年末年始らしい事もせずロンドンで博物館・美術館漬け(5)～V&Aからロンドンが舞台のミュージカルへ

2019/12/29 - 2020/01/03

2019-2020の年末年始はロンドンへ。約10年ぶりの訪問です。
断然一人旅派なのに、何故かロンドンは一人だった事がありませんでした。同行者に気を遣いながらの博物館や美術館の見学は、正直結構な消化不良だったので、いつかは一人で、と思いつつ先送りしていたのですが、遂に再訪です。

3日目、元日の後半。
V&Aでどっぷりはまり、この日の夜の予定をすっかり忘れて長居。そのせいで夕食時間がなくなり、海外で食べたら負けと思っていたアレに手をだしてしまいました…。
この旅最後の夜はロンドンが舞台のミュージカル鑑賞で締めくくりです。

エリア ロンドン(イギリス)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 3.5
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

V&Aのジュエリーの展示室。
モダンな宝飾サロンのようなシャレオツな雰囲気。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

博物館なので、色石を鉱物の種類別に分類していますが、その展示もアーティスティック。好き。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

宝石も綺麗ですが、私としてはこのあたりのアール・ヌーヴォーなアクセサリー類がツボ。
特に中央のブローチの曲線…くぅぅ～たまらん！

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

コレも好き～！
貴石でできた根付サイズの動物がらせん状に並べられています。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

根付といえば、日本の展示室には根付コレクションがあります。
根付はヨーロッパで人気が高いようで、他の国でもかなり見る機会が多い。
他に、鎧兜や日本刀、鍔など、定番が満遍なく展示されています。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

着物もそれなりに。
もっと素敵な着物もあると思うけれど…。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

色んな手法が施された硯箱。
着物もそうでしたが、日本人目線だと何でそれ？というチョイスが続きます。
限られたスペースに、満遍なく日本の工芸の技術を紹介しようとしているのかな、作品としてはちょっと焦点がぼけている印象が拭えず。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

この展示室で一番気に入ったのがこれ。
元々の収蔵品である左の宮川香山の花瓶のオマージュを、現代作家の増田敏也さんが創り下ろしたもの。鷹が穴の中の熊を狙っているオリジナルから着想を得て、空爆から逃れる人という形にしてピクセルアート風の陶芸作品が生まれました。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

ここらへんは「Kawaii」を推すコーナーなのですが…。
日本のポップな家電。キャラものの家電とか、野暮ったい掃除機とか、「カワイイ」というより黒歴史な気が。

それより何より、何すか？このだっせえロリは！
この家電の時代だとしても、ゴスロリの子たち、もっともっとエッジが効いていてお洒落だった筈よ!?
こんなだっせぇの日本ですって言われる位なら、マンバとか展示された方がまだいいわ。
V&Aの日本特集は、最近も浮世絵パロとかデコトラとか、キュレーターさんはよく見つけるなぁと思って見ていますが、全体的に垢抜けない感じに落とし込もうとしている感がしてちょっとねえ。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

ちなみにこのピンクの掃除機はダイソン。日本限定モデルとはいえ日本じゃないやん。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

このお部屋には名作や歴史的建造物を型取りして作成されたものが集められています。
コピーですが、型取りなんて現代だったら許されないものも数多ある筈、という意味で貴重。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

トラヤヌスの円柱。トラヤヌス帝のダキア遠征の様子を描いた見事な円柱です。
「ローマ人の物語」で、塩野七生先生が、古代ローマのこの手のレリーフの作り込みの精巧さが、キリスト教時代に入ると大雑把になって行くことを指摘していたのを思い出しました。
２世紀初頭にこの技術とセンスがあった古代ローマ、そりゃヨーロッパを制するわ。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

自分のルールとして、ミュージアムの鑑賞時間は3時間以内、と考えています。
それ以上になるならしっかり休憩しないと脳がオーバーヒートして楽しくないので。
でも、肩肘張らないV&Aだと、多少無理がきいてしまいます。気づくと3時間なんてあっという間に過ぎていました。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

ちょっとだれてくると大好物の展示室があらわれる…の繰り返しで、とうとう最後の大好物。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

ガラス～！
こんなショーケースが壁一面に続いているのですが、規則性が分からない並びが結構あります。溢れるコレクションをまだ整理し切れていないのかも。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

銀化ガラス。沈没船の中で銀化した古代ガラスは見た目も良いしロマンもあって大好きです。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

何故かこの展示室にある、スポードの絵付けの説明。
（そういや大英博物館のレストランのお皿、スポードだったな。触れるの忘れてた。）
布にプリントした顔料を、水を含ませたブラシで皿に転写する手法です。
結構細かい柄も写せるのね。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

いやぁ、だいぶ堪能しました。
おかげで、来たときに利用できた地下道直結の出口は閉鎖され、正面から出てきたのですが、付近の地下鉄の入り口が軒並み閉鎖されています。
お向かいの自然史博物館前の入り口も閉鎖。
実は先のことを考えずに長居してしまったので、早く帰らないと次の予定に影響が出てしまいます。探し回れば見つかったのかも知れませんが、そんな時間はない！

ロンドン自然史博物館 博物館・美術館・ギャラリー

調べると中華街近くを通るバスが博物館の目の前から出ている。
ラッシュ時でちょっと心配だけど、まず動こう！

バスは案の定、ラッシュでノロノロ。目的の場所ではなかったけれど、ピカデリーラインとの接続の停留所で下車し、地下鉄に乗り換え。

ヴィクトリア＆アルバート博物館 博物館・美術館・ギャラリー

もうご飯を食べに行く時間はない。元日だからデパートのデリはない。
どうしようかとホテルに向かって歩いていたら、SUSHI ＆　BENTO SHOP「わさび」発見。
海外の旅先でマックとSUSHI（本格的な寿司ならむしろ食べてみたい）は食べたら負けというよく分からない自分ルールを今回あっさり打ち破り、本日の夕食はこれ。

親の仇のようにぎゅうううううっと握られたべちょっとした酢飯にサーモンを乗せたものと、シーフードサラダの具を酢飯で作った硬い板で巻いた西洋料理、だと思えば、散々下味や旨味がない食べ物ばっかりだったので、何故か美味しく感じる。

この旅の最後の夜は、ミュージカル「メリー・ポピンズ」で締めくくり。
ディズニー映画がベースです。原作の慇懃無礼なメ"ア"リー・ポピンズが好きなのですが、ミュージカルだったら躍動的な映画版の方が映えるのも事実。
中毒性の高い'Supercalifragilisticexpialidocious' など、歌は映画でお馴染みのもの。子供向けの演出が多いのですが、舞台ならではのダンスなど、大人でも楽しめます。
惜しむらくは、チェリー通りいちのやべぇ奴、ブーム提督が全く活躍していない。
一発くらい「ぶっ放して」欲しかったなあ。

プリンスエドワード シアター 劇場・ホール・ショー

エドワード王子劇場を後にします。

プリンスエドワード シアター 劇場・ホール・ショー

劇場からホテルまでは楽々徒歩圏。
旅の間、何往復したか分からないこの道。
明日は最終日。
まあ、明日も出発までまたミュージアムです。

ザ レジデント ソーホー ホテル