2019/12/29 - 2019/12/29
265位(同エリア1339件中)
ぬいぬいさん
愛知県の犬山市にある「博物館明治村」は、明治時代に建てられた建築物や市電、SLなど歴史的に重要で価値の高い構造物を移築復元した野外博物館。
古い建物大好きな私は13年前に訪れ,歴史的建造物を堪能したことがありましたが、久しぶりに明治村に行きたくなって、2019年の最後の旅を愛知県に決めました。
ここは日本で3番目の広さを持つ野外テーマパーク。
自然の地形を生かした明治村はとにかく広くて、じっくり見たら1日では見切れないほどの広さ。
駐車場のある裏口から入ってすべてをサラッと見るだけで結局夕方までかかってしまいました。
久しぶりに見たフランクロイドライトの帝国ホテルや、ザビエルの天主堂など十分堪能できて充実した1日になりました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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私は明治・大正・昭和の初期にかけて建てられた、いわゆる近代建築と呼ばれるジャンルの建物が大好きで日本全国に残る建物を旅先で見つけては見て回っています。
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でも、あちこちに点在しているため、なかなかまとめてみることができませんが、愛知県にある明治村博物館は、明治時代に建てられた建築物や市電、SLなど歴史的に重要で価値の高い構造物を移築復元している屋外型の博物館なので、まとめてど~んと見ることができるんです。
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イチオシ
だから2019年いろんな旅をしましたが、最後の締めくくりの旅先として選んだのが犬山にある明治村でした。
その中でも目的はこちらの建物。 -
フランク・ロイド・ライトの設計した帝国ホテル
大正12年9月1日といえば東京を襲った関東大震災の日
奇しくも帝国ホテルの新館はその日がオープンセレモニーの日でした。 -
周辺の建物に大きな被害が出る中、この建物は被害を最小限にとどめ昭和42年に解体されるまで、世界各国から様々な著名人や政治家たちが宿泊しました。
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チャールズ・チャップリン、ベーブルース、マリリンモンロー・・・
数えきれないほど -
帝国ホテルはフランクロイドライトの設計によるものであることは周知の事実ですが、実はあまり知れていないのは、竣工まで係わっていないこと。
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平等院鳳凰堂をモチーフに設計した帝国ホテルは、ライトが完璧主義者だったこともあり大谷石やテラコッタ、スクラッチタイル、様々な彫刻など数多く取り入れた結果、相当な予算オーバーとなってしまいました。
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度重なる設計変更により工期も大幅に遅れ、ホテルの経営陣としばしば衝突した結果、建築途中で支配人とともに解任されてしまい、完成を見ないままアメリカに帰国してしまいました。
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そのあとを引き継いだのはライトの一番弟子だった遠藤新。結局4年近い歳月を経て関東大震災の当日オープニングのセレモニーを迎える予定でした。
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周辺の建物が震災により崩れ落ちる中、帝国ホテルは大きな被害を受けることなく、東京大空襲における被害にもいち早く復旧し昭和40年前半まで東京を代表するホテルとして各界の著名人たちに45年間利用されてきました。
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しかし建物の老朽化や地盤沈下による影響と、敷地のわりに客室が少なかったことなどを理由に1968年に解体されてしまいました。
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ここ明治村に中央玄関部分が移築復元されたのは8年後の昭和51年のこと。
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こちらは明治19年に建てられた京都の宮津裁判所。
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内部は当時の法廷風景の再現していて、壇上に裁判官と検事、書記が座って、弁護士、被告人は下段に並んでいます。
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階段の上にある八角形の建物は明治40年に建てられた金沢監獄。
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年末に見た網走監獄と同じように、移築されるまでは、八角形の中央看守所を中心に、左右及び正面奥と左右斜め奥に五つの舎房が放射状に配されていました。
なんか見たことがあると思ったらこの中央監視所部分だけは金沢監獄からではなく、網走のものを移築したそう。 -
こちらに移築したのは正門と中央看守所、第五舎房の一部だけ
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独房の様子を再現しています。
ちょっとリアルに中に入って独房で囚人気分を味わうことができます。
でも、あまり味わいたくはないですよね。 -
こちらは明治21年に建てられた前橋監獄の雑居房
衛生対策のためか房廻り、廊下とも全て吹きさらしにして風通しを良くしています。 -
こちらの多角形の煉瓦の建物は、大正3年赤煉瓦の東京駅の開業に合わせて丸の内に造られた派出所
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この石造アーチ橋は明治20年将棋の駒で有名な山形県の天童に架けられた「多嘉橋」
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池のほとりに小さな灯台があります。
広島湾から瀬戸内海への出口の宮島の脇にある小さな島、小那沙美島に明治37年建造された小那沙美島燈台。 -
こちらの煉瓦造の立派な門は、明治40年に造られた金沢監獄の正門
もともとはこの左右に高い塀が回っていましたが、明治村に移築復元されたのは,見かけは美しいものの、閉鎖的でいかめしい雰囲気のある正門部分のみ -
イチオシ
丘の上に建つ白亜の教会は、京都の三条河原町に建っていた聖ザビエル天主堂
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明治村で私が帝国ホテルの次にお気に入りの建物がこれ
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もともとこの天主堂は京都市役所にほど近い、三条河原町にあるカトリック河原町教会として1890年に建てられました。
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イチオシ
13世紀中期のフランスゴシック様式を取り入れ、こうもり天井とも呼ばれるリブ・ヴォルト天井になっています。
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日本に渡来しキリスト教の伝道に努めたフランシスコ・ザビエルを記念して、
明治23年にかつてザビエルがいたことのある京都の地に献堂されたカトリックの教会堂。 -
フランス人神父の監督の下に、本国から取寄せた設計原案に基づき、日本人の手で造られたもの。
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もとの建物の基本構造はレンガ造と木造との併用で、外周の壁をレンガ造で築き、丸い高窓の並ぶクリアストーリーの壁を木骨竹小舞の大壁構造にし、内部の柱や小屋組等を木造で組み上げており、内外の壁は漆喰を塗って仕上げていました。
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でも、こちらに移築した際に躯体は鉄筋コンクリート造にして再建されています。
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ディスプレイされていたウエディング衣装に、ステンドグラス越しの色とりどりの光が落ちています。
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ステンドグラス越しの光
幻想的ですよね。 -
イチオシ
こちらは創建当時のバラ窓当時の尖塔についていた十字架
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現役の教会だと内部は撮影禁止になっているところが多いのですが、ここは写真は撮り放題。
数人のグループによりモデルさんを入れての撮影会が行われていて、後ろ姿だけちょっと撮らせてもらいました。 -
人物が入るとちょっと違った雰囲気になりますね。
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ここ実は結婚式場としても貸し出しされていいるそうで、神父さんを呼んでここで挙式を挙げることができるそうです。
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青空に映える白亜の教会
素敵でした。 -
こちらの建物は長崎の伊王島に建っていた大明寺聖パウロ教会
見た目は教会には見えません。
外観を教会らしくしなかったのはキリスト教禁令の影響を残していることが窺えます。
ちなみに伊王島って人口に占めるカトリック教徒の比率が日本で最も高い地区なんだとか。 -
イチオシ
教会の内部は傘を下から見上げたような「こうもり天井」と呼ばれる「交差リブヴォールト」になっています。
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祭壇の上はこうもり傘の骨そのもののようですね
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身廊から入口を振り返ると、入り口上部が中2階になっていて楽士席になっています。
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祭壇の左右にキリストと子供を抱いたマリアの姿が描かれていてその周りに平仮名の文字が・・・
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天主のたん・・・・ちょっと意味不明・・・
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先端に下がる木彫のボス
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祭壇の右側には再現されたルルドの洞窟に立つマリア像
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こちらは明治26年皇居正門の石橋に設置された飾電燈
日本橋の橋の欄干にも同じようなデザインの飾電燈が今でも設置されています。 -
このルネサンス様式の建物は明治44年、皇居大手門内に建てられた内閣文庫の本館・事務棟。
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内部には常設展示として世界の建築ミニチュア展があり、こちらは帝国ホテル同様フランクロイドライトが設計した旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)
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暖炉もついています
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世界の建築ミニチュア展以外は中はがらんどう
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明治の建物の階段て味があっていいですね。
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イチオシ
正面中央には高さ7m余の4本の円柱と2本の隅角柱が並んで、巨大なぺディメントを受け、その姿は古代ギリシャ・ローマの新殿建築を思わせるデザインになっています。
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こちらは私の昔の職場のすぐそばにあった旧川崎銀行本店。
大正10年に着工して途中関東大震災の影響を受け、6年もの工期を経て昭和2年に竣工しました。
私が見ていた頃は、日本信託銀行の本店になっていて、日本橋高島屋の斜向かいにありました。 -
老朽化のため、昭和61年に解体され、明治村に移築再建されたのは正面左側角の外壁部分のみ。
ルネッサンス様式を基調とした、当時の銀行・会社の本店建築の中でも本格的銀行建築になっています。
日本橋に建て替えられた新しいビルは、旧建物の中央玄関部分や柱のキャピタル部分などを保存再利用し古い建物のイメージを再現したデザインになっています。 -
入口扉の取手も重厚感がありますね。
今でも日本橋に行くと、こんな取手のついた銀行建築の三井本館などの建物を見ることができます。 -
こちらの煉瓦の建物は大正元年に開通した名鉄犬山線の岩倉変電所。
この時代に煉瓦で作られた鉄道施設がまだ全国各地に残っていますよね。 -
入口の扉は閉まっていて中を見ることはできませんでした。
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池の向こうにある鉄骨の橋は、隅田川に架かっていた新大橋
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墨田川には明治の頃五大橋と呼ばれる橋があって、上流から順に吾妻橋、厩橋、両国橋、新大橋、永代橋で、五代橋の中で新大橋が一番新しく明治45年にかけられたものだとか。
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丘の上に建っている大きな建物は、愛知県刈谷市にあった、菊の世廣瀬酒造の仕込み蔵を移築したもの
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入口には杉玉がぶら下がっています。
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最初から酒蔵だったわけではなく、明治の初めに穀物蔵として建てられたものを移築してから酒蔵として使っていたそう。
とりあえずこれで5丁目の建物は見学が終わりました。
次は4丁目に続きます。
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