2020/01/16 - 2020/01/16
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sundy2017さん
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2017年4月、夫婦での初海外旅行として選んだローマ。10日間、存分に食べ歩き・街歩き・名所巡りを楽しんだが、当時は教会や美術館に全く興味がなく、バチカン美術館さえ行かなかった。
その後ヨーロッパを旅するにつれ、教会や絵画などの素晴らしさに目覚め、今回は(2017年10月パリ旅行以来すっかりハマってしまった)アパートに滞在しゆったり教会巡りをすることにした。
アパートは交通の便が良く前回の旅行で熟知しているポポロ広場に確保(広さ80m2、エレベータ・洗濯機・食洗機・バスタブ付き、オーナーはすぐ近くに住む日本人のような気配りをする素晴らしいイタリア人)。
3日目の今日はバチカン美術館。一番の9時予約ですが、ネット情報で早く行っても入れるとの事なので、少し早く着く様にアパートから地下鉄で。予約していない人の横を進んでいくと直ぐに切符売り場。セキュリティチェック・オーディオガイド貸出と、ところてん式に進み入場。
どのように回るかは、熟考の上、然るべき所をしっかり見るコースに。
(1) 絵画館(ピナコテカ)
(2) キャラモンティ美術館
(3) ピオ・クレメンティーノ美術館
(4) 燭台のギャラリー
(5) タペストリーのギャラリー
(6) 地図のギャラリー
(7) ラファエロの間
(8) システィーナ礼拝堂
(9) バチカン図書館の回廊
(10) ジュゼッペ・モーモの螺旋階段
その後一旦外に出て,調べておいたレストランでしっかり食べ疲れを取り、再度並んでサン・ピエトロ大聖堂を見学することにしました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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(1)絵画館(ピナコテカ)
ナポレオンにより略奪された多くの作品が、ウィーン会議で返還が決まり、ルカ・ベルトラミの設計で1932年に建てられました。
多くの貴重な作品を目にする事が出来、バチカン美術館3大スポットの一つと言う前評判に従い一番に入場しました。
ジョット作(1330年代) ステファネスキの祭壇画 -
ジョット作(1330年代) ステファネスキの祭壇画
サン・ピエトロ大聖堂の主祭壇を飾るために、枢機卿カエターニ・ステファネスキの依頼で制作された板絵です。左側は「聖ペテロの磔刑」右側は「聖パウロの斬首」中央は勿論キリストです。 -
フィリッポ・リッピ「聖母の戴冠と天使・聖人・寄進者」
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メラッツォ・ダ・フォルリ「奏楽の天使」(1480年頃)の左側
ローマの聖アポストリ教会を取り壊すときに、祭壇壁画に描かれていたフレスコ画の断片をバチカン美術館で保存したものです。 -
中央部
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右側
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半円形の中に祭壇画復元図がありました。
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かわいくて優美な作品ですね。楽器の種類を見るのも楽しい。
よくぞ保存してくれたものです。 -
第6室には15世紀後半の多翼祭壇画が展示されていました。
中央にあり特に大きかった祭壇「聖母の戴冠、十字架から降ろされたキリストと聖人達」
カステッロ・ディ・モンテルパルコにあるサン・ミケーレ・アルカンジェロ聖堂から移されたものです。ニッコロ・ディ・リベラトーレの作品。 -
同室にあって目立った作品
銘板にはANTONIVS DEMVRAO PIXIT作とある -
ラファエロの下絵をブリュッセルで織ったタペストリーが10枚展示されていました。
そのうちの1枚「最後の晩餐」 -
タペストリーをもう1枚。
キリストを中心に食卓に使徒たちが集まった光景が描かれています。 -
ラファエロ「キリストの変容」
この作品がほぼ完成した1520年にラファエロが亡くなりました。37回目の誕生日だったと言われています。従ってこの作品はラファエロの遺作です。
作品は上部と下部で異なる奇跡を表現しています。
上部はキリストが突然光を放ち3人の弟子(聖ヤコブ、聖ペテロ、聖ヨハネ)に神の子であることを告げた奇跡。キリストの左は預言者エリヤ、右は預言者モーセ。
下部は悪霊に取りつかれた少年を救う奇跡。 -
残念なことに、ダ・ヴィンチ「聖ヒエロニムス」は旅行中。
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ベリーニ「キリストの降架」
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カラヴァッジョ「キリストの埋葬」
ローマのサンタ・マリア・イン・ヴァリチェッラ教会の礼拝堂に飾られていた絵です。ヨハネの福音書に登場するユダヤ人ニコデモがキリストの足を抱えている姿が描かれています。
カラヴァッジョらしい表現力に富んだ絵ですね。 -
ヴェンツル・ピーター「アダムとイブ」
動物の描写に特徴がある。
先が長いので駆け足で見たが、内容がありました。日本語のオーディオガイドがあるので、今度はメモを取りながらゆっくり見たいものです。 -
ピナコテカの滞在時間は約45分。
キャラモンティ美術館に向かいます。 -
(2)キャラモンティ美術館
教皇グレゴリウス16世によって創設され、1989年に展示が開始されました。キャラモンティ家出身のピウス7世が収集した1000体以上の古代彫刻コレクションが展示されています。陳列はサン・ピエトロ大聖堂の彫刻も手掛けたアントニオ・カノーヴァが行いました。
とにかくすごい量。長い廊下の両側にこれでもかと並んでいます。
皇帝ティトゥス(西暦79年から81年)
この皇帝の治世下にヴェスヴィオ火山が大噴火しポンペイなどが埋まったのです。その後、ローマの大火が起こったり、イタリアで疫病が蔓延したり、踏んだり蹴ったり。その為か2年後に病死しました。 -
ティトゥスの娘ユリア
目立たない地味な女性であったが、未亡人になって父ティトゥスの下に帰っていた時に、ドミティアヌスと男女の関係になり、妊娠後ドミティアヌスの命令で行った堕胎が原因で死亡しました。ドミティアヌスの正妻との絡みなど、この辺りは面白い所です。 -
皇帝ドミティアヌス(西暦81~96年)
ティトゥスの弟です。
陰謀により暗殺され「記録抹殺刑」にまでなった気の毒な皇帝です。この事件でもローマ元老院の陰湿さが目立ちますね。
知っている人の彫刻に会うと親しみが沸きます。 -
アテナ女神の東部
ハドリアヌス帝時代のもので、パルテノン神殿建設を務めたペイディウスのオリジナルを、ローマ時代に摸刻したものです。 -
ナイル川を擬人化した像。
でかくてひときわ目立ちます。
この像があるということは新回廊がこの日は開かれていたという事か?
この後、ピーニャの中庭を見てからピオ・クレメンティーノ美術館に入りました。 -
(3)ピオ・クレメンティーノ美術館
(3-1)八角形の中庭
八角の壁面に沿って彫刻が配置されています。有名な作品ばかりですが、最も有名なのが、「ラオコーン」。
1505年にローマ・エスクィリーヌスの丘で発見されました。アポロ神殿の神官ラオコーンが、敵国の神の怒りをかったため2人の息子と共に2匹の大蛇に絞殺される姿が表現されています。アゲサンドロス・アテノドロス・ポリュドロスの3人の彫刻家により紀元前2世紀ごろ製作されました。 -
「ベルヴェデーレのアポロン」
紀元前作られたオリジナルを2世紀に大理石に摸刻したものです。 -
(3-2)円形の間
シモネッティ設計。中央に大水盤が置かれ、外周には彫像や胸像が飾られています。大水盤を囲む中央の床には、ギリシャ時代のモザイク画が描かれています。 -
円屋根はパンテオンの屋根とそっくりです。
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(3-3)ギリシャ十字の間
コンスタンティヌス大帝の母「聖ヘレナの石棺」
騎士と蛮族の戦いが描かれています。聖ヘレナはエルサレムから聖遺物を持ち帰りました。 -
コンスタンティヌス大帝の娘「聖コンスタンツァの石棺」
この石棺は聖コンスタンツァ教会(旅行記(6)参照)にあったものです。そちらには今コピーが置かれています。
コンスタンツァは癩病であったが、聖女アグネスの墓に病気の治癒を夜を徹して願っていると、夢でキリスト教に改宗するように言われ、夢から覚めると病気が治っていた。そこで、この墓の上に教会を建てキリスト教に改宗した、という言い伝えがあります。 -
ギリシャ十字の間には、知の女神アテネのモザイク画が描かれています。
これはローマ時代の廃墟の街トゥスクルムの遺跡で発見されたもので3世紀頃の作品です。 -
(3-4)ミューズの間
中央には「ベルヴェデーレのトルソー」が置かれています。
この像はカンポ・ディ・フィオーリ広場で発見されました。
リアルな筋肉美の表現にミケランジェロやラファエロが魅了されたと言われています。 -
天井はトンマーソ・コンカのフレスコ画。
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(4)燭台のギャラリー
アーチで幾つかの部屋に仕切られ、そこに燭台が。この燭台はコンスタンツァ教会やサンタニェーゼ教会(いずれも旅行記は(6)に記します)にあったもの。壁面にはローマ時代に作られたギリシャ時代彫刻の摸刻が並びます。
しかし私たちを魅了したのは天井画の美しさ。
この天井画にはレオ13世の紋章が。 -
これらの天井画は19世紀の教皇レオ13世時代に描かれました。
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燭台のギャラリー天井画
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燭台のギャラリー天井画
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燭台のギャラリー天井画
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側面も絵画で装飾されています。
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大理石の床にはレオ13世の紋章が
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(5)タペストリーのギャラリー
16世紀に、ラファエロの弟子の下絵をブリュッセルで織った10点のタペストリーが展示されています。
テーマは「キリストの生涯」
これはキリストの生誕 -
キリストの生誕を祝っている人々
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知識不足でテーマはわかりません
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(6)地図のギャラリー
入った途端、天井の荘厳さにびっくり。
幅6m、長さ120mのこのギャラリーは、グレゴリウス13世が天文学者イニャーツィオ・ダンティの下絵を元に、1580年から3年かけて作らせたものです。
この天井は、ジローラモ・ムチィアーノとチェーザレ・ネッピアによって製作されました。 -
装飾の合間には、教会の歴史を描いた絵画が描かれています。
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ギャラリー出口上部にある、バチカンの紋章とレリーフ。
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両側の壁面には、この時代のイタリアや教皇領の地図がフレスコ画で40枚もあります。
この絵の表題は「ITALIA ANTIQVA」 -
この絵の表題は「ITALIA NOVA」
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表題は「LATIVM ET SABINA」
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サレルノの名前が右端半島の左側付け根に。
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窓からバチカン庭園が見える
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地図のギャラリーからラファエロの間に向かいますが、工事中のような所をクダクダ歩き、なかなか着きません。
しばらく歩くと、やっと部屋に入りました。
その部屋の天井。 -
ラファエロの間に隣接する大部屋に、1854年12月8日にピウス9世が行った無原罪懐胎教旨宣誓を記念して、1856年から1865年にフランシス・ポデスティが作成した「無原罪懐胎の部屋」 でした。
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正面祭壇と壁画です
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(8)ラファエロの間
(8-1)署名の間(1508年~1511年)
ラファエロが最初に手掛けた最も有名な部屋です。
「聖体の議論」
上層にキリストを中心にする天界が、下方に哲学者たちが集う地上が描かれており、キリストが全ての哲学に勝ることを表しています。 -
署名の間の天井画
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天上の下部のルネットにラファエロが描いた「枢要徳と対神徳」
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「アテナイの学堂」
ラファエロの最高傑作とされています。 -
中央でダ・ヴィンチをモデルにしたプラトンとアリストテレスが議論し、その下ではミケランジェロをモデルにしたヘラクレイトが物思いに耽っています。
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「パルナッソス山」
アポロンとミューズを中心に多くの詩人が集う様子が描かれています。 -
(8-2)ヘリオドロスの間(1511年~1514年)
ラファエロと弟子たちが改修。神と教会の加護がテーマ。
この部屋の天井画。 -
「ヘリオドロスの神殿からの追放」
ヘリオドロスは紀元前2世紀のシリア王セレウコス4世の宰相。王の命令でエルサレムの宝物を奪いに行きますが、突然現れた神の軍勢の前に逃げ帰ります。 -
「ボルセーナのミサ」
1263年、カトリックの教義に疑問を持ったボヘミアの僧侶に起こった奇跡を描いています。 -
「法王レオとアッティラの対面」
452年アッティラ率いるフン族がローマに侵攻した際、レオ1世は停戦交渉の末フン族を撤退させました。実際は飢餓と疫病で撤退せざるを得なかったのだが、これでキリスト教の権威が増しました。 -
「聖ペテロの放免」
天使によって救い出される聖ペトロが描かれています。 -
(8-3)ボルゴの火災の間(1514年~1517年)
ラファエロは「ボルゴの火災」のデザインを行いましたが、残りのフレスコ画にはラファエロは関与せず、弟子達が完成させました。
天井画と「ボルゴの火災」
847年ヴァチカンの近くのボルゴで起きた火災を法王レオ4世が十字を切って鎮めたという奇跡に基づいています。 -
「レオ3世のカール大帝への戴冠」
レオ3世はハドリアヌス1世の後継者でしたが、ハドリアヌス1世に職権乱用の罪で告発されたが、800年フランク王国カール1世の助けで無罪になりました。このお礼としてカール1世を西ローマ帝国の皇帝として戴冠しました。 -
「オスティアの戦い」
849年ローマのオスティア沖でのサラセン人との海戦に大勝しました。 -
コンスタンティヌウスの間は工事中で見学できませんでした。
この後システィーナ礼拝堂に。凄いですが撮影禁止。
何人もの係員が「通路を開けるよう」「写真を取らないよう」叫んでうるさい。
幸い壁際の椅子に掛ける事が出来ゆっくり鑑賞する事が出来ました。
この後、バチカン図書館の回廊を通り(疲労の為写真撮る気力無し)ジュゼッペ・モーモの螺旋階段へ。 -
4時間強の滞在でした。
出口から出てレストランに向かいましたが、入館の為に並んでいる人はいませんでした。
レストランの後サン・ピエトロ大聖堂に行きますが、旅行記は(5)四大聖堂に纏めました。
明日はトラステヴェレにある3つの教会を回ります。
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旅行記グループ 2020年1月 暮らすようにローマ教会巡り
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