2020/01/19 - 2020/01/20
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sundy2017さん
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2017年4月、夫婦での初海外旅行として選んだローマ。10日間、存分に食べ歩き・街歩き・名所巡りを楽しんだが、当時は教会や美術館に全く興味がなく、バチカン美術館さえ行かなかった。
その後ヨーロッパを旅するにつれ、教会や絵画などの素晴らしさに目覚め、今回は(2017年10月パリ旅行以来すっかりハマってしまった)アパートに滞在しゆったり教会巡りをすることにした。
今日から2日間はテルミニ駅周辺の教会を巡ります。
最初に訪れるのは
サンタニェーゼ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂
サンタ・コンスタンツァ教会
この二つの教会の中心人物はコンスタンティヌス大帝の娘(孫娘?)コンスタンツァ。バチカン美術館の旅行記にも記しましたが、奇跡的に癩病が治癒したお礼に教会を建てました。これがサンタニェーゼ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂の始まりです。また彼女はこの近くにあったバジリカ(跡地は柵で囲われていて入れません)の近くに自分のお墓を作りました。これがサンタ・コンスタンツァ教会の始まりです。これらの教会は後陣や天井のモザイク画で有名です。
更にテルミニ駅周辺の
サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会:ミケランジェロの設計で建設を開始。
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会:ベルニーニ「聖女テレジアの法悦」で有名。
サン・カルロ・アッレ・クワァットロ・フォンターネ教会:ボッロミーニ設計の天井で有名。
を訪れます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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(1)サンタニェーゼ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂
テルミニ駅からは地下鉄でS.Agnese/Annibaliano下車(バス便もあります)。私達はポポロ広場から89番バスでAsmara/S.Agnese Annibalianoで下車。
迷わず行くポイントは、サンタニェーゼ通りを進むことです。
この通りは緩やかな上り坂で、右手は木々が茂り公園の様に柵がされているのが特徴です。
坂をほぼ上り切った右手に入口があり教会のようなものが見えますので、そこを入り左手を見るとこの教会が見えます。 -
コンスタンツァが4世紀に建てた礼拝堂は、サンタニェーゼ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂と呼ばれるようになりました。
その後、法王シムマクス(498-514)が大改修し、更に法王ホノリウス1世(625-638)が隣のバジリカ(柵がしてあった所)が荒廃したため、教会を全面的に立て替えました。これが今の教会の原型です。
入った途端、壁面のモザイク画の素朴な美しさに圧倒されます。 -
天井は17世紀初頭に作成されました。中央は聖女像。金色に彩色され素敵ですね。
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天蓋付き祭壇
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聖女の立像はフランスの彫刻家ニコラス・コルディエール(1567-1612)作。
祭壇画ではなく彫刻と言うのは初めてです。 -
後陣のモザイク画は7世紀の作品で、この時代の最も素晴らしいモザイクの一つと言われています。中央が聖女アグネス、右は法王シリチウス、左は法王ホノリウス1世(教会の模型を持っている)です。
聖女アグネスは、この地に住んでいたクラジオ家の娘でしたが、時の執政官の息子から結婚を申し込まれたのを、一生をキリストに捧げる決意をしていた為断りました。
怒った執政官が当時の競技場にあった売春宿で裸で働かせようとしたが神に邪魔をされて果たせず、火あぶりの刑も神に邪魔されて果たせず、最後は首を切って殺しました。
その場所は、今のナヴォーナ広場なので、ここにサンタニェーゼ・イン・アゴネ教会が後に建てられたのです。
彼女の遺体はこの場所にあるクラジオ家のカタコンベに葬られ、この教会が彼女に捧げられたのです。 -
聖母マリアの礼拝堂
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祭壇画
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教会を出て真っ直ぐ参道を進み、突き当りを左に曲がれば、サンタ・コンスタンツァ教会に行けるのですが、この時点ではそれに気づかず、一旦サンタニェーゼ道りに出て右折。直ぐに突き当るので右に。教会の裏手を回り込む感じです。
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直ぐに現れるこの門を入ると駐車場。
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駐車場の奥に見えるこの門を潜ると
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この庭に出ます。この奥はカフェかレストランみたいで準備をしていました。
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庭の手前に左に行く道があります
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「聖コンスタンツァ霊廟」の標識があるので間違いありません。
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(2)サンタ・コンスタンツァ教会
綺麗な道を少し歩くとこの教会の裏手に出ました。
この教会は珍しく円形教会です。エトルリア人の円形墳墓をモデルにしたと言われています。この教会はコンスタンツァのお墓が始まりですので、さもありなんですね。 -
祭壇が中央にあり、その上の大きなクーポラを、24本のコリント式柱頭を持つ円柱で支えています。
その円柱と外壁の間が周歩廊になっていますが、このような構造は東方から伝えられたもので、西方で現存するものとしては最古です。 -
クーポラのモザイク画が綺麗
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部分を拡大してみました。キリストに因むものなので、周歩廊天井画とは時代の違うものです。
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祭壇も綺麗だと思います。
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祭壇左部
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祭壇中央
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祭壇右部
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祭壇裏側
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コンスタンツァの棺桶が壁際にありました。
本物はバチカン美術館にあります。 -
参考までにバチカン美術館にあるものの写真です
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この教会の見所は周歩廊天井のモザイク画。4世紀に描かれた作品で、ビザンチン美術の影響を受ける以前のもの。ローマの教会では最古のものの一つと言われています。50セントで明かりをつけると、今まで暗くてよく見えなかったモザイク画が浮かび上がります。興奮の一瞬。
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違う模様が並びますが、全てキリスト教とは無関係なものが描かれています。
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これは動物や天使や人が描かれています。
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農耕の様子ですね
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肖像がモチーフに
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果実と鳥。
教会とは思えない題材です。今でも壁やクッションに使えますね。
余韻に浸り教会を出て前の路を行くと、左側に柵に覆われた古いバジリカ跡がありますが入れません。少し行くと道が右に曲がり正面にサンタニェーゼ・フォーリ・レ・ムーラ教会が。ここから入れば簡単に来られたのだ。
丁度一周回ったことになりますが、木々が多く楽しい小散歩でした。 -
(3)サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会
地下鉄リパブリカ駅を出てすぐ。テルミニ駅からも歩いてすぐです。
今日はこの教会から街歩きを開始し、スペイン広場まで、教会や買い物を楽しみ、予約してあるレストランでローマ最後のランチをする予定です。
法王ピウス4世(1559-1565)が、当時86歳のミケランジェロを工事監督にしてディオクレティアヌス帝浴場跡に教会建築を開始しました。ミケランジェロは教会の平面を浴場の原型を残しながらギリシャ十字形に設計しました。ミケランジェロの死後幾人かを経て、18世紀半ばにヴァンヴィテッリが完成させました。
入口は浴場の壁をそのまま利用しています。扉はポーランドの彫刻家イーゴル・ミトライトが2006年に作りました。
左側の扉は「キリストの復活」。
人間の罪の贖いに十字架で苦しみを受けたキリストの姿が。下部には包帯に巻かれた頭部と手が。これは他の殉教者を現わしているそうです。 -
右側の扉は「受胎告知」
聖母マリア。隠れている反対側の扉には受胎を告げる大天使ミカエルが。 -
ミケランジェロは翼廊を浴場の中央ホールを利用して作る計画でしたが、完成させたヴァンヴィテッリが大幅に改修した為、浴場の趣はありません。
例えば内陣の部分はミケランジェロは壁で塞いで居たのですが、彼は、壁を壊して内陣にしました。また、後陣は浴場のプール跡です。 -
右翼廊奥のアルベガティ礼拝堂。
祭壇画は、1746年エルコーレ・グラツィアーニ作「祝福されたアルベガティによる奇跡」 -
ピエトロ・ビアンキが18世紀初頭に描いた「無原罪」
サン・ピエトロ大聖堂から移されました。
天井のヴォールトはミケランジェロの作品だと言われています。 -
聖ペテロ礼拝堂
2006年にイゴール・ミトライが作成した「洗礼者聖ヨハネの頭部」 -
裏口を出た所にあるガリレオ・ガリレイ像
残念ながら2008年作のガリレオの振り子は見つける事が出来ませんでした。 -
サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会からサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会へ歩いていると人だかりが。
「モーゼの噴水」フェリクス水道の終着点です。 -
(4)サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会
モーゼの噴水から交差点を真っ直ぐ渡るとこの教会。
カルロ・マデルノの設計により1608年に完成。ジェズ教会の基本概念で作られました。三層に分かれた正面はジョバンニ・バッティスタ・ソリアにより1626年完成。 -
17世紀を通じ内部の装飾はバロック風に改修されましたので、教会は小さいのに豪華。
主祭壇。 -
天井画は1675年ジョヴァンニ・ドメニコ・チェッリーニ作「異教徒に勝利する聖母マリア」
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この教会の名前ヴィットリア(勝利)に由来する天井画です。
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「コルナール家の礼拝堂」
ベルニーニが作りました -
ベルニーニ「聖女テレジアの法悦」(1647-1652)
右手に焼けた黄金の矢を持った天使が、聖女の法衣を掴み、まさに今聖女の心臓を突き刺そうとしているのに、テレジアの顔は悦びに溢れているようです。 -
桟敷からこれを見ている4人のコルナーロ家の人々
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反対側にも4人。面白い発想ですね。天才と言われる人は発想が豊かですね。
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反対側に似たような祭壇がありますが、調べても情報がありません。あるブログでは、まがい物と、写真も載せてもらえない扱いでした。
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サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会を出て、交差点を今迄の道とは直角に渡り、クワトロ・フォンターネに向かいました。
クワトロ・フォンターネ交差点にある4つの彫刻
「ローマを流れるテヴェレ川」 -
「フィレンツェを流れるアルノ川」
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「女神ダイアナ」
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「女神ジュノ」
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(5)サン・カルロ・アッレ・クワァットロ・フォンターネ教会
ボッロミーニにより1638年建設が開始されました。建物正面は1664年に建設が開始されましたが、1667年にボッロミーニが自殺した為、甥が1682年に完成させました。正面が平面ではなく波打っているのが斬新ですね。正面の彫像は、真中が聖カルロ・ボッロメオ、左右の像は三位一体修道会創立者のマーサの聖ジョバンニ・ヴァロイーズの聖フェリックスです。 -
この教会の内部は、サン・ピエトロ大聖堂の中央クーポラを支える柱の一本の床面積と同じ広さだそうです。狭いというべきか、サン・ピエトロ大聖堂クーポラの柱がでかいと言うべきか。
今迄の教会の様に単純な平面ではなく卵型です。周りの柱も波打つように主祭壇に向かっていきます。ボッロミーニという人もすごい人ですね。 -
祭壇画はピエール・ミグナルド作。
三位一体修道会創始者の二人と聖カルロが三位一体を崇拝している絵です。 -
クーポラも独創的ですね。梁のいびつな曲線・楕円形のクーポラ。
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中央には三位一体修道会のシンボルが置かれ、周りは十字・六角形・八角形が複雑に組み合わさっています。
教会巡りの最後に斬新な教会を見れました。今回見れなかった教会、見たけど見落としたり見れなかったものがある教会、季節の良い時に訪問したい回廊付き中庭・・・・。何回もローマに来たい気分ですが、他にも行きたい所が山ほどあるし、年との勝負になりそうです。
明日はイタロでナポリに行きます。
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