になっています。
この博物館の地下には公設の「エノテカ(ワインショップ)」があり、ワインの販売だけではなく、(必ずではありませんが)試飲できるスペースも併設しています。
日本にも進出している「エノテカ」なので、安心です。
Google Mapで「Enoteca Regionale del Barolo」で検索すると、ダイレクトに出てきます。 -
ちなみに、マンボウのお城が泊まった、ヴェルドゥーノ Verduno★にも、宿のおばさんに紹介してもらった「エノテカ」がありました。丘の上に登ればすぐにわかります。
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ぶどう畑が堪能できるよう、このB&Bは、ちゃんとテラス付きだったので、朝早く起きて、朝日の写真を撮りました。増感しているので明るく写っていますが、実際はかなり暗い状態でした。
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テラスから丘の上から上がる朝日が見えました。
とても感動的な宿でした♪
全てが、おススメです! -
~バルバレスコを手に入れる~
バルバレスコは、バローロ同様、人口600人程度の小さくて静かな街だそうです。
先述の通り、マンボウのお城は、昨日の夜、大量にワインをいただいた上で、本日、バローロを手に入れたことで満足し、ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレに向かいました。
ということで、バルバレスコが手に入るショップは行ってないので、ご紹介できません。
知ったかぶりは、皆さんを困らせることになるので、勉強した正しい情報だけで、よしとして下さい。 -
朝食は、欧州では至って普通でした。
少々、期待しすぎていましたが、ごく普通のフルーツ、トースト、シリアル、ジャム&バター&チーズ、コーヒー&ケーキってところです。 -
家に帰って、バローロを飲んだ瞬間、バルバレスコも手に入れておけば良かったと、後悔先に立たずだったことをお伝えしておきます。
きっと、エノテカであれば、両方買えたのかもしれませんが、ご説明した通り、その場所で手にすることが重要だということなので、是非、もう1日追加して、両方行かれることをおススメします。 -
ここが、紹介してもらった、とても感じの良いエノテカです。
あーでもない、こーでもないという意見に長い間、耳を傾けてくれて、良質のバローロを2本選びました。 -
ここで、試飲やバルのように簡単な食事ができます。
-
昨日飲んだワインが飾られていました♪
(左側の棚の一番右と右側の棚の合計2本です) -
私は、再度トリノに行くつもりなので、この2つの小さな街に最低5泊して、美味しい食事とともに、飲みつぶれたいと思っています。必ずリベンジしま~す♪
その時は、ご紹介したグリンザーネ・カヴール城にも行きます。カヴール城内部は、ワイン展示場及び博物館もあり、また様々な催しも行われるそうで、いかにも楽しそうですネ♪ -
長い間、アドバイスしてくれた店員の方です♪
オーナーではないそうです。
前に置いているのが、買った自分たち用のお土産ワインです♪
いろいろ悩みましたが、やはりおススメにしました。
(とても高いお酒も、テイストはあまり変わらないらしく、とても高い理由は、それなりのお祝いに持っていく時に使用するためだそうです。もちろん、多少高いだけのことはあるそうですが…この辺が微妙だったので、悩みました)
では、これから【ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)】へ向かいます。
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