2020/03/27 - 2020/03/29
20位(同エリア73件中)
群青さん
この旅行記スケジュールを元に
旅の3日目は朝から生憎の天気。
テレビの天気予報では関東から福島あたりまで既に雪が降り始めているという。
まだその時間帯、松島は雨が降ったりやんだり状態だったので、ほぼ予定通りの行程で国道6号線を南下し始めたが・・・
雨はやがて雪へと変わり。
結局、予定の半分ほどで旅を切り上げ、家路に着くことに。
きっと、天気には敵わないのだから、無理せず安全策を取りなさい!
って事なのでしょう。
過去の東北の被災地を巡る旅の変遷はこちら
*2013秋・東北の旅
https://4travel.jp/travelogue_group/26833
(仙台→雫石→盛岡→宮古→陸前高田→南三陸→石巻)
*2017夏・みちのくの旅
https://4travel.jp/travelogue_group/10868
(仙台→平泉→花巻→盛岡→宮古→岩泉→田野畑→三沢→八戸)
*2018GW宮城三陸旅行
https://4travel.jp/travelogue_group/10866
(南三陸→気仙沼→陸前高田→気仙沼→女川→石巻→松島→仙台)
*平成最後の東北旅
https://4travel.jp/travelogue_group/15622
(気仙沼→釜石→北上→大船渡→気仙沼→登米→福島)
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
2日目の宿をチェックアウトし、三陸道松島海岸ICから高速に乗る。
そのまま常磐道まで南下し、仙台空港ICから一般道に。
9年前のあの日、津波が仙台平野を何度も洗うが如く押し寄せていったあの光景が未だに鮮明に思い出される。
仙台空港周辺は、新たな建物が見受けられる一方で、とりあえず瓦礫だけは撤去したが再利用はされないみたいな様相の場所が目立つのに驚いた。 -
雨の降る中、仙台空港から貞山堀を越えて海側へと車を走らせる。
それはすぐに分かった!
何故ならば、明らかに異様なその建物以外、周囲には何もないんですもの・・・
正面からの家構えはとても立派。
が、しかし、建物右半分が裏側まで抜けて見えてしまっているのはどうして? -
建物の側面に。
明らかに北東方向から激しい衝撃を受けて破壊されたとしか見えない様相。
ここは一体何?
と思われる方もいらっしゃいますよね? -
実はここ、鈴木英二邸という震災遺構。
「仙台空港から歩いてこられる震災遺構」としても有名らしく、以前から存在こそ聞いていたものの訪れたのは初めて。
鈴木英二さんという方は、仙台空港周辺で広くパーキング業を営んでいらっしゃる方。
戦後、実父がこの地域に移住し、農地開拓を行ったのだという。
非常に立派な家構えな訳がわかります。 -
かつて門があったあたりには小屋が敷設されて、こうした案内看板が飾られている。
1枚1枚の写真を丁寧に見ていると、どういう状況で津波被害に遭ったのかよく理解でき、迫力に胸が詰まる思い。 -
建物に近寄って、内部を撮影。
これだけ立派な柱を使い、しっかりとした家だったからこそ、破壊の程度がこれで済んだのだな!という事実に驚かされる。
周辺には鈴木英二邸以外、他の建物が何もない事がそれを証明しているかのよう。
個人の邸宅を、こういう形で遺構として保存し、自由に見学させてくれる心意気に感謝すると同時に、見たこと感じたことを語り継いでいくのが、見学させて貰った者の果たす役割だと痛感した。 -
次にやって来たのは千年希望の丘。
岩沼市にあるこの丘は、震災の津波によってこの地に住めなくなった土地を活用し、海に沿って南北10kmほどの区間に公園を作り園路でつなぐという構想で続けられている復興事業。
それがどんなものなのか知りたくて、見学に来た。 -
今回訪れたのは「相野釜公園」という場所。
車を降りて園地へと進むとたくさんの看板が設置され、様々な角度から震災のことや千年希望の丘の目指す姿などの紹介がされている。 -
一部のエリアは敢えて津波によって被災した姿のまま保存されており、公園周辺もほぼ何もない状態。
-
スマホを使ってQRコードを読みこめば、在りし日のこの地域の光景がバーチャルリアリティーで体感できるのだそう。
-
雨に濡れた公園は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ほぼ人のいない状態。
-
千年希望の丘の、丘の部分は、震災によって生じた瓦礫や土砂が用いられ、沿岸部に15基の丘が作られている。
のり面には数々の樹木を植え、いつかまた来襲するであろう地震による津波の際にこの地域への影響を減弱することを狙って、こういう事業が続けられているのだ。 -
植樹祭には地元の人だけでなく、広く日本中のあちこちからボランティアの方が訪れ、毎年行われているのだそう。
木を植えることが未来の命を育むことにつながる。
あの震災で、津波で蒙った被害から再び立ち上がるのだ!
という岩沼の方々の心意気が強く感じられ、胸が熱くなる。 -
植樹祭の様子。
-
千年希望の丘交流センター。
この日はしっかりと感染対策が取られていて、入場と同時に手指消毒及び住所氏名と連絡先の記載を求められる。
旅の3日目にしてここまで厳重な管理の場所に遭遇し、一瞬面食らうが・・・
時勢柄、仕方あるまい。
ここの展示もさることながら映像が非常にしっかりとした構成で、岩沼という街の姿を知るのに最適な内容だったように感じた。
街づくりの方向性もしっかり根を張り、着実に歩んでいる様を知り、その点にもとても感銘を受けた。
市民と行政、双方の姿勢によって、これほどまでに街づくりって変わるのか!
と驚かされるというか。
30分近く展示パネルや映像を見学し退館。
即座に建物中の窓が開け放たれ、これまたビックリ。
明らかに僕らは「迷惑な珍客」だったのだろう・・・ -
丘の下にあるパネルに描かれているのは「岩沼課長」というキャラクターらしい。
-
平成の天皇皇后両陛下もかつて、この場所を訪れられたようだ。
-
慰霊碑。
-
この形に込められた意義が記されていた。
雨が音を立てて降って来たので退散することに。
この後、国道6号線に沿って南下し始めたのだが、いつしか雨は雪へと変わり・・・
だんだんシャレにならない空模様へ(驚)
つくづく、スタッドレスタイヤをまだ履き替えないで良かった!
と感じる始末。 -
宮城県沿岸部の最南端。
福島県境に接する山元町にやって来た。
目的地はこちら。
「やまもと夢いちごの郷」
到着する直前から、マジでジャンジャカ雪模様。
想像よりもしっかりした造りの建物と、賑わいにビックリ!! -
ここ山元町はイチゴの産地。
いつもの年ならば、この地域のイチゴ農家が観光客相手に「いちご摘み体験」の観光農園が何軒も行われているようなのだが・・・
今年はコロナのせいでそれも中止!
店内はいちごや加工品だけでなく、地元生産の野菜や魚介類、宮城県内の土産物など、品ぞろえも豊富。 -
しかも店内の写真は、他のお客さんを写さない限り、撮影OKで拡散OK!という太っ腹さ(笑)
僕も便乗&応援させてもらいますネ! -
美味しそうなイチゴを箱買い。
車で来たからできること。
車に戻ってから、買い求めたイチゴ大福を頬張る。
甘味と酸味のバランスが絶妙で、美味し!! -
宮城を離れ、福島県内に入った途端、ますます雪は止まぬ状態。
3月29日の陽気とは思えん。
東北侮りがたし! -
休憩&お昼に立ち寄ったのはこちら。
道の駅そうま。道の駅 そうま 道の駅
-
損傷した橋梁の伸縮継手。
津波によって破壊されたもの。 -
折れ曲がり捩れた交通標識。
-
これも同じ。
数点こうしたものがさりげなく展示されている。 -
当時の様子を示す新聞の拡大版。
-
雪が降って寒いので、温かいものを所望。
えび天うどん。
えび天はオーダーしたら揚げてくれたのでアツアツ。
うどんは非常にこしがあり食べ応え十分。 -
この道の駅の看板メニューらしい、青のりコロッケ。
これもオーダーしてから揚げてくれるのでアツアツホクホク。
磯の香りとジャガイモの食感のバランスが良い。
本当はこの先も国道6号線でいわきまで向かう予定だったのだが・・・
天気はヤバイし、大事を取って高速を利用することに。 -
常磐道中郷SA。
中郷サービスエリア 道の駅
-
ここ茨城県北茨城市は、童謡詩人 野口雨情の生誕地。
-
雨に濡れたサクラは花びらを散らせ・・・
-
野口雨情と言えば、イチバン有名(?)なのは「七つの子」。
石碑。
この日、志村けん氏が新型コロナウイルスによって亡くなられたのを知ったのは翌日のこと。
♪カラスなぜ啼くの カラスの勝手でしょ~♪
子供の頃、さんざんドリフの番組で楽しませてもらった世代です、僕は。
まさかこのような形でいなくなるとは・・・
心よりご冥福をお祈りいたします。
今はまさに100年に1度あるかないかという未曽有の有事の時。
いつ終わるのか誰にもわからない、世界規模の感染症に覆い尽くされたこの地球で・・・
日に日に世の中がひりひりするような緊張感を強めていた中での今回の旅。
帰宅して3週間。
とりあえず無事に行ってこられたし、誰にも感染させたりしてはいないと思うが・・・
でも改めて感じるのは、旅を存分に楽しめる世の中というものが、いかにかけがえのない事であるか!ということ。
旅を満喫できるのは、ひとえに旅する僕らを受け入れてくれたり関わってくれる人たちの健康と無事があってこそ。
この先、再び今までのような平穏な日常を取り戻せるのか今は先が見えないけれど・・・
闇が深ければ深い程、暁は必ずやって来ると信じて、今は我慢の時。
当面、旅を楽しむことは難しいだろうけど、時を待ちたいと思います。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
2020春・みやぎの旅+α
この旅行記へのコメント (2)
-
- ひま爺さん 2020/04/21 07:51:42
- 震災の爪痕
- おはようございます
群青さんは以前にも震災の爪痕を
たどる旅行記を投稿されていますが、
再び訪れて当時の爪痕を皆さんに
紹介される。なかなかできない
素晴らしい事だと思います。
時が経てば次第に記憶が薄れますからね。
鈴木英二邸というのはとても頑丈な
建物だったんですね。それをそのまま
残して見学できるのも凄いなぁ。
いちご大福と青のりコロッケ美味そう。
- 群青さん からの返信 2020/04/21 22:07:44
- Re: 震災の爪痕
- こんばんは。
コメントを頂きありがとうございます。
震災の爪痕を辿る旅も今回で5回目ですが、行くたびに復興のかたちが窺えてうれしく感じる一方で、地域間格差もシャレにならないことになっていることに憂いを覚えるのも事実です。
僕にとっての原点は、やはり2013年秋の最初の旅。
南三陸のホテル観洋さんが毎日行っている「語り部バス」に乗車し、いろんな話を伺ったことに強く胸を打たれ、自分なりの関わり方をずっと模索してきました。
鈴木英二邸は以前から行ってみたい場所だったので思い切って訪ねましたが、百聞は一見に如かず!とはこのことだなと痛感させられました。
どちらかというと観光ガイドには載らない場所ばかり選りすぐって出かけたような3日目の旅でしたが、その分、自分にとっては思いもよらぬ衝撃も多く、考えさせられることの多い旅でした。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 2020春・みやぎの旅+α
2
35