冬の松本観光　松本城天守閣からの大展望と氷彫フェスティバル

2020/02/02 - 2020/02/02

今回の信州温泉旅行2泊3日の旅は松本が基点。その3日間の観光とグルメを纏めました。松本を観光するのは2016年以来2度目。その時はお盆という事もあり松本城天守閣は入るのに30分待ちという大行列で断念。まずはそのリベンジ。そしてまだ見逃している松本の観光スポットをタウンスニーカーで周りました。さらに宿を予約した日が偶然「国宝松本城氷彫フェスティバル」と重なり、冬ならではの景観と氷彫を楽しむ事ができました。

1日目　　
松本市美術館で「ラウル・デュフィ展」「草間彌生　魂のおきどころ」鑑賞。併設のサンチームで昼食。その後、路線バスで白骨温泉へ。

2日目
アミジョクで昼食。中町通りを散策し四柱神社を参拝。路線バスで美ヶ原温泉へ。

3日目
松本城へ。「国宝松本城氷彫フェスティバル」を鑑賞。大天守からは360°の大展望が楽しめました。旧開智学校を見学後、そば処種村で昼食。珈琲まるもで珈琲とケーキで締め。高速バスで帰路に着きました。

白骨温泉旅行記（https://4travel.jp/travelogue/11596390）
美ヶ原温泉旅行記（https://4travel.jp/travelogue/11598316）

エリア 松本(長野)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 5.0
• グルメ: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

松本までは高速バスで。新宿発6時05分発、松本バスターミナルへは9時23分着。白骨温泉行は13時30分なので本日は約4時間しかありません。そこで選んだのが松本市美術館。タウンスニーカー東コースに乗るつもりが出発したばかり。なので歩いて向かいます。

松本バスターミナル 乗り物

10分ちょっとで松本市美術館に到着。

松本市美術館 美術館・博物館

どう考えても素通りできない草間彌生「幻の華」がお出迎え。この作品のインパクトは凄い。ただ草間先生には申し訳ないのですが、映画好きの私にとってはミュージカルコメディの佳作「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」を思い出さずにはいられないのですが…。

松本市美術館 美術館・博物館

建物から全て草間カラーで統一。
受付では荷物を預かって頂け非常に助かりました。

松本市美術館 美術館・博物館

まずは現在開催中の「ラウル・デュフィ展」を鑑賞。デュフィ展が見れるなんてラッキーなどと思っていたら、昨年秋にパナソニック汐留美術館で開催していたんですね。全く知らず見逃していました。

松本市美術館 美術館・博物館

館内は一部を除き撮影禁止でしたのでチラシで。有名な「ニースの窓辺」や「黄色いコンソール」も良かったですが、この展示ではテキスタイルが充実。私のイメージとは全く違う、「ジャングル」、「仔像」、「蚕」などがあったかと思うと「ヴァイオリン」や「ダンスホール」のような素敵なものまで。見応えありました。相方も予想していなかったようで大満足。

松本市美術館 美術館・博物館

撮影可だったのは特別展示のこの衣装。2010年にパリのシャトレ座で上演された「マイ・フェア・レディ」に衣装デザイナーのアンソニー・パウエルはデュフィのデザインによるテキスタイルを用いて25点の舞台衣装をデザイン。その中の4点が再制作され展示されていました。左から《 サテンの花 》、《 赤い水玉模様 》、《 薔薇と扇 》、《 アネモネとアラム 》。素敵です。

松本市美術館 美術館・博物館

続いて「草間彌生　魂のおきどころ」鑑賞。「大いなる巨大な南瓜」やちょっと変わったところでは「鏡の通路」や「天国への梯子」「ゴッド・ハート」など。ただシルクスクリーン・キャンパスの作品も多く、「幻の華」を超えて印象に残る作品はなかったかな。

松本市美術館 美術館・博物館

さて実は2014年に「デュフィ展」、2017年に「草間彌生　わが永遠の魂」を鑑賞しておりますが、その時展示されていなかった作品も多数あり、見れて良かったです。

鑑賞後、まだ時間があったので美術情報図書室へ。

松本市美術館 美術館・博物館

ここが凄く楽しかった！草間彌生さんの巨大な絵本（画集？）もそうですが、普通の図書館にはないような美術に関する本や絵本がずらり。ゴッホや著名な作家の半生を描いた絵本は今読んでも解りやすく興味深い。相方はここなら1日居れるとえらく気に入った様子でした。松本市美術館へ訪れた際には是非ここにもお立ち寄りを！

松本市美術館 美術館・博物館

昼食は美術館併設のレストラン、サンチームへ。11時30分で一番乗り。

サンチーム グルメ・レストラン

ランチは3種類あり、注文したのは前菜、主菜が選べデザートも付くプリフィクスのＣランチ。前菜、主菜それぞれ別のものをオーダー。
まずはバケット。

サンチーム グルメ・レストラン

前菜①　松本一本葱のポタージュ　　
葱のスープというのが新鮮。甘みと旨味が引き出されていて非常に美味しい。

サンチーム グルメ・レストラン

前菜②　気まぐれシェフのオードブル盛り合わせ
この日はサーモンリエット、サーモンマリネ、ムール貝のキッシュでした。色々食べれて楽しい。

サンチーム グルメ・レストラン

主菜①　本日の魚料理（カンパチのポアレ）　　
これは程よい脂の乗りもあり美味しい。薄味ですが、タプナードの塩分が味を引き締めます。

サンチーム グルメ・レストラン

主菜②　子羊の白ワイン煮込み　　
すごいボリュームでさながら角煮のよう。肉質はやわらかですが、味はまあまあ。

サンチーム グルメ・レストラン

セットのデザートと別注のコーヒー。
昼食後は荷物を受け取り、タウンスニーカーで松本駅へ。

サンチーム グルメ・レストラン

相方が宿で飲むお酒が欲しいという事で松本バスターミナルの地下へ。当初は隣の松本のおみやげやで購入するつもりでしたが並んでいるのは（一部のワインを除き）300mlビンばかり。

隣のデリシアには720mlビンが並んでいました。購入したのは大雪渓酒造の「大雪渓　純米吟醸」
この後、13時30分発の路線バスで白骨温泉へ。

ここからは2日目。松本バスターミナルには12時過ぎに到着。駅前のバス停近くに何かあるなと思い見ると「国宝松本城氷彫フェスティバル」看板。ヘ～、そんなイベントがあるんだ。明日松本城に行くのでじっくり見てみましょう。

そして駅前には「国宝　旧開智学校校舎」の氷彫。私は存じませんでしたが、氷彫刻界のレジェンド、中村順一さんの作品。まだ写真でしか見た事がありませんが、見事に再現されています。

まずは昼食を食べに。タウンスニーカー東コースで龍興寺バス停で下車。交差点すぐにあるアミジョクへ。ところが入口に貼り紙があり「本日のランチは《 都合により 》終了しました」と。えー！ただマフィンと飲み物は頂けるという事で入店。

アミジョク グルメ・レストラン

頂いたマフィンは3つ。ビターチョコレート・バナナ＆ココナッツ（右上）、信州リンゴ・シナモン＆クリームチーズ（左下）、ラ・フランス・有機アールグレー＆フロマージュクリーム（右下）。まわりはサクっとして中はしっとり。非常に美味しいマフィンでした。一つが大きく2人で3つで十分お腹一杯です。
　

アミジョク グルメ・レストラン

美ヶ原温泉行のバスまで少し時間があるので、中町通りを散策。
こんな古い手押しポンプが残ってるんですね。まだ現役なのかな。

中町通り 名所・史跡

中町通りと言えば漆喰で作られたなまこ壁の土蔵。

中町通り 名所・史跡

そしてこういった蔵が現在も残っています。こういうレトロな街並みがいいんでしょうね。2016年にはかり資料館を見学しましたが、興味深いものが見れたのでお時間をある方は是非。

中町通り 名所・史跡

女鳥羽川を渡り、

女鳥羽川 自然・景勝地

四柱神社へ。

四柱神社 寺・神社・教会

御祭神は天之御中主神、高皇産霊神、神皇産霊神、天照大神。名前の通り、四柱の神をお祀りしています。

四柱神社 寺・神社・教会

参拝。

四柱神社 寺・神社・教会

この四柱神社横の松本城大手門桝形跡広場にも氷彫が展示。若手氷彫作家の作品です。これは鯨でしょうか。

日差しが強く、ユニコーンの足は溶けて折れています。左は鷲？

草間カラーのタウンスニーカーで松本駅へ。
14時15分発の美ヶ原温泉行のバスに乗車したのですが、四柱神社の横を通ったので結果的には松本駅まで戻る必要ありませんでした。

タウンスニーカー 乗り物

ここからは3日目。美ヶ原温泉からバスで松本バスターミナルに9時26分着。以前はなかったコインロッカーがあったのでここに荷物を預けます。

松本バスターミナル 乗り物

タウンスニーカー北コースで松本城へ。太鼓門。

文禄4年（1595)頃築かれ、石垣の上に太鼓楼が置かれ、時、登城、火急の合図の発信源として重要な役割を果たしていた門になります。

門の角にある玄蕃石。井深にある巨石を石川玄蕃頭康長が石の上の乗り城まで運んだ際、不満を言う者の首を撥ね、その首を槍で刺し高く掲げ大声で号令を掛け引かせました。そしていつの頃からかこの石の事を玄蕃石と呼ぶようになったそうです。恐ろしい話ですねぇ。

松本城公園は「国宝松本城氷彫フェスティバル」で大賑わい。調べてみると、この「国宝松本城氷彫フェスティバル」は今年で34回を数えるそう。世界大会として６カ国の選手が競い合う「ワールドチャンピオンシップ」などもある有名な大会なんですね。舞台があり、和太鼓やダンスも披露され皆楽しそうでした。

国宝松本城氷彫フェスティバル2024 祭り・イベント

すべての作品は紹介できませんがいくつか。
左上　作品名分からず。　右上「強く美しく」F.O.L.チーム
左下「Sail fish」鶴見氷彫刻 Jチーム　
右下「夢の…！」軽井沢プリンス・万平ホテルチーム

国宝松本城氷彫フェスティバル2024 祭り・イベント

左上　銀賞「静と動」長野氷彫クラブ　　
右上　「飛躍」鶴見氷彫刻Aチーム
左下　金賞「ファミリー」平田・中寺チーム　　
右下　「ユニコーン」近藤・藤原チーム
何れ劣らぬ作品ばかり。

国宝松本城氷彫フェスティバル2024 祭り・イベント

ずらりと並んだ氷彫作品の後ろに松本城。いやあ～絵になります。

国宝松本城氷彫フェスティバル2024 祭り・イベント

そして内堀から見た松本城と北アルプスが圧巻！松本市民はいつでもこの景色が見れるなんて羨ましい限り。

常念岳と、左肩から槍ヶ岳の頭がひょっこり。平地からでも槍ヶ岳が見えるんですね。

黒門から城内へ。

松本城。耐震工事の足場が少々景観的には残念ですが、風格があります。さすがに今日は並ばずに天守閣へ。

国宝松本城 名所・史跡

天守内には鯱瓦（しゃちがわら）、甲冑などの展示。鉄砲蔵には松本市出身の故赤羽通重・か代子夫妻が寄贈した141挺の火縄銃と兵装品のうち、一部が展示されています。

途中の窓からは埋の橋。上から見るのは新鮮。
急な階段を慎重に登り、

最上階に到着。ここには展望写真が掲示されていました。これは分かりやすい。左上から西→南、左下は東→北の順。欲を言えばもう少し画角の広い写真の方がいいのですが、さて実際はどのように見えるでしょうか。

西側から。北アルプスが遮る物もなく一望。素晴らしい！
少し詳しく見ていきましょう。

北西から。有明山のどっしりとした山容。燕岳は久しぶりに見ました。

大天井岳から常念岳。やはり存在感があります。槍ヶ岳の鋭角な頭も少し。

そうか、美ヶ原温泉から見えていた蝶ヶ岳はここからだと鍋冠山に隠れて見えません。

黒沢山辺りがほぼ真西になります。

そして乗鞍岳。
やはり西側の景観が素晴らしいですね。

次に南側。展望案内図にも中央アルプスとざっくりとした記載しかなく、色々調べましたが、今のところ信頼に足る山座同定した写真が見つけられませんでした。

中央アルプスをアップで。このピークの何れかが木曽駒ケ岳と空木岳のはず。

南東。この辺りは展望案内図の写真を信用して記載。
内堀沿いに氷彫作品が並んでいるのが見えます。

東側。美ヶ原の最高峰、王ヶ頭がはっきり。

北東に見える袴越山の左右の稜線奥で雪を被っているのが焼山と武石峰。

北側には松本市街地が広がり、

旧開智学校、芥子望主山、アルプス公園まで。左端に有明山が見え一周しました。
いやあ～、素晴らしい景観を堪能しました。これだけはっきり見えるのは冬ならではでしょうね。

最上階から下り、辰巳附櫓と抜け月見櫓へ。文字通り月見をするための櫓で、北・東・南の舞良戸を外すと、三方が抜きぬけになります。

周りに巡らされた朱塗りの回廊が他にはない造りです。

外からは五重に見えますが、中は六階。天守三階には窓がない部屋があり戦の時には武士が集まる部屋だったようです。

さきほど中から見た月見櫓。

二の丸御殿跡へ。明治になり筑摩県庁として使われていましたが、同9年（1876）6月19日午前3時半頃出火して全焼したそう。現在は平面復元して看板があるのみ。

次に向かったのは「国宝　旧開智学校」。

国宝 旧開智学校 名所・史跡

明治9年（1876）4月に完成し、90年近く小学校の校舎として使用されていたのだそう。和風と洋風の混ざりあった擬洋風の建物は今見ると逆にモダンで格好いい。

国宝 旧開智学校 名所・史跡

当時の様子が分かる資料が沢山展示されていました。ここは特別展示室で教員控所だったようですが、机が並び教室の様子が伺えます。昔はこういう机に座って勉強していました。その他、興味深い展示が多くありました。

国宝 旧開智学校 名所・史跡

昼食はタウンスニーカーで中町通りまで戻り、そば処　種村へ。

そば処 種村 グルメ・レストラン

注文したのは十割蕎麦。食べ方のお作法があるようで、初めは塩。つゆは2種類あり香りつゆ、甘みつゆの順番。そっと顔を近づけると蕎麦のいい香り。塩で頂くと香りが際立ちます。香りつゆに少し浸して食べると本当に美味しい。甘みつゆは少し合ってない気がしました。そして麺としての食感もあり、好みの問題かもしれませんが旅館すぎもとで頂いたものより美味しく感じました。

そば処 種村 グルメ・レストラン

サービス（？）の十割の蕎麦を太く切ったもの。同じ蕎麦でもこちらはもちもちして、これだけ食感が変わるんですね。

そば処 種村 グルメ・レストラン

中町通りを歩き最後に向かったのは珈琲まるも。モンブランとティラミスのケーキセットで一服。ここは雰囲気がいいので人気店のようです。

珈琲 まるも グルメ・レストラン

帰りも高速バスで。14時20分発に乗車。少し渋滞しましたがそれでも18時には新宿に到着。

これで今年の冬の温泉旅も終了。温泉に入りゆっくりするだけでしたが、非常にいい旅になりました。笹屋、旅館すぎもと、共に良かったのでまた行きたい宿が増えました。

高速バス (京王バス) 乗り物

この旅行記へのコメント （2）

• ねもさん 2020/02/25 08:38:51

  素晴らしい！

  クリント東木さん
  松本城と常念岳、その右奥に槍の穂先が見えている画像は興奮します。いやぁ快晴に恵まれて充実の松本旅行ですね。
  私は山やスキーで数えきれないくらい(ひょとしたら100回近く!?)松本は通過していますが、途中下車して歩いたのは４～５回(いずれも１日)かなぁ。さすがに、松本城、旧開智学校、市美術館は訪ねましたが。
  城からの北アルプスがまた最高です。詳しい解説ありがとうございます。燕岳は登ってみるととても良い山ですが、こうしてみると百名山に選ばれなかったのも頷けます。
  
  春の低山歩きにも行かれるのでしょうか？　また楽しみにお待ちしています。

  クリント東木さん からの返信 2020/02/25 23:21:50

  いつもありがとうございます。

  　ねもさんへ
  
  　こんにちは。いつも丁寧なコメントありがとうございます。私も松本は通過ばかりで観光したのはまだ2回目（笑）。天気に恵まれ、松本城天守閣からの眺めが最高でした。しかも金網が張ってあるのですが、レンズが出せるよう穴を広げてある所が数か所あったりして。ただこの眺望を見ればそれも納得です。
  
  　冬になってもスキーに登山にと、ねもさんのアクティブさには頭が下がる思いで拝見しております。一昨日、ねもさんが昨年登った幕山に登りました。梅も見頃で楽しめました。ただ現在2月9日登った金時山分を作成中で、ちょっと追われています（笑）
  
  　クリント東木